メルマガ♯がんばろう、日本!         №212(16.5.30)

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「がんばろう、日本!」国民協議会

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Index 

□反立憲政治を止める

~立憲民主主義のフォロワーシップは、どのように集積されつつあるか

●反立憲政治を止める ~立憲民主主義のフォロワーシップという座標軸

●下り坂の時代の再分配を議論し、合意形成する民主主義を

□「囲む会」のご案内 

□真庭バイオマスツアー

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反立憲政治を止める

~立憲民主主義のフォロワーシップは、どのように集積されつつあるか

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●反立憲政治を止める ~立憲民主主義のフォロワーシップという座標軸

 来る参院選は、反立憲政治を「止める選挙」だ。立憲主義とは「憲法による統治権力の制約」。民主的に正当に選ばれた政治権力でも、憲法の制約の内側でしか、その権力を行使できない。この、私たちの社会の運営にとって「空気」のように当たり前のことが、どうもおかしなことになっているらしい―これが昨年の安保法制をめぐって人々が感じた違和感だったのではないか。

「(自民党憲法草案には)政府というものに対する根拠規定がない。必要だと思っていないからです。『こういう必要があるから、国民が政府というものを作って、みんなで運用するんだ』という発想が、根底的に受け入れられない、そういう感覚だからです。国家の上に憲法を置く、さらにその上に有象無象の主権者国民なるものを置く―これを受け入れられない人たちの憲法草案なんだと思います。

~戦後民主主義の中で、国民主権ということを普通の感覚として受け止めてきた層から見ると、そこに違和感がある。その体感的な反発、違和感が広がったのだと思います。~憲法の下に国家を置くなんてことに違和感があるという感覚、その感覚で政府を国民の上に置くのが当然だと思っている人に違和感があるという感覚、そのせめぎあいが起こっているように思います」(廣瀬・法政大学教授 444号)

 立憲主義は明治憲法の原則でもある。立憲君主制においては、君主といえども憲法の制約下にあるという「天皇機関説」は、伊藤博文以来の常識であり、これにもっとも自らを律したのは昭和天皇であったことは、よく知られている。

 戦前の立憲君主制は明治憲法の手続きを経て、立憲民主制(国民主権)へと継承され発展した。これが、私たちがよって立つ立憲民主主義の原点だ。改憲・自主憲法制定という発想は、この原点そのものの破壊にほかならない。それは明治憲法=立憲君主制への回帰ではなく、憲法による統治権力の制約という立憲主義そのものの否定を強く内包し、それゆえに国民主権の否定にもつながる。

 過去の世代が犠牲と苦難を払ってきた立憲主義を継承し、次の世代にもう少しましな立憲民主主義を手渡すために、反立憲政治を止めなければならない。これは私たちの社会の前提―対立する意見を議論するための共通の土台を守るという、政治的な立ち位置を超えた守るべき「一線」にほかならない。

 反立憲政治を止めるうえで重要なポイントは、立憲民主主義のフォロワーシップだ。立憲君主制では君主の権力を制約することに力点がおかれるが、立憲民主制においては国民主権、すなわち権力は国民にあるという前提で、その権力行使のルールを議論しなければならない。

 「『憲法は国家権力を拘束するもの』という憲法観は正しいのですが、一面的で古い。これは君主が全権力を握っていた時代で、権力者を自分と関係の無い『他者』とみる憲法観です。でも今は国民主権で、権力者を私たちが選べる時代です。安倍さんは『他者』ではなくて、『我々の一部』なんです。彼が権力を行使しているのは、我々が選挙で委任したからなんです。我々が権力を持っていて、それをどうやってうまく統治者に委任していくか、ということのはずです。権力は我々がもっているという前提で憲法の議論をしなくてはいけません」(井上武史・九州大学准教授 日経ビジネスオンライン5/17)

 「我々が権力を持っていて、それをどうやってうまく統治者に委任していくか」だからこそ、主権者としての権力行使を「選挙で選べばそれで終わり」にとどめるのか、「そんなことは委任していない」と声をあげ、「もっとうまく委任するにはどうするか」を考え続けるところに拡張していくか。まさに立憲民主主義のフォロワーシップが問われる。(立憲民主主義のフォロワーシップという座標軸が見えなければ、「反立憲政治を止める」は、単なる政治主義的スローガンになってしまう。)

 立憲民主主義ということが体感的に理解されるようになったところから、これを着実に集積し、立憲民主主義の政治文化の深化として次の時代につないでいく。主権者運動のステージは、このように設定されつつある。

●立憲民主主義のフォロワーシップを集積するために 

 立憲民主主義のフォロワーシップとその集積という座標軸から、主権者運動の問題設定をどう再整理し、アップデートしていくか。そのための論点メモとして提起したい。(6/21「囲む会・特別編」の論点メモを兼ねる)

①「憲法を立てる」ということ

 憲法は権力をしばるものだから、政治権力に対して「憲法を守れ」というのは正しい。同時に「我々が権力を持っている」のだから、これこれの理念を実現するために「憲法を立てる」という問題設定に踏み込むべきだろう。主権者として「問いを立てる」、自治の当事者性から「問題設定を変える」ことが起点となってこそ、「憲法を立てる」ことは可能になる。

 権力が国民に存するゆえに国家に制約を課すという発想ではなく、国家から国民へ義務を課す発想の改憲・自主憲法制定に、「憲法を立てる」という問題設定は可能か。権力者を「他者」とみる視点を内包する「憲法を守れ」から、「憲法を立てる」への転換はどのようにして可能か。(「下り坂の時代」「縮退の時代」の価値や豊かさという、これまでになかった問いを立て、考え続けるフォロワーシップからこそ、主権者として「憲法を立てる」ことが始まるのではないか。)

②既存の制度の「外側」にある問題を社会の問題へ変換する

 既存の制度の外側にある問題を、社会の問題として取り上げることができるかは、ひとつには「私的」な問題を「公共的な問題」へと変換できるかである(「日本再生」424号 「囲む会・特別編」参照)。既存の制度の外の問題は多くの場合「私的な困りごと」として、感情的な表現で表出される。この感情的表現を、討議可能な表現へと変換するための言論空間を創出することは、民主主義のための重要な努力だ。(「日本再生」444号 佐藤卓己教授 参照)

 そのような場づくりにおける立憲民主主義のフォロワーシップとは、どういうものか。それはどのように集積され、ある種の政治文化として共有されていくか。

 また議会、とりわけ身近な自治体議会におけるオープンな議論、あるいは議会報告会やタウンミーティングなどの場の運営原理は、これまでとはどう転換するか。例えば議会、議員の役割は「いかに自らの主張を伝えるか」「多数を形成して主張を通せるか」よりも、市民に分かりやすく論点を整理し判断の材料を提供できるか、に軸足が移行するのではないか。

③カウンターデモクラシー 主権者運動の行動様式をアップデートする

 代議制民主主義はうまく機能していない。これを補う仕組みとして直接参加の仕組みが、とくに自治において設けられているが、それも十分に機能しているとはいえない。カウンターデモクラシーは、こうした「閉塞」状況に風穴をあける、民主主義のための努力のひとつといえるだろう。

 その行動原理は「啓蒙」よりも「意思と行動」。例えばエネルギー自治の取り組み。制度は利用しつつもそこに依存せず、自らの意思(地域の合意形成)と行動で「新しい現実」を制度の外に創りだし、その「新しい現実」の広がりを既存の制度に追認させる。

 あるいはヘイトスピーチに対するカウンター。法律による規制を待たず、その取り組みと並行して直接行動でヘイトデモに抗議する。不十分な点はあれど、曲がりなりにもヘイトスピーチを許さないとした法律が成立しえたのは、この路上での取り組みがあってこそだ。だからこそ「法律ができて終わり」ではなく、これを始まりの一歩としてさらに進もう、といううねりが続いていくことになる。

 自らの意思と行動から発して「新しい現実」を創り出す。それゆえ、ここでは経験の共有とそれに基づく漸進主義が行動原理となる。例えばヘイトスピーチ対策法も、「不十分だから反対」ではなく、「附帯決議つきの自公案であろうがなんであろうが、大きな前進であり希望だと言っているマイノリティの人たちの声をかき消さずに、うまく立ち回ろう」となる。再エネも、制度が抑制の方向に動いても、そのやりにくさをかいくぐる知恵をさらに出そう、その力で押し返そうということになる。

④多様な社会運動と制度変革を架橋する

 象徴的な意味で3.11以降、機能不全をさらけ出した既存の制度の「外側」に、多様な「新しい現実」を創りだそうとする、新しい社会運動といわれるものが日本にも登場してきた。それは、昨年の国会前および全国的な安保法反対の盛り上がりにもつながっている。

 こうした新しい社会運動の根底にあるのは、生きかたの問い直しであり、そこから発した生活レベルでの価値観の転換という、意思と行動のリンクである。同時にその多様性ゆえに分散的でもある。

 価値観の転換は生活レベルに根づいているので、日常生活に埋没するということはない(「選挙を非日常にしない」に通じる感性)から、何かあれば行動する。例えば「保育園落ちた、日本死ね」が国会で冷笑され、やじられれば、すぐに「保育園落ちたの私だ」というプラカードを持って国会前に集まり、瞬く間に二万七千の署名を集めるというように。

 一方で、制度変革にはそれなりの時間が必要になる。それが既得権で強固になっていればいるほど、「すべてを変える魔法の杖のひとふり」はありえない。多様な社会運動、そこにある生活レベルでの価値観の転換―生きかたの問い直しを、制度変革の社会基盤へといかに架橋しうるか(自治の集積はここでも重要な領域)。いいかえれば基盤なき政権交代の教訓を、ここでどう語ることができるか。

 社民党政権で脱原発を掲げた(2002)ドイツは、保守党政権に代わってもこれを維持した。それを可能にしたのは地域に叢生するエネルギー自治の取り組みであり、チェルノブイリ(1986)以来、営々と築き上げてきた市民の合意だ。少なくともそれくらいの時間軸で構えるフォロワーシップが必要になるだろう。

(「日本再生」455号一面より 続きは「囲む会・特別編 6/12」の討議にて)

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囲む会のご案内  「凡庸の善で考え続けるために」

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《東京・戸田代表を囲む会》

「がんばろう、日本!」国民協議会 事務所(市ヶ谷)

参加費 同人会員1000円/購読会員 2000円

●第161回

「反・非立憲政治を止める~路上の民主主義・投票箱の民主主義」

6月3日(金) 1845から2100

ゲストス ピーカー 千葉眞・国際基督教大学特任教授

          元山仁士郎・国際基督教大学学生、SEALDs RYUKYU

●第162回 特別編

「立憲民主主義のフォロワーシップは、どのように集積されつつあるか」

6月12日(日)1330から1730

参加費 無料(この回に限り)

