メルマガ♯がんばろう、日本!         №240(18.7.31)

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「がんばろう、日本!」国民協議会

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Index 

□ 奴らを通すな!

民主主義を単なる政治のやり方だと思うのはまちがいである。

すべての人間を個人として尊厳な価値を持つものとして取り扱おうとする心、

それが民主主義の根本精神である。

●安倍政治の検証を媒介に、立憲民主主義の主体的基盤をどう創りだしていくか

●課題を共有しているという状況そのものに、公共が存在している

□8月「囲む会」のご案内

□えだのん「魂の演説」 ブックレットに

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奴らを通すな!

民主主義を単なる政治のやり方だと思うのはまちがいである。

すべての人間を個人として尊厳な価値を持つものとして取り扱おうとする心、

それが民主主義の根本精神である。

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【安倍政治の検証を媒介に、立憲民主主義の主体的基盤をどう創りだしていくか】

 安倍政治の検証から立憲民主主義を深めていくための問題設定を、どう整理していくか。安倍政治をどう検証すれば、立憲民主主義を深めることにつながるのか。

 「安倍政治」は九〇年代の統治機構改革(平成デモクラシー)、とくに官邸主導を軸とした政治システムの産物でもある。平成デモクラシーは、官邸主導と政権選択・政権交代を両輪として成り立たせるはずであったが、それを政権交代なき政治主導・官邸主導へと帰結させたのが、「安倍政治」にほかならない。

 立憲民主党、枝野代表は国会終盤の内閣不信任案提出の際、三時間強の演説の最後にこう述べている。

 「この国会は民主主義と立憲主義の見地から、憲政史上最悪の国会になってしまったと言わざるを得ません。
 ~災害よりもギャンブル解禁、災害よりも党利党略の定数6増を優先する内閣を信任して災害対応をさせるよりも、そしてウソと誤魔化しと開き直りを重ねる内閣を信任して災害対応をさせるよりも、よりマシな内閣のもとで再出発して災害対応にあたる方が適切であると考えます。
 ~今のような姿勢で政権運営を続けることは、もし政治が与党対野党のような戦いであるならば、目先の野党との戦いという意味では成功をしてきたと。これからも一定期間は成功をするかもしれません。そして、政治に権力闘争という側面があり、与党が野党との戦いに勝とうとする。そういう思いを持つことは否定しません。

 ~しかし、それは一側面でしかありません。政治の本質は与党と野党の戦いではありません。それは目的ではなく、あくまでも手段であります。権力闘争に勝つという目的のために社会のモラルや秩序を壊してしまう。本来、民主主義の前提として成されなければならない、国会でウソをつかない、国会には正しい文書を出す、情報を隠し誤魔化しはしない。そうしたことを壊してしまったのでは、本来、国民生活のより豊かな暮らし・生活をつくり上げていくという本来の目的に反することになってしまいます。
 これ以上、目先の権力闘争ばかりを重視して、国民生活の将来に禍根を残し、ウソや誤魔化しや開き直りを蔓延させて、モラルハザードを生じさせれば、必ずや歴史に断罪されるとわたくしは確信をしております。
 第二次世界大戦、日中、日米戦争に至る経緯の中でも、目先の権力闘争には勝ったけれども、結果的に我が国を破滅的な状況に追い込んだ政治リーダーが、残念ながら少なからずいらっしゃいます。
 このまま安倍政権の横暴を許していけば、残念ながらそうした道に入り込んでしまい、後戻りが出来なくなってしまうのではないかということを強く危惧をいたしております」。

(https://note.mu/jun21101016/n/n2782bfee0c0より 同演説の全文はブックレットとして8月9日に出版される予定)

 安倍政権は、「二度と野党に政権を渡さない」(政権交代を封じる)という目先の権力闘争が全てだ。戦後国際秩序の流動化などの時代の変化、人口減・少子高齢化への対応、あるいはエネルギー転換といった長期的な政策課題は、いっさい視野に入っていない。解散も「二度と野党に政権を渡さない」というところから判断(2014年、2017年)するため、政権選択の機会を国民から奪う「自己都合解散」となる。国会運営や災害対応において旧来の自民党とは異質なのも、政権の使命が「二度と野党に政権を渡さない」ところにあるからだ。二度と政権交代をしないというのは、民主主義の後退にほかならないが、自民党内からそういう声も出ないところまで、党内の多様性―疑似政権交代の主体基盤―は失われている。

 これが現代の立憲的独裁の姿だろう。問題はその主体的基盤がどこから形成され、どのように広がるのか。ヨーロッパでもアメリカでも、あるいは一部アジアでも、強権的な統治や排外主義、「○○ファースト」のような反立憲的な動きに対して、立憲的なカウンターが登場し、その論戦・攻防を媒介に「非立憲」的な社会空間にも主体分岐が走っていく。しかし日本の場合、「非立憲」の主体分岐はほとんど見えない。不支持の理由がダントツで「人格が信用できない」という一方で、「他にいないから」(野党がだらしないから)という理由で「安倍一強」が続く状況は、それを端的に表している。民主主義や立憲主義についての共通の参照点が見当たらず、ここまでは集積された、次の段階へのハードルはこう、という問題設定にならない。非立憲というより「無立憲」ともいうべき主体状況。

 たとえば。若者に人気のロックバンドRADWIMPSの「HⅠNOMARU」という曲の歌詞が、軍歌を髣髴させるとして批判された。それに対して作者(30代前半 帰国子女)は、「何の思想的な意味も、右も左もなく、この国のことを歌いたい」とその意図を表明した。じつはこの曲は、サッカーワールドカップの民放テレビ局のテーマ曲とのカップリングで、平成における「スポーツ特番のお祭り化&感動をありがとう路線」のなかで「みんながひとつになれるようなアツイ歌詞を」とマーケティングした結果ではないかと指摘されている。

(プチ鹿島 現代ビジネス7/2 http://gendai.ismedia.jp/articles/-/56343?page=4)

 「何の思想的な意味もない」「右でも左でもない」からこその、純粋な消費者民主主義のマーケティングの産物。反立憲でも非立憲でもない「無立憲」の主体基盤が見え隠れしている。自由や民主主義、人権といった普遍的価値を、消費者民主主義、私生活主義として享受してきた〝私〟は、いとも簡単に「ここではない理想の『日本』への憧れ」という「大きな物語」に回収される。資本主義の粋を集めたマーケティングによって。

 一方で7月27日の自民党本部前。杉田水脈議員の「LGBTは生産性が低い」という荒唐無稽な差別寄稿と、それに対して二階幹事長が「政治的立場、人生観はいろいろ」と、容認ともとれる発言をしたことに抗議して五千人が集まった。きっかけは個人のツイッターでの呼びかけ。おりしも障がい者施設で入所者19人が、「生産性が低い」として殺された事件から二年。「生産性」で人間を選別する〝思想〟に、LGBT当事者はもとより幅広い人々が、「人間の尊厳」(憲法13条)を訴え抗議した。

 そこで繰り返された「私の生きかた、私が決める」「私の価値は私が決める」というコール。まさに個人主義。でもそれは「私の勝手」ではなく、私とあなたとあの人とあの人…のなかで共有される価値であり、その関係性のなかで課題が共有される状況にこそ公共がうまれる、ということだ。この公共は「ここではない理想」の「大きな物語」ではなく、私とあなたとあの人とあの人…との「小さな物語」、その無数のつながりというべきだろう。

 自民党本部前の抗議行動でも「自分は右とか左とか、どーでもいいと思っている。でもこの発言を見過ごすことはできない」とのスピーチがあった。右とか左、思想的立場に関係なくという個人主義や私生活主義、消費者民主主義の「岩盤」に、人間の尊厳という根本的な価値から亀裂が入りつつあるのか。欧米ほどの波及ではないにしろ、#Me Too運動にもみられるように性暴力、性差別に対する意識は変わりつつある。その根幹にあるのは「人間の尊厳」であり、それこそが立憲民主主義の核心にほかならない。

 「人間が人間として自分自身を尊重し、互いに他人を尊重しあうということは、政治上の問題や議員の候補者について賛成や反対の投票をするよりも、はるかにたいせつな民主主義の心構えである」(「民主主義 1948-53中学・高校社会科教科書エッセンス復刻版」西田亮介・編 幻冬舎新書)。

 「~現代の民主主義社会に暮らす私たちにとっても、ファシズムはけっして遠い過去の話ではなく、民主主義が『多数派の支配』と理解されているような社会では、その危険性はむしろ高まっているというべきだろう。~権威に服従する人びとは一見従属的な立場におかれているように見えるが、実は上からの命令に従うことで(多数派に埋没している安心感から/引用者)自分の欲求を充足できる治外法権的な自由を享受して」(「私が大学で「ナチスを体験する」授業を続ける理由」田野大輔 現代ビジネス7/6)いるとも言える。

 ファシズムの担い手ははじめから「大きな物語」を語ったのではない。むしろ「自分のことしか考えてなかった」(映画「ゲッペルスと私」)。そんな〝私〟が「大きな物語」に回収されない「小さな物語」を紡ぎ続けるためには、小さくても自分事として考える、当事者性を涵養する関係性、場、機会をさまざまなところに作り出すことが不可欠だ。

【課題を共有しているという状況そのものに、公共が存在している】

 異質でバラバラで、生まれながらには何も共有していない個人の集合である現代社会のなかで、自分が政策や制度の消費者・受益者であるだけでなく、当事者でもあることを意識するのは、問題が課題として共有されたときだろう。

 「(地域に限定されず)いろいろなところで公共性がうまれうるなかで、公共性のあるところに共通して存在しているものは、課題を共有しているという状況だと思います。このときの課題は、現状の問題という意味だけではなくて、未来の目標を含むとお考えいただくと良いでしょう。

 つながりが薄くなったと言いますが、それは『地域』の課題を共有する強さということではないでしょうか。つながりだけでいえばむしろ、多様な層のつながりを持ちうるし持っていると。

 ですから、市民や公共ということを考えるとき、公共というのはもちろんオカミでもなく物理的な区画でもなく、課題を共有しているという『状況』に公共が内在していると理解できるのではないでしょうか。まさに『共通の関心事』があるところ、課題を共有する人びとの関係性のなかに公共がうまれ、あらわれてくるのではないでしょうか」(土山希美枝・龍谷大学教授 3-5面インタビュー参照)。

 課題を共有する関係性=公共性は地域に限定されないが、地域がその重要なフィールドのひとつであることは間違いない。「地域というのはアプリオリな公共圏ではありませんが、そこに住んでいるという物理的な状況がありますから、公共圏を形成しやすいとは言えます。大事なことは、自明でないからこそ、異質で立場や利害の違う構成メンバーで課題を可視化して共有する、その積み重ねです。逆に問題設定、課題設定がなくて地域だから協力しなさいというのは、一番共感を形成しにくいのではないでしょうか」(土山教授 同前)

 来年に予定される統一地方選は、課題を共有する関係性としての地域の自治力が問われることになる。安倍政権は、一年ごとに政策の看板を架け替えて「やっている感」を演出するが、看板政策のひとつであった「地方創生」を検証するのは、まさに地域にほかならない。それは人口減少時代を国からのトップダウンではなく、ボトムアップで乗り切っていく力量をどう備えていくかということにほかならない。(6-18面 京都・囲む会ならびに総会の問題提起&討議を参照)

