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「がんばろう、日本!」国民協議会

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Index
□ 低投票率の構造のまま民主主義を衰退させるのか、
縮退時代の争点設定で、民主主義をバージョンアップさせることができるか

● 低投票率の構造にどう向き合うか
埼玉県知事選が示唆するもの

● 新たな争点設定と、その主体性が問われている

□囲む会(東京9/17)のお知らせ

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低投票率の構造のまま民主主義を衰退させるのか、
縮退時代の争点設定で民主主義をバージョンアップさせることができるか
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【低投票率の構造にどう向き合うか 埼玉県知事選が示唆するもの】

8月25日投開票の埼玉県知事選挙。当初は知名度で優勢とされていた自公推薦候補を破り、国民民主党を離党し「県民党」として戦った大野氏が当選を果たした。マスコミでは「与野党一騎打ち」と評されるが、大野氏は国政政党の推薦を要請せず(県連レベルでの支持)、草の根からの支持を積み上げて猛追した結果だ。既存政党の枠組みでは、埼玉県知事選の教訓は見えない。
「日本再生」482号のインタビューで大野氏は、「無所属県民党」として、永田町の力学や関係に左右されない勝手連的なネットワーク型の選挙に取り組むこと、これはある意味で「壮大な社会実験」ともいえるが、これまでどおりの選挙では十年後に向けた舵は切れない、との趣旨を述べている。

ポイントは、前回県知事選から5・68ポイント投票率がアップしたことだ。32・31という投票率は全国的にみれば「ワースト」の範疇だが、それでも統一地方選、参院選と続いた後の単独選挙で6ポイント弱投票率を上げるには、それだけの県民が投票所に足を運ぶ気になる選挙戦を展開できなければならない。
「投票に行こう」というキャンペーンだけでは―どんなに斬新なキャンペーンでも―、投票率は上がらない。低投票率は「争点の不在(争点隠し)」や「政治不信、無関心」の結果であり、その構造を変えるような争点設定や選挙戦の展開によって、いわゆる無党派層の数ポイントが動き投票率が上がる結果、組織票のウェイトが相対化されることになる。

今回の埼玉県知事選は、その典型だろう。自公推薦候補は参院選のときから参院選候補と二人三脚で活動し、知事選では官邸直結をアピール、業界団体や県議後援会などの組織固めに徹したという。大野氏は上田知事の応援を受け、連日朝から夜まで街頭に立ち、一人ひとりの有権者と目線を合わせて政策を訴え、対話することに徹した。

出口調査によれば、大野氏は▽立憲民主、共産支持層の8割▽国民民主の7割▽社民の6割を固めたほか、自民の3割▽公明の2割にも食い込み、無党派層からも6割の支持を集めた。一方の青島氏は推薦を受けた自民、公明支持層の7割、日本維新の会の6割の支持も集めたが、無党派層は3割にとどまった。

争点設定という側面でも、この出口調査によれば、大野氏に投票した人の6割が「政策・公約」を基準に投票、「支持政党や団体の推薦」が2割で続いたのに対し、青島氏は「政策・公約」「人柄・イメージ」が3割ずつ、「支持政党や団体の推薦」が2割だ。

争点設定というと、「○○に賛成か反対か」とイメージしがちだが、争点は「与えられる」ものではなく「有権者が作る」ものだ(総会 江藤先生提起など参照)。つまり「政策・公約」で判断しようとする有権者に、投票所に足を運んでもらうことができてこその争点設定だ。
その意味で、選挙直前に自民党が多数を占める県議会で急遽特別委を設置した「県庁建て替え」は、自公候補の「公共事業を増やす」公約とともに、「何のために、何に投資するのか」が、有権者からは争点化されたかもしれない。大野氏は「公共事業は必要かどうかであって、増やすことが目的ではない」「県庁建て替えより県民に必要なことがある」と訴えた。

低投票率という現象の背景にある構造――選挙や政治が、くらしの問題と乖離している――に、どう向き合うか。埼玉県知事選の教訓は、この視点から統一地方選、参院選を総括する必要があることを示している。

【新たな争点設定と、その主体性が問われている】

現代の民主主義の死は選挙から始まる、といっても過言ではない。「民主的」な選挙で選ばれた権力によって、立憲民主主義のルールや仕組みが死に追いやられていくプロセスは、先進各国でも繰り広げられている。わが国におけるその起点は、低投票率にあるといってもよいだろう。「安倍一強」を支えているのは、熱烈な支持というよりも、低投票率に表される「無関心」という「空気」だ。

いわゆる「安倍支持の空気」といわれる心象風景は、例えばこういうものだろう。「政治は助けてくれない/だから変わらなくていい」、「だって自己責任でしょ」。あるいは「自分の生活は自分でなんとかするしかない。政治って、それができない人のためのものでしょ」と。くらしの問題は私生活やマーケット・経済の領域で自力で解決することであり、そこに「政治」はかかわってこない。

こうした「無関心」の構造について、総会で江藤・山梨学院大学教授は〝シビル・ミニマム〟を手がかりに、以下のように述べている。(6―9面参照)
60年代、70年代の社会資本の充実(シビル・ミニマム)を求める市民運動は革新自治体を生みだし、投票率も保たれていたが、社会資本がある程度整備され「総与党化」の流れが始まるのと並行して、投票率は低下していく。その背景には、社会資本の適正水準は多様であることから、一定水準以上は個人の選択・責任であるとして「政治」より「私生活」や「経済」の領域が重視されるようになったことがある(脱シビル・ミニマム)。

この自己責任論が新自由主義の下でさらに肥大化し、今日の「無関心」の地層に連なっている。縮退社会に向かうなかで、ここにどのように「新シビル・ミニマム」を争点設定できるのか。そしてその担い手―主体をどうつくりだしていけるのか。これが「ポスト安倍政治」の問題設定である。

争点は自然発生的には浮上しない。例えば参院選で有権者がもっとも重視した政策は年金・社会保障だったが、与党は選挙前の国会審議に応じず、政府は本来なら選挙前に公表すべき、法律で義務付けられた五年に一度の年金財政の検証すら、選挙後に先送りした。権力側は争点を隠す。

また社会保障の財源として議論すべき財政についても、「財政民主主義という観点をあいまいにしているから、消費税も『今は増税する時期か』とか、何パーセントならいいのかという状況論に終始する。これでは争点化できません。
税金は金持ちや特権階級からとればいい、という時代ではなくなった、つまり財政民主主義というときにどうするか。自分たちの必要を支えるために政府を構成し、そのための財源を広く参加して支えるということです。そういうことが全部抜けて、『景気がいいかどうか』、『どの時期に増税するか』だけになっている。『金持ちから取れ』というのは、その裏返しです。増税不要論と先送り論がコインの裏表のようになって、社会の持続可能性という肝心な問題は争点化されないまま―非決定―になる」(戸田代表 総会 10-11面)。

争点は自然に浮上するものではないし、「与えられる」ものでもない。作り出すものだ。誰が? 市民が主権者として。

自己責任論は、一方に「自分の生活は自分でなんとかするしかない。政治って、それができない人のためでしょ」という「無関心」を生み出しているが、他方で「少なくとも自分の人生は自分がオーナーだ」という生き方も生まれている。
レールのない時代、自分の人生は自分が切り開いていくしかない。自分の人生は自分で切り開かなくてはならないからこそ、人間としての尊厳や生存権は社会が、したがって政治がちゃんと保障せなあかんのじゃないかと。

ここから新たな政治との向き合い方―「くらしとせいじ」という再政治化―争点設定をどのようにできるか。
こうした意味での「新シビル・ミニマム」について、高度成長期のシビル・ミニマムとの対比から、以下のようなことがいえるだろう。

ひとつは人口減・縮退社会という価値観の転換。経済も人口も右肩上がりで増えるときの「分配」をめぐるものとは、争点設定の軸がまったく違ってくる。結論を先取りして言えば、経済成長を前提にしたビジョンから、持続可能性を前提にしたビジョンへ、政策思想の軸の転換を伴うことなしに争点化はできない。この点で財政は重要なポイントになる。

もうひとつは多様性。シビル・ミニマムのニーズも適正水準も多様化している。同時に、その供給主体も公的部門だけではなくNPOや企業など多様化している。そのなかで「公的」な役割とはなにか、私的な領域、マーケットで解決できるものはなにか、人々の共同・協働の領域とはなにかを、再定義していくこと。その際には「課題を共有するところに公共は生まれる」ということが、基本的な指針となるはずだ。

そして「誰が」争点設定するのか。
シビル・ミニマムは、第三者が「これが適正だ」と決めるものではなく、市民参加や熟議によって達成されるものであるとされる。新シビル・ミニマムも、多様な市民が主権者として参画することで争点化される。そこでの市民参画は、行政や政治を市民が「下から」動かすというよりも、市民が主体的なアクターとしてかかわっていくことによって切り開かれるだろう。例えばこのように。

「今日社会や地域で起きているさまざまな問題、市民の困りごとは、多岐にわたっています。空き家の問題、バス路線の廃止の問題、公共施設の縮小や維持の問題、ブラック企業や過労死や自死の問題、シングルマザー問題、子ども達の不登校やいじめや虐待など、新たな貧困と格差がますます広がっています。
これらの問題は、これまでの人口が増加して行く右肩上がりの時に制定された制度の外で起きている問題であり、市民が行政や政治にお願いするだけでは解決出来ない問題ばかりです。
私たち市民一人一人が当事者意識をもって、今自分が直面していない問題でも、私の問題ではなく、私たちの問題としてどこまで主体的に受け止め、社会参加して行けるかが、大きなポイントです」