戸田代表の問題提起と討議

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第三回 真庭バイオマスツアー

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第三回となる真庭バイオマスツアーを、8月3日から5日(二泊三日)に行います。

今回は ①一万キロの〝木くず〟発電を軸とした大きな里山資本主義 

②薪ボイラーを軸とした小さな里山資本主義 ③田園回帰 を柱とした企画です。

(参照 「「日本再生」444号掲載 中島・銘建工業社長インタビュー)

費用は45000円程度(岡山駅・岡山空港までの交通費は除く)

視察先の例 一万キロのバイオマス発電所 燃料集積基地 原木市場・製品市場 

      中島氏の講演 林業現場(戸田家の森) 薪ボイラーと薪供給システム 

      畜産現場 など

詳細は ishizu@ganbarou-nippon.ne.jp まで、お問い合わせを

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6/5 全国総がかり行動

6月5日 1400から 国会正門前/日比谷公園かもめの広場ステージ

          農水省・霞ヶ関郵便局

1430~全国でいっせいにパフォーマンス

http://sogakari.com/?p=1831

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石津美知子
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□「囲む会」のご案内 

 ●少子化日本

 ●反・非立憲政治を止める

□真庭バイオマスツアーのご案内

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囲む会のご案内  

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《東京・戸田代表を囲む会》

「がんばろう、日本!」国民協議会 事務所(市ヶ谷)

参加費 同人会員1000円/購読会員 2000円

●第160回

「少子化日本~課題先進国になるのか、衰退途上国になるのか」

5月20日(金) 1845から2100

ゲストスピーカー 山田昌弘・中央大学教授

●第161回

「反・非 立憲政治を止める~路上の民 主主義・投票箱の民主主義」

6月3日(金) 1845から2100

ゲストス ピーカー 千葉眞・国際基督教大学特任教授

          元山仁士郎・国際基督教大学学生、SEALDs RYUKYU

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 真庭バイオマスツアー

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 第三回となる真庭バイオマスツアーを、8月3日から5日(二泊三日)に行います。

今回は ①一万キロの〝木くず〟発電を軸とした大きな里山資本主義 ②薪ボイラーを軸とした小さな里山資本主義 ③田園回帰 を柱とした企画です。

(参照 「「日本再生」444号掲載 中島・銘建工業社長インタビュー)

費用は45000円程度(岡山駅・岡山空港までの交通費は除く)

視察先の例 一万キロのバイオマス発電所 燃料集積基地 原木市場・製品市場 

      中島氏の講演 林業現場(戸田家の森) 薪ボイラーと薪供給システム 

      畜産現場 など

詳細は ishizu@ganbarou-nippon.ne.jp まで


石津美知子
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Index 

□反・非立憲政治を止める! 

下り坂の時代の民主主義を鍛えよう

●野党共闘から、さらに前へ 民主主義のための努力へ

●下り坂の時代の再分配を議論し、合意形成する民主主義を

□「囲む会」のご案内 

 引き続き「凡庸の善で考え続けるために」

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反立憲政治を止める

下り坂の時代の民主主義を鍛えよう

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【野党共闘から、さらに前へ 民主主義のための努力へ】

 夏の参院選、場合によっては同日選の行方に大きく影響すると見られていた衆議院補欠選挙。与党・自公と野党共闘との一騎打ちとなった北海道5区は、与党候補の辛勝となったが、ここから参院選に向けた教訓をいかに汲み取るか。

 出口調査によれば自民、公明、民進、共産の各党とも支持者の九割近くを固めている。ここから、いわゆる「共産党アレルギー」はほぼ払拭されたとみていいだろう。選挙戦では、民進党内の保守系とされる議員が共産党議員とともに宣伝カーに乗り、「独裁政治を倒すために、野党が力を合わせるのは当たり前だ」と演説した。

 昨年、安保法制をめぐって始まった路上の民主主義。そのうねりが院内の反・非立憲政治の構図を、どこまで変えられるか。参院選はその重要なポイントであり、反立憲政治を止めるためには、選挙における野党協力は不可欠だ。

 そのハードルをひとつ越えた、という意味では野党共闘は機能したといえる。しかし、それだけでは自公の組織選挙には勝てないことも明らかだ。問題は投票率だ。58.43%は2014年の総選挙より0.8ポイント低い。政党の「足し算」では、投票率を上げることはできない。

 出口調査によれば、無党派層の七割が野党候補に投票している。仮に無党派層の投票率が上がり、それが同じような投票傾向をとるなら、投票率が65%で両候補の得票は互角になるだろう、という試算もある。

 65%は決して高いハードルではない。北海道5区の投票率は、2005年の郵政総選挙、2009年の政権交代選挙では70%を超えている。それ以前にも2000年衆院選では65%、2003年衆院選でも64%あった。

 2014年総選挙、2013年参院選の投票率(全国平均)はいずれも52%。09年の総選挙から、数にすれば1700万人近くが投票に行くのを止めてしまったことになる。路上の民主主義を投票箱にも波及させるためには、ここを動かすような「自分たちの一票で変わる・変えられる」といううねりを作り出すことが必要になる。

 おそらくそのカギは、ひとつは若者、もうひとつは再分配をめぐるアジェンダ・セッティングではないか。

 四月に行われた韓国総選挙では事前の予想を大きく覆して、与党が大敗、野党が善戦した。その原動力となったのは若者の投票率だ。20代では13ポイント、30代では6ポイント、前回より投票率が上がっている。40代、50代ではほとんど変わらず、60代は微減だ。高失業率、低賃金で「ヘル(地獄)朝鮮」という造語ができるほど、過酷な状況に置かれた20―30代の怒りが爆発した、といわれている。

 一月に行われた台湾総統・立法院選挙では、全体の投票率が66%と低迷するなか、20代の投票率は74%に上り、これが政権交代の大きな原動力となった。

 こうした若者の投票率は自然発生的に高まったわけではない。

 韓国では大学の学生会や青年労働者の労組、社会団体などがSNSを使って情報発信したり、ダンスや演劇、フラッシュモブなど、多彩な活動を通じて投票をよびかけた。

 市民団体が作った「3分選挙」というスマホ向けサイトも興味深い。自分の住んでいる地域を検索すると、候補者全員の経歴と公約などが3分でわかるように見やすくまとめた資料が出てくる。候補者の写真の下には、有権者として意識すべきことも1行ずつ書いてある。例えば、地域や性的少数者に対する差別発言の有無や内容などだ。

 台湾では学生は地元でしか投票できない。そうした学生のために格安バスが仕立てられ、多くの学生が帰郷して投票した。ひまわり学生運動の参加者たちは、野党や新党を通じて選挙に参画するだけではなく、人びとが選挙に参加するための枠組みやインフラを整備する活動に携わった。

 これらは選挙に当選するための活動ではないし、野党を支持する活動でもない。民主主義のための、主権者による主権者のための主権者の運動だ。

 もちろん日本では、日本流の取り組みが必要だろう。とくに社会運動が絶えて久しく、何につけても「自己責任」「個人の問題」とされ、社会=私たちの問題ということへ架橋するインフラが乏しいなかでは、「変える意思」を持つことさえ難しいともいえる。しかし「保育園落ちた、日本死ね」のつぶやきが社会的な共感を呼び、「産んだの、あなたの責任でしょ」という政治家を押しのけて、政治の一部を動かしたことは最近の出来事だ。

 また、お任せしてダメだしをするという消費者民主主義から脱却して、主権者としての当事者性を育む最大最良の場は、まちづくり、住民自治の現場だ。この土壌を豊かなものにする努力抜きに、立憲民主主義は育たない。

 「反立憲政治を止める」は、一度の選挙で決着がつくものではない。民主主義のための努力を怠れば、いつでも非立憲の空間から反立憲が増大してくる。おおまかに言って、投票率が60%を切れば、自公の組織票が有利になるといえるだろう。若者や無党派層の投票率が上がることは、民主主義にとってはよいことだが、安倍政権には「危険」なことと映るだろう。

 誰と、どんな未来を生きたいか―それを語り合う場を創りだそう。投票率を上げるとは、民主主義のための、そして連帯のための持続的な努力の反映にほかならない。

【下り坂の時代の再分配を議論し、合意形成する民主主義を】

 アメリカ大統領選挙予備選や韓国総選挙が、「番狂わせ」の様相を呈している。これは、グローバル資本主義と新自由主義政策がもたらした格差の拡大に対し、「政府はもっと、普通の人の暮らしのことを考えろ」という有権者の反乱といえるだろう。移民、難民問題というイシューも絡むが、ヨーロッパにもこれは通底している。

 大きくいえば、グローバル化と再分配という21世紀の課題だ。所得と資産の格差拡大は、20世紀までは戦争と革命を介して再分配されてきた。世界人口の半分と同じだけの富が62人の富豪に集中しているという今日、戦争を介さずに再分配は可能なのか。国民国家の税と財政を、そのためのツールとしていかに使いこなせるのか。あるいはパナマ文書が問題になっているように、グローバルな課税逃れをどうするのか。

 経済にも再分配にも「民主主義ってなんだ」が問われている。

 国政における有権者の政策的関心は、都市部でも地方でも経済から社会保障へとシフトしている。今回の北海道5区の補選でも、その「潮目の変化」は明らかだ。世論調査によれば有権者が重視するのは、「年金・社会保障」(23.4%)、「景気・雇用」(20.2%)、「地元経済、TPP対策」(11.5%)、「医療介護」(10.8%)、「安全保障」(7.8%)となっている。

 「年金・社会保障」と「医療介護」をあわせると、「景気・雇用」をはるかに超える。「アベノミクス」「景気回復、これしかない」と、もてはやされた時期とは様変わりしている。また「年金」にシルバー世代の関心が高いのは当然だが、医療介護は40、50代の関心が高いことが注目される。介護される側だけではなく、介護する側にも深刻な問題であることが、改めて伺われる。

 一方で、年金や医療など社会保障を重視する人の中で、池田氏に入れた人(52%)は和田氏(48%)をわずかに上回るのみとなっている。また、50代以上が池田氏優勢となっているのに対して、20代から40代は和田氏が優勢となっている。池田氏陣営の論点設定が不調であったことが伺われる。