 平成デモクラシーの一環でもある分権改革によって、自治体は中央政府と対等の地方政府―市民の信託を受け、その地域に必要不可欠な政策・制度を整備する機構として位置づけられた。その力を自治体、議会、住民・市民がどう発揮していくか。課題を共有する関係性=公共性をつくりだす「小さな物語」を、多様かつ重層的に紡いでいけるかが問われる。

 人口減少時代には、生活の質は究極的には住民自治の力量に依存する。「そもそも住民自治を人工的(政策的)に涵養することができるのか、という疑問が生じるかもしれない。本書はこの問いに対して、あえて『可能だ』と回答しておきたい。住民に予算と権限を配分し、人的資本と社会関係資本への投資が促される環境を整備すること、他方で、市役所は『黒子』役に徹し、住民が議論し、自己決定していくプロセスを支えること。これらが~住民自治を涵養するうえでの決定的に重要な要素である。

 逆に、こうした住民自治の基盤整備が、近い将来に予想される人口減少の本格化までに間に合うのであれば、私たちはパニックに陥る必要はない。『成長型都市』から『成熟型都市』への歴史的転換期を、トップダウンではなく、ボトムアップで乗り切っていく力量が、都市の側に備わるからである」(「人口減少時代の都市」諸富徹 中公新書)。

 災害対策もそっちのけで総裁選の地方票固めに奔走する安倍総理。2012年は地方票で石破氏が上回ったが、今回はそれを封じる圧勝で三選後、臨時国会を召集、憲法審査会の議論を進めて、来夏の参院選前の通常国会終盤に改憲発議を可能にしようとの思惑が隠せないという。「来夏の参院選で『3分の2』を失っても、その前に発議にこぎつけておけば2019年の秋口にも国民投票で改憲を実現できる」、さらには「一気呵成に年内発議に持ち込めれば、来夏の参院選と同時の国民投票や、衆参同日選と国民投票のトリプル選挙の可能性すら出てくる」との憶測も出始めているという。立憲的独裁のタイムテーブルは、まさに目先の権力闘争からのみ組み立てられている。

 目先の権力闘争に明け暮れたあげく、国民生活を奈落の底に突き落とし、国策を誤った歴史の教訓に学び、立憲民主主義の基盤整備のタイムテーブルは「ゆっくり、いそげ」で。衆参同日選と国民投票のトリプル選挙の可能性という奇襲攻撃に浮き足立つことなく、住民自治の涵養に基盤を置くところから、参院選(場合によれば国民投票)を準備するのであって、逆ではない。第九回大会(1月6日)では、こうした方向性、問題設定をより実践的に共有したい。

(「日本再生」471号 8/1 一面より 紙幅の関係で紙面では一部を割愛しています)

*タイトルについて

「奴らを通すな」は、スペインの反ファシズム・反フランコ独裁のスローガン

「民主主義を…」は 「民主主義 1948-53中学・高校社会科教科書エッセンス復刻版」西田亮介・編 幻冬舎新書より

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8月の東京・囲む会

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第192回

8月3日(金) 1845から

「2019統一地方選にどう臨むか 立憲民主主義を深めるローカルマニフェストへ」(仮)

ゲストスピーカー 廣瀬克哉・法政大学教授

第193回

8月6日(月) 1845から

「立憲民主党 これからどう育てる?」(仮)

ゲストスピーカー 福山哲郎・参議院議員 立憲民主党幹事長

第194回

8月30日(木) 1845から

「住民自治の根幹としての議会 そのローカルマニフェストとは」(仮)

ゲストスピーカー 江藤俊昭・山梨学院大学教授

いずれも

「がんばろう、日本!」国民協議会事務所(市ヶ谷)

同人 1000円  購読会員 2000円

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京都・囲む会

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第35回

8月23日(木) 1830から

「保守化する? 若者たち」

ゲストスピーカー 山田昌弘・中央大学教授

コープイン京都2階 201会議室

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第九回大会(予定)

2019年1月6日(日) 午後

TKP市ヶ谷

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緊急出版! 枝野幸男、魂の3時間大演説「安倍政権が不信任に足る7つの理由」

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7月20日の衆院本会議で行われた、立憲民主党・枝野代表の内閣不信任案提出の趣旨説明。

3時間弱の演説は、直後からSNS上で「ぜひ出版を」との声があがり、8月9日に発刊

されることになった。

演説文に加えて、上西充子氏、田中信一郎氏の解説つき。

745円。扶桑社より。

早く手元に欲しい方はアマゾンで予約を。

できれば、まちの本屋さんでお取り寄せを(予約が多いと平積みになるかも)。


石津美知子
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Index 

□ 8月の囲む会
□ 「がんばろう、日本!」第九回大会

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8月の東京・囲む会

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第192回

8月3日(金) 1845から

「2019統一地方選にどう臨むか 立憲民主主義を深めるローカルマニフェストへ」(仮)

ゲストスピーカー 廣瀬克哉・法政大学教授

第193回

8月6日(月) 1845から

「立憲民主党 これからどう育てる?」(仮)

ゲストスピーカー 福山哲郎・参議院議員 立憲民主党幹事長

第194回

8月30日(木) 1845から

「住民自治の根幹としての議会 そのローカルマニフェストとは」(仮)

ゲストスピーカー 江藤俊昭・山梨学院大学教授

いずれも

「がんばろう、日本!」国民協議会事務所(市ヶ谷)

同人 1000円  購読会員 2000円

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京都・囲む会

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第35回

8月23日(木) 1830から

「保守化する? 若者たち」

ゲストスピーカー 山田昌弘・中央大学教授

コープイン京都2階 201会議室

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第九回大会(予定)

2019年1月6日(日) 午後

TKP市ヶ谷

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石津美知子
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Index 

□ 「安倍政治」の検証を

   民主主義と公共性のバージョンアップの媒介とする議論の波を

●安倍政治の検証を民主主義のバージョンアップへ  

 ~ゆっくり、いそげ

●国会の合理化? 議論による統治? 

 平成デモクラシーの総括から、国民主権で統治機構を作りこんでいくプロセスへの転換を

●ファシスト的公共性? 閉鎖性と同質性を求めない共同性? 

 公共性のバージョンアップへ

□「囲む会」「総会」のご案内

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「安倍政治」の検証を

民主主義と公共性のバージョンアップの媒介とする議論の波を

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●安倍政治の検証を民主主義のバージョンアップへ  

 ~ゆっくり、いそげ

 7月22日まで延長されることになった通常国会。働き方改革(働かせ放題)、カジノ法案、参院定数増などの「重要」法案を可決するためとのことだが、世論調査ではいずれも「ノー」が多数を占めている。〔「働き方」改革:今国会での成立が「必要」25%、「必要ない」60%(読売5/18-20) カジノ法案:「成立させるべき」17%、「必要ない」73% 参院定数増:「成立させるべき」27%、「必要ない」49%(朝日6/16-17)〕

 「働き方」改革は前提となるデータの杜撰さが、野党の追及で再三発覚し紛糾した。参院に審議が移ってからも、「働く側のニーズ」とされていたヒアリングが12人にしか行われていないなど、制度の必要性の前提(立法事実)が崩れているにもかかわらず、成立が強行されようとしている。

 カジノ法案も、審議に約50時間を費やした介護保険法(1997)以来となる200条を超える新規立法だが、与党は18時間で衆院での審議を打ち切っている。国会の定数は与野党が協議を重ねて合意すべき事項であるはずだが、参院定数増は与党が数の力で党利党略を押し通すものだと言わざるをえない。参院選挙制度協議会の座長を務めた自民党の元参院幹事長・脇雅史氏は「恥の上塗り」と批判している(東京6/18)。

 

 国民が「必要ない」と思っている(「必要だ」と納得できるだけの議論を封じたまま)法案を、「丁寧な審議」とはほど遠いやり方で成立させることで、秋の総裁選での3選への道すじをつけたいという「首相主演の〝やってる感〟満載の安倍劇場」(自民長老) (泉宏 東洋経済オンライン6/22)。国政の私物化とは、まさにこのことだろう。

 「森友・加計」問題でも、公文書を改ざんしたと公式に認めているにもかかわらず、誰も何の刑事責任も問われず、ウソをついて新学部を開設し多額の補助金を得たと堂々と認めているにもかかわらず、誰も何の刑事責任も問われない。今通常国会で明らかにされたのは、日本社会のタガが完全に外れきった姿だ。

 問題はここからだ。「不起訴処分はおかしい」、「誰も罪に問われないのは不当だ」というのはまったく「正論」だが、そこにとどまったままでは議論―民主主義のバージョンアップのための議論―を、ミスリードしかねない。

 森友問題で関与を問われ「自分や妻が関与していたら総理大臣も議員も辞する」と答弁した安倍総理は、決裁後文書の改ざんが明らかになった後に「金銭の授受があれば」と責任の範囲を限定した。贈収賄という罪に該当しなければ責任はない、ということだ。民主主義の根幹に関わるという当事者責任は、完全にスルーされている。

 あるいはセクハラ問題で責任を問われた麻生大臣は、「セクハラ罪という罪はない」と開き直った。セクハラ罪という罪があろうとなかろうと、ことは人権、個人の尊厳にかかわる当事者責任の問題ではないのか。民主主義や人権といった普遍的価値は憲法に謳われている。その憲法に罰則が書かれていないからといって、それを守ろうとしないということでいいのか。私たちの社会がどこで底を打つのかが問われている。

 年金記録の紛失(2007)や薬害エイズ問題資料の放置(1997)などのように、わが国の公文書管理はずさんであるばかりか、終戦時に陸軍が都合の悪い資料を燃やした「伝統」を引き継いでいる。ようやく公文書管理法ができたのは2011年。制定にあたった福田元総理は、こう述べている。

 「実は法制化を進める段階ではあえて罰則をつくらないことにしたんです。あまり厳しくやりすぎると、最初からそうした文書を作らなくなってしまうことを心配した。まずは教育をしっかりすること、それが一番です」(朝日 6/9)。

 足元が底なしの状態で罰則を作っても、「記録は民主主義の原点」(同前)という公文書管理法の主旨を、どれだけ機能させられるのかという問題だ。セクハラ罪がなくても、曲りなりにも財務事務次官および財務省の責任が問われたのは、伊藤詩織さんの勇気ある訴えに始まる#MeToo運動が、日本社会の「底」を築き始めたからではないか。

 福田元総理はこうも述べている。

 「『記録を残す』とはどういうことか。新しい法律ができたとします。それはどんな社会情勢の中で、どんな議論を経てできあがったのか。国民がその時々の政治や行政を評価するためには、後々まで残る正確な記録が必要になる。それが選挙では投票行動につながり、政治家が選ばれ、政策が決まっていく。正しい情報なくして正しい民主主義は行われない。記録というのは民主主義の原点で、日々刻々と生産され続けるのです」(同前)。

 お任せ民主主義や多数決主義から民主主義をバージョンアップさせるためには、このような民主主義の原点としての記録の使いこなし方に、われわれ自身が習熟する必要があるだろう。食品に成分表示やトレーサビリティーを求めるなら、一年ごとに変わる政府の政策にもきちんとした検証を求めるべきだろう。あるいは五年たっても目標実現のメドすら立たないアベノミクスの看板政策―異次元の金融緩和について、厳しい検証を求めるべきではないか。

 「底」を築くという点では、自治の領域も重要だ。北川正恭三重県知事は就任冒頭に、「県議会議員と公務に関わる接触があった場合は公文書(情報公開対象)を必ず残す」と文書管理規則を改革した(1995)。その効果は県政の透明化とともに(議員への「忖度」から)県職員を守ることにもなり、さらには県議会の改革にもつながった。すなわち「口利き」に代表される旧来型の議員の「仕事の方法」を結果的に封じ、世代交代を促すことを伴って議会基本条例(2006)に象徴される政策型の議会へとつながったという(廣瀬克哉・法政大学教授 6/24@越谷)。

 今や食品表示のトレーサビリティーが日常のくらしで当たり前であるように、公文書や検証可能な公的な記録も民主主義に不可欠なインフラとして使いこなそう。働き方改革(働かせ放題)がここまで紛糾したのも、厚労省の資料を過労死遺族や専門家が事実とエビデンスに基づいて検証し続けてきたからこそだろう。どんな社会情勢の中、どんな議論を経てできた法律なのかが後々も検証される―その歴史の検証に耐えうるような「今」を、足元から一歩ずつ積み重ねていこう。

 

●国会の合理化? 議論による統治? 