これは埼玉県知事選における大野候補の越谷での個人演説会、司会あいさつの一部。この個人演説会は、従来とはまったく違う市民主導で行われ、六人の市民がそれぞれの当事者性から〝くらしとせいじ〟を訴えた。そこに込められているのは、私や私たちの困りごとは誰かに依存することで解決はできない、市民自身が当事者であり、これからの地域社会の主体的責任者であるということを、選挙という場を通じて可視化していこうという試みだ。

http://www.ganbarou-nippon.ne.jp/diary/diary-now.html

低投票率の構造―消費者民主主義・自己責任・無関心―のまま、民主主義を衰退させていくのか、縮退時代の争点設定―再政治化から民主主義をバージョンアップさせることができるか。ポスト安倍政治の舞台は、このように設定されるだろう。

(「日本再生」484号 一面より)
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□第202回 東京・戸田代表を囲む会
「『支え合わない国』?私たちの税と社会保障」(仮)
ゲストスピーカー 高端正幸・埼玉大学准教授

9月17日(火) 1845から
「がんばろう、日本!」国民協議会 事務所(市ヶ谷)
参加費 同人 2000円 会員 1000円
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□立川市長選
8月25日告示、9月1日投票。四選をめざす現職に、酒井大史・元都議が挑みます。

「つくる。新時代立川!の会」ホームページ

http://www.tachikawa.website/index.html

立川市にお住まいの方、また友人、知人へのお声かけを、ぜひ!
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石津美知子
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Index
□「囲む会」のお知らせ
第201回 8月26日 「自治体の2040年問題」(仮)
山下祐介・首都大学東京教授

第202回 9月17日 「『支え合わない国』?私たちの税と社会保障」(仮)
高端正幸・埼玉大学准教授

□埼玉県知事選 立川市長選のお願い
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第201回 東京・戸田代表を囲む会
「自治体の2040年問題」(仮)
ゲストスピーカー 山下祐介・首都大学東京教授

8月26日(月) 1845から
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参加費 同人 2000円 会員 1000円
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□第202回 東京・戸田代表を囲む会
「『支え合わない国』?私たちの税と社会保障」(仮)
ゲストスピーカー 高端正幸・埼玉大学准教授

9月17日(火) 1845から
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参加費 同人 2000円 会員 1000円
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□第38回戸田代表を囲む会in京都
参院選を振り返る~『2020後』を生き抜く当事者性とは」
8月29日(木)1830~2100
コープイン京都201会議室
参加費1000円(学生500円)
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□埼玉県知事選挙
8月25日投票の埼玉県知事選挙。大野もとひろさんが激戦を繰り広げています。

https://oonomotohiro.jp/

低投票率が予想されるなか、組織票で有利な与党系候補を上回るためにも、
埼玉県内の友人、知人、お知り合いへのお声かけを、よろしくお願いします。

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□立川市長選
8月25日告示、9月1日投票。四選をめざす現職に、酒井大史・元都議が挑みます。

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石津美知子
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メルマガ♯がんばろう、日本! №252(19.7.28)
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Index
□ 「ポスト安倍政治」の問題設定と
その「担い手」(「2020後」を生き抜く当事者性)を
~参院選の総括視点にかえて

● 破局へのカウントダウンが始まった「時間かせぎの政治」
ポスト安倍政治(「2020後」)の課題設定へ

●制度の外からの問題提起
自己責任論の〝終わりの始まり〟になるか

□総会(8/4) 囲む会(東京8/26 京都8/29)のお知らせ

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「ポスト安倍政治」の問題設定と
その「担い手」(「2020後」を生き抜く当事者性)を
~参院選の総括視点にかえて
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● 破局へのカウントダウンが始まった「時間かせぎの政治」
ポスト安倍政治(「2020後」)の課題設定へ

参院選の投票率は48・80パーセント。前回2016年を5・90ポイント下回り、過去最低だった1995年の参院選(44・52%)に次ぐ低投票率となった。
「投票率が低かったのは、政権の『針小棒大』な成果の宣伝にしらける一方、あえて『反対票』を野党に入れるという気分にもならず、投票に行かなかった有権者が多かったためではないでしょうか」(藻谷浩介 朝日7/23)

「年金だけでは老後に2000万円不足」問題もあって、有権者が参院選でもっとも重視する政策として挙げていたのは社会保障だった。しかし「人生100年時代にどう備えるか」という国民の問いや不安に、与党が選挙戦を通じて向き合ったとはいえない。むしろ逆に本来なら選挙前に公表されるべき、法律で義務付けられた五年に一度の年金財政の検証すら、選挙後に先送りした。
「どうなっており、どうなりうるか」という、まともな議論の前提さえ成り立たなければ、選挙は政策論戦の場ですらなくなり、「争点」はただの「勝ち負け」でしかなくなる。低投票率はその結果にすぎない。国民にとって大事な課題や争点は、永田町の外にある。

「有権者に一体何が争点なのか、判然としないままに選挙が行われたことが低投票率のもう一つの原因でした。「政治の安定か、混乱か」「憲法の議論が必要か否か」と問われれば多くの人が「安定」「必要」を選択するに決まっているのですが、「安定した政治で何を目指すのか」「憲法のどこをどのように変えるのか」を語らないままに「国民の大きな支持を得た」と評価すれば、国民の意識との間に乖離があるように思えてなりません」(石破茂・衆院議員 ブログより)

議論を封じる・逃げる、都合の悪いデータは改ざんする、公文書は破棄する、さらには逆らう者には狙い撃ちのように報復するという政権運営は、二度と野党に政権を渡さないことを至上命題としてきた安倍政権の「守り」の姿勢が行き着いた姿だ。
この11月で安倍政権は憲政史上最長の長期政権となる見込みだが、その長期政権の源泉は「衆院選のリセット効果をうまく利用して短い任期を積み重ねた『短期政権型の長期政権』」(牧原出 朝日7/23)というところにある。長期政権にふさわしいレガシーが見当たらないのも、短期間にリセットを繰り返す「やっている」感の演出ゆえといえるだろう。

ただし「やっている」感を演出する材料も、次第に尽きつつある。今や政権末期の求心力を維持するために手札として残っているのは、「解散」カードと「改憲」カードくらいだろう。これに揺さぶられて、永田町のなかのゲームに右往左往するのか。参院選の世論調査でも、安倍政権に一番力を入れてほしい政策は「年金などの社会保障」が38%、「憲法改正」は3%(比例で自民党に投票した人のなかでも4%)(朝日 7/24)。「ポスト安倍政治」にむけた課題や争点は、永田町のゲームの外にあることは明らかだ。

アベノミクスの出口が見えないまま、世界経済の先行き不透明性もあいまって、日本の財政リスクは高まっている。本格的な人口減少社会を迎える「2020年後」は目前だし、その先には、団塊ジュニア世代が高齢者となり始め、人口減少社会がピークを迎えるといわれる「2040年問題」が見えている。長期政権の強みとされてきた外交においても、米中関係の戦略的構造変化をはじめ、これまでの延長にはない諸課題が「待ったなし」だ。いずれも「やっている」感の演出でなんとかなる局面ではない。
「やっている」感を演出する「時間かせぎの政治」は、いよいよ破局にむけたカウントダウンに入っている。その破局の向こうに何を準備するのか。それがこの参院選の総括にほかならない。そしてそのフィールドは永田町の外にある。

●制度の外からの問題提起 自己責任論の〝終わりの始まり〟になるか

今回の参院選では、「ポスト安倍政治」にむけた課題設定の芽も生まれつつある。「2000万円問題」が有権者の関心を集めたのは、それが単に高齢者の問題にとどまらず、日本社会全体に広がる「貧困」の問題と無縁ではないと、多くの人が感じているからだ。それを反映する形で、例えば「最低賃金の引き上げ」を与野党各党が公約に掲げたり、野党からは家賃補助などの住宅政策が訴えられた。住宅政策については、日本では市場を通じた自己責任=持ち家政策が中心で、後は低所得層への福祉対策という意味合い(選別主義)だった。家賃補助は、普遍主義の観点からの住宅政策への転換の糸口といえる。

あるいは選挙前の党首討論では、原発の新増設と並んで「選択的夫婦別姓」や「(同性婚など)性的少数者の法的権利」について、各党首の賛否が問われた。こうしたテーマが、選挙における政党間の争点として浮上したのは、今回がはじめてではないか。
永田町の外からの問題提起が、政治の課題設定につながりつつある。その動きを、より確実なものにしていけるか。

平成という時代は、家族と雇用の標準形が崩れていった時代だ。終身雇用を前提に家族と企業に支えられていた社会保障システムは、非正規労働者の拡大によって崩壊した。セーフティネットのないまま、自己責任論だけが肥大化していった。それに対する異議申し立てをすくい上げたのが、山本太郎氏率いる「れいわ」だったといえるだろう。
重い障害を持った人を議員として国会へ送り込むことで求められるのは、国会のバリアフリー化だけではない。生産性で人間を選別するという新自由主義の発想から「自己責任」とされてきたさまざまな理不尽を、国会のなかにおいても「可視化」することではないか。