 ここにどんな論点を提示し、アジェンダを設定していくか。これは今後の重要な課題だろう。

 経済から社会保障へという「潮目の変化」に対応して、安倍政権は早速「一億総活躍」の目玉として介護士や保育士の賃上げや、処遇改善を打ち出している。これに対して「全く不十分」「ずれている」と批判することは容易い。「もっと賃金を上げる」という対案も、言うだけなら簡単だ。しかし、その財源はどうするのか。

 大企業優遇、そのおこぼれで再分配をやるというアベノミクスも、野党が訴える格差対策も、「負担」については何も言わないことを有権者、とくに若い世代はよく見ている。30代子育て中の有権者が、「財源のことに触れていた(福祉のためにも経済を)」という理由で、和田氏に投票するとインタビューに答えていたのは印象的だ。

 税と社会保障の一体改革は、日本ではじめて増税と再分配をセットにした政策だった。安倍政権はこれを、アベノミクスと社会保障プログラム法に変換した。言ってみれば、「経済成長あってこその再分配(再分配は経済成長のおこぼれ)」と、「自己責任・自助を基本にした社会保障(病気になるのも自己責任)」への転換だ。

 これにどういう対抗軸を提示するか。「経済成長がすべてを解決する」というアベノミクスは、すでに幻想だ。「無駄使いをなくせば財源はある」というのも空語だった。「増税先送り」といえば選挙で支持されると、永田町では考えているかもしれないが、税と社会保障の一体改革で消費増税を決めたのだから、増税先送りなら社会保障を何かやめるんですよね、とすぐに反応する市民は決して少なくない。

 増税に対する抵抗は確かに強い。税は「とられるもの」であって、「自分たちで社会を運営するためのもの」という立憲主義の基本が実感されていないのだから。それゆえにこそ、以下のような論点を提示し、議論を共有していくべきではないか。

 「再分配は成長のおこぼれ」なのか、「再分配こそ成長戦略」なのか。社会保障は自助を強化するのか、共助を強化するのか。再分配のシステムは、対象(弱者、困っている人)を選別して救済する「選別主義」なのか、全体を底上げする「普遍主義」なのか。財源は将来世代へのつけ回しか、現役世代の分かち合いか。

 経済も再分配も「民主主義ってなんだ」で議論すること、その議論を逃げずに共有しようとする姿勢を崩さないこと。まずはそれが求められるだろう。当たり前だが、増税に賛成する世論はそう簡単には生まれない。しかし04年参院選では、民主党は野党として増税(年金制度改革とのセット)を掲げて、自民党を上回る議席を得た。そのときと比べて、民意は劣化しているのだろうか。

 基本的に経済成長が問題を解決した右肩上がり時代には、再分配についても議論はほとんど必要なかった。しかし、下り坂をそろそろと降りていく時代の再分配は、議論を通じて合意形成することが不可欠だ。ここで民主主義を鍛えよう。

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囲む会のご案内  「凡庸の善で考え続けるために」

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《東京・戸田代表を囲む会》

「がんばろう、日本!」国民協議会 事務所(市ヶ谷)

参加費 同人会員1000円/購読会員 2000円

●第159回

「アベノミクスの正体」

5月11日(水) 1845から2100

ゲストスピーカー 尾立源幸・参議院議員

●第160回

「少子化日本~課題先進国になるのか、衰退途上国になるのか」

5月20日(金) 1845から2100

ゲストスピーカー 山田昌弘・中央大学教授

●第161回

「反・非 立憲政治を止める~路上の民 主主義・投票箱の民主主義」

6月3日(金) 1845から2100

ゲストス ピーカー 千葉眞・国際基督教大学特任教授

          元山仁士郎・国際基督教大学学生、SEALDs RYUKYU

《第28回 関西政経セミナー》

「地域自治・住民自治を立憲民主主義で語ろう」

パネリスト:新川達郎・同志社大学教授 田中誠太・八尾市長

      中小路健吾・長岡京市長 山中光茂・前松阪市長 

      白川秀嗣・越谷市議会議員 ほか

5月15日(日)1330から1730

コープイン京都

参加費:1000円(学生500円)

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 熊本大地震への救援

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熊本、大分を襲った大地震は、大きな被害をもたらしたまま、未だ収まらず、

「これまでの予測が通用しない」状態にあります。

そのなかで、現地での活動に全力で取り組んでいる人たちをご紹介して、ご支援を

お願いいたします。

●水俣水俣 – Hub – Power 

https://www.facebook.com/水俣-Hub-Power-1713876655556157/?fref=ts

振込み先
ゆうちょ銀行 水俣支店 718 普通預金口座番号 1807368
記号17180 番号18073681
あばぁこんね(アバァコンネ)


石津美知子
「がんばろう、日本!」国民協議会

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メルマガ♯がんばろう、日本!         号外(16.4.20)

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「がんばろう、日本!」国民協議会

http://www.ganbarou-nippon.ne.jp

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Index 

□シンポジウム「アジアの地域統合と日米中」4月23日

□囲む会のご案内  

□第3回 真庭バイオマスツアー

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《第104回 シンポジウム》

「アジアの地域統合と日米中」

パネリスト:川島真・東京大学教授 李鍾元・早稲田 大学教授

      大庭三枝・東京理科大学教授 柳澤協二・元内閣官 房副長官補

4月23日(土)1330から1700

TKP赤坂駅カンファレンスセンター ホール14B(国際新赤坂ビル東館14階)

参加費:2000円

・米中という大国間関係に大きく左右される北東アジアでの日本の「生きる道」は。

アジアで初めて地域統合を成し遂げたASEANの視点を加えて考えます。

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《東京・戸田代表を囲む会》

「がんばろう、日本!」国民協議会 事務所(市ヶ谷)

参加費 同人会員1000円/購読会員 2000円

●第159回

「アベノミクスの正体」

5月11日(水) 1845から2100

ゲストスピーカー 尾立源幸・参議院議員

●第160回

「少子化日本~課題先進国になるのか、衰退途上国になるのか」

5月20日(金) 1845から2100

ゲストスピーカー 山田昌弘・中央大学教授

●第161回

「反・非 立憲政治を止める~路上の民 主主義・投票箱の民主主義」

6月3日(金) 1845から2100

ゲストス ピーカー 千葉眞・国際基督 教大学特任教授

          元山仁士郎・国際 基督教大学学生 SEALDs RYUKYU

《第28回 関西政経セミナー》

「地域自治・住民自治を立憲民主主義で語ろう」

パネリスト:新川達郎・同志社大学教授 田中誠太・ 八尾市長 

      山中光茂・前松阪市長 白川秀嗣・越谷市議会議員 ほか

5月15日(日)1330から1730

コープイン京都

参加費:1000円(学生500円)

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第3回真庭バイオマスツアーのお知らせ

第3回となる真庭バイオマスツアーを8月3、4、5日の日程(二泊三日)で行います。

1万キロの発電とCLT工場を中心とした「大きな里山資本主義」と、

薪ボイラーなどによる「小さな里山資本主義」

それに、地域起こし協力隊などの「田園回帰」

という三つのテーマで視察先を選びたいと思っています。

ぜひご参加ください。

詳しいスケジュールは観光連盟と相談中です。

「日本再生」444号に、中島・銘建社長の簡単なインタビューを掲載します。


石津美知子
「がんばろう、日本!」国民協議会

http://www.ganbarou-nippon.ne.jp


メルマガ♯がんばろう、日本!         №210(16.4.1)

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「がんばろう、日本!」国民協議会

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Index 

□反・非立憲政治を止める! 

市民自治の集積から、立憲民主主義の主体感覚を創り出そう

●民主主義をバージョンアップする 

「任せて文句を言う」民主主義から「参加して引き受ける」民主主義へ

●経済に民主主義を 再分配なくして成長なし

□「囲む会」のご案内 

 引き続き「凡庸の善で考え続けるために」

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反・非立憲政治を止める!

市民自治の集積から、立憲民主主義の主体感覚を創り出そう

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●民主主義をバージョンアップする 

「任せて文句を言う」民主主義から「参加して引き受ける」民主主義へ

 安保法の施行日となった3月29日、国会前には主催者発表で三万七千人の市民が集まったのをはじめ、全国37都市で さまざまな抗議行動が行われた。法律が成立してから半年たっても運動が続いているのは、おそらくはじめてのことだろう。「民主主義ってな んだ」という問いと行動が持続的に広がっている。その焦点のひとつは、今年夏に行われる参院選(同日選もありうる)だ。任期中の改憲をめ ざす安倍総理は、参議院でも改憲勢力の三分の二議席獲得を目指している。

 「私が最高責任者だ。その私が決めて何 が悪い」という総理をはじめとする安倍政権の振る舞い、政治的態度に対して、多くの人々が「これは民主主義ではない」と直感的に感じ、 「主権者は私(たち)だ」と声をあげた。こうして体感され始めた立憲民主主義を、どのようにしてさらに日常の暮らしのなかにまで浸透させていくか。

 選挙はその重要な場のひとつだが、「民主主義ってなんだ」という問いと行動は、その選挙の構図も変えつつある。民進党の結党、参院選での野党共闘という 流れは、民意の盛り上がりに押されたものだ。院外の民主主義が院内の民主主義を変えつつある。

 こうした動きは、台湾のひまわり学生運動が総統選・立法院選を大きく動かし、ウォールストリート占拠運動がアメリカ 大統領選候補者選びでの、民主党・サンダース候補の躍進を生み出していることとも通底している。機能不全に陥った既存の政治や制度を批判 すると同時に、民主主義の新しい回路を創りだす営みだ。

 「ポピュリズムは民主政における鬼子だ。ポピュリズムと無縁な民主政はなかったし、これからもないだろう。ただしポ ピュリズムは、硬直化し劣化した政治を流動化させ、それまで取り上げられなかった争点を政治に持ち込むことで、代表制と民意の間で不可避 的に生まれる不一致を解消する契機ともなる」(吉田徹 日経「経済教室」2/4)

 「こうした民主政の絶えざるバージョンアップ、すなわち統治されるものと統治するものの一致が実現され、民主政の持 つ本来の理念が生かされる」(同前)という参加民主主義のステージを開いていこう。

 この国会では、「保育園落ちた、日本死ね」というブログが大きな論議となった。いや正確に言えば、これを紹介して待機児童問題を質問した女性議員に対して、「匿名では確認し ようがない」と総理が答弁、与党議員からもヤジが飛んだことに抗議して、「保育園落ちたの私だ」とプラカードを持つ人が国会前に集まり、 「保育園落ちたの私と私の仲間だ」という署名が短期間に三万名近く集まった。問題の深刻さとともに、現実の国民生活の問題に向き合おうと しない既成政治への怒り、不信がこうした形で表面化した。