 平成デモクラシーの総括から、国民主権で統治機構を作りこんでいくプロセスへの転換を

「安倍一強」下での国会の惨状を見れば、国会改革が急務であることには多くの同意がえられるだろう。問題はそこに、民主主義のバージョンアップにむけた論点や展望はあるのか、ということだ。

 「安倍一強」は、90年代の一連の統治機構改革の産物でもある。〝安倍政治の終わりの始まり〟とは、この90年代の統治機構改革(平成デモクラシー)の教訓と総括の上に立って、「権力を構成する」=国民主権で統治機構を作りこんでいくプロセスへと転換することにほかならない。

 「与野党の権力を巡る競争から、有権者の選択を経て、選ばれた首相に一定期間、権力を集中させる。政権選択と首相主導の組み合わせ。これが『平成デモクラシー』のガバナンスの両輪だ」(「平成デモクラシー史」清水真人 ちくま新書)

 「政権選択と首相主導という『平成デモクラシー』の両輪のバランスを揺るがすのが『安倍一強』だ。衆院任期を半分以上残した一四年の『小刻み解散』。憲法に基づく臨時国会の召集要求を逆手にとった一七年の『冒頭解散』。どちらも自公連立政権の継続以外の政権の選択肢は示されなかった。野党陣営に『政権の受け皿』を提示する責任があるのは当然だが、そもそも、衆院選を有権者による政権選択の機会にさせない思惑が先に立った解散権の行使が続く。

 首相主導の統治への権力集中はあくまで『期間限定』であり、合理的な時間軸で政権選択という権力競争が機能することが大前提だ。首相主導が強まった結果、政権選択を実質的に封じ込める狙いで解散権を行使するなら『平成デモクラシー』への過剰適応とも言える」(同前)。

 平成デモクラシーの教訓と総括に立つなら、まず「首相主導」の仕組みを政権延命のために私物化している安倍政治の検証から始めるべきだろう。小泉進次郎議員を中心とする自民党若手議員による国会改革案は、国会論戦の場を政策論議(委員会)、疑惑追及(特別委員会)、国家ビジョン(党首討論)という3レーンに分けることを提案している。しかし、今国会で明らかになった文書改ざん、隠蔽、データ偽装、官僚・大臣による虚偽答弁の数々は「疑惑」「スキャンダル」という次元の問題なのか。民主主義の根幹を揺るがす問題ではないのか。この認識が共有されない国会改革案は、言論の府である国会の合理化=政策決定の効率化にすぎないだろう。

 「モリ・カケ」でまともに国会審議ができない責任は、与党の国会運営にある。自民党筆頭副幹事長がまず取り組むべき国会改革は、政府・与党の責任を明らかにすることだろう。

 90年代の統治機構改革の議論では、政権交代可能な二大政党化、国対政治などのインフォーマルな決定過程の制度化といった統治システムの転換も、「主権者が権力を構成する」「国民主権で統治機構を作りこんでいく」という視点から論じられたとは、残念ながらいえない。「首相主導」の仕組みを政権延命のために私物化するという安倍政治は、その帰結であるともいえる。

 首相主導と政権交代を両輪とする統治システムを維持するのであれば、「主権者が権力を構成する」「国民主権で統治機構を作りこんでいく」という視点から、平成デモクラシーの教訓のうえに国会改革を考えることになる。それは国会の合理化ではなく、議論による統治をどう促進するか、ということだ。例えばこうだ。

「『国会に期待される役割』を三つあげてみました。立法機能、政府統制機能、多様な民意の反映機能です。もちろん他にもあるのですが、これらはいずれも現在のところ、大きく欠けていると言わざるを得ません。

まず立法ですが、現在は法案が提出され、議員が質問して、『○○時間たったから採決する』ということをやっているわけですが、これは立法手続きとして非常に不十分です。例えば逐条審議を行い、順番に体系的に問題点を明らかにしていくとか、あるいは委員会報告の担当議員を決めて、その議員が専門家のヒアリングをしたり官僚に事情を聞いてこの法案について報告書を出し、それで議論をするということは、日本では一切やりません。

予算も同様で、予算委員会というのは予算審議をしない、別なことをいろいろやっているというようなこともあるわけです。

二つ目の政府統制機能の中で目玉となっているのは、国政調査権です。国政調査権というのは、スキャンダルを追及するための権限ではありません。現在の証人喚問は政治的パフォーマンスとして行われますが、不祥事の調査であれば本来、その事実関係を調査した上で問題点を指摘し、必要に応じて制度改革の提案を行うなどの報告書を作成し、公表する必要がある。誰か呼びつけて吊るし上げてお終い、というようなものでは決してないわけです。

三つ目の多様な民意の反映機能ですが、これは先ほどのホワイトハウスの請願と同じで、国会の中でも多様な民意を反映する必要があるだろうと思います。これは二院制関係でいろいろな可能性があるかなと思います」(曽我部真裕・京都大学教授 469号)

 平成デモクラシーの教訓のうえで「国民主権で統治機構を作りこんでいく」ための国会改革は、政策決定の効率化や国会の合理化といった「速度による政治」や集権化に対するある種のブレーキとしての、議論による統治を促進するものであるべきだろう。

●ファシスト的公共性? 閉鎖性と同質性を求めない共同性? 

 公共性のバージョンアップへ

 安倍政治の検証を民主主義のバージョンアップへの糸口とともに、公共性のバージョンアップへとつないでいくことができるだろうか。

 佐藤・京都大学教授は、「ファシスト的公共性」という問題提起をしている。

 「公共圏とは世論ないし輿論を生み出す社会空間であると考えるなら、ハーバーマス的な市民的公共圏の理想的な枠内にとどまっているのは、私に言わせれば知的怠慢としか思えない。そこであえて、ファシスト的公共性という言葉を使って現実の世論と向き合うべきなのです。

そもそも、日本で市民的公共性と訳されているものは、ブルジョア的公共性です。これは財産と教養を入場条件とした、つまり格差を前提にした公共性なのです。格差のある公共性を市民的公共性、格差のない公共性をファシスト的公共性と定義したとして、どちらを選びますか。多くの人がファシスト的公共性の方を選ぶのではないか。その危険性を忘れてはいけません」(4―6面)。

格差社会と言われて久しい。社会調査データに基づいて①資本家(経営者、役員)、②新中間階級(被雇用者管理職、専門職、上級事務職)、③労働者、④旧中間階級(自営業)のほかに、アンダークラス(非正規労働者)をひとつの階級とみなす必要があるとの研究もある(「新・日本の階級社会」橋本健二 講談社現代新書)。現制度の内側で安泰を求める人々と、制度の外側に置き去りにされた人々へと社会を分断するのか。あるいは他者を排除しない、閉鎖性と同質性を求めない共同性へとバージョンアップできるか。

「いまあるのは、いわば『追い込まれた』私生活志向である。日々の勤めをはたし、暮らしをまもっていくだけで精一杯で、働き方や暮らしを左右する政策について熟慮したり、自らの判断を行動に移していく余力はなかなか得られない。それでも、重要な政策については人任せにしないという政治的関心が、近年、たとえばエネルギー政策や安全保障政策、あるいはまた待機児童問題などをめぐって表明されてきた。

~中略~社会統合の再建が、再び異質とされるものを排除する内向きのものに傾いていくのか。中間層が現に経験している生活条件の悪化が、ポピュリズムの政治の繰り返しを招き、不安定化を加速させていくのか。

それとも、格差の拡大に歯止めをかけ~中略~『われわれ』のまとまりを排他的につくりだすのではなく、異なった文化や価値観が多元的に共存できるような統合のあり方を築いていくのか」(「不平等を考える」齊藤純一 ちくま新書)。

 諸富徹・京都大学教授は、「新・日本の階級社会」の書評(朝日2/25)でこう述べている。

 「気になるのは、アンダークラスで平等化への要求が、排外主義と強く結びつくようになっていることだ。日本でも、イギリスのEU離脱やトランプ米大統領誕生の要因となったポピュリズムと同様の芽が現れ始めているのだろうか。

 著者は、社会分断を乗り越えていく希望はあると強調する。格差縮小を志向し、排外主義・軍国主義化に批判的な、リベラルな価値観を持った人々が階級を超えて広範に存在することも浮かび上がってきたからだ」。

 平成という時代の特徴は、多様性だろう。「一億総中流」も「一枚岩」も幻想だ。そればかりではない。外国人労働者はすでに128万人、留学生も含めて彼らなしにはもはや成り立たない社会になっている。公立学校に通う外国人の子どもは8万人にのぼる。日本国籍を持つ日本人の「見た目」も多様だ。暮らしや仕事、学校などの地域において、こうした多様性を前提にした共同性、課題を共有したところにうまれる公共性をどう創りだしていけるか。

(7/14総会および第九回大会にむけた議論として。)

(「日本再生」470号 一面より)

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総会

7月14日(土) 1000から1800

「がんばろう、日本!」国民協議会 事務所(市ヶ谷)

ゲストスピーカー 諸富徹・京都大学教授

         「人口減少時代の都市と自治」

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□第35回 戸田代表を囲む会in京都
8月23日(木) 1830から
会場 コープイン京都

会費 1000円(学生500円)

「保守化?する若者たち」

ゲストスピーカー 山田昌弘・中央大学教授

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映画「ゲッペルスと私」

https://www.sunny-film.com/a-german-life

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ナチスの宣伝相・ゲッペルスの秘書として働いていた女性(103歳)の独白。