一方で平成という時代は、個の多様性への入り口の時代でもあった。既存の制度の外に追いやられた問題が「自己責任」とされる一方で、レールなき時代に「少なくとも自分の人生は自分がオーナーだ」という自己決定の小さき主体性も生まれた。例えばそこでは同性婚と子育ては、こんなふうに「地続き」だ。
「同性婚を認めることによって増えるのは同性愛者ではなく、子どもを育てられる家庭である。そして、「マイノリティでも軽視されない社会に生きている」という安心感である。個を大切にするこの時代、必要なのは「今ある普通」に人を当てはめるよりも、「普通」の幅を広げていくことなのではないか」
(合田文 ポリタスhttps://politas.jp/features/15/article/659)

セクハラサバイバーや聾唖者、保育士などと並んで同性婚を訴えて比例当選した石川大我氏(立憲)が代表しているのは、LGBT当事者だけではなく、「普通の幅」を広げていこうとしている多様な人々だろう。
今回の参院選を、「制度の外」からの当事者の声を政治の課題設定へとつなげていく〝始まりの始まり〟にできるか。

「~ただ、それが旧システムの終わりの始まりになるかは未知数です。投票率は低く、日本では自己責任論が広がり、社会としての連帯感は10年前より後退している印象さえあるからです」(稲葉剛氏 朝日7/23)

自己責任論からのバックラッシュは想定されるが、それ以上に課題となるのは「共同性」の再編/再構築だろう。多様な当事者の声が挙がれば、それがぶつかりあうこともある。「○○ファースト」なら消費者民主主義の延長でも可能だが、当事者の声を受け止めたうえで、「あなたの問題は私の問題でもあり、私たちみんなの問題でもありますね」という共同性へと再編していけるような公共空間を、どうつくっていけるか。

ポスト安倍政治の問題設定においても、共同性の再編/再構築は必要不可欠だ。税の議論がきちんとできない立憲民主主義はありえない。税は「とられる」ものではなく、私たちの必要を満たすために政府を構成する手段にほかならない(財政民主主義)。「私たち」という共同性を再編/再構築できなければ、一方に自己責任論が蔓延し、他方に増税不要論が繰り返され、「2020後」を生き抜く当事者性を失ったまま破局を迎えることになる。

社会的孤立(いわゆる「ひきこもり」)も、自己責任論の行き着いたひとつの姿だろう。最近の大きな事件の影響で、高齢の親が無収入の中高年の子どもを支える「8050問題』「7040問題」が注目されている。ただしここで注意したいのは、「ひきこもり当事者が犯罪に走る」というステレオタイプの俗論ではなく、社会的孤立を個人の自己責任とするのではなく、社会全体で向き合う問題とすることができるか、ということだ。(津田大介「論壇時評 6/27朝日より。)

言い換えれば共同性の再編/再構築という課題は、「2040年」を自己責任の破局のなれの果てとして迎えるのか、「私たちみんなの問題」という当事者性と共同性で向き合えるのか、ということを意味する。「2020後」という問題設定は、その分岐点にそろそろ差しかかりつつあるなかでの時間の使い方ということでもある。

参院選では当初の予想以上に、一人区での善戦がみられた。野党の候補者調整は、16年参院選から数えて二回目。長期政権で「動脈硬化」(牧原 前出)が進みつつある自民党に対し、野党統一なら勝てるという可能性が高まれば、有為な人材も集まってくる。そこで必要なことは、ポスト安倍政治の課題設定の共有とそのための合意形成だ。野党共闘がうまくいったところでは、選挙区の票が比例での政党票の合計を上回っている。

政党の足し算を越えた求心力を、どう作り出していくか。そのためにも個別政策の調整という範疇ではなく、永田町の外、制度の外からの問題提起に応えた、旧来の政治の枠組みに替わる政策思想の軸―共通の土俵を設定したうえでの合意形成が、その内容とプロセスともに求められる。参院選そして統一地方選の総括から、解散カード、改憲カードに右往左往しない軸足を。

(8月4日 総会の議論の方向性として)

(「日本再生」483号一面より 紙幅の関係で紙面ではタイトルの一部を変更しています。)
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第九回大会 第一回総会
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1月6日の第九回大会に基づいて、統一地方選、参院選の総括と、今後の方向について
共有するために、下記のように「総会」を開催します。

第九回大会 第一回総会
8月4日(日) 1000から1800
「がんばろう、日本!」国民協議会 事務所(市ヶ谷)
参加費 無料

戸田代表の提起
江藤俊昭先生(山梨学院大学教授)の問題提起 コメント
討議
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第201回 東京・戸田代表を囲む会
「自治体の2040年問題」(仮)
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8月26日(月) 1845から
ゲストスピーカー 山下祐介・首都大学東京教授
「がんばろう、日本!」国民協議会 事務所(市ヶ谷)
参加費 同人 2000円 会員 1000円
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第38回戸田代表を囲む会in京都
参院選を振り返る~『2020後』を生き抜く当事者性とは」
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8月29日(木)1830~2100
コープイン京都201会議室
参加費1000円(学生500円)

石津美知子
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Index 

□ 参院選を、安倍政治の終わりへの転轍としよう

「2020後」を生き抜くために

●破局を迎えつつある「時間かせぎの政治」 

「『2020後』を生き抜く当事者性を共有する場」としての選挙へ

●「2020後」を生き抜くために

自己責任―今だけ、カネだけ、自分だけ―なのか

「選択―責任―連帯」の社会をめざすのか

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参院選を、安倍政治の終わりへの転轍としよう

「2020後」を生き抜くために

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【破局を迎えつつある「時間かせぎの政治」 

「『2020後』を生き抜く当事者性を共有する場」としての選挙へ】

 7月4日公示、25日投票という参議院議員選挙の日程が、ようやく確定した。各地の選挙管理委員会が「見切り発車」で準備に入らざるをえないほど、選挙日程の決定が引き伸ばされたのは、安倍首相が解散権をもてあそんで「同日選」カードをちらつかせたからだが、逆に言えば、「やっている」感のネタもいよいよ底をつき、「同日選」カードしか手札は残っていなかったともいえる。

 そもそも議院内閣制の下では、衆院選が「政権選択」選挙であるのに対し、参院選は「中間評価」という位置づけになる。安倍政権はすでに六年あまり。「悪夢の民主党政権」との比較ではなく、本来なら与党の側こそが政権の実績を検証可能な形で提示し、評価を問うべきだ。しかし統計の改ざんや公文書の破棄、さらには政権の意に沿わない審議会報告を「なかったもの」にしてしまう政権では、政策の是非や検証以前に、その姿勢そのものを問わざるをえない。

 これは「野党に政権担当能力があるか」、「野党が頼りになるか」という問題ではない。「老後、年金だけでは2000万円不足」とする審議会報告の受け取りを拒否して、「なかったこと」にしても、人々の不安が消えてなくなるわけではない。必要なことは、年金財源をはじめとして現状がどうなっており、これからどうなりうるかについて、検証可能なデータや事実を示し、議論の共通の土台を作ることだ。年金のような、人々の人生設計にかかわる長期的な政策課題については政権選択の争点にしないという政治文化は、こうした共通の土台があってはじめて可能になる。

 しかし安倍政権では、法律で義務付けられている五年に一度の年金財政の検証の公表さえ、参院選後に見送られた。まさに「2000万円問題」の渦中だからこそ、議論の土台として提示されるべきであるにもかかわらず。しかも国会は衆院では3ヶ月、参院では2ヶ月、与党の拒否によって予算委員会が開かれないまま会期末を迎えた。

 議論を封じる・逃げる、都合の悪いデータは改ざんする、公文書は破棄する、さらには逆らう者には狙い撃ちのように報復するという政権運営は、二度と野党に政権を渡さないことを至上命題としてきた安倍政権の「守り」の姿勢が行き着いた姿だ。

 「老後、年金だけでは2000万円不足」とする審議会報告をなかったことにして、「全世代型・社会保障元年にふさわしい通常国会となりました」(安倍総理会見)と言ってみせる「やっている」感の演出は、「時間かせぎの政治」がいよいよ破局にむけたカウントダウンに入っていることを示している。

 問題は、その破局に備える意思や意欲、言い換えれば「2020後」を生き抜く力、当事者性をどうつくりだしていくかだ。安倍政権を支えているのは、50パーセントという投票率。「やっている」感でなんとなく支持されるためには、国民には無関心でいてもらうくらいがちょうどよい。この構造を変えていくためには、選挙を「当事者性を共有する」場にしていくことが必要だろう。

 「うちはそのことを『民意は制度の外、投票箱の外にある』と表現します。投票に行く意思が働かない、『自分事で考えなあかん』という問題提起をする候補者や政党がいないということです。『安倍反対』だけでは、投票に行く50%の中での勝負になる。『制度の外』の民意が見えないことになります」(戸田代表 四面 関西政経セミナー)。

 「武器としての世論調査」(三春充希 ちくま新書)によれば、国政選挙の投票率の崩壊は1990~94年に起きている。その背景として考えられるのが、冷戦崩壊→ソ連崩壊による左右イデオロギーの衰退と、バブル崩壊→日本型雇用を基礎とする社会構造の衰退だ。右肩上がりを前提とした社会の仕組み、それがモデルとしてきた家族や雇用の形態が次第に少数のものになり、「制度の外」にひろがる諸問題は「自己責任」とされるようになる。「無党派」は、こうして形成されてきたといえるだろう。