 選挙を控え、さすがに与党も形だけは対策を打ち出す。待機児童対策だけではない。低所得の高齢者にカネを配るなら、 低所得の若者にも商品券を。学生には給付型の奨学金を。非正規雇用対策には「同一労働同一賃金」をetc。

 そこで問われるのは有権者だ。スローガンだけで判断するのか。自分の損得だけで判断するのか。お任せして、ダメ出し する消費者的態度にとどまるのか。参加して引き受ける主権者的態度へ脱皮するのか。成果を消費するだけなのか。さまざまな制約条件の下で の課題解決を模索する―その合意形成の一端を引き受ける―という当事者感覚を持つか。ここでも「民主主義ってなんだ」が問われる。

 民主的な意思決定とは、単なる多数決ではない。意思決定に至る過程―討議・合意形成過程にこそ、「民主主義ってなん だ」が問われる。「数の力」「金の力」に代わる言論の力、熟議の力。個別利害に分断されたまま、「あれも、これも」と要求する消費者的態 度では、ぶんどり合いと相互不信にしかならない。さまざまな制約条件を検討・共有したうえで「あれか、これか」を模索する「参加して引き 受ける」民主主義、その公共空間が問われる。(マニフェスト政治文化の本来の目的。地方自治の領域では、そうした政治文化は着実に集積さ れつつある。)

 ここでは当事者性の涵養が決定的だ。総会で廣瀬・法政大学教授は「空き家問題」を切り口に、当事者性の涵養について 提起した。政治における消費者的態度は、住宅においてはオーナーシップが希薄なまま、「高価な消費財」として使い捨てるという行動様式に なり、その結果が放置された空き家の点在→ゴーストタウン化となる。ここでは特定の場所、地域で生活することに対する責任の実感が欠如し ている。

 これをせめてマンションの管理組合のように、規約に基づいて管理責任を果たすという当事者性、オーナーシップへと転 換し、地域の区分所有者としての責任と可能性への気づきとしていくべきではないか。立憲主義は、こうした社会に対するオーナーシップの再 建(あるいは創建)によってこそ支えられる、と。

 「空き家問題」という「小さな」問題を社会の当事者性へと拡張し、さらにその当事者性を地域、自治という手の届く範 囲での〝成功体験〟の積み重ねのなかから涵養することで、立憲民主主義の主体性を鍛えていく。保育園問題でも若者の貧困でも少子化でも、 あらゆる社会・暮らしの問題において、こうしたプラスの循環をつくりだそう。こうした立憲民主主義のフォロワーシップを発揮していこう。

●経済に民主主義を 再分配なくして成長なし

 衆参同日選を視野に、消費増税の再延期が取りざたされている。サミットをその口実にしようなどという、「先進国」に あるまじき政局主義は脇に置くとしても、増税再延期ならアベノミクスは失敗したと明言すべきだ。そして、この増税ははじめて「税と社会保 障」をセットにしたものなのだから、増税を見送るなら、その分の社会保障の充実策も見送るのか、それとも別の何かを削って財源に充てるの か、あるいは将来世代へのツケ(赤字国債)を積み増して財源とするのか、明言すべきだ。「この道しかない」(2014年総選挙)は、もう うんざりだ。

 アべノミクスに効果がないのは、すでに明らかだ(むしろ逆回転)。グローバルなマネー資本主義の暴走に追従して「世 界一、企業が活躍しやすい」(安倍総理)国や社会にするのか、この暴走を多少なりともコントロールしたり、緩和する国や社会にするのか。 問題はこう設定されている。

 例えば「格差」問題は一国内の再分配にとどまらず、世界人口の半分と同じだけの富が62人の富豪に集中しているとい う、グローバルなアンバランスと関連している。同時にこれまでは、「格差」は戦争と革命を介した再分配によって調整されてきた(ピケ ティ)。それでは今日、グローバルな格差を前に戦争、革命を介在させずに再分配は可能なのか。そのツールとして、国民国家の税・財政をど う再構築しうるのか。

 アメリカ大統領選挙におけるトランプ現象からは、そのような再分配機能が働かない国家は、国民国家としての一体性を 毀損していくことになることが伺える。

 「注目すべきは、格差拡大などを背景に、 世界的に同じような政治の潮流が生まれていることである。

 米シンクタンク『ニュー・アメリカ財団』のヤシャ・モンク氏は、世界各国が直面 する大きな課題として『拡大する経済格差』『社会的流動性の低下』『中間層の生活レベルの低下』の3つを挙げる。

 そして民主主義の危機の原因の1つは、 旧世代より新世代の生活レベルが低下していることであり、『親の世代よりもよい賃金を得て、長生き し、より多くの時間を余暇に当てられるようになる』と誰もが考えてきたことが当然視できなくなっていることだと指摘している。

 そうであれば、我々がアメリカ大統領選 で目撃している乱気流に飲み込まれたかのような政治、社会の動向は決して他人事ではないだろう。格差の拡大は確実にその社会を不安定化さ せ、その帰結として政治を不安定化させていくのである」(スティグリッツ教授 3/22ハフィントンポスト)

 再分配とは単なる「救済」ではない。格差縮小は短期的にも、長期的にも、経済パフォーマンスを改善する(スティグリッツ教授・仮訳 国際金融経済分析会合資料 首相官邸ホームページより)成長政策であり、民主主義の基盤 だ。こうした再分配は個別利害ごとに細分化され、対象を選別して行われるものではなく(これでは、奪い合いと相互不信の連鎖→分断社 会)、全体を底上げする普遍主義的なものであるべきだ。 

 経済にも再分配にも「民主主義ってなんだ」が問われている。例えば次のように。

 「かつてのような正社員になりたいわけ じゃない。サービス残業死ぬほどやって企業の言うこと聞いてたまに過労死する人が出るような働き方はしたくない。一方で、非正規の多くが ワーキングプア。僕らにはブラック企業かワーキングプアか、或いは会社人間かといった自由しかありません。これは自由でしょうか?」(3/20エキタス新宿街頭宣伝 雨宮処 凜 ハフィントンポスト3/24)。

 また地域経済の再構築・強化なくしては、グローバルなマネー資本主義に人間的な営みを収奪されつくしてしまう、とい う課題は先進国、途上国それぞれで形態は異なっても、本質は共有されつつある。マネー資本主義に異議を唱えるだけではなく、それに収奪さ れない社会や暮らしのあり方を、どう創りだしていくか。それに資する制度や経済のありかたとは、という課題設定は、国境を超えた社会的連 帯を生み出す可能性でもある。

 同時にここからは、急速に高齢化に向かうアジアにおいて、日本が、持続可能な社会をつくる上での課題先進国になりう るのか、なりうるとすればどういう政策転換が迫られているのか、も見えてくる。逆に、このリアリティーが見えない度合いに応じて、20世 紀型の経済、社会システムの二番煎じに終始することになる(アベノミクス)。

 さらに昨年末のCOP21で締結されたパリ協定にみられるように、経済の「脱炭素化」、気候変動対策への投資は、有 望かつ有効な需要創出策である。環境と経済成長は補完関係となっている。このリアリティーが見えない度合いで、エネルギーも経済も20世 紀型に終始する。

 経済にもエネルギーにも、新しい民主主義を。

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囲む会のご案内  「凡庸の善で考え続けるために」

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《東京・戸田代表を囲む会》

「がんばろう、日本!」国民協議会 事務所(市ヶ谷)

参加費 同人会員1000円/購読会員 2000円

●第158回

「非正規雇用四割時代に、労働法制のあり 方を考える」

4月4日(月)1845から2100

ゲストスピーカー 野川忍・明治大学教授 

●第159回

「アベノミクスの正体」

5月11日(水) 1845から2100

ゲストスピーカー 尾立源幸・参議院議員

●第160回

「少子化日本~課題先進国になるのか、衰退途上国になるのか」

5月20日(金) 1845から2100

ゲストスピーカー 山田昌弘・中央大学教授

《第104回 シンポジウム》

「アジアの地域統合と日米中」

パネリスト:川島真・東京大学教授 李鍾元・早稲田 大学教授

      大庭三枝・東京理科大学教授 柳澤協二・元内閣官 房副長官補

4月23日(土)1330から1700

TKP赤坂駅カンファレンスセンター ホール14B(国際新赤坂ビル東館14階)

参加費:2000円

《第28回 関西政経セミナー》

「地域自治・住民自治を立憲民主主義で語ろう」

パネリスト:新川達郎・同志社大学教授 田中誠太・ 八尾市長 隠塚功・京都市会議員

      山本拓史・京都市会議員 白川秀嗣・越谷市議会議員 ほか

5月15日(日)1330から1730

コープイン京都

参加費:1000円(学生500円)


石津美知子
「がんばろう、日本!」国民協議会

http://www.ganbarou-nippon.ne.jp


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メルマガ♯がんばろう、日本!         №209(16.3.2)

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「がんばろう、日本!」国民協議会

http://www.ganbarou-nippon.ne.jp

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Index 

□反・非立憲政治を止める! 

これは政策選択より上位の価値選択であるとともに、暮らしを取り戻す選択だ。

●反・非立憲政治を止める! 立憲民主主義のフォロワーシップを、いかに発揮するか

●立憲民主主義の観点で、暮らしと持続可能な経済を取り戻す

□「囲む会」「書籍」のご案内 

 引き続き「凡庸の善で考え続けるために」

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反・非立憲政治を止める! 