当時のことを振り返って「何も知らなかった。私に罪はない。自分のことを考えていただけ。

職場での義務をはたしていただけ」という。

エンターテイメントの要素は一切なし。

彼女の独白の合間に当時の映像が挟まれ、見るものは「これから登場するかもしれないファシズムと

自分はどう向き合うのか」を考えさせられる。

2016年アメリカ大統領選をテレビで見た彼女は、「トランプの演説、叫び方や言葉選びが

あの(ナチスの)時代を思わせ、とても不快だった」と感想を述べたという。

今号(470号)掲載の佐藤卓己・京都大学教授インタビュー「ファシスト的公共」にも関連。

岩波ホール(東京・神保町)で8/3まで

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石津美知子
「がんばろう、日本!」国民協議会

http://www.ganbarou-nippon.ne.jp


メルマガ♯がんばろう、日本!         号外(18.6.4)

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「がんばろう、日本!」国民協議会

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Index 

□ 都内 集まりのご案内

□ 「がんばろう、日本!」総会のお知らせ

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松尾あきひろ君を励ます会

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昨年の総選挙、東京2区で健闘した立憲民主党・「松尾あきひろ」さんを励ます集い

7月11日(水) 1900より

文京区民センター 3階A会議室

会費 無料

蓮舫参院議員 井出康生衆院議員(予定)

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まえだ順一郎 セミナー

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東京11区、立憲民主党・前田順一郎さんのセミナー

「財務省セクハラ問題を考える」

7月18日(水) 1900より

常盤台地域センター(東武東上線上板橋駅徒歩4分)

参加費 500円

ゲストは東京新聞の望月衣塑子さん。板橋区議会議員の五十嵐やすこさんもお招きして、

みんなでこの問題を考えていきたいと思います。

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「がんばろう、日本!」総会

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7月14日(土) 1000から1800

「がんばろう、日本!」国民協議会 事務所(市ヶ谷)

ゲストスピーカー 諸富徹・京都大学教授

         「人口減少時代の都市と自治」

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石津美知子
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Index 

□ 6.10 国会前大行動

□ 安倍政治の〝終わりの始まり〟を、政権選択選挙の次のステージへ

  転轍するための論点整理のために  書籍案内

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■ 安倍政権の退陣を要求する 6.10国会前大行動

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6月10日(日) 1400から1530

国会議事堂正門前

主催・実行委員会

事務局・総がかり行動

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■ 書籍案内

安倍政治の〝終わりの始まり〟を、政権選択選挙の次のステージへ

転轍するための論点整理のために 

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□平成デモクラシー史

清水真人

ちくま新書

*政治主導と政権交代―平成デモクラシーといわれた90年代の統治機構改革が

どのような変遷をたどったのか。ジャーナリズムの作法で事実を描くなかから

上記の枠組みを浮かび上がらせる。

「政権交代2.0」への問題設定が整理される。

□現代日本外交史

宮城大蔵

中公新書

*冷戦後の外交政策は、連立の組み換え・政権交代と密接にリンクしている。

国際環境の変動と連立政権の変遷の関連から、連立政権の新たな方程式を

どう見出すか。

□新・日本の階級社会

橋本健二

講談社現代新書

*格差社会から階級社会へ、継承される負の連鎖と分断社会という課題に

どう向き合うか。このことを避けた政権選択はありえない。

□人口減少時代の都市

諸富徹

中公新書

*人口減少時代に向け、さまざまな難問が可視化されつつある。それについて著者は

こう問いかける。

<以下 引用>

住民自治を「人工的」(政策的)に涵養することは可能か? あえて「可能だ」と回答しておきたい。

住民に予算と権限を配分し、人的資本と社会関係資本への投資が促される環境を整備すること、他方で、市役所は「黒子」に徹し、住民が議論し、自己決定していくプロセスを支えること。これらが飯田市での経験から引き出される、住民自治を涵養するうえでの決定的に重要な要素である。~こうした住民自治の基盤形成が、近い将来に予想される人口減少の本格化までに間に合うのであれば、私たちはパニックに陥る必要はない。「成長型都市」から「成熟型都市」への歴史的転換期を、トップダウンではなく、ボトムアップで乗り切っていく力量が、都市の側に備わるからである。<引用 終り>

□戦前日本のポピュリズム

筒井清忠

中公新書

*欧米で注目されるポピュリズム。しかし戦前日本は、すでにそれを経験していた。

無党派層の増加が政党政治を破壊し、マスメディアが政治不信と「革新論」を煽る

なかで、軍部・革新派官僚が台頭し、「新体制」(総力戦体制)が構築されていった

戦前日本の教訓を、どう活かすことができるか。

□ファシスト的公共性 総力戦体制のメディア学

佐藤卓己

岩波書店

*普通選挙権―大衆民主主義以前には、ファシズムは登場しなかった。

ファシスト的公共性(参加民主主義)に対抗しうる、他者に開かれた公共性をいかに

獲得するのか。総力戦体制とメディアというテーマは、「平時」まで継続するテーマ

であり、「ポスト真実」の時代に、さらに切実なものとなっている。

□「日本人」は変化しているのか 価値観・ソーシャルネットワーク・民主主義

池田謙一 編著

勁草書房

*3つの大規模国際比較調査を柱に、現代(3.11後の)日本人・日本社会の姿(意識)を

分析していく。社会分析・階層分析の基本となるデータとして貴重。

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東京・戸田代表を囲む会

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会場 「がんばろう、日本!」国民協議会 事務所(市ヶ谷)

会費 同人 1000円  購読会員 2000円 

*お詫び

第191回 山田昌弘先生の会が、5月15日となっていました。

正しくは6月1日でした。

今後の「囲む会」の予定は調整中です。

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京都・戸田代表を囲む会

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□第34回 戸田代表を囲む会in京都
6月23日(土) 1900から2100 (1830開場)
会場 コープイン京都

会費 1000円(学生500円)

「人口減少時代の都市とエネルギー転換」

ゲストスピーカー 諸富徹・京都大学教授

         福山哲郎・参議院議員

□第35回 戸田代表を囲む会in京都

8月23日(木) 1830から

会場 コープイン京都

会費 1000円(学生500円)

「保守化? する若者たち」

ゲストスピーカー 山田昌弘・中央大学教授

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総会

7月14日(土) 1000から1800

「がんばろう、日本!」国民協議会 事務所(市ヶ谷)

ゲストスピーカー 諸富徹・京都大学教授

         「人口減少時代の都市と自治」

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石津美知子
「がんばろう、日本!」国民協議会

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メルマガ♯がんばろう、日本!         №238(18.5.31)

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「がんばろう、日本!」国民協議会

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Index 

□ 政権交代なき官邸主導―安倍政治の〝終わりの始まり〟から、

  政権選択と政党政治の次のフェーズへ

●卑怯と無責任のトリクルダウンを蔓延させるのか、

 主権者として統治機構を作りこんでいくプロセスへと転換するのか

●政権選択・政権交代なき官邸主導―安倍政治から、政権選択の次のフェーズへ

□「囲む会」のご案内

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政権交代なき官邸主導―安倍政治の〝終わりの始まり〟から、

政権選択と政党政治の次のフェーズへ

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●卑怯と無責任のトリクルダウンを蔓延させるのか、

 主権者として統治機構を作りこんでいくプロセスへと転換するのか

 森友学園への国有地売却について、財務省が国会答弁と並行して交渉記録の改ざんと廃棄を進めていたことが、ようやく明らかになった。「立法府への愚弄」と言うべき事態に、誰が責任を取るのか。

 参議院予算委員会の集中審議で、参議院事務総長は、森友学園との交渉記録について財務省の佐川前理財局長が「廃棄した」、「記録が残っていない」と国会で答弁をした回数が、去年2月以降、合わせて43回に上っていたこと、麻生副総理兼財務大臣も同様の答弁を合わせて11回していたと説明。さらに衆議院予算委員会の集中審議で、自民党議員が「今回提出されたものが本当にすべてなのか」とただしたのに対し、麻生大臣は「調査すればまだ出てくるかもしれない」と答弁。議場は騒然となった

 「立法府への愚弄」は、国民に対する愚弄にほかならない。国権の最高機関たる国会(憲法41条)で連日、ウソの上塗りと論理のすり替えが繰り広げられる。こんな卑怯と無責任のトリクルダウンを、私たちの社会はどこで止められるのか。

 加計学園と安倍首相との面談を記した県の文書を国会に提出した愛媛県知事は、「何ごとも正直と真実を覆すことはできない」と述べている。日大アメフト選手は会見で、「自分の意思に反するようなことは、フットボールにかかわらず、すべてにおいて、するべきじゃないと思います」ときっぱりと述べた。

 「民主主義を単なる政治のやり方だと思うのは、まちがいである。民主主義の根本は、もっと深いところにある。~すべての人間を個人として尊厳な価値を持つものとして取り扱おうとする心、それが民主主義の根本精神である」(「民主主義1948-53中学・高校社会科教科書エッセンス復刻版」文部省著・西田亮介編 幻冬舎新書)

 民主主義を単なる政治のやり方(≒多数決主義)とする消費者民主主義は、卑怯と無責任のトリクルダウンを支える基盤ではないか。

 「今回のエリート組(財務省82年入省組)の瓦解の遠因に、私を含めたこの世代特有の弱さの存在を感じます。60年代の政治の季節に遅れ、70年代には学校のサヨク的な先生の授業に白けつつ、80年代に入るとポストモダン的自由を謳歌し、時代の先端を走っているつもりでした。ところが、結局、戦後民主主義の精神を次の世代にうまく継承できず、子どもたちに伝える成熟した文化も、つくり得なかったのです。~中略~財務省のトップだった彼が、知的リーダーの最低条件である『自己懐疑の精神』に縁遠かったのはその象徴のように感じました」(福岡伸一・青山学院大教授 朝日5/19)

 では、個人の尊厳や自由のために民主主義を活かす―立憲民主主義の当事者性は、どう集積されてきたのか。どのようなステージで、それを具現化していくのか。

 「現在では日本国憲法は、『この国のかたち』を成すものとして、一定の定着を見たように思います。言い換えれば、この71年は、私たちが憲法に慣れるとともに、憲法を運用によって発展させていく、そのような相互作用の歴史でもあったと言えるでしょう。

 それでは、憲法の役割とは何でしょうか。それは、民主的な政治プロセスを構成し、政治権力を作り出すとともに、権力を制限することで、合理的な統治、ガバナンスを実現するところにある、と私は考えています。
 ~中略~立憲主義に基づく憲法の役割は、権力を構成すると同時に制限する、言い換えれば、合理的で責任ある決定を下し、実施する政治プロセスを維持することにあります。その意味で、憲法は『政治の法』そのものです」(宍戸常寿・東京大学教授 NHK「視点・論点」5/14)

 「安倍一強」は、90年代の一連の統治機構改革という制度の産物でもある。〝安倍政治の終わりの始まり〟とは、この90年代の統治機構改革(平成デモクラシー)の教訓と総括の上に立って、「権力を構成する」=国民主権で統治機構を作りこんでいくプロセスへと転換することにほかならない。

 平成という時代は「失われた30年」とも言われる。たしかに時代の転換に対応するための貴重な時間、資源を少なからず失ったし、消費者民主主義や冷笑主義は、卑怯と無責任のトリクルダウンへと帰結しつつある。一方で、失ったものも多いが、「自分たちのことは自分たちで決めよう」という当事者性の〝始まりの始まり〟を、主権者として統治機構を作りこんでいくプロセスへと転換するために、得たものも多いといえるのではないか。