 「自分事で考えなあかん」という問題提起とは、この「制度の外」にひろがる生活実感と、どのように当事者性を共有できるかということだ。多様な当事者性、多様な生活実感を前提に「あなたの問題は、私の問題でもあり、みんなの問題でもありますね」という共有感や共感を、どうつくりだしていくかということだろう。

 「無党派層を動かすということを考える上で、~中略~強力な表現というのは、別に強い言葉を使ったり大声を上げるということではありません。そうではなくて、それは人の心を揺さぶる言葉や態度ということです。別の言い方をすれば無党派層の一人一人の心を揺さぶる言葉や態度です。~中略~どの党派にとっても自らの表現で無党派層に切り込んでいく候補者をどう活かしていくかはとても大きいです。本当は全ての政治家に自らの表現を放つ態度であってほしいです。借り物の表現は空虚に響くものであるからです。

 無党派層は漠然とした存在ではありません。その市の、その町の、一人一人の道行く無党派が、様々なことに思い悩んでいるはずです。彼ら彼女らと向き合っていますか。その言葉は響きますか。選挙に向けて刻一刻と無党派層が分解していく中、何をすべきだと思いますか? そういうことを自らに問い、自らの言葉を発信してほしいと思います」(三春充希)https://note.mu/miraisyakai/n/n45dd635b6ea7

 多くの民意が「投票箱の外」に置き去りにされたままでは、「2020後」を生き抜く力をつくりだすことはできない。この構造を変えるために、統一地方選に引き続いて、政党や候補者が一方的に政策を示したり、有権者を支持者としてだけ見るのではなく、「『2020後』を生き抜く当事者性を共有する場」として選挙をどうセットするか、という問題設定が必要になる。

【「2020後」を生き抜くために

自己責任―今だけ、カネだけ、自分だけ―なのか

「選択―責任―連帯」の社会をめざすのか】

 今回の参院選は、政治分野における男女共同参画推進法(候補者男女均等法)が成立してはじめての国政選挙となる。女性国会議員比率が世界193カ国中165位という日本の現状は、政治の場が社会の現実とかけ離れていることを端的に表している。この参院選を通じて、社会の多様性とかけ離れた国会の風景をどれだけ変えられるか。ここでも「2020後」を生き抜く当事者性を、どう共有することができるかが問われる。

 家族と雇用の標準形が崩れていった平成という時代は、個の多様性への入り口の時代でもあった。既存の制度の外に追いやられた問題が「自己責任」とされる一方で、レールなき時代に「少なくとも自分の人生は自分がオーナーだ」という自己決定の小さき主体性も生まれた。いいかえれば、消費者民主主義の主体基盤そのもののなかに、「2020後」を生き抜く当事者性をめぐる分岐が、走りはじめたということだ。

 最近、自民党の広告戦略が話題になった。女性ファッション誌とのコラボ、安倍総理と10代のアーティストたちとの共演PR動画、人気ゲームのキャラクターを手がけたデザイナーによるアート広告など。若者や女性にターゲットを絞った広告戦略は、「自分の人生は自分がオーナーだ」という個の時代感をかもしだしている。

 例えば女性誌とのコラボ広告記事には、「いろんな文化が共生できる社会に」「自分らしくいられる世界にしたい」など、漠然とした耳あたりのいいメッセージが並ぶが、現実の自民党は、選択的夫婦別姓や同性婚に反対している。あるいは筋ジストロフィー患者を描いた映画に「考えさせられた」と、出演俳優との自撮り写真を首相のツイッターにアップしているのに対して、「会う相手が違う(当事者に会うべき)」という批判が出るのも当然だろう。

 「自分の人生は自分がオーナーだ」という多様な個の主体性は、確かに生まれつつある。問題は、その「上澄み」のようなものを単なる一時のファッションとして消費して終わるのか、それともレールなき時代に自分のレールを敷くための模索や苦闘、「制度の外」から当事者として声をあげる主体性を伴った多様な個なのか、というところにある。

 前者は自己責任に帰結するだろう。後者は、当事者性も多様だからこそ、「あなたの問題は、私の問題でもあり、みんなの問題でもありますね」という共感を生み出すだろう。これはどんなにすぐれた広告であっても、広告戦略で共感をつくりだすことはできない。(生み出された共感を表現し、伝えることができるすぐれた広告はある。)

 参院選候補者の女性比率は、自民、公明が15パーセント、共産が55パーセント、立憲が45パーセント、国民が37パーセントとなっている(6/26現在)。女性比率だけではなく、「制度の外」からの声を届ける当事者性を持った候補を、各政党がどれだけ擁立しているかも重要だ。それは「時間かせぎの政治」に埋没した国会の風景を変えようとしているか、をはかる指針にもなる。

 そして当事者性が多様であればあるほど、そのなかに共感や連帯を生み出す力が求められることになる。それは、「2020後」の現実に向き合うために不可欠な力にほかならない。

「小泉改革以降いわゆる新自由主義という流れが、何の抵抗もなく入ってきた。そうなると貧困ということも、個人の努力と市場で解決するということになる。いわゆる「自己責任」論です。元々日本では、企業や家庭が社会保障の担い手とされてきたことから、ますます自己責任論が強化された。

最近、経団連が終身雇用は廃止するとか言っていますが、すでに企業は早々と非正規雇用に切り替えて、社会保障の担い手からは降りている。そうなると、貧困も老後の生活保障も子育ても介護も、家族や個人の責任でということが、ますます肥大化するわけです。一方で一人暮らしが多数派になるように、家族形態も多様化しているし、家族だけで暮らしの問題を支えることはできなくなっている。そうなると『自助』それも個人の責任で、ということがますます強調される。

それに対して『貧困は社会的な不正義だ』と言い切れるか。『いや、そうかもしれないが、やっぱり個人の努力が重要ですよね』となるか。『あの会社を選んだのも、自分が選んだのだから』となれば、経営責任は問われないことになる。『老後は個人の資産運用で』となれば、税にかかわる政府の責任は問われないことになる。

『自己責任? その前に自己決定権ではないか』『自治ではないか』という主体性が、どこまであるか。マーケットで解決できる問題もありますが、マーケットでは解決できない問題があるからこそ、政治があるわけです。これは単なる分配の問題ではなくて、租税国家の原則―なぜ私たちは税金によって政府を構成するのか、という問題でもあるわけです。そのためにも受益と負担を生活実感で可視化することが必要で、そこでは自治が決定的に重要だということ。中小路さんの報告にあったアメリカのタウンミーティングも、そのことです。

日本は薩長政権になって以降、中央集権でやってきて、近世まであった自治の主体性は消されてしまいましたが、日本をグローバル資本が一番活躍できる国にします、みたいなことのなかで、ぼつぼつ市場で解決できない問題があるからこそ政治の役割があるとか、決定的な問題は人間の尊厳だとか、そのためにどういう政治の旗を立てるのか、ということが浮上しつつあるわけです」(戸田代表 関西政経セミナー)

選択的夫婦別姓の法制化や沖縄の米軍基地問題の公正で民主的な解決を求める意見書などが、各地の地方議会で採択されはじめている。同性パートナーシップ条例を制定した自治体も増えつつある。

 「時間かせぎの政治」が破局を迎えつつあるなかで、参院選を「2020後」を生き抜く当事者性を共有する一歩としよう。「2020後」の現実に向き合うなかで、立憲民主主義をより鍛えよう。安倍政治を終わりにする転轍は、そこから始まる。

(「日本再生」482号 一面より)

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第九回大会 第一回総会

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1月6日の第九回大会に基づいて、統一地方選、参院選の総括と、今後の方向について

共有するために、下記のように「総会」を開催します。

第九回大会 第一回総会

8月4日(日) 1000から1800

戸田代表の提起

江藤俊昭先生(山梨学院大学教授)の問題提起 コメント

討議

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埼玉県知事選、大野参院議員が出馬を表明

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8月8日告示、25日投票の埼玉県知事選挙に、大野もとひろ参議院議員が出馬を表明しました。

「日本再生」482号(7/1)にインタビューを掲載。

7月4日から21日は参院選のため、県知事選の実質的な活動期間はきわめて短期間となります。

「制度のなか」にとどまらない選挙戦を展開するため、県民党として勝手連的な選挙に挑戦するとのこと。埼玉県内でポスター掲示などに協力いただける方は、下記にご連絡を。

大きな安心、もっとひろがる未来の埼玉の会

048-271-5252

さいたま市浦和区高砂3-17-21 高砂武蔵ビル7階

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お薦めの映画 2本

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■新聞記者

https://shimbunkisha.jp/

森友・カケ、伊藤詩織さん… 安倍官邸の下で実際に起きた出来事をほうふつとさせる

内閣官房vs女性記者の社会派ドラマ。マスコミの忖度が横行するなか、この時期(参院選!)に

この作品が公開される意義は大きい。

女性記者のモデルは、東京新聞・望月記者。内閣官房若手官僚(フィクション)を演じるのは松阪桃李。

6月28日から全国で公開

■存在のない子供たち

http://sonzai-movie.jp/

中東の過酷な貧困や移民の問題を、一人の少年を通じて描く。

3年間のリサーチですくい取った事実に基づく、リアルなフィクション。

誕生日も知らない、戸籍もない少年ゼインが、「僕を産んだ罪」で両親を告訴しようとするに至る

痛切な思いとは。

カンヌ国際映画祭などで高い評価を得た2018年のレバノン映画

7月20日から、シネスイッチ銀座、新宿武蔵野館などでロードショー

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第九回大会記念シンポジウム 報告集

1部700円 (送料300円)