これは政策選択より上位の価値選択であるとともに、暮らしを取り戻す選択だ。

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【反・非立憲政治を止める! 立憲民主主義のフォロワーシップを、いかに発揮するか】

 今年の参議院議員選挙は、選挙権年齢が18歳以上に引き下げられて最初の国政選挙となる。選挙権年齢は、憲法改正の 国民投票においても同様に引き下げられている。衆議院で与党が三分の二以上の議席を占める状況下、自民党・安倍政権はこの参院選で、参議 院でも改憲勢力の議席が三分の二を超えることを目指している。(自民、公明に、おおさか維新の会、日本のこころを大切にする党を含めた 「改憲勢力」の非改選議席数は84。三分の二には、改選議席121のうち78が目標ライン、自公の改選議席は59。)

 憲法改正が、現実の政治日程にのぼってもおかしくない状況になりつつある。近い将来、私たちは憲法のあり方、すなわ ち日本における立憲民主主義のあり方について、大きな選択を迫られることになるかもしれない。参議院選挙は、「民主主義ってなんだ」とい う問いに主権者として向き合い、考え続ける場のひとつ、それもきわめて重要な機会となる。

 憲法とはなにか。いかなる権力も憲法によって制限される。これが立憲主義だ。民主的な手続きで選ばれた権力であって も、憲法の制約を受ける。例えば、人種差別を合法化するような法 律を多数決で成立させたとしても、憲法で否定される。国権の最高機関である立法府の決定に も、最高裁による違憲立法審査権が及ぶ(ことになっている)。この違憲立法審査を申し立てるのは、主権者である国民だ。

 民主主義が国民の一票で「下から」権力を作る仕組みであるとすれば、立憲主義は「それでも、これ以上はできない」と いう制約を課す、いわば「多数の暴走」を制限する仕組みといえる。「(選挙で選ばれた)私が最高責任者だ。その私が決めて何が悪い」とい うのは、〝一度の選挙で勝ったら全部決まり〟という選挙独裁にほかならない。立憲主義とは、 民主主義を背景とするこうした権力の暴走を抑えるためにある。

 だからこそ、その憲法を変える手続きには、衆参両院の三分の二による発議と国民投票という、通常の多数決よりもさら に高いハードルが設けられている。「三分の二」とは、時の勢いで得たにすぎない過半数による「多数の暴走」を防ぎつつ、幅広い合意形成を 求めるための目安といえる。

 来る参議院選挙で、改憲勢力に三分の二を与えるか、それを阻止するかは、こうした立憲民主主義の機能を曲りなりにも 確保できるか、それとも反・非立憲勢力がこれを空文化するかに関わる。これは政策選択よりも「上位」の判断が求められる場面である。立憲 民主主義のフォロワーシップをいかに発揮するか。

 「確かに憲法改正手続きを定めた憲法96条は、衆参両院で三分の二の議席がないと発議できません。しかし、小選挙区 制では半数に満たない有権者(引用者/2014年総選挙での小選挙区の投票率は53%)によって地滑り的勝利が可能ですから。参議院も1 人区が32もあります。三分の二は難しくない」(坂井豊貴・慶応大学教授 朝日1/9)

 自民党は2014年の総選挙では、48%の得票率で76%の議席(小選挙区)を獲得している。投票率53%を勘案す れば、絶対得票率は24%程度。2013年参議院選挙でも(投票率53%)選挙区で43%、比例区で35%の得票率で、54%の議席を獲 得している。つまり現行の選挙制度の下で、「三分の二」というハードルは実質上、限りなく引き下げられていることになる。

 きわめて単純化すれば、有権者の四分の一程度の支持で、衆参の三分の二を獲得→憲法改正の発議が可能という状況は、 反・非立憲主義的というべきだろう。こうした状況を食い止める鍵こそ、立憲民主主義のフォロワーシップの発揮にほかならない。

 総選挙における自民党の得票は、民主党政権が誕生した09年総選挙時から、200万票ほど下回ったままである。にも かかわらず「圧勝」できているのは、野党の乱立とともに投票率だ。09年69%だった投票率は、12年には59%、14年には53%へ低 下している。単純にいえば、09年には投票に行った有権者のうち1000~1600万人が、その後は投票に行っていないことになる。

 これらの人びとは、「浮動票」「無関心層」なのか。多くは、そうではないだろう。「選びたくても選べない」、「投票 箱に収まらない民意」というのは、そういう範疇には収まらない、主権者としての当事者性の表現のはずだ。地域自治、住民自治、市民自治、 そして内発的な地域経済循環、あるいはエネルギー自治や産業自治、こうした多様な取り組みのなかから涵養されている主権者としての当事者 性を、立憲民主主義のフォロワーシップとしていかに発揮していくか。

 有権者の四分の一程度の支持で、衆参の三分の二を獲得→憲法改正の発議が可能という反・非立憲主義的状況を作り出し てしまうのか、食い止められるのか。これは政策選択よりも「上位」の、立憲主義に関わる判断だ。「民主的に選ばれた私が決めてなぜ悪い」 という、立憲主義に対する反発に「民主主義」を語らせてはならない。選挙独裁に通じる反・非立憲政治を止 め、立憲主義との緊張関係の中で民主主義を育んでいく、そういうフォロワーシップを発揮しよう。

【立憲民主主義の観点で、暮らしと持続可 能な経済を取り戻す】

 年初来の株価下落、異次元の金融緩和、さらにはマイナス金利まで繰り出しても、GDPはふたたびマイナスに転じるな ど、アベノミクスの正体が見えてきた。

 「アベノミクスとは端的に言えば『デフレ経済を克服するためにインフレターゲットを設定し、これが達成されるまで大 胆な金融緩和措置を講ずるという金融政策』です。長引くデフレからの脱却を謳い、年率2%の物価上昇を目指したのですが、3年経ってみ て、結果はどうでしょうか? 異次元の金融緩和によって、確かに株価は上昇し(ただし剥がれ落ち/引用者)、円安となり(再び円高にふれ /引用者)、一部の輸出企業は潤いました。しかしそれによって、みなさんの生活は少しでも楽になったでしょうか? ~この3年間で、富め るものはますます富み、それ以外のかつて中流と呼ばれた層などは、ますます厳しい状況に追いやられています。期待された『トリクルダウ ン』はなく、格差がとめどもなく広がり続けています」(尾立源幸「アベノミクスの正体」)

 実質賃金は、2010年を100として15年夏の94まで下がり続ける一方。 年収11000万以上の人が14万人増えた一方で、200万以下の人は30万人増加、貯蓄ゼロの世帯は3割に上っている。正規社員が56万人減って、非正規社員が178万人増え、今や非正規雇用が四割に上っている。「子どもの貧困」「下流 老人」など、今や貧困や困窮は特定の層や世代の問題ではなく、全世代化している。

 こうしたことを背景に、参院選では「経済」「社会保障」が大きなテーマとなるだろう。ここでも、立憲民主主義をどう 確立していくか。

 2月21日に開催された第27回関西政経セミナーにおいて、福山参院議員は次のような趣旨を述べている。

 民主党政権で高校無償化を行った背景には、サラリーマンの平均所得が、小泉政権から麻生政権までの間に大幅に下がっ たことがある。これは子どもの教育費に直結する。親の収入の多寡が子ども世代の格差に転じることを防ぐため、高校の無償化に踏み切った。

 なぜ一律無償化なのか。それは教室のなかにまで、分断を持ち込まないため。一定の所得以下という制限を設ければ、 「もらえる」側と「もらえない」側(負担するだけ)という分断が生じる。そうではなく、全体を底上げすることで成長も可能だ。実際に民主 党政権期のGDPの平均伸び率は5.7%、安倍政権の三年間の平均は2.4%。民主党政権のときには、東日本大震災があったにもかかわら ず。

 しかし自民党からだけでなくマスコミ、世間からも「バラマキ」と批判され、所得制限が設けられた。

 高校無償化の財源は295億。一回かぎりの年金受給世帯への3万円給付に必要な財源は3000億。10年間、高校無 償化ができる。どちらが未来に対する投資か。

 さらに、格差是正というと対象を選別することになる。そうではなく、一律に全体を底上げすることで成長を可能にする (普遍主義)。ここが自民党と民主党の違いだ。(大意。詳細は「日本再生」443号 4/1に掲載予定)

 社会的弱者にターゲットを絞り救済する―こうした選別主義は、「もらえる」側と「もらえない」側(負担するだけ)と いう分断を生じさせ、「誰かがズルをしている」という相互不信を煽り、社会全体を弱く、非効率なものにしていく。生活保護費の不正受給は総額の0.5%に過ぎない。にもかかわらず多くの人々が反対の印象を抱き、支給総額の抑制に踏 み切ったのは、その典型だ。これで誰が幸せになったのか。

 このような不幸な均衡に対するオルタナティヴが、普遍主義である。低所得層にも幅広く負担を求める(消費税など)と ともに、誰もが受益者となることで、「人間の必要」を社会全体でささえる。(税と再分配の政策パッケージ。「日本再生」441号 囲む 会・小川衆院議員を参照。)

 生まれ始めた立憲民主主義の主体基盤のうえに、民主党政権で端緒をつかみ損ねた普遍主義への転換を、どう共有してい くか。

 井手英策・慶応大学教授は、次のように述べる。 

 生きていくために必要なお金を自分で貯蓄するのか、社会全体で貯蓄するのか。前者は確かにすべて自分のためにお金を 使える。ただ怪我をしたり、病気になったり、仕事を失ったときには、子どもや親も含めて生存の危機に直面する。そのことにおびえ続けてき たのがこの「失われた20年」ではなかったか。

 人間の人間らしい生のために、社会全体に資金を蓄えること、その使い道を正しく決定するために、民主主義とかかわっ ていくこと――これは社会を効率化させるための大切な条件である。(「経済の時代の終焉」より)

そして経済を自分たちの手に取り戻す、 という点では、やはり自治が不可欠である。

「『経済』というと、株価がどうしたと か、為替がどうしたとか、GDPがどうしたとか、そういう話だと思いがちですが、京都大学の岡田先生の話(八回大会、11/24シンポジウム「日本再生」439号、440号)にもあるように、基本にあるのは『生活の領域』である地域の経済です。~エネルギーにしろ食料にしろ、外に頼ってい る分を1%取り戻して地域内で循環させることで、持続可能性が見えてくるわけです(「田園 回帰1%戦略」藤山浩 11/17朝日)。そういう地域内経済循環の仕組みをどうつくるか、そのために自治体のお金をどう『賢く』使う か」(戸田代表 「日本再生」441号)。

立憲民主主義の観点で、暮らしと持続可 能な経済を取り戻そう。

(「日本再生」442号 一面より)

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囲む会のご案内  「凡庸の善で考え続けるために」

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《東京・戸田代表を囲む会》

「がんばろう、日本!」国民協議会 事務所(市ヶ谷)

参加費 同人会員1000円/購読会員 2000円

●第158回

「非正規雇用四割時代に、労働法制のあり 方を考える」

4月4日(月)1845から2100

ゲストスピーカー 野川忍・明治大学教授 

●第159回

「アベノミクスの正体」

5月11日(水) 1845から2100

ゲストスピーカー 尾立源幸・参議院議員

《第104回 シンポジウム》

「アジアの地域統合と日米中」(仮)

パネリスト:中西寛・京都大学教授 川島真・東京大 学教授 李鍾元・早稲田大学教授

      大庭三枝・東京理科大学教授 ほか

4月23日(土)1330から1700

TKP赤坂駅カンファレンスセンター ホール14B(国際新赤坂ビル東館14階)

参加費:2000円

《第八回大会 第二回総会》

3月20日(日) 1000から1800

「がんばろう、日本!」国民協議会 事務所(市ヶ谷)