 そのために「平成デモクラシー」(統治機構改革)の検証から、安倍政治の上手なたたみかたを集積・共有していこう。

●政権選択・政権交代なき官邸主導―安倍政治から、政権選択の次のフェーズへ

 「与野党の権力を巡る競争から、有権者の選択を経て、選ばれた首相に一定期間、権力を集中させる。政権選択と首相主導の組み合わせ。これが『平成デモクラシー』のガバナンスの両輪だ」(「平成デモクラシー史」清水真人 ちくま新書)

 「政権選択と首相主導という『平成デモクラシー』の両輪のバランスを揺るがすのが『安倍一強』だ。衆院任期を半分以上残した一四年の『小刻み解散』。憲法に基づく臨時国会の召集要求を逆手にとった一七年の『冒頭解散』。どちらも自公連立政権の継続以外の政権の選択肢は示されなかった。野党陣営に『政権の受け皿』を提示する責任があるのは当然だが、そもそも、衆院選を有権者による政権選択の機会にさせない思惑が先に立った解散権の行使が続く。

 首相主導の統治への権力集中はあくまで『期間限定』であり、合理的な時間軸で政権選択という権力競争が機能することが大前提だ。首相主導が強まった結果、政権選択を実質的に封じ込める狙いで解散権を行使するなら『平成デモクラシー』への過剰適応とも言える」(同前)。

 平成デモクラシーの総括視点は、大きく言って二つ。ひとつは「官邸主導・政治主導」にかかわる統治機構・統治システムの作りこみ、もうひとつは政権選択選挙、とりわけその核となるべき政党・政党政治のあり方だ。言い換えれば、政治主導・官邸主導と政権交代がセットで成り立つことであり、「安倍政治」とは、政権交代なき官邸主導が行き着いた姿でもあるということだ。

 「問題を一言で言えば、最近の官邸主導の政治のあり方を見直し、内閣、国会、裁判所その他の権力と権力の間のバランスを再調整する必要があるのではないか、ということです。~中略~まず、官邸主導の政治のあり方をどのように考えるかということです。次に、官邸主導の政治に対して、国会はどのように向き合うかということです。第3に、裁判所をはじめとする独立機関の重要性、第4に、マイノリティの声を国政にどのように届けるか、第5に、これは少し別の問題になりますが、継続的に憲法論議を行う場を国政の舞台に用意する必要があるのではないかということです」(曽我部真裕・京都大学教授 NHK「視点・論点」5/15 2―5面「囲む会」も参照)。

「さらに日本の統治機構の抱えるさまざまな問題の根本的な要因として、政権交代がないということを改めて指摘すべきだと思います。他国と同様に政権交代が行われるようになれば、日本統治機構の問題のかなりの部分は、おのずと解決するのではないかという感じがします。

政権交代がないというのはやはり異常なことで、近隣諸国を見ても韓国でも台湾でも、選挙で政権交代をすることが定着しているわけです。日本だけがこういうことができないというのは、問題があるのではないかと思います。これは制度の直接の問題ではありませんが、根本的な問題として重要だと思います」(曽我部真裕・京都大学教授 2―5面「囲む会」)。

政権選択・政権交代が可能になるためには、政党・政党政治のあり方が決定的だ。消費者民主主義→多数決主義では、権力・決定に与らない野党に存在意義は見出せず、「無責任」「だらしない」と言うだけになる。また小選挙区制の導入が政党のイノベーションに結びつかなければ、政党は選挙互助会にしかならない。目前の選挙のために旧民進党がたった一日で、しかも国会議員だけで、曲がりなりにも二十年間積み重ねてきた蓄積を放り投げたことは、その典型といえるだろう。

「国家と社会をつなぐという政党の基本的機能に関して、現在の政権は上からの政策処理を前提として、自民党などの政党を通じて、広く有権者の参加を促していないのではないかという疑問がありうる。~中略~政党政治の危機ということであるならば、政党が国家と社会をうまくつなげていないという疑問こそが、重大な問題であると考えられよう」(飯尾潤 ジャーナリズム2017.6)

 「取り残された民意」「制度の外の社会の問題提起」を、どのように政治的に表出させるのか、そのための公共圏・言論空間をどう作り出していくのか―そういう政党・政党政治をどうつくりだしていくか。またその「参加」において、何が問われてくるのか。

 「一九世紀の民主主義は『財産と教養』を入場条件とした市民的公共圏の中で営まれると考えられていた。一方、二〇世紀は普通選挙権の平等に基礎を置く大衆民主主義の時代である。そこからファシズムが生まれた事実は強調されなければならない。理性的対話による合意という市民的公共性を建て前とする議会制民主主義のみが民主主義ではない。~何を決めたかよりも決定プロセスに参加したと感じる度合いがこの民主主義にとっては決定的に重要であった。~ヒトラーは大衆に『黙れ』といったのではなく『叫べ』といったのである。~つまり民主主義は強制的同質化とも結託できたし、その結果として大衆社会の平準化が達成された。こうした政治参加の儀礼と空間を『ファシスト的公共性』と呼ぶとしよう」(佐藤卓己「ファシスト的公共性」 岩波書店)。これは「ポスト真実」の時代にはいっそう切実な問題提起だ。

 異質な他者を排除しない開かれた公共性は、いかにして可能か―生きるうえで他者性を前提とする地域・くらしの当事者性を基礎に、弛みない対話をどう積み重ねていくか。そして「課題を共有できたときに公共はうまれる」という多様な公共圏を、自治の現場からどのようにつくりだしていけるか。「ゆっくり、いそげ」で、その着実な集積を。

(「日本再生」469号 一面より)

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東京・戸田代表を囲む会

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会場 「がんばろう、日本!」国民協議会 事務所(市ヶ谷)

会費 同人 1000円  購読会員 2000円 

□第191回 東京・戸田代表を囲む会
「若者の『保守化』?」(仮)
5月15日(火) 1845から
ゲストスピーカー 山田昌弘・中央大学教授

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京都・戸田代表を囲む会

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□第34回 戸田代表を囲む会in京都
6月23日(土) 1900から2100 (1830開場)
会場 コープイン京都

会費 1000円(学生500円)

「人口減少時代の都市とエネルギー転換」

ゲストスピーカー 諸富徹・京都大学教授

         福山哲郎・参議院議員

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総会

7月14日(土) 1000から1800

「がんばろう、日本!」国民協議会 事務所(市ヶ谷)

ゲストスピーカー 諸富徹・京都大学教授

         「人口減少時代の都市と自治」

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石津美知子
「がんばろう、日本!」国民協議会

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メルマガ♯がんばろう、日本!         №237(18.4.30)

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Index 

□安倍政治の〝終わりの始まり〟を、

 主権者として統治機構を作りこんでいくプロセスへと転換しよう

 ~政権選択選挙の次のフェーズへ「ゆっくり、いそげ」

●安倍政治の〝終わりの始まり〟 「政権交代1.0」から「政権交代2.0」へ

●国民主権で統治機構を作りこんでいくプロセスへ

□5月&6月「囲む会」のご案内

□お薦め 本&映画

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安倍政治の〝終わりの始まり〟を、

主権者として統治機構を作りこんでいくプロセスへと転換しよう

~政権選択選挙の次のフェーズへ「ゆっくり、いそげ」

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●安倍政治の〝終わりの始まり〟 「政権交代1.0」から「政権交代2.0」へ

 財務省による公文書改ざん・虚偽答弁・職員の自殺、自衛隊日報隠蔽、裁量労働制データ偽造、過労死隠蔽、加計学園メモ(虚偽答弁の可能性)、幹部自衛官による国会議員への罵声(シビリアンコントロールの根幹に関わる)、幹部によるセクハラ&二次被害を助長する財務省…

 1月22日から始まった今国会で、次から次へと〝モグラ叩き〟のように出て来る「不祥事」の数々は、もはや民主主義の危機といっていいレベルだ。しかしいまだに政治家は誰一人、責任を取っていない。森友・加計、日報問題は昨年来ずっと追及されてきたにもかかわらず、政府は虚偽答弁・改ざん・隠蔽を続けてきた。議論の前提となる公文書や官僚答弁さえ信頼できない事態では、まともな国会審議など成り立つはずもない。

 なすべきことは明らかだ。すみやかに事実を明らかにし(身内によるお手盛り調査ではなく)、霞ヶ関を統括する政府・大臣は責任を取ること。そんな当たり前のことが、なぜ、できないのか。国会審議の前提を整える責任は政府と与党にある。

 立憲民主党国会対策委員長、辻元議員は次のように述べている。【以下引用】

 今、国会が不正常と言われていますが、不正常なのは国会ではありません。財務省であり、政府です。私たちには追及したい問題がたくさんあり、法案の対案も準備しています。早く審議を再開したいのです。

 しかし、審議が成立する条件を、政府与党が整えようとしているようには見えません。この間、私たちが省庁に資料を求めれば、文書を隠蔽する。改ざんする。国会で質問をすれば、これも「調査中」で何も答えず、先送り。これではまともな議論などできません。
 そのため私たちは立法府として、正常な体制に戻してほしいと与党に要請しました。

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<2018年4月18日 野党6党提出 要請内容4項目>

1. 麻生財務大臣の辞任、並びに福田淳一財務事務次官の罷免を強く求める。
2. 森友・加計問題の全容解明のため、柳瀬唯夫元総理秘書官をはじめ、関係者の証人喚問を強く求める。
3. 財務省による文書改ざん問題の調査結果の4月中の公表、並びに改ざん前の文書の全容の即時公開を求める。
4. 自衛隊の日報問題の真相究明、並びに自衛官の暴言問題の早期の事実確認を強く求める。
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 安倍総理は「膿みを出し切る」と言いました。しかし、いまだにこの要請に対しての明確な回答がありません。~中略~

 昨日、新橋駅前でおこなわれた立憲民主党の街頭宣伝で、枝野代表はこう指摘しました。

 「国会には3つの役割がある。1つは内閣総理大臣を選ぶこと。2つめは法律を作ること。でもこれらと同じぐらい大事な役割、〝国民のみなさんに代わり、行政を監視し、チェックする〟という役割が国会にあるということを、安倍政権はわざと隠している。この役割を果たさなければ、まっとうな政治は果たせない。」
「改ざんや隠ぺいやいい加減な答弁はもうしない、信じろというならば、それだけの証を示す責任はいまの政府と与党にある、ということを知っていただきたい。」

 現在野党6党は、内閣不信任案を出すどころか、政府与党が国会に対し、真摯な姿勢で臨むのを待っている状態です。安倍政権が疑惑解明に切り込み、財務省をはじめとする政府の異常事態にけじめをつけて、国会審議の条件が整うことを、私は願っています。

まっとうな国会審議を拒否しているのは、政府与党です」

(http://blogos.com/outline/293053/)【引用終り】

 これは与党vs野党の問題ではなく、立憲主義を機能させる側に立つのか否かという問題だ。

 「~マックス・ウェーバーは、法に定められた権限と手続きに沿って職務が遂行され、その過程や結果が文書に記録される統治のあり方を、『官僚制』と定義した。~中略~近代社会は、この官僚制と法による支配への市民の一定の信頼によって成り立っている。だが今、政府・霞ヶ関という最大の権限をもつ組織が、官僚制と法治への信頼を破壊している。自由主義や民主主義以前に、日本が近代国家か否かが問われる底の抜け方だ。