お申し込みは 「がんばろう、日本!」国民協議会

郵便振替 00160-9-77459

ゆうちょ銀行 019店 当座0077459

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石津美知子
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Index 

□ 埼玉県知事選、大野参院議員が出馬を表明

□ 第九回大会 第一回総会のおしらせ

□ お薦めの映画

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埼玉県知事選、大野参院議員が出馬を表明

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8月8日告示、25日投票の埼玉県知事選挙に、大野もとひろ参議院議員が出馬を表明しました。

「日本再生」482号(7/1)にインタビューを掲載。

7月4日から21日は参院選のため、県知事選の実質的な活動期間はきわめて短期間となります。

「制度のなか」にとどまらない選挙戦を展開するため、県民党として勝手連的な選挙に挑戦するとのこと。埼玉県内でポスター掲示などに協力いただける方は、下記にご連絡を。

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第九回大会 第一回総会

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1月6日の第九回大会に基づいて、統一地方選、参院選の総括と、今後の方向について

共有するために、下記のように「総会」を開催します。

第九回大会 第一回総会

8月4日(日) 1000から1800

戸田代表の提起

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討議

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お薦めの映画 2本

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6月28日から全国で公開

■存在のない子供たち

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中東の過酷な貧困や移民の問題を、一人の少年を通じて描く。

3年間のリサーチですくい取った事実に基づく、リアルなフィクション。

誕生日も知らない、戸籍もない少年ゼインが、「僕を産んだ罪」で両親を告訴しようとするに至る

痛切な思いとは。

カンヌ国際映画祭などで高い評価を得た2018年のレバノン映画

7月20日から、シネスイッチ銀座、新宿武蔵野館などでロードショー

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□ 第九回大会 第一回総会のおしらせ

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1月6日の第九回大会に基づいて、統一地方選、参院選の総括と、今後の方向について

共有するために、下記のように「総会」を開催します。

第九回大会 第一回総会

8月4日(日) 1000から1800

戸田代表の提起

江藤俊昭先生(山梨学院大学教授)の問題提起 コメント

討議

同日選はほぼなくなりましたが、

8月8日告示 25日投票の埼玉県知事選挙に、大野元裕さんが立候補します。

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Index 

□ 「2020後」を生き抜くために、私たちはどういう社会を望むのか

  ~人口減少時代の政策思想の軸の転換にむけて

●「制度の外」の声に、どのように近づき、とらえるか

「声をあげたから変わった」という政治的有用感へと、どう結びつけるか

●「2020後」を生き抜くために

 自己責任―今だけ、カネだけ、自分だけ―で逃げ切れるのか

 「選択―責任―連帯」の社会をめざすのか

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「2020後」を生き抜くために、私たちはどういう社会を望むのか

人口減少時代の政策思想の軸の転換にむけて

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●「制度の外」の声に、どのように近づき、とらえるか

 「声をあげたから変わった」という政治的有用感へと、どう結びつけるか

 この夏の参院選を控えて同日選も含めた永田町の駆け引きが始まっている。令和フィーバーやトランプ来日狂騒など、「パンとサーカス」ならぬ「パンなしのサーカス」が連日繰り広げられるのも、その一環ともいえる。この統一地方選で(も)浮き彫りになった事態を直視することなしには、こうした事態に浮き足立つことになる。

 私たちが直視すべき現実は、例えばこのように提起される。

「今日確認する必要があると思っていたことを、まずお話しします。

首都圏では、十名以上落選するような選挙がむしろ普通だったのではないか。場所によって違いますが、一・三倍から一・五倍くらいの競争率の選挙は、首都圏近郊にはざらにあった。そしてそれは特別なことではなくて、大都市とその近郊では激戦の選挙が普通の状態になりつつあると。~中略~

空前の競争率にもかかわらず、投票率は全然上がらなかったところが多いわけです。普通に考えれば、立候補する人が増えれば、その人たちはこれまでの立候補者が訴えてきた以外の人にも訴えているはずです。つまり新たな投票者を開拓できるはずなのに、それが効果をもたらしていない。立候補者数が増えても、票を開拓をする力―有権者に選挙にコミットしてもらう力は上がっていないということです。

立候補者が足りない地方の町村議会の方が、まだ原因――あんな報酬では生活できないなど――は分かりやすいかもしれない。地域によっては、女性が立候補すること自体「ありえない」という感覚がいまだに根強いので、余計に担い手不足になっている。そうなると、生業と議員活動の両立を考えるとか、女性が立候補しやすくするにはどうしたらいいかとか、対策を立てるべきポイントもそれなりには見える。

ところが都市部では専業議員として生活できる報酬はあるし、女性議員も―まだ課題は多いとはいえ―増えている。立候補者数は多いにもかかわらず、有権者に選挙に来てもらえない。これはなかなか深刻な問題だと思います。(意欲を持って出てきた人がいても、それが有権者に響かない構造でもある。)~中略~競争率が上がったにもかかわらず、投票率が上がっていないところの方が、実は難しい課題に直面しているのではないか、と感じます。

 個々の当落を超えて、選挙全体としてこういう深刻な課題に直面していることは、確認しておく必要があるだろうと思います」(廣瀬克哉・法政大学教授 2―6面「囲む会」)。

 今や投票率は国政選挙でも五割、都市部の地方選挙では三割台も珍しくない。過疎地だけではなく、都市部でも無投票選挙区が出現している。このように多くの民意が「投票箱の外」に置き去りにされたままでは、選挙を通じて地域の課題を表出することさえできない。

 選挙を変えるとは、この構造を変えることにほかならない。そのためには、候補者が一方的に政策を示したり、有権者市民を支持者として見るのではなく、「地域の課題を共有する」場として選挙をどうセットするか、という問題設定が必要になる。

 「言い換えれば、選挙を地域の利害や意見の違いを『数で決着つける』場ではなく、さまざな地域の課題が提起され、それらを共有していくための場へとつくりかえることです。公約やマニフェスト、審査員としての構えについても、市民との共同作業を通じて、課題を共有する当事者性を涵養しようではありませんか」(第9回大会 よびかけ)。

 問題の構造は、例えばこういうことだろう。選挙では多くの候補者、政党が「子育て支援」を掲げる。一方で子育て当事者たちは、「これは何とかならないか」「こうしたらいいのに」と思っていても、「言ってもしかたない(伝わらない)」と思っていたり、「どこにどう伝えれば物事が動くのか、ラインがみえない」とあきらめていたりする。しかも選挙の「公約」に並ぶ子育て支援は抽象的なスローガンばかりで、どれも同じにしか見えないので、選びたくても選べない。

 公的なサポートなしに子どもを育てることにはさまざまな困難が伴う、というのが子育て当事者の生活実感だが、その生活実感が選挙での選択―主権者としての一票―と結びつかないまま、「制度の外」に追いやられている。

 子育てに限らないが、こうした「制度の外」に追いやられた生活実感を、どのように社会の問題(自己責任ではなく社会で解決する課題)へと押し上げるか、そしてさらに「制度を変える」プロセスにのせていくか。こうした民主的プロセスの媒介、促進剤になることは、パブリックな存在としての政党や議員の役割だろう。選挙はそうした場のひとつにほかならない。

 多くの人は生活のなかの「困りごと」に直面したときに、政策の当事者としての実感を持つ。しかし政策決定の場が、そうした実感とかけ離れていればどうなるか。

 2016年、「保育園落ちた、日本死ね」という待機児童問題を訴えるブログが話題になった。制度の外に追いやられた声を女性議員が国会で取り上げたとき、制度の中の反応はどうだったか。首相の答弁は「匿名なので(事実かどうか)確認できない」。与党議員からは「本人を出せ」というヤジが飛んだ。

 公的なサポートなしに子どもを育てることにはさまざまな困難が伴う、という生活実感が分からない、分かろうともしない人たちが、選挙公約として打ち出したのが、消費増税と引き換えの幼保無償化。制度の外から上がった声は大きな反響を呼んだため、制度の中にも届いたかもしれないが、アウトプットとして出てきたのは、誰がこんなものを望んでいるのかという政策だった。

 無償化といっても、厳密には無償化の範囲には制約がある。しかも保育料は元々所得に応じて決まっているので、無償化の恩恵が相対的に大きいのは高い保育料を払っている(所得の高い)世帯である。そして何よりも子育て当事者が望んでいるのは、無償化ではなく全入であり、そのための保育士の確保・待遇改善などの施策だ。

 さらに子育て支援策の現場を担う自治体にとっては、国がおしつける無償化の財源を一部負担するために、自治体独自の施策の財源を削って、それに充てなければならないことになる。子育て支援と一口に言っても、地域によってニーズも課題も異なる。それに対応して工夫されてきたはずの自治体独自の施策が、国から押し付けられた全国一律の政策によって制約されることにもなりかねない。自治体によっては子育て支援よりも優先度の高い施策がありうるが、その財源を削らなければならないかもしれない。まさに地方自治―自己決定権の侵害にほかならない。(第九回大会 パネルデイスカッション 松本・和光市長 参照)