「立憲民主主義の主体基盤としての地域自治・市民自治」

問題提起 廣瀬克哉・法政大学教授 江藤俊昭・山梨学院大学教授

     中原恵人・吉川市長

同人議員を軸に討議

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書籍のご案内  「凡庸の善で考え続けるために」

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【民主主義 1948-53 中学・高校 社会科教科書エッセンス復刻版】

文部省・著  西田亮介・編  幻冬舎新書

表記のとおり、戦後直後の時期の中学・高校の教科書。民主主義と向き合う機会を持ってこなかった(奪われてきた)生徒 たちに、多大な犠牲を払って〈再び〉手にした民主主義のバトンを手渡すべく、当時の東大教授・尾高朝雄を中心に早々たるメンバーが執筆し た原本から、そのエッセンスを抽出したもの。

編者の西田氏は、憲法改正が政治日程に上りつつあるなか、「民主主義とは何か」を理解する道具立てが欠如したまま、選 択を迫られることを危惧している。そして、18歳選挙権に関連して展開される「市民性教育」「有権者教育」が、「民主主義とは何か」「な ぜ、民主主義を守るのか」という価値に関する問いを、みごとにスルーしている現状に警鐘を鳴らす。

~教育の政治的中立は大前提だが、価値をめぐる議論を抜きにして、「民主主義の定着」はありうるのだろうか。筆者は否 定的である。「宿題」の棚おろしが必要だ~

先人たちが、多大な犠牲を払って〈再び〉手にした民主主義のバトンを、私たちはどう受け取り、次の世代にどう受けつい でいくのか。民主主義に「真剣に向き合わざるをえなかった」時代から〈今〉を検証し、民主主義=多数決にしてしまうのか、立憲民主主義を 深めるのか、という私たちの課題を共有する一助となると思います。


石津美知子
「がんばろう、日本!」国民協議会

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メルマガ♯がんばろう、日本!        号外(16.2.16)

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おひさま発電所 見学ツアーのご案内

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長野県飯田市を拠点に、市民出資によるエネルギーの地産地消・エネルギー自治の取り組みをすすめる「おひさま進歩エネルギー」では、毎 年、おひさま発電所の見学ツアーを行っています。

今年は七年に一度開催される、飯田・お練りまつりの見学も兼ねたツアーです。
飯田・お練りまつりは、屋台獅子とよばれる独特の巨大獅子舞や、豪華絢爛な大名行列など
地域の伝統文化が一堂に会するものです。

宿泊は地元の温泉施設。おひさまのスタッフとの交流も。
市民出資で造られた市内の三ヶ所の発電所を見学します。

3/29-27 一泊二日
くわしくは、下記を

http://ohisama-energy.co.jp/2016/01/15/ohisamatour/

お申し込みは↑より、どうぞ。

飯田の伝統文化、エネルギーと食の地産地消など、「地域」の息吹を感じられるツアーになるかと思います。


石津美知子
「がんばろう、日本!」国民協議会

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メルマガ♯がんばろう、日本!         №208(15.1.31)

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Index 

□「選びたいのに選べない」と言うのは、もうやめよう。

分断やあきらめを超えて未来を共有する、民主主義のための努力を。

●市民自治・地域自治の涵養につながる 

 立憲民主主義の、よりいっそうの深化を

 ~宜野湾市長選から考える

●「民主主義ってなんだ」という路上からの問いを、

 民主主義のための不断の努力へ 

 ~参院選にむけて

□「囲む会」のご案内 

 引き続き「凡庸の善で考え続けるために」

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「選びたいのに選べない」と言うのは、もうやめよう。

分断やあきらめを超えて未来を共有する、民主主義のための努力を。

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●市民自治・地域自治の涵養につながる 立憲民主主義の、よりいっそうの深化を

~宜野湾市長選から考える

 接戦が予想された沖縄県宜野湾市の市長選挙は、政権与党が全面的に支援する現職・佐喜真氏が、翁長知事が推す志村氏 に六千票近い差をつけて、再選を果たした。

 だがこの選挙結果を、辺野古移設が支持されたかのように曲解することは許されない。志村氏が「辺野古新基地建設反対」を打ち出したのに対し、佐喜真氏は移設先の是非にはふれず、「普天間飛行場の固定化は許さない」とのみ訴えた。出口調査の結果でも、辺野古への移設には約六割が反対と答え、そのうちの24%は佐喜真氏に投票している。むしろこの選挙結果は、佐喜真氏が公約した普天間飛行場の5年以内の運用停止を、市民が国に突き付けたということであり、佐喜真氏を支援した安倍政権には、これを実現する責任がある。

 一方で出口調査からは、辺野古新基地建設をめ ぐる政権と県知事との対決、という構図だけでは見えてこない「争点」が伺われる。例えば朝日新聞デジタル版(1/24深夜)は、次のように報じている。

 志村氏は高齢層に強く、60代の56%、70歳以上の59%から得票。佐喜真氏は20~40代でリードし、特に30代では67%から得票した。50代では五分五分だった。

 投票する際に最も重視したことは「普天間飛行場の移設問題」(48%)、「経歴や実績」(19%)、「経済や福祉政策」(19%)の順で、普天間問題が半数を占めた。普天間問題と答えた人の70%が志村氏に、30%が佐喜真氏に投票。佐喜真氏は経歴・ 実績と答えた人の90%、経済・福祉政策と答えた人の71%の票を集めた。

 70歳以上では60%が普天間問題を最も重視し、経済・福祉政策は13%にとどまった。20代は普天間問題(35%)と経済・福祉政策(30%)が拮抗(きっこう)し、30代も同様だった。若年層は普天間問題に こだわらない投票行動を示したようだ。本社が期日前投票の投票者を対象に別途実施した出口調査でも、似たような傾向を示している。【引用終わり】

 ここから見えてくるのは、「基地」か「福祉」かという争点化ではない。

 沖縄は、基地をめぐる対立をうんざりす るほど抱え込まされてきた。「政府は沖縄を分断し、苦渋の判断をさせ続けている」。琉球放送の元アナウンサー川平朝清(かびらちょうせ い)さん(88)の言葉だ(東京新聞1/25)。

 確かに市民の日常生活を脅かし続けている米軍基地は、市長選の最大の争点とならざるをえない。ここでの課題は、政権 と知事の代理戦争という様相を脱して、「分断」や「あきらめ」「苦渋の判断」を超える、「経済・福祉」も「基地」 も含めた地域の未来に関わる市民自治の論戦をどこまで展開できるのか、ではないか。

 例えば、仲村清司氏(作家・沖縄大学客員教授)はこう指摘している。(沖縄タイムスクロス1/22 http://www.okinawatimes.co.jp/cross/?id=366)

「両候補者も基本政策や重点政策に『普天間飛行場の返還』を掲げていることから、本来なら、『返還』に向けた取り組みや手法について、白熱 した議論が展開されるはずだった。しかし、実際はそうはならず、争点は宙に浮いたままである。~中略~

 市民にとってわかりにくい選挙になった のではないか。わかりにくいといえば、政府と前知事が約束した5年以内の普天間基地の運用停止の実現に向けてどう取り組むのか、これも曖 昧模糊としている。
 政府からこの言質を引き出したのは大きい。辺野古の新基地工事は完成まで10年か ら15年かかるとみられるが、普天間の危険性を除去する方法は『移設』によらなくても早急に実現できると認め たからだ。
 したがって、今回の市長選では政府の約束を確実に履行させるための政治環境の整備 と跡地利用の構想について、両者は沸騰するような議論を戦わせ、その本気度を政府に提示すべきであった」

 「繰り返すようだが、この選挙を通して本 気で考えるべきは、米軍によって奪い取られた土地の跡地利用として、最もふさわしい将来構想は何かということである。ところが、両陣営と も跡地利用については聞こえのいい施設の建設や整備ばかりで、目新しいものはない。
 あらためて問うのだが、ディズニーを誘致したり、高層タワーを建設したりしたとこ ろで、宜野湾市の豊かな未来を引き寄せる選択肢が生まれるのだろうか」

 「土地にはそこを耕して生きてきた先人の 苦楽の歴史や伝統的な風景、物語や言葉、習俗・習慣、信仰の場があったはずである。それが軍事基地に取って代わられために、その土地本来 の『風土』が失われてしまった。あるいは『故郷』を喪失したといっていいかもしれない。
 ために、共同体の自意識や目的が希薄化し、自らの土地を自らが乱開発していくとい う現象が生まれ、いまや返還地のほとんどが生産の場ではなく、巨大商業資本だけが大手を振って歩く消費の場に取って代わられてしまってい る。
 『基地を返還してもどうせまたショッピングモールでしょ』とは、国交省の役人の言葉である。しか しこのことはいいかえれば、沖縄に将来を構想する土着の力や本気度が足りないことを示している。
 だからこそ、基地の跡地利用においては、『この土地はこう活用したいから、基地を 撤去してほしい』と、強く主張していかなければならないのだ。そのためには、自立的な共同体や経済圏の樹立に必要なリソース(資源や資 産)の構築と、それを支えるマンパワーの養成が求められる」

 オール沖縄は、政権への対抗だけで支えられるものではないはずだ。辺野古新基地建設反対が「島ぐるみ」といわれるの は、米軍政下での「銃剣とブルドーザー」といわれる苛烈な土地強制収用への「島ぐるみ」の抵抗の歴史からだ。当時、未だ戦火の傷跡が残り 「芋と裸足」といわれるような生活のなかで、多くの人々が目先の金が必要であるにも関わらず、土地の買い上げに応じず、軍用地料という形 で自分たちの所有権を残した。土地は単なる不動産ではなく、自治を育む共同体の基盤だったはずだ。

 辺野古新基地は海を埋め立てることによって、沖縄で唯一、県民の所有権が及ばない「国有地」に基地が建設されること になる。これは、「安全保障に関わることは国全体で決め る。一地域の選挙で決定するものではない」という中央集権政治を体現するものでもあ る。 

 これに「オール沖縄」で対抗するのみならず、移設阻止の先に地域の未来、沖縄の将来像をどう見いだしていくか。その ために「オール沖縄」に距離を感じている人々とも、どう対話し協力しあっていけるか。自治に基盤を置いた関係性が、より求められるのでは ないか。

 異なる利害や立場の人がともに地域の課題を話し合い、合意形成を積み重ねていく、これは地域自治の基本であり、民主 主義の原点でもある。基地は確かにきわめて重いテーマではあるが、地域における自治をその基盤から豊かなものにしていくことこそ、分断や あきらめ、苦渋の判断を超えて、未来を共有する道すじにつながるはずだ。