 もしも近代国家であるのならば、少なくとも以下が求められるだろう。三宅(内閣府公文書管理委員会委員長代理)が指摘するように、公文書管理機関を内閣から独立させ(毎日4/13「論点」)、牧原(東大教授)が論じるとおり、会計検査院や大学設置・学校法人審議会など独立機関に政権に抗しうる権限を保障する(中央公論5月号)。そして、政府・霞ヶ関の代表者たる各大臣・次官は現下の問題で『責任を取る』。こんな単純なことが、なぜ、できていないのか」(石原俊 毎日4/24時論フォーラム()内は引用者)

 内閣支持率が危険水域に近づいても、政府・与党は数の力で「働き方改革」(労働時間規制=労働者保護を撤廃した「高プロ」を含む)の審議を強行する構え。そこから透けて見えるのは「安倍一強」とは逆方向の遠心力であり、安倍政治の〝終わりの始まり〟だろう。

では、何を終わらせ、何を始めるのか。

 「安倍政権はそれまで、1年単位の政策課題を設定し、それを決定するというサイクルをひたすら繰り返すにとどまっていた。だが、森友・加計学園問題が明らかにしたのは、それぞれの政策の検証が必要とされる段階に入ったということであった。そして昨年夏の段階で、安倍政権は到底、こうした検証に堪えうるだけの実質をそなえていなかったのである。

 筆者はこれを『政権交代2.0』の段階に入りつつある、と分析した。すなわち、政権交代を果たしただけの『政権交代1.0』から、本格的な『長期政権』を樹立する『政権交代2.0』への移行期である」(牧原出・東大教授 WEBRONZA 3/29)

 政権交代可能な政治システムをめざした90年代の政治改革。民主党政権は政権交代は果たしたものの、政策転換をなしうる政権にはなりえなかった。二度目の政権交代を果たした安倍政権は逆に、政権選択と首相主導というツールを政権維持のためだけに使った。それは「長期」政権ではあるものの、「検証に堪えうるだけの実質をそなえていな」い、その意味で「にわか作りのまま」の政権であったことが露呈している。

 「政権交代を果たしただけの『政権交代1.0』から、本格的な『長期政権』を樹立する『政権交代2.0』への移行」(牧原 前出)は、この90年代の政治改革ならびに「平成デモクラシー」と称される統治機構改革の検証と総括を抜きにしてはありえない。

 このなかで、「失ったものものもあるが、得たものも多い」と主権者として言えるか(フォロワーシップの転換)。そのそれぞれの経験を共有するなかから、「われら愚者の民主主義」の旗を掲げて、「政権交代2.0」の幕を開けられるか。「一票で政権を選ぶ」だけの「政権交代1.0」の主権者から、「政権交代2.0」の主権者へ移行するためのステージを始めよう。

●国民主権で統治機構を作りこんでいくプロセスへ

 安倍政治を、どうたたんでいくか。どうたためば「政権交代2.0」への移行の道がみえるのか、どういうたたみ方では「政権交代1.0」で得たものさえ語れなくなるのかetc。

 「安倍一強」は「平成デモクラシー」のひとつの到達点である。「安倍政治」の検証は「平成デモクラシー」(統治機構改革)の検証としてなされるべきであり、そこから安倍政治の上手なたたみかたが見えてくる。

 「与野党の権力を巡る競争から、有権者の選択を経て、選ばれた首相に一定期間、権力を集中させる。政権選択と首相主導の組み合わせ。これが『平成デモクラシー』のガバナンスの両輪だ」(「平成デモクラシー史」清水真人 ちくま新書)

 「政権選択という『平成デモクラシー』の両輪のバランスを揺るがすのが『安倍一強』だ。衆院任期を半分以上残した一四年の『小刻み解散』。憲法に基づく臨時国会の召集要求を逆手にとった一七年の『冒頭解散』。どちらも自公連立政権の継続以外の政権の選択肢は示されなかった。野党陣営に『政権の受け皿』を提示する責任があるのは当然だが、そもそも、衆院選を有権者による政権選択の機会にさせない思惑が先に立った解散権の行使が続く。

 首相主導の統治への権力集中はあくまで『期間限定』であり、合理的な時間軸で政権選択という権力競争が機能することが大前提だ。首相主導が強まった結果、政権選択を実質的に封じ込める狙いで解散権を行使するなら『平成デモクラシー』への過剰適応とも言える」(同前)。

 政権選択選挙をあきらめない側から「安倍政治」を検証するなら、例えば解散権の制約は憲法改正の論点ともなるだろう。選挙制度を取り上げるなら、合区の解消といったうわべの論点ではなく、国・地方も含め「民意をどう反映し集約するか」という制度設計の思想から検討すべきだ。当然、地方自治の深化―平成デモクラシーのひとつである地方分権改革―の検証も不可決であり、ここからも憲法改正の論点が抽出されるかもしれない。

 首相主導・官邸強化に対応したチェック&バランスの強化―国会や独立機関の強化など―も不可欠だ。公文書管理の厳格化は「一丁目一番地」といえるだろう。(今回の財務省の文書改ざんは民主主義の根幹を揺るがす行為だが、現行法では刑事罰に問うのは難しいという。)

 また政府・与党が一体となった議院内閣制においては、国会において政府をチェックするのは主に野党であることを踏まえた、国会運営における野党の位置づけも重要な論点とするべきだ。国政調査権(憲法62条)を政府のチェックとして機能させようとすれば、過半数という要件も見直す必要があるだろう。

 ほかにも論点は多々あるだろうが、こうしてみると、「安倍政治」に対抗して掲げられてきた立憲主義の意味も明らかになってくる。立憲主義とは権力を縛るものであるという理解は、これからのステージでは十分ではない。「現代国家では社会や個人が抱える様々な課題の解決のために国家の活動が求められることも多いのであり、権力は縛られる(統制力)以前に、迅速的確に行使されること(推進力)が必要」(曽我部真裕・京都大学教授 4/23京都「囲む会」レジュメ)となる。つまり主権者とは権力を構成し、機能させる主体であり、それゆえに統制する主体である、ということだ。(5―8面 囲む会 松本・和光市長 参照)(曽我部教授の「囲む会」の内容は次号掲載予定)

 主権者が権力を構成するという立憲主義の観点は、90年代の統治機構改革の議論では視野に入っていなかった。またこうした統治機構改革―基幹的制度改革―が、憲法典の改正を伴わない実質的な憲法改正を意味しうることも、議論の俎上には上らなかった。

 例えば憲法改正の発議に必要な「両院の三分の二以上」の規定は、中選挙区制と小選挙区制ではその実質的意味が異なってくる(445号 坂井豊貴・慶應大学教授インタビュー参照)。これからのステージでは、憲法の規定の実質的変更となりうるものとして、公職選挙法をはじめとする基幹的制度改革を議論できなければならない。

 言い換えれば憲法改正について、形式的な意味での憲法典の条文だけを対象として扱うのではなく、主権者が権力を構成する、その統治機構のあり方としての実質的憲法全体―憲法体系とか基幹的制度といわれる―を視野に入れて議論する、そういうステージに移行していかなければならないということだ。

 これは歴史的にはじめての、国民主権で統治機構を作りこんでいくプロセスの始まりだ。大日本帝国憲法の制定時、五日市憲法をはじめ各地で自由民権運動の流れを汲んだ草の根の憲法制定運動があった。敗戦後、現憲法の制定時にも国会・学界はもとより在野から、さまざまな憲法草案が提起され議論された。これから始めなければならないのは、歴史的にはじめて、国民主権で統治機構を作りこんでいくプロセスだ。

 平成デモクラシーの経験は、そのための論点を提供してくれている。平成という時代は「失われた30年」とも言われる。たしかに時代の転換に対応するための貴重な時間、資源を少なからず失ったが、立憲民主主義を深めるために得たものも多いといえるのではないか。

 立憲民主主義とは、国民が統治される側として「権力をしばる」だけではなく、統治する側―権力を構成する主権者として統治機構を作りこんでいくプロセスである。そういう主権者を育てる基礎は、自治の現場にほかならない。地域の方向を自分たちで決めていく営みのなかで、学習を通じて人々は統治される側の視点だけではなく、統治する側の視点も獲得していく。これもまた多くの「得たもの」ひとつといえるだろう。

 国民主権で統治機構を作りこんでいくうえで、安倍政治の検証に必要なもうひとつの視点は、民意の反映・集約の前提となるべき「代表性」あるいは「参加」をどう担保するかだろう。自分たちの意見や問題提起を届けるルートがある、という実感を人々が持てなければ、中長期的な課題に取り組む「体力」のある政権はできない。世論調査頼みでは、選挙に圧勝しても「にわか作りのまま」という政権が、五年も続くことになる。

 「国家と社会をつなぐという政党の基本的機能に関して、現在の政権は上からの政策処理を前提として、自民党などの政党を通じて、広く有権者の参加を促していないのではないかという疑問がありうる。~中略~首相主導が望ましいのは、基盤となる政党が社会の声を吸い上げ、その基盤の上に立って首相が行動するという原理があるからであって、ただ首相の地位にあるから自動的に、その判断が民主的だということにはならない。政党政治の危機ということであるならば、政党が国家と社会をうまくつなげていないという疑問こそが、重大な問題であると考えられよう」(飯尾潤 ジャーナリズム2017.6)

 多様な民意はいまや、既存の制度にキャッチされずに「制度の外側」に多数存在している。その声や問題提起に応答する仕組みを政党はもとより、統治機構・統治システムにどう作りこんでいくか。これも重要な検証視点だ。

 曽我部教授は前出の「囲む会」レジュメで、こう提起している。

 「業界団体などを通じた組織された意見・利益は国政に反映されやすいのに対し、組織されずばらばらの少数者の意見が国政に反映することが難しかったように思われる。→少数者の権利保護において日本の政策が大きく立ち遅れる原因に」

「個別の分野で日本の取り組みが遅れているという批判をするだけではなく、このような結果をもたらす統治機構上の構造があるのではないかという観点から考察を行う必要性」

「市民社会の中で行われる問題提起(マイノリティ当事者であれ専門家の意見であれ)を国政の場に伝達するルートが細いのではないか」

 こうした社会からの問題提起への応答においては、参加が政治的有用感にどう結びつくかが、大事なポイントになる。この点においても自治の現場では、地方消滅といわれるように失ったものも少なくないが、コミュニティーでの合意形成・当事者性と「より大きな意思決定」における政治的有用性をどう担保するかという課題に向き合ってきた教訓など、得たものも多いと言えるのではないか。

 「安倍政治の検証」を、立憲民主主義を具現化する糸口へ。安倍政治の〝終わりの始まり〟を、政権選択選挙の次のフェーズへと転換していこう。

(「ゆっくり、いそげ」とは、良い結果に至るためにはゆっくり行くのがよい、という格言。)

(「日本再生」468号一面より)

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東京・戸田代表を囲む会

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いずれも

会場 「がんばろう、日本!」国民協議会 事務所(市ヶ谷)