 そのうえ待機児童問題の反響に慌てて打ち出された支援策が、規制緩和による企業主導型保育事業(付け焼刃で箱だけ増やす)だったり、あろうことか「子連れ出勤」への補助金ときては、「何を言っても伝わらない」と絶望的な気持ちになるのも当たり前だろう。

 制度の外の声に反応する、あるいは政策の受け手(当事者)との関係性―実態とのズレも含めて―を実感を伴ってとらえることができるのは、国政ではなく地方自治の現場だ。ここでこそ、生活実感と政治・政策決定が絶望的に乖離している構造を変えなければならない。

「特に小学生や、もっと小さいお子さんを育てている世代では、政策によって支えられないと子育ては厳しい、というのは当たり前の現実ですが、それ以外の世代にはその切実感がない。現実がどうなっているかも見えていない。~社会を維持、再生産していくために不可欠な政策領域に、どれだけの資源をつぎ込まなければならないかという現実認識がないまま、やっているわけです。

小学校には待機児童はいません。義務教育だからです。では学童や保育所にはなぜ待機児童が出るのか。政策を判断する時の優先順位の高さ、(義務教育と同じ程度に)必要なだけ確保することがなぜ必然でなければならないのか、という認識がズレていたからです。

財源が云々と言いますが、ハッキリ言えば増税すればいいんです。日本社会の国民負担率は、先進国のなかでもアメリカを除けば圧倒的に低い。低い負担と必要なサービスとのギャップを、どうやって埋めているかといえば借金です。あえて言えば、もっと借金することもできる、それが望ましいかどうかは別として。借金してでもやるべきだという認識がなかっただけの話です。

政策による公のサポートが確保できなければ、個々人のレベルでは、子どもを産まないという選択をしてしまう。『産めよ、育てよ』と国が旗を振るのはおかしい、という感覚は分かりますが、じつは『産めない、育てられない』という風潮に向けて国が旗を振っているわけです、無意識のうちに。その結果、他の多くの国にはあった第三次ベビーブームを日本では起こさせなかった。

これが政策の結果なんだという反省へのとっかかりが、国政の中で出てくる可能性は低いと思います。他方で自治体は、政策の受け手とその政策の関係性についての切実さとか、何がないからこういう選択になるのか、ということを実感できる現場がある」(廣瀬先生 前出)

生活実感に根ざした優先度の高い政策領域をめぐって、候補者と支持者あるいはそのメッセージが伝わっている層(政策の当事者)との実感をめぐる相互関係を、どこまで作り出すことができるか。選挙を通じて、そうした「制度の外」の声をとらえることができるなら、選挙後は任期を通してその関係性どう持続し、再生産していけるか。議会審議への参画などを通じて、「声を上げればこう変えられる」という政治的有用感へとどう結び付けていけるか。市民の側も「私の困りごと」を議員を通じてなんとかする、ではなく「市の課題、社会の課題として提起し、解決にむけて合意形成するのが議員の仕事だ」というところへと押し上げていけるか。

 地域や社会を維持・再生産していくための、民主主義の持続可能性が問われている。

●「2020後」を生き抜くために

 自己責任―今だけ、カネだけ、自分だけ―で逃げ切れるのか

 「選択―責任―連帯」の社会をめざすのか

~以下「日本再生」481号一面へ続く

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Index 

□ 立憲民主主義の主体形成はどこから始まり、

  どのようなたたかいのなかで鍛えられるのか

  ~統一地方選の総括にかえて

●統一地方選 概況

●「地域の課題を共有する場としての選挙」への糸口は見えたか

●民主主義のセキュリティホールはどこに生じるのか 

 立憲民主主義の主体形成のためのたたかいは、どこから始まろうとしているのか

□ 囲む会、関西政経セミナー(統一地方選の総括)ご案内 ほか

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立憲民主主義の主体形成はどこから始まり、

どのようなたたかいのなかで鍛えられるのか

~統一地方選の総括にかえて

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【統一地方選 概況】

 今回は、統一地方選の総括論議にむけて、いくつかの論点を提起してみたい。まずは概況から。

●知事・指定市長、道府県議会、指定市議

 統一地方選前半は11知事、6指定市長、41道府県議、17指定市議の選挙が行われた。知事選では与野党対決となった北海道で自公が候補が当選。知事・市長クロス選挙となった大阪では、大阪維新の会が知事、市長とも制した。

 道府県議会では、自民党がほぼ前回並みの議席を獲得、議席占有率は40パーセント。立憲は改選前議席から30以上伸ばしたが、国民は改選前の142から大幅に減らし、両党をあわせても改選前の民進党議席を割り込んだ。大阪府議選では、大阪維新の会が51議席と過半数を確保した。

当選した女性は237人で全体の10・4パーセント、6道県議会で女性議員が減り、都道府県議会全体では、女性議員が一ケタの議会は40に上る。

●市区町村長、市区町村議会

 統一地方選後半戦の294市議選では、無投票を含め6724人の当選が決まった。自民党の当選者は698人で前回2015年の634人を上回り、共産党は615人で前回672人から減らした。公明党は立候補した901人全員が当選。無所属は3960人で全体の58.9%を占めた。統一選初挑戦となる立憲民主党は197人、国民民主党は95人。日本維新の会(政治団体・大阪維新の会含む)は113人で、維新の党と大阪維新が前回獲得した78人から伸ばした。社民党は53人、諸派92人。自由党、希望の党は議席を得られなかった。

 また市議会議員選挙での女性の当選者は、これまでで最も多い1239人、当選者全体に占める割合も18%と過去最高となった。

 一方で無投票も過去最高となった。前半の道府県議会選挙では、全41道府県で計612人の無投票当選が決まった。前回2015年に比べて111人増、無投票率(総定数に占める無投票当選者の割合)は、前回比5.0ポイント増の26.9%に上昇。記録が残る1951年以降で過去最高となった。後半の町村議会議員選挙では、定員全体の23%にあたる988人が無投票で当選を決めた。また北海道などの8つの町村では、候補者が定員に満たず定員割れとなった。

【「地域の課題を共有する場としての選挙」への糸口は見えたか】

 第九回大会(本年1月6日)では、「2019年統一地方選にむけて」として以下のようによびかけた。

 【3】課題を共有する場としての選挙へ

 人口減少時代の地域経営は、「選挙で勝てば、後は何でも決められる」というトップダウンでは立ち行きません。何のために何をカットするのか、絶対に譲れない領域は何か、あるいは何を守るためには負担増という選択肢も選ぶのか、といった議論の場としての議会にするためには、その議員を選ぶ選挙も「選挙で選ばれれば、後はお任せ」の白紙委任ではなく、地域の課題を共有する場とすべきです。

 言い換えれば、選挙を地域の利害や意見の違いを「数で決着つける」場ではなく、さまざな地域の課題が提起され、それらを共有していくための場へとつくりかえることです。公約やマニフェスト、審査員としての構えについても、市民との共同作業を通じて、課題を共有する当事者性を涵養しようではありませんか。

 課題を共有するところに公共はうまれます。選挙を通じてそうした〝共有地〟をつくりだし、選挙後も耕し続けることで、「2020後」を生き抜く自治の力を生み出そうではありませんか。(引用終わり)

 まちづくりにしても、子育て政策にしても、国が政策の旗を振り、地方が「手足」となって実施するという時代ではない。なにより問題の所在も問題解決のアクターも方法も、自治体ごと、地域ごとに違うのは当然であり、だからこそ地方行政の裁量ではなく、合意形成を担う地方政治のありかたこそが問われる。統一地方選と参院選が重なる十二年に一度の「亥年」ということで、いまだに参院選の前哨戦との見方も一部にあるが、それでは何も見えなくなる。

 選挙は地域の課題をどう共有してきたのか(しようとしてきたのか)をめぐる四年間の集約であり、また次の四年間にむけたスタートでもある。選挙の場が、「自分(候補者)の政策や問題意識」への支持を訴える場に終わるのか、人々のなかから課題を見いだし、共有する場への糸口となるか。

 たとえばマニフェストの作り方。これまでも、自分の思いや政策を訴えるツールとしては活用されてきただろう。しかし、課題を共有するためのツールとして深めるには、これまでとは違う〝何か〟が必要になる。「あなたの問題」を自己責任にせずに「私たちの課題」として深めていくプロセスのためには、これまでの「参加型」(みんなで作る○○)から、さらに質的な発展が問われることになるだろう。

 伝え方や活動のスタイルも、「支持」ではなく課題の共有を可視化するようなスタイルや、「より遠く」へ届くような伝え方を模索することになるだろう。平成の時代に否応なく、個人の生活や人生設計、家族の形などは多様化した。地域社会も独居世帯の増加や多文化共生が求められるようになる。こうしたなかで、従来の制度の「外」に生じている〝くらしとせいじ〟のうねりをどうとらえ、「あなたの問題」を「私たちの課題」へと転換していくプロセスの模索でもあるはずだ。キャラ立ちやマーケティングといったことも、単なる表層的な手法としてではなく、そうした観点から絞り込まれていくはずだ。

 これまでの支持や信頼関係、政策スタンス、合意形成における一定の役割や信頼といった集積に加えて、こうした「課題を共有する」ための模索とそこからの発信力を、どこまでプラスアルファできたか。その実践的教訓を語り合おう。