 かつて名護市では岸本市長が「苦渋の選択」で、15年の期限など条件付きで辺野古移設を容認した(99年)。しかし基地再編交 付金に頼らないまちづくりを進めてきた稲嶺市長(2期目)は、「もう〝苦渋の選択〟はしなくていい」と語っている(「日 本再生」432号)。

 立憲民主主義が、多くの人々にとって教科書の言葉から生活の実感になった。安保法制の議論や辺野古新基地建設のよう に、民主主義が多数決という独裁主義になれば、国民の民意も一地方の民意も、ないがしろにされると。こうした「多数決という独裁主義」に 対して、人々の声が響きあい、そのなかから多様な〝声なき声〟が〝私たちの声〟となっていく。そんな市民自治・地域自治の涵養につながる 立憲民主主義の、よりいっそうの深化を目指していこう。

 

●「民主主義ってなんだ」という路上からの問いを、民主主義のための不断の努力へ 

~参院選にむけて

 1月16日に行われた台湾の総統および立法院(国会)の選挙では、野党民進党が歴史的勝利を収めた。国民党政権下で 進められてきた中国との関係緊密化を、さらに進めるのか、慎重にするのかが最大の争点であった。一昨年、中国とのサービス貿易協定に反対 して立法院を占拠したひまわり学生運動に関わった若者たちも、民進党だけでなく新興政党やミニ政党に参加して立法院選挙をたたかった。ひ まわり運動は「協定撤回」はできなかったが、彼らの「民主主義とは何か」という問いが、さまざまな形で深められていることを伺わせる選挙 だったことが、いろいろな形で報じられている。

「印象的だったエピソードを最後にあげた い。それは投票所でのこと。一人の女性がスマートフォンを片手にじっと開票作業を見守っていた。話を聞くと、NGO『監票者連盟』のボランティアスタッフだという。台湾 全土で4000人以上がボランティアスタッフとして従事しており、開票作業に不正がないかチェックしているという。

 まだ20代前半だというその女性は、ひまわり学生運動で民主主義の重要性を強く意識したと話す。ただ彼女の行き先は 民進党でも新興政党でもなく、民主主義の枠組みを守るNGOだった。

 政治の成熟に伴い投票率が低下するのは当然だ。だがその先にあるのはたんなる無関心ではない。成熟した政治意識に基 づく新たな動きが根付いていることを感じた」(高口康太 ニューズウィーク日本版1/18 http://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2016/01 /post-4383.php)

 多数決の独裁に転じる民主主義の危うさを未然に封じるのは、民主主義のための多様な努力だ(繰り返しになるが、自治 はその重要なフィールド)。民主主義のための努力をしていない度合いに応じて、選挙独裁になり、反立憲的になり、民主主義のための努力が 足りない度合いに応じて、原理主義的になったり、シングルイシューになったりする。

「日本でも大半はこれまで、民主主義ということを政治権力を取る、議席を獲得するための道具として理解していたんで す。しかし今日の話にでてきたクルギはどうですか。自分たちは政治家になることには興味はない、みんなが政治や社会に参加しやすい環境を つくるのが自分たちの役割だと。政治権力に近づいたり、バッジをつけたりするための道具ではない民主主義ですね。政権が反・非立憲であっ たとしても、その政権批判のために民主主義を語るようなことは、卒業せなあかんということです」(戸田代表 今号14面)

 民主主義のための多様な努力。選挙はその重要なひとつだが全てではない。むしろ投票に限定されない参加民主主義の豊 かさが、選挙をより有意義なものにするのであって、逆ではない。選挙の争点や選択肢も、投票に限定されない参加民主主義のなかから焦点化 されていく。逆に、民主主義のための努力が欠如すれば、それらは選挙を有利にするための道具や、観客として消費するネタになってしまう。

 民主主義のための努力の欠如は、選挙そのものの正当性も疑わしいものにする。「多数決は51%を押さえれば勝てる制 度です。ところが過去3回の衆院選で政権を担った自民、民主両党は、半分以下の得票率で小選挙区の70%の議席を獲得した。いずれも多数 派の支持を得たとは言えない。それなのに多数決は疑われないまま使われてきた『文化的奇習』なのです」

「民意ではなく、選挙結果と言うべきです。政策課題が『財政』『外交』『環境』とあるとします。政策別ならB党支持が 多くても、選挙になるとA党が勝つことがある。オストロゴルスキーのパラドックスと言います。選挙は、各政策への多数意思を反映するもの ではないのです」(坂井豊貴・慶應大学教授 朝日1/9)。付け加えれば、政党が社会の変化に対応できなければ、政策においても「投票箱 に収まらない民意」が広範に存在することになり、選ぶ側と選ばれる側はますます乖離する。

 2014年の総選挙は、何が争点かも分からない「選びたくても選べない」選挙だった。そして参院選を控えた今も、 「アベノミクスを評価しない」(42%)「安倍政権の改憲に反対」(46%)という声が、投票先を失ったままだ。(日経新聞1/25 参 院選の投票先について2013年1月→今回の比較では、与党計45%→39%、野党計33%→20%、態度未定21%→41%)。

 「安倍政権は反立憲だ」というだけでは、立憲主義の問題設定の主導性は生まれない。安倍政権がいかに反立憲的かを立 証しても、民主主義のための努力の主体性は生まれない。民主主義は多数決ではなく多元的な意思決定、合意形成のプロセスだ。ならば、今は 投票箱に収まっていない社会のさまざまな問題や声を、政治の選択肢へと迫り上げていくこと、そのなかで憲法を自分たちの問題を考える指針 として共有していくこと(立憲主義とは、異なる利害や立場の人々がともに社会を形成していくためのルールでもある)、そうした民主主義の ための努力なしに、「新しい受け皿」はありえない。こうした努力が足りない度合いが、反立憲主義を培養し、非立憲の「心地よい=思考停 止」空間を広げることになる―このように問題設定しよう。

 「国政選挙では、大きな声で叫ばれる問題がどうしても選択肢の主役になりがちです。次は安保法制に賛成か反対かが焦 点だと言われる。私も大事な問題だと思う。でも、そうやっていったん選択肢がつくられると、その裏で声の出せない人たちの問題が切り捨て られてしまわないでしょうか。~中略~メディアで大きく取り上げられて、多くの人に『問題だ』と共有されないと『問題』にならない。でも 当事者たちは、自分から声を発するのが難しい立場にあることがほとんどです。政治とは、小さな声を置き去りにしないことが役割ではなかっ たでしょうか。まずそこから正さないと選択肢が偏ってしまい、選択する機能自体がマヒしてしまう気がします」(安田菜津記 朝日1/1)

 「民主主義ってなんだ」という路上からの問いを、民主主義のための多様な努力として持続し、立憲民主主義をさらに鍛 えよう。その土俵のひとつとして参院選をたたかおう。

(「日本再生」441号 一面より)

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囲む会のご案内  「凡庸の善で考え続けるために」

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《東京・戸田代表を囲む会》

「がんばろう、日本!」国民協議会 事務所(市ヶ谷)

参加費 同人会員1000円/購読会員 2000円

●第157回

「抑止力とはなにか」

2月19日(金)1845から2100

ゲストスピーカー 植村秀樹・流通経済大学教授 

《第27回関西政経セミナー》

「‘16参議院選挙を立憲民主主義の政治 攻防戦としてたたかうために」

パネリスト:前田武志・参議院議員、福山哲郎・参議院議員、尾立源幸・参議院議員、

      隠塚 功・京都市会議員

2月21日(日)午後5時開場 5時半開始

コープイン京都 2階201会議室

参加費:1,000円


石津美知子
「がんばろう、日本!」国民協議会

http://www.ganbarou-nippon.ne.jp


メルマガ♯がんばろう、日本!         №207(15.12.28)

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「がんばろう、日本!」国民協議会

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Index 

□立憲民主主義の当事者性を涵養する場としての選挙か

多数決主義による権力ゲームとしての選挙独裁か

●多数決主義の権力ゲームに回収されない立憲民主主義の強靭さを鍛えよう

●グローバル化に従属しないサブシステムとしての地域経済と新しい連帯を

□「囲む会」のご案内 

 引き続き「凡庸の善で考え続けるために」

□お知らせ

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立憲民主主義の当事者性を涵養する場としての選挙か

多数決主義による権力ゲームとしての選挙独裁か

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●多数決主義の権力ゲームに回収されない立憲民主主義の強靭さを鍛えよう

 二〇一五年、これまでは教科書のなかの言葉だった「立憲主義」が、人々の生活のなかで実感的に語られる言葉になっ た。多数決主義という民主主義の狭い理解からは見えなかった、立憲民主主義のアリーナをいかに鍛えていくか―これが二〇一六年の課題だろ う。それはまた、3.11を契機に臨界質量を超えはじめた「投票箱に収まらない民意」が、自らの言葉で社会的な連帯を紡ぎだすことでもあ る。

 12月19日夕刻の国会前。9月19日の安保法強行成立以降、毎月19日に国会前で抗議行動が行われてきたが、この 日は時間と会場が変更となっていた。それを知らない人が三百人ほど集まった。実行委員会参加団体が不在のなか、ハンドマイクでの小規模な集会が自然発生的に始まった。メイン スピーカーはおらず、普通の人が自分の言葉で次々にスピーチをする。

 二時間半かけて参加したという元高校教師は、地元で勉強会を立ち上げたことを語り、二千万人署名に取り組んでいる主婦は、「普通の主婦に安全保障とか外交のこと を話しても、誰も相手にしてくれない。私は〝お金の使い方がおかしいんじゃない?〟と問いかけている。例えば消費税の軽減 税率や年金受給者への三万円給付のこと、消費税増税のそもそもの目的や国の借金、子育て世代との関係を話し合ってみると、署名してくれる人がいるし、中には〝私も人に話してみる〟と署名用紙を持って行く人がいる」と。中国人留学生や在日コリアン3世の発言もあったという。

 西欧の市民革命は、広場に集まった市民が「自分はパン屋の○○だ」「自分は鍛冶屋の○○だ」と言って議論するところ から、王の専制に対抗する議会政治を生み出していったとされる。二〇一五年夏の十万人規模の「院外の民主主義」のうねりを経て、立憲民主 主義のアリーナは着実に深まり、広がっている。