会費 同人 1000円  購読会員 2000円 

□第189回 東京・戸田代表を囲む会
「冷戦後の日本外交」(仮)
5月7日(月) 1845から
ゲストスピーカー 宮城大蔵・上智大学教授

*冷戦後の国際環境の変化に対して、「人間の安全保障」や多国間の地域協力という軸と、日米同盟・自衛隊の役割拡大という軸の間で、日本外交はどのような模索をしてきたのか。

またそれが「連立の組み替え」という形で、内政とどう連動していたのか。そのなかで沖縄問題はどう位置づけられてきたのかetc

□第190回 東京・戸田代表を囲む会
「アフリカの今とこれから」(仮)
5月15日(火) 1845から
ゲストスピーカー 坂井真紀子・東京外国語大学准教授

□第191回 東京・戸田代表を囲む会
「若者の『保守化』?」(仮)
5月15日(火) 1845から
ゲストスピーカー 山田昌弘・中央大学教授

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京都・戸田代表を囲む会

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□第34回 戸田代表を囲む会in京都
6月23日(土) 1900から2100 (1830開場)
会場 コープイン京都

「人口減少時代の都市とエネルギー転換」

ゲストスピーカー 諸富徹・京都大学教授

         福山哲郎・参議院議員

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著書紹介 「非戦・対話・NGO」(新評論) 谷山博史 ほか

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4月20日「囲む会」のゲストスピーカー、谷山博史さんほか、NGO非戦ネットの

有志12人が、自分史を通じて国際社会との関係性を語る。

イラク、アフガニスタンをはじめ国内外の支援現場で培われた非戦の意思を、

読者と共有するために。

2600円+税のところ、特別に2300円(税込)で販売。

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お薦めの映画

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■おだやかな革命

各地で始まっている、再生可能エネルギーの取り組みを通じた「新しい価値」創造の試みを紹介するドキュメンタリー。東中野ポレポレにて、好評ロングラン。5/11まで

(4/21から27は休映)

http://odayaka-kakumei.com/theater/

■ラッカは静かに虐殺されている

戦後最悪の人道危機といわれるシリア内戦。海外メディアも報じることができない惨状を

スマホを武器に市民ジャーナリスト集団が伝える。各地の映画賞のドキュメンタリー部門を受賞。

http://www.uplink.co.jp/raqqa/

東中野ポレポレ、渋谷アップリンクにて上映中

■ペンタゴンペーパーズ

1971年、ベトナム戦争が泥沼化し、アメリカ国内には反戦の気運が高まるなか、国防総省はベトナム戦争について客観的に調査・分析する文書を作成。その一部がリークされる。全貌を公表しようとする新聞記者とあらゆる手段で圧力をかけようとする政権。

政府を敵に回してまで、本当に記事にするのか…報道の自由、信念を懸けた記者たちを映画化。

監督はスティーブン・スピルバーグ  主演はメリル・ストリーブ、トム・ハンクス

http://pentagonpapers-movie.jp/

■タクシー運転手

1980年、韓国民主化運動最大の悲劇と言われる光州事件を、現場で取材したドイツ人ジャーナリストと彼を乗せたタクシー運転手の視点から描く。ろうそく革命へと続く、歴史を動かす名もなき人々のドラマ。

http://klockworx-asia.com/taxi-driver/


石津美知子
「がんばろう、日本!」国民協議会

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メルマガ♯がんばろう、日本!         号外(18.4.19)

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Index 

□4月&5月&6月「囲む会」のご案内

□お薦め 本&映画

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東京・戸田代表を囲む会

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いずれも

会場 「がんばろう、日本!」国民協議会 事務所(市ヶ谷)

会費 同人 1000円  購読会員 2000円

 

□第188回 東京・戸田代表を囲む会
「日本国際ボランティアセンター(JVC)の活動をふりかえって」(仮)
4月20日(金) 1845から
ゲストスピーカー 谷山博史・JVC代表

*「非戦・対話」による国際関係をめざして活動するNGOのひとつ、JVC。

冷戦後の「国際貢献」をめぐる、「自衛隊派遣」とは別の「もうひとつの国際貢献」の

模索と蓄積について、考えたいと思います。(著書も販売)

□第189回 東京・戸田代表を囲む会
「冷戦後の日本外交」(仮)
5月7日(月) 1845から
ゲストスピーカー 宮城大蔵・上智大学教授

*冷戦後の国際環境の変化に対して、「人間の安全保障」や多国間の地域協力という軸と、日米同盟・自衛隊の役割拡大という軸の間で、日本外交はどのような模索をしてきたのか。

またそれが「連立の組み替え」という形で、内政とどう連動していたのか。そのなかで沖縄問題はどう位置づけられてきたのかetc

□第190回 東京・戸田代表を囲む会
「アフリカの今とこれから」(仮)
5月15日(火) 1845から
ゲストスピーカー 坂井真紀子・東京外国語大学准教授

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5月15日(火) 1845から
ゲストスピーカー 山田昌弘・中央大学教授

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京都・戸田代表を囲む会

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□第33回 戸田代表を囲む会in京都
4月23日(月) 1900から2100 (1830開場)
コープイン京都

「憲法改正の論じかた/立憲的な憲法改正の論じかた・非立憲的な憲法改正の論じかた」

ゲストスピーカー 曽我部真裕・京都大学教授

会費 1000円

□第34回 戸田代表を囲む会in京都
6月23日(土) 1900から2100 (1830開場)
会場 調整中

「人口減少時代の都市とエネルギー転換」

ゲストスピーカー 諸富徹・京都大学教授

         福山哲郎・参議院議員

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著書紹介 「非戦・対話・NGO」(新評論) 谷山博史 ほか

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4月20日「囲む会」のゲストスピーカー、谷山博史さんほか、NGO非戦ネットの

有志12人が、自分史を通じて国際社会との関係性を語る。イラク、アフガニスタンをはじめ国内外の支援現場で培われた非戦の意思を、読者と共有するために。

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お薦めの映画

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□おだやかな革命

各地で始まっている、再生可能エネルギーの取り組みを通じた「新しい価値」創造の試みを紹介するドキュメンタリー。東中野ポレポレにて、好評ロングラン。5/11まで

(4/21から27は休映)

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□ラッカは静かに虐殺されている

戦後最悪の人道危機といわれるシリア内戦。海外メディアも報じることができない惨状を

スマホを武器に市民ジャーナリスト集団が伝える。各地の映画賞のドキュメンタリー部門を受賞。

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□ペンタゴンペーパーズ

1971年、ベトナム戦争が泥沼化し、アメリカ国内には反戦の気運が高まるなか、国防総省はベトナム戦争について客観的に調査・分析する文書を作成。その一部がリークされる。全貌を公表しようとする新聞記者とあらゆる手段で圧力をかけようとする政権。

政府を敵に回してまで、本当に記事にするのか…報道の自由、信念を懸けた記者たちを映画化。

監督はスティーブン・スピルバーグ  主演はメリル・ストリーブ、トム・ハンクス

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「がんばろう、日本!」国民協議会

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Index 

□「安倍政治」の検証から、自由で民主主義的なデモクラシー思想の基礎をつくりだそう

  立憲民主主義は「ゆっくり、いそげ」でいこう

●安倍政治の検証から、立憲民主主義を具現化する糸口へ

●「働いた分の給与は払ってほしい、残業させるなら残業代は払ってほしい」

 まっとうな働き方を!

□トンキン湾事件、イラク戦争  政府による〝ウソ〟は戦争の始まり

□「囲む会」のご案内

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「安倍政治」の検証から、自由で民主主義的なデモクラシー思想の基礎をつくりだそう

立憲民主主義は「ゆっくり、いそげ」でいこう

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●これは民主主義の根幹に関わる問題だ

 昨年来、国有地売却が適正に行われたかが問われ続けてきた「森友問題」は、ついに公文書改ざん、国会に対する虚偽答弁という憲政史上最悪の事件に転じた。しかし証人喚問では、佐川前国税庁長官が「刑事訴追の恐れ」をタテに証言拒否を繰り返すのみならず、明らかに刑事訴追とは関係ない質問にまで証言を拒否、真相解明にはほど遠いままだ。

 真相解明が検察、司法の手に委ねられるだけでは、官僚組織が国権の最高機関たる国会において、改ざんされた公文書を元に虚偽の答弁を繰り返したことについて、権力者の責任は完全にスルーされることになる。問われているのは個人の刑事責任だけではない。私たちの民主主義がどこまで健全なのか、が試されている。

 「こういった行為が処罰されなければ、もはや政府を信頼することなどできなくなる。『もしフランスで官僚が森友問題と同じ手口で公文書を改ざんしたとしたら、公務員から解雇され、刑務所に送られるだろう。処罰は迅速かつ容赦ないものとなることは間違いない』と、フランスの上級外交官は話す。

 また、改ざんにかかわった官僚の自殺、といった由々しき事態が起これば、その時点で国を率いている政権が崩壊することは避けられない。しかし、どちらも日本ではこれまでに起こっていない。麻生太郎財務相と安倍首相は、このまま権力を維持すると明言している。

 ~中略~スキャンダルそのものより悪いのは、政府と官僚がスキャンダルを隠蔽しようとしたことだ。だがその隠蔽よりさらに悪いのは、隠蔽に対する国民の反応だ」(「外国人から見て日本の民主主義は絶滅寸前だ」レジス・アルノー 東洋経済オンライン3/29)

 自民党は、「官邸の関与はなかった」として一件落着にしようとしている。二階幹事長は「安倍首相を始め、政治家がどういう関わりあいを持っておったか、一つの焦点だったと思うが、幸いにして(関わりは)なかったことが明白になった」と発言。冗談ではない! 財務省理財局が独自の判断で公文書を改ざんしたなら、そのほうが致命的な問題だ。政府が官僚組織を統括できていないのだから。

 しかもこれは森友だけのことではない。南スーダン派遣自衛隊の日報隠し、裁量労働制のデータねつ造、加計学園…結局すべてウソではないのか? という民主主義の根幹に関わる問題だ。「スキャンダル」のレベルで見ていれば、「いずれまた支持率は戻る」とタカを括ることになる。民主主義の根幹に関わる問題だ、という当事者性が国民のなかに広がれば「逆風加速」になる。問われているのは私たちだ。

 「たかだか8億円の森友問題で、いつまで騒いでいるのか」という冷笑は、間違っている。これは民主的な統治の根幹に関わる問題だ。「理財局が勝手にやった」というなら、政府も国会も関与させないまま中国で戦線を拡大した旧陸軍と同じことだ。トンキン湾事件やイラク戦争(後述)でも明らかなように、決定の前提となる事実やデータ、公文書などの改ざんや捏造は、究極的には戦争につながる。「たかだか8億円」ではない。

 世界各国の民主主義の度合いを評価している英エコノミスト・インテリジェンス・ユニットによれば、2015年にはともに「欠陥のある民主主義」に分類されていた韓国と日本が、2017年には日本は「欠陥のある民主主義」に、韓国は「完全な民主主義」に分類された。これは五ヶ月超に及ぶろうそくデモで、立憲主義に基づいて政権を退陣させた韓国民主主義に対する評価だ。ドイツのフリードリヒ・エーベルト財団は韓国国民に対して「法治と民主的参加に貢献した」と人権賞を授与した。同財団が特定の団体や個人ではなく、「国民」を賞の対象としたのははじめてだという。