 選挙を「課題を共有する場」にするということは、自分たちの地域のことは自分たちで、という草の根の自治の当事者性が、自治体の〝より大きな〟決定にかかわる政治的有用感とどう結び付けられるか、ということでもあるだろう。選挙は地域の政策を決定する代表を選ぶ場であり、それを通じて、自分たちの参加や自治が政治的にも有用だと感じられれば、政治はより身近なものとなる。

 たとえば、まちづくり協議会が活発に活動し、それが一定程度集積している地域でも、そのことと(保育所の統廃合など)自治体の〝より大きな〟決定への参加が結びつかず、参加が阻害されていると感じる(政治的有用感が持てない)人々が生じると、草の根自治も進展しないことになる。ここをどう乗りこえていくか。

 地方政治という点では、地域政党についても考えるべきだろう。世論受けする首長が主導するポピュリズム型政党と見られていた大阪維新の会は、今回の統一地方選挙で、大阪の地域政党としての地歩を得たといえそうだ。

 「維新人気は創立者の橋下徹氏の強い発信力による大衆扇動(ポピュリズム)型だとの見方は多い。しかし、今回の統一地方選は橋下氏不在でも維新が大阪で根強い人気を誇ることを証明した。

 最大の強みは、維新が大阪府市の利害を調整してくれる代表者と見られるようになったことだ。府市の費用分担などが必要な大規模プロジェクトは『二重行政』がたびたび問題視されてきた。維新は両首長ポストを得ることで府市間の調整を図り、市域を越えた『大阪』に利益をもたらす存在として印象づけることに成功した。

 自民党などが推薦した2候補は『府市の課題は話し合いで解決できる』と主張したが、具体的にどう調整するかについて説得力のある説明が乏しかった。都構想に反対するだけではダメだったという結果を重く受け止めるべきだ」(善教将大・関西学院大准教授 日経4/9)

 善教氏によれば、維新に投票した有権者は、大阪維新の会という「大阪の利益の代表者」という政党ラベルで投票しているという。「重要なのは、ここで言う『大阪』とは、大阪市という行政区域に限定されない『抽象的な都市空間』を指していることだ。大阪の有権者は、個々人の地元という狭い範囲の利益ではなく、より集合的な『大阪』の利益を求め、政党ラベルを手掛かりに、自律的かつ合理的に維新を選択した、というのである。
 選挙で維新を支持したからといって、その主張を彼らが丸飲みしているわけでもない。正確な理解と批判的志向を持って慎重に判断したからこそ、住民投票で都構想は否決されたのだと、善教は言う」(松本創 ハーバービジネスオンライン 4/11)

 大阪維新の会が提示する「大阪の利益」については、批判すべき点は多々あるだろう。しかし根本的に問われているのは、地域の課題がどこにあるのか、人々のあいだでそれをどのように共有するのか、そこからどのような地域のオルタナティブをつくりあげることができるか、ということだろう。

 国政の政局と無縁でいられないのは当然だが、「個々人の地元という狭い範囲の利益ではなく、より集合的な」地域の利益を代表すると見られる一定のまとまり、としての地域政党の可能性が、こうしたところから始まるのかもしれない。これに替わる地域政党の可能性を見出すことはできるのか。

 今回は「亥年」の統一地方選でも、風は吹かなかった。しかし時代の転換点、分岐点での小さな〝乱気流〟は、さまざまな形で派生した。そこからは「課題を共有するところに公共は生まれる」ということにかかわる実践的な気づきを、少なからず見出せるはずだ。「2020後」にむけた新たな一歩を。

【民主主義のセキュリティホールはどこに生じるのか 

立憲民主主義の主体形成のためのたたかいは、どこから始まろうとしているのか】

 今回の統一地方選では、いわゆる政治不信も次のステージに入りつつあるのかもしれない。その端的な表れといえるのが、これまで〝泡沫〟と見られてきた「NHKから国民を守る党」(N国党)と「幸福実現党」(幸福党)の〝躍進〟だ。

 N国党は、今回の統一地方選で新人47人のうち26人が当選。現職議員13人と合わせ、全国の地方議会で39議席を有するまでになった。幸福実現党は19人が当選(1名は無投票)、所属議員は全国で35人になった。

 N国党は「NHKをぶっ壊す」だけが主張で、その他は何でもありの集まりのようだ。たとえば札幌市議の時に「アイヌはいない」とツィートして自民党から除名、市議会から辞職勧告されるも辞職せず、2015年札幌市議選で落選した金子快之氏が、渋谷区議に当選している。

 「無党派が第一党」といわれて久しいが、無党派から転化した政治不信が、首都圏を軸に新しいステージに入りつつあるのかもしれない。ヒトラーが登場した当初、多くの人は「冗談だ」と思ったという。ドイツ映画『帰って来たヒトラー』(2015)では、現代にタイムスリップしたヒトラーを人々がコスプレ芸人として面白がり、警鐘をならす主人公は精神病棟に拘束される。

 総理がお笑い番組に「サプライズ」出演するように、消費者民主主義では政治も「面白い」か「面白くない」かで消費されていく。これに足をすくわれないだけの立憲民主主義の主体をどう形成するかが、とりわけ首都圏では問われることになる。消費者民主主義の主体基盤から、〝お笑いファシズム〟に向かうか、それとも「私のワガママ」を「みんなのワガママ」として、さらには「私たちの課題」へと共有していく主体性に向かうか。

 幸福実現党は、2009年以来国政を含めて各種の選挙に候補者を立ててきたものの、ことごとく落選。2014年にはじめて富山県内の市議に公認候補が無投票で当選し、今回の統一地方選前には地方議員が22名になっていた。

 幸福実現党は、小規模自治体での下位当選(1000票以下)が多いという。「地方の人口減少(つまり有権者数や投票者数の減少)、立候補者の「なり手不足」による当選倍率の低下。その結果、従来であれば当選しにくい政党の候補者が、組織や人脈により、ほんの少し票を上積みするだけで当選できてしまう『セキュリティーホール』が生まれている。幸福実現党が自民党を中心とする地方の保守人脈との連携によって、それを突いた形だ。
 幸福実現党が強くなったのではなく、地方に『嫌な風』が吹いているということだ。この先もさらに強まる可能性すらある、嫌な風だ」(藤倉善郎 ハーバービジネスオンライン4/25)。

 地方議会のなり手不足は、ますます深刻化している。無投票は過疎地のみならず、埼玉、千葉など首都圏にも広がりつつある。一方で、田園回帰という新しい価値観で移住してきた移住者が、地域の信頼を得て地方議員になる、というケースも出てきている。なり手不足から議会廃止を検討した高知県大川村では、今回定数6に7人が立候補、2人の移住者が新たに当選し、地域の将来をよそものに託した。2人は「変わっていくべきだという住民の意思を感じた。思いを受けとめ貢献したい」と。(毎日4/21)

 政治不信の肥大化がどこへ行き着くか、人口減少時代における民主主義のセキュリティホールはどこに生じ、誰がそれを突いてくるのか。それらに対して、自治の当事者性に立脚した立憲民主主義の主体をどう構築していくのか。こうした攻防も始まっている。

(「日本再生」480号一面より)

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□ 「2020後」にむけて

「自国第一主義」のひろがり 新たな国際協調の再構築は可能か

●米中「新冷戦」? わが国に問われる自立とは

●リベラルな国際秩序を消費するだけに終わるのか、担い手としての立ち位置は可能か

□ シンポジウム(外交・安保)のご案内 ほか

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「2020後」にむけて

「自国第一主義」のひろがり 新たな国際協調の再構築は可能か

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【米中「新冷戦」? わが国に問われる自立とは】

 「自国第一主義」を掲げるトランプ政権、「一帯一路」「中国製造2025」などの挑戦的な目標を掲げる習近平政権。東アジアの国際環境を大きく規定する米中関係は、「新冷戦」とも称される状態だ。われわれが前提としてきた国際関係―アメリカが日本や韓国の安全を保障し、中国が社会主義市場経済という形で経済発展にいそしむという姿は、大きく変わりつつある。こうしたなか、「2020後」を生き抜くために私たちには何が問われるか。

 国際環境のこうした変化は言い換えると、アメリカとの同盟関係がこれまで持っていたこの地域を安定させるアンカー(錨)、公共財としての機能が低下しつつあるということでもある。

 「自国の安全保障をどこまで米国に委ねてよいのか。アジアや欧州の戦略家らと話すと、最近、こんな不安をしばしば耳にする。米国に依存した安保政策を再考すべきだという意見が、一部の同盟国でさらに広がるかもしれない。

 そのような議論が出ることは悪いことではなく、必要とさえいえる。米国はオバマ前政権時代に『世界の警察官』であることをやめた。トランプ氏が2年ないし6年後に退任しても、その流れは反転しないとみられるからだ」(秋田浩之 日経3/1)

 もちろん当面は、日米同盟に替わるオプションは非現実的だ。そしてこの地域において「開かれた国際協調」をめざすうえで、アメリカとの関係は不可欠でもある。しかし同時に、そのアメリカ自体が「自国第一主義」に傾きつつある(政権が替わったとしても、強弱はあれ、その傾向は反転しないだろう)ときに、「米国一点張りの落とし穴」(秋田 前出)にはまらないために、「2020後」を見据えた選択肢を準備することは不可欠だ。そのために必要なリアリズムとは何か。