 公文書の改ざんは、民主主義の根幹に関わる問題にほかならない。立憲主義や法の支配はまともな民主主義の前提であり、政権を支持する・しないにかかわらず、守られ共有されなければならない。それを崩そうとする者には、権力を構成する主権者たる国民がその前に立ちはだかるべきなのだ。

●「安倍政治の検証」を、立憲民主主義を具現化する糸口へ

 平昌オリンピックを契機とした南北対話から、北東アジアは大きく動き出した。十年ぶりの南北首脳会談(4月27日)、初の米朝首脳会談(5月に予定)、金正恩氏になってはじめての中朝首脳会談など。残念ながら「制裁一辺倒」「日米同盟一本やり」の安倍外交は、蚊帳の外である。

 しかもアメリカ・ファーストを掲げて鉄鋼、アルミニウムに輸入関税をかけるとしたトランプ大統領は、安全保障上の理由でEU、韓国などは対象から外す一方、日本は中国とともに対象とした。あれだけトランプ大統領との「蜜月」ぶりに腐心してきた安倍外交とは何だったのか。支持率低下の度に「外交の安倍」で逃げ切りを図ってきたが、今回はそれも難しくなりつつある。

 看板政策であったアベノミクスも表向きの株価とは裏腹に、悪性インフレにすぎないことが生活で実感されてきた。その株価も政府・日銀が買い支える「官製相場」で、まともな資本主義市場経済とは言いがたいものになりつつある。

 これまで安倍政権は「地方創生」「女性活躍」「一億総活躍」など、一年単位で政策スローガンを設定し、目先の看板を架け替えることで「やっている」感を醸し出してきた。しかしさすがに6年目ともなると、それぞれの政策が検証されざるをえない。森友・加計問題で明らかになったのは、こうした検証に堪えうるだけの実質を安倍政権が備えているのか、ということでもある。政権を失う恐怖をバネに党内をまとめ、民主党政権の「失敗」を言い募って現政権を正当化し、批判する市民を「あんな人たち」と排除するだけでは、政策の検証・評価、それを通じた批判には堪えられない。

 「結局のところ、『評価』に堪えうる政策決定過程を作り出そうという努力を、安倍政権は放棄したのである。ことは森友問題だけではない。政権が新しい政策の目玉として打ち出した『働き方改革』にしても、政策の基となる調査データの不備が明らかになり、裁量労働制に関する部分の法案の撤回に追い込まれた。これもまた、基本的な政策決定手続きを踏むことができない政権の欠陥を、はしなくも示すこととなった」(「安倍政権では不可能な『政権交代2.0』牧原出 WEBRONZA 3/29)

 

 「安倍政治」が曲がり角にさしかかるなか、自民党は3月25日の党大会で、9条第1項(戦争放棄)と第2項(戦力不保持)を維持しつつ、新設の「9条の2」に「必要な自衛の措置をとることを妨げない」と規定した改憲案を示した。この案では集団的自衛権の全面行使に道を開く可能性が生じるとして、野党は反発。公明党幹部も「自衛権の限界を詰めに詰めた2015年の安全保障法制の議論が無駄になる」と批判する。身内の自民党からも「森友問題で国民に説明責任を果たさないと、憲法改正はできないのではないか」(長野県連)、「信頼なくして憲法改正なしだ」(小泉進次郎)などの異論が出ている。

 「お試し改憲」という目先の看板の架け替えで、時間稼ぎの政治を続けるか、それとも「安倍政治の〝終わりの始まり〟」へと転轍できるか。今のところ「ポスト安倍」候補は、世論の様子見にとどまっている。自民党内疑似政権交代ですら、世論の力に頼るしかないほど、既存政治の力は衰えている。

 だからこそ国民世論のなかに、立憲民主主義の言論空間をどこまで作れるかが、決定的になる。歴史の経験はこうだ。「大衆の力の強化によって押し出され、大衆の意志の産物として現れた、大衆の代表そのものの政党政治と、その強力化の行き過ぎの是正としてこれまた強力に求められた中立的権力(天皇・官僚・軍部)の強化の方向という、大きく二つのポピュリズムをたどって日米開戦に至ったのだとも言えよう」「考えなければならないのは、二度にわたるポピュリズム政治を体験した現実を見据え、それを超克する、新たな自由で民主主義的なデモクラシー思想の基礎を確立する方途であろう」(筒井清忠「戦前日本のポピュリズム」中公新書)

 「安倍政治の〝終わりの始まり〟」「安倍政治の検証」とは、安倍政治の後に作り出すべき「新たな自由で民主主義的なデモクラシー思想の基礎」を方向付け、立憲民主主義を具現化する営みだ。改憲をめぐっても、「護憲・改憲」という枠組みには収まらない民意に、「立憲的な憲法改正の論じかた・非立憲的な憲法改正の論じかた」という土俵での議論や対話を提起していこう。

 そこには当然、「憲法の条文を改正しなければ対応できない事態は、ほとんどないと思います。~中略~従来の解釈にすぎない改正を、衆参両院の3分の2が確保できそうだからやろうというのは、国内的に納得されず、国際的にも不信感を招くだけです」(中西寛・京都大学教授 朝日3/24)という常識が共有されるべきだ。

 また、全米で高校生が自分たちが安全に学ぶために銃規制を訴えているが、まさに憲法上の権利(銃を持つ権利)とぶつかるようなこうした社会からの訴え、要求の広がりを受けてこそ憲法改正の議論が始まる、ということが共有されるべきだろう。

 立憲民主主義とは、国民が統治される側として「権力をしばる」だけではなく、統治する側―権力を構成する主権者として権力を監視・監督することである。そういう主権者を育てる基礎は、自治の現場にほかならない。地域の方向を自分たちで決めていく営みのなかで、学習を通じて人々は統治される側の視点だけではなく、統治する側の視点も獲得していく。地方自治を憲法改正の論点にするなら、こうした自治の基本を支える「補完性の原理」を「地方自治の本旨」として明記すべきだろう。「合区の解消」では「立憲的な憲法改正の論じかた」にはほど遠い。

 「安倍政治の検証」を、立憲民主主義を具現化する糸口へ。

(「ゆっくり、いそげ」とは、良い結果に至るためにはゆっくり行くのがよい、という格言)

(「日本再生」467号一面より)

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トンキン湾事件、イラク戦争  

政府による〝ウソ〟は戦争の始まり

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●トンキン湾事件

トンキン湾事件は、1964年8月、北ベトナム沖のトンキン湾で北ベトナム軍の哨戒艇がアメリカ海軍の駆逐艦に2発の魚雷を発射したとされる事件である。これをきっかけに、アメリカ合衆国連邦政府は本格的にベトナム戦争に介入、北爆を開始した。(ウィキペディアより)

1971年、ニューヨークタイムスが「ペンタゴン・ペーパーズ」と呼ばれる機密文書を基に、ニクソン政権と全面対決するなかで、この事件はでっち上げであることを暴いた。

参照 映画「ペンタゴン・ペーパーズ」(S・スピルバーグ監督、メリル・ストリーブ、トム・ハンクス)

   http://pentagonpapers-movie.jp/

●イラク戦争

2003年からのイラク戦争は、イラクの大量破壊兵器保持―国連決議違反を理由とする。武力行使の国連決議にはロシア、中国のみならずドイツ、フランスも反対したため、アメリカを中心とする「有志連合」がイラクを攻撃したが、大量破壊兵器は見つからなかった。後に情報提供者は「フセイン政権打倒のために情報を捏造した」と証言。

有志連合に参加したイギリスは、2016年チルコット委員会「根拠なきイラク戦争」と断じた。

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東京・戸田代表を囲む会

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いずれも

会場 「がんばろう、日本!」国民協議会 事務所(市ヶ谷)

会費 同人 1000円  購読会員 2000円 

 

□第187回 東京・戸田代表を囲む会

 「米朝戦争の危機と日本の針路」(仮)

 4月9日(月) 午後6時45分から

 ゲストスピーカー 柳澤協二・元内閣官房副長官補

□第188回 東京・戸田代表を囲む会

「日本国際ボランティアセンター(JVC)の活動をふりかえって」(仮)

4月20日(金) 午後6時45分から

ゲストスピーカー 谷山博史・JVC代表

□第189回 東京・戸田代表を囲む会

「アフリカの今とこれから」(仮)

5月15日(火) 午後6時45分から

ゲストスピーカー 坂井真紀子・東京外国語大学准教授

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京都・戸田代表を囲む会

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□第33回 戸田代表を囲む会in京都

4月23日(月) 1900から2100 (1830開場) コープイン京都

「憲法改正の論じかた/立憲的な憲法改正の論じかた・非立憲的な憲法改正の論じかた」

ゲストスピーカー 曽我部真裕・京都大学教授

会費 1000円


石津美知子
「がんばろう、日本!」国民協議会

http://www.ganbarou-nippon.ne.jp


メルマガ♯がんばろう、日本!         号外(18.3.22)

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「がんばろう、日本!」国民協議会

http://www.ganbarou-nippon.ne.jp

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Index 

□3月&4月「囲む会」のご案内

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東京・戸田代表を囲む会

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いずれも

会場 「がんばろう、日本!」国民協議会 事務所(市ヶ谷)

会費 同人 1000円  購読会員 2000円 

□第186回 東京・戸田代表を囲む会

 「立憲民主主義と地方自治・住民自治」(仮)

 3月24日(土) 正午(12時)から

 ゲストスピーカー 松本武洋・和光市長

*地域包括ケア、ネウボラなど地域を軸とした福祉政策から、地域自治・住民自治の当事者性をどのように涵養するのか。

伝統的なコミュニティがない都市部で、自治をつくりだすには?

□第187回 東京・戸田代表を囲む会

 「米朝戦争の危機と日本の針路」(仮)

 4月9日(月) 午後6時45分から

 ゲストスピーカー 柳澤協二・元内閣官房副長官補

□第188回 東京・戸田代表を囲む会
「日本国際ボランティアセンター(JVC)の活動をふりかえって」(仮)
4月20日(金) 1845から
ゲストスピーカー 谷山博史・JVC代表

□第189回 東京・戸田代表を囲む会
「アフリカの今とこれから」(仮)
5月15日(火) 1845から
ゲストスピーカー 坂井真紀子・東京外国語大学准教授

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京都・戸田代表を囲む会

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□第33回 戸田代表を囲む会in京都
4月23日(月) 1900から2100 (1830開場)
コープイン京都

「憲法改正の論じかた/立憲的な憲法改正の論じかた・非立憲的な憲法改正の論じかた」

ゲストスピーカー 曽我部真裕・京都大学教授

会費 1000円

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著書紹介 「人口減少時代の都市」(中公新書) 諸富徹・著

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人口減少時代を「危機」ではなく「チャンス」に転じるカギは「自治力」。

地域経営と地域自治について、この間の議論の蓄積が的確に整理された良書。

定価800円+税のところ、特別価格780円(税込)で取扱い中 (残部わずか)


石津美知子
「がんばろう、日本!」国民協議会

http://www.ganbarou-nippon.ne.jp