「同時にそれ(インド太平洋戦略)を実行するためには、一つは朝鮮半島の韓国、北朝鮮、あるいは中国、ロシア、そういった国と日本がどういう関係を持つのかということについて、ある種の自立した思考を持つ必要があります。ロシアとの領土問題とか、北朝鮮との拉致を含めた問題は、日本は冷戦の延長線上でやってきた。ある意味で解決をつけるというよりも、日本の主張を貫き通すということをやってきたのですが、それではこの国際情勢が変わる中で結果をもたらすことはなかなか難しい状況になっています。言いたいことを言い続けるのか、それとも日本がある程度譲歩をして、ある種の妥結を目指すのか、そういうことを考えざるを得ない段階に来ています」(中西寛・京都大学教授 「日本再生」476号)。

これは、「2020後」を見据えたわが国の「自前の」立ち位置をどう考えるのか、ということだろう。冷戦の延長線上なら「どちらの側につくか」でも済むが、米中「新冷戦」といわれる中では、それでは立ち行かないということだ。

 米中「新冷戦」が米ソ冷戦と決定的に違うところは、米ソ冷戦時代には両陣営間の経済的な関係はほぼなかったが、今や米中は貿易はもとより金融、ハイテク技術まで競争と同時に相互依存関係を深めていることだ。報復関税のエスカレートは、米中双方の国内経済にも少なからぬ影響を及ぼしているし、中国経済の減速は日本経済にもマイナスとなって波及しつつある。ファーウェイに象徴されるハイテク分野での対立も、激化すれば米中はもとより世界経済にとっても大きなマイナスになりかねない。

 グローバル化した世界における多元的な相互依存関係の下では、対立をエスカレートさせつつも、決定的な衝突になる前に「寸止め」する「適度な間合い」を探るゲームを辛抱強く続ける忍耐力と、それにつきあう体力が不可欠になる。

「くっついているものを切り離す痛みというものがあって、ヨーロッパではブレグジット(イギリスのEU離脱)でイギリスやヨーロッパは痛みを感じるわけですが、(米中対立の激化によって)その世界版をやらないといけないということになりかねない。そういう時に日本経済が自前でどれくらいやっていけるのか。今とりあえず景気は悪くないですが、かなりのところ世界経済の好調さに頼っているところがあります。そうではない時にどうするのか、ということが来年以降の課題になって来るであろうと思います」(中西 前出)

ここでもリアリズムが問われる。冷戦が終わった1990年、日本の八分の一だった中国のGDPは、2018年には日本の二・六倍になった。今後もその差は拡大していくだろう。ハリウッドやグーグルといったアメリカのソフトパワーすら、市場としての中国に「適応」せざるをえない。財政赤字に苦しむギリシャやイタリアにとって、いまや中国の投資は「干天の慈雨」ともいえる。こうした「世界第二の経済大国」のパワーに向き合い、米中の「自国第一主義」の攻防のなかを生き抜く「地力」と「智恵」が求められる。

そしていうまでもなくこの時期、日本は人口減少と高齢化の急坂を上っていかなければならない。右肩上がりを前提にしていた政策発想や仕組みを、いかに右肩下がりの時代に適応したものへと転換していくかは、「新冷戦」を生き抜く基礎体力に直結する。

一方中国も、人口ボーナスの時代から人口オーナスの時代へ転換していく。2018年には、中国ではじめて高齢者人口(60歳以上)が0~14歳人口を逆転したという。2045年には高齢者人口は五億人になるとも予測されている。「絶対数が大きい、スピードが速い、未富先老(豊かになる前に高齢化社会に突入する)」を特徴とする高齢化と、中進国のワナからいかに脱するかという課題は表裏一体だ。

その内政の困難さが、時として「外に敵を作る」ことで国内の支持を調達する誘因になる場合もあるかもしれない。それに対して、大国の力と力の対決による秩序に頼るのか、法の支配や人権、国際協調などのリベラルな国際秩序という「建て前」を共有する多国間関係を築けるか。私たちの立ち位置をどう準備できるかが問われている。

トランプ政権は国連決議に反して、第三次中東戦争で占領したゴラン高原におけるイスラエルの主権を承認した。次期大統領選挙にむけた支持層固め(プラス総選挙で苦戦するイスラエルのネタニヤフ首相へのてこ入れ)のためと言われるが、「武力による現状変更を認めない」という国際法および国際秩序の否定にほかならない。これではロシアによるクリミア併合も認められてしまうし、中国に対して「リベラルな国際秩序に挑戦しようとしている」と批判することもできなくなる。

「自国第一主義」の広がりのなかで、「2020後」を生き抜く国際関係(国際協調)を。

【リベラルな国際秩序を消費するだけに終わるのか、担い手としての立ち位置は可能か】

 二度の世界大戦を経て世界を支えてきた法の支配や人権、国際協調などのリベラルな国際秩序序がこれまでなんとか「持ってきた」のは、「開放的な経済と民主的な政治はセットで発展する」と考えられてきたからだ。それが大きく揺らいでいる。

 ひとつは「中国モデル」に典型的なように、グローバル化や自由貿易のメリットは享受する、そのための国際経済秩序は維持したいが、民主主義や人権などの政治的な秩序には独自の価値を対置する、という秩序観が広がりつつあることだ。

 もうひとつは「開放的な経済と民主的な政治はセットで発展する」と考えられてきた国々の内部からの動揺。経済のグローバル化や自由貿易の拡大は途上国を一定程度底上げしたが、先進国では中間層の没落と社会の分断をもたらしている。リベラルな国際秩序の果実を受け取ってきたはずのアメリカやヨーロッパで保護主義やポピュリズムが台頭し、民主主義が劣化している。

 戦後日本は、リベラルな国際秩序の恩恵をもっとも受けてきた国のひとつであることは間違いないだろう。そして「自国第一主義」の広がりのなかで生き抜いていくうえでも、開放的な経済と民主的な政治がセットになった国際秩序が不可欠である。問題は、それを消費者として享受するだけでなく、担い手として支えることができるかだ。

 イギリスのEU離脱をめぐる混乱は〝教訓〟も、もたらしている。欧州懐疑派政党が「EU離脱」を主張しなくなり、圏内の七割近い人々が「EUは利益になる」というように。

 「EUは残り時間と競争している。自壊を避けたいのであれば、中間層を厚くすべく緊縮財政の反転を含め、あらゆる政策資源を動員せねばなるまい。彼らの社会文化的な懸念に対しては、一方で移民や低所得層の人たちを包摂しつつ、正面から応えて政治的な疎外感を和らげるしかない」(遠藤乾・北海道大学教授 日経1/29「経済教室」)

 「経済的・社会文化的な構図からすると、日本も欧州の蓄積危機から学べることは多い。一億総中流の時代は既に大昔の話だが、今や186万円ほどの年収しかない階層を1千万人近く抱える。その傍らに、今度は外国人労働者の受け入れが本格化する。時に様々な公的補助を得る外国人や低所得層をみて、ねたみ、さげすむのが低賃金の労働者だ。排他的なポピュリズムの導火線はこのあたりにある。

 中間層をやせ細らせる最大の要因は、実質所得の低迷や下落である。それを結果的に促すという一点において、日本の企業は(緊縮財政を進める)ドイツの政府と変わらない。~中略~英米が自壊の道をひた走るなか、日欧が同じ轍を踏むのか、それとは異なる道を開拓するのか、岐路に立っている」(同前)

 日本は、グローバル資本主義に棹差す形で「世界で一番企業が活躍しやすい国」(2013年安倍総理所信表明演説)をめざすのか、あるいは資本主義の非物質化に対応する「人への投資」を起点にした経済循環をめざすのか。リベラルな国際秩序の恩恵を消費するだけに終わるのか、それを支える国際協調の担い手としての立ち位置は可能なのか。ポスト安倍政治の重要な論点でもあるだろう。

 

(「2020後」という問題設定は、本格的な人口減少時代と「ポスト安倍政治」の論点整理として。第九回大会での、自治をポイントにした民主主義のイノベーションや地域経済循環の議論に続くものとして4月14日に外交・安全保障・国際関係についてシンポジウムを開催。)

(「日本再生」479号より)

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シンポジウム(外交・安保)

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□シンポジウム(外交・安全保障)

米中「戦略的競争」関係と東アジア・日本

~「自国第一主義」の広がり、新たな国際協調の再構築は可能か

日時 2019年4月14日(日) 1300から1700

場所 TKP飯田橋ビジネスセンター 3階 ホール3A

   (JR「飯田橋」東口 徒歩3分)

参加費 2000円

【問題提起とパネルディスカッション】

中西寛・京都大学教授  川島真・東京大学教授  遠藤乾・北海道大学教授

大庭三枝・東京理科大学教授  佐橋亮・東京大学東洋文化研究所准教授  

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統一地方選 総括 

~地域の課題を共有する場としての選挙への糸口とは

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□第200回 東京・戸田代表を囲む会 

5月12日(日)1300から

「がんばろう、日本!」国民協議会事務所(市ヶ谷)

参加費  同人1000円  購読会員2000円

議員会員からの報告

コメンテイター 廣瀬克哉・法政大学教授

□第30回 関西政経セミナー

5月26日(日)1400から

メルパルク京都 4階研修室

参加費 1000円

メインスピーカー  田中誠太・八尾市長 越田謙治郎・川西市長

          中小路健吾・長岡京市長(予定)

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第九回大会記念シンポジウム 報告集

3月3日 発刊予定  1部700円 (送料300円)

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