 民主主義は一度の選挙で終わり、ではない。〝一度の選挙で勝ったら全部決まり〟なら、それは選挙独裁だ。民主主義が 独裁よりも「強い」のは、多元的な意思決定システムを持っているところだ。多元的な意思決定システムには、さまざまなコントロールや チェックが不可欠だ。それらを排除して「右向け右」になれば、政治は反立憲的なものになる。それは持続可能性の低い脆弱なシステムでもあ ることは、全体主義の歴史そして戦前日本の教訓からも明らかだ。

 年末の国会前の市民集会―これは住民自治で運営されている地域では、当たり前の日常的光景だろう。さまざまな立場や 利害、さらには多様なバックグラウンドを持つ人々が、一定のテーマをめぐって、あるいはテーマ設定自体をめぐって議論し、何らかの合意を 見出し、地域を運営していく。

 ここで必要とされ、また鍛えられる立憲民主主義の主体性とは、どのようなものだろうか。

 政治的立場や、ある政策に対するスタンスなんぞは、せいぜい二つか三つに収斂する。地域の合意形成では、もっと複雑 で多元的なコミュニケーションが求められる。百人いれば百通りの気持ちや思いがある。その気持ちや思いを、多元的な意思決定プロセスのな かに包摂することなしに、当事者性は生まれない。

 「正論」を掲げて相手を論破するようなやり方では、そもそもこうした場に入れない。「○○はいかに正しいか(間違っ ているか、ダメか)」説得する(論証する)、というやり方では、共感をえることはできない。立場や利害は違ったままでも(自分の立場や利 害とは異なった結論でも)納得できる(「これだけ話し合ったんだから、しかたない」というのも含め)という合意形成が可能になるのは、当 事者としての責任や役割を共有する土台に立った時ではないか。

 言い換えれば、住民自治の当事者性や立憲民主主義の当事者性を涵養する場、そういう言論空間を支えるコミュニケー ション、その共有感を創りだす人間関係の作り方etcが求められる。

 例えば安保法廃止の署名を集めるときに、安倍政治はいかに間違っているか、その論証としての消費増税批判、というや り方をしたら、広がりは持てないだろう。一方で安保法にしろ、消費増税にしろ、「主権者として考えよう」という投げかけをし、そのための 材料を提供しともに学習し…という取り組みは、立憲民主主義の当事者性を涵養する場づくりの一歩となるだろう。

 国政レベルの「大きな」テーマにしろ、地域の身近なテーマにしろ、最終的に賛成、反対、あるいはAかBか(Cか)に 選択肢が絞られていく過程では、当事者性の涵養が不可欠だ。それが欠落したまま「これしかない」ということでは、民意は投票箱に収まら ず、一方で〝一度の選挙で勝ったら決まり〟という選挙独裁が横行することになる。当事者性が欠落した民主主義は独裁と地つづきだというこ とも、歴史の教訓だ。

 パリでのテロの直後に行われたフランスの地方議会選挙では、第一回投票で極右・国民戦線が大躍進した。しかし過半数 を獲得した政党がなかったため、第二回投票が行われ、国民戦線はいずれの地域圏でも共和党、社会党に敗れた。これは国民戦線の躍進に危機 感を覚えた社会党が苦渋の選択として、共和党との共闘を決断したことにもよるが、決定的には第一回投票よりも約9ポイント、投票率が上 がったことだ。

 つまり既存政党がダメかどうか、ではなく、フランス民主主義の当事者としてどうなのか、と悩み考えた有権者が第二回 投票で投票所に足を運んだことで、かろうじて極右の台頭は抑えられた、ということだろう。(2017年大統領選挙が正念場)

 二〇一六年は参院選が行われる。場合によっては同日選も、というなかで、多数決主義の権力ゲームに回収されない立憲 民主主義の強靭さを、いかに鍛えていくか。選挙も、その重要な場のひとつとして使いこなしていこう。

●グローバル化に従属しないサブシステムとしての地域経済と新しい連帯を

 多数決主義の権力ゲームに回収されない立憲民主主義の強靭さを鍛えるうえで、地域自治の現場は重要だ。地域にはさま ざまな立場、志向の人がおり、そのなかで意見が違う人とも議論しながら合意形成を図っていかなければならない。立憲民主主義のそうした基 礎体力を養う場が、地域である。(14―18面 山中・前松阪市長の「囲む会」参照)。

 そして地域は生活の場だ。そこからものを見て、考えることの重要性は3.11以降、否応なく増している。エネル ギー、食料、水などの生存に関わるものを全て「外」に依存しているユーレイ都市・東京は、地域内循環を考える地域の主体性からは「お気の 毒」としか言いようがない。

 そのユーレイが集まる首都圏でさえ、想定される大地震では、地域の防災力抜きに被災直後を生き抜くことはできないこ とを、リアルに考えざるをえない。また地域包括ケアなどの地域の自治力なしに、今後の超高齢社会は持たないことも、実感せざるをえなく なっている。当事者性を生み出す場づくりの条件は、さまざまなところに生まれつつある。

同時に地域は、グローバル経済だけに依存しない「強い」経済をつくりだす場でもある。政府はTPPによる効果は14兆 円という試算を発表した。二年前の試算3兆円が、どうやったら14兆円になるのか、というツッコミももちろんだが、より根本的には、生産 拠点や資本が短期間に自由に移動するグローバル経済に、生存の基盤、生活の場を委ねることが、はたして「強い」経済なのか、ということ だ。

リーマンショックの際、自動車産業に大きく依存していた(ある種のモノカルチャー経済といえる)地域で、人々の生活、 地域の風景、自治体の財政などが、どれほどのダメージを蒙ったか。あるいは「爆買」のクルーズ客が押し寄せる地域では、増えるのは東京資 本の大手チェーンの店ばかりで、地元の商店は店をたたみ、あるいは「爆買」客むけの品揃えになって、地元住民の買物は不便になったといわ れる。地域固有の風景が消えて、大手チェーンの看板が並ぶ「個性のない」街並みに変わってしまう。

「ところがTPPのような形でやってしま いますと、実ははるかに輸入が増えます。輸入は地域の産業―農業、林業、水産加工品、そしてサービス業、福祉、医療、さらに弁護士といったところにも拡大していきます。建設業関連でも単純労働者の移入は義務づけされませんでしたが、逆に言えば、選択的に拡大しますよというふうに、入国管理政策が変わってきています。こういう形でいきますと、おそらく安い労働力が大量に入って来て賃金水準を下げて いきます。

日本の『失われた二十年』はなぜ起こったのか。一九九五年と二〇一〇年を比較すると、世界の先進各国と比べて唯一日本だけ、雇用者報酬が大きく減っています。アメリカもイギリスもほぼ二倍です。」(岡田・京都大学教授 4―10面パネルディスカッション参照)

問題のカギは、いったん外から入るカネが、そのまま一回転して外へ出て行く(回転ドア方式)仕組みを、地域に入ったカ ネを地域のなかで再投資して循環させる仕組へと、どう変えるかだ。それはまた、低価格・大量生産・一極集中のブラック企業化ではなく、多 様性・自立(自律)・分権型の強靭さへの転換だ。食料やエネルギーという生存の基本に関わる部分を、全面的に「外」に依存する偏った経済 から、せめてそのうちの数パーセントを自らの手に取り戻し、そのお金を地域内で循環させる経済への転換だ。

 時代の大きな転換(グローバル資本主義など)はえてして、社会にゆがみや生き苦しさを生じさせる。そのゆがみや生き 苦しさをもたらすものを「外部」に求めない思想や行動の探求から、私たちの立憲民主主義を鍛えよう。

(「日本再生」440号 一面より)

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囲む会のご案内  「凡庸の善で考え続けるために」

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《東京・戸田代表を囲む会》

「がんばろう、日本!」国民協議会 事務所(市ヶ谷)

参加費 同人会員1000円/購読会員 2000円

●第155回

「成熟国家をめざして~経済第一から ヒューマンファーストへ」(仮)

2016年1月13日(水)1845から2100

ゲストスピーカー 小川淳也・衆議院議員 

●第156回

「アフリカから考える『民主主義ってなん だ』~地域紛争、テロ、民主主義」

2016年1月21日(木)1845から2100

ゲストスピーカー 坂井真紀子・東京外国語大学准教授 

《第27回関西政経セミナー》

「‘16参議院選挙を立憲民主主義の政治 攻防戦としてたたかうために」(仮)

パネリスト:前田武志・参議院議員、福山哲郎・参議院議員、尾立源幸・参議院議員、

      隠塚 功・京都市会議員

2月21日(日)午後5時開場 5時半開始

コープイン京都 2階201会議室

参加費:1,000円

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 お知らせ~おひさま進歩エネルギーから

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●1/11(月・祝) 東京銀座で自然エ ネルギー交流会を開催します!

おひさま進歩エネルギー、自然エネルギー信州ネット、NPO法人上田市民エネルギーの3者より自然エネルギー事業や長 野県の自然エネルギー事情、最新のエネルギー動向などをご報告するとともに、

皆さまからもご意見を伺えるような交流会を開催いたします。

1月11日(月・祝)17時30分~19時30分

<参加無料、予約不要、定員48名>

会  場:銀座NAGANO(東京都中央区銀座5丁目6-5 NOCO)

http://www.ginza-nagano.jp/

●飯田自然エネルギー大学 キックオフイベント

NPO法人南信州おひさま進歩がこの4月から開校する飯田自然エネルギー大学。

この大学は、日本各地の地域における自然エネルギーの更なる普及を見据え、現場で

求められる専門知識や実践力をもつエキスパート人材の育成を目的としています。

この大学や自然エネルギーへの関心を広めるため、2月14日(日)開校に先立つ

キックオフイベントを開催します。(講演や各地の事例発表など盛りだくさ ん)

2月14日(日)13時~19時半 <参加無料、予約不要>

飯田市役所(新築のC棟)3階311~313会議室

お問合せ:NPO法人南信州おひさま進歩(電話0265-24-4821)

イベントについて http://ohisama-energy.co.jp/2015/12/18/symposium214/


石津美知子
「がんばろう、日本!」国民協議会

http://www.ganbarou-nippon.ne.jp


メルマガ♯がんばろう、日本!         号外(15.12.12)

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「がんばろう、日本!」国民協議会

http://www.ganbarou-nippon.ne.jp

たびたびのご案内で恐縮ですが、ぜひお知らせしたく・・・

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Index 

□京都大学 再生可能エネルギー経済学講 座シンポジウム

「再生可能エネルギ-の推進策について

□真庭 シンポジウム&バイオマスツアー

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京都大学 再生可能エネルギー経済学講座シンポジウム

「再生可能エネルギ-の推進策について

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【京都大学 再生可能エネルギー経済学講座シンポジウム】

「再生可能エネルギ-の推進策について」

【概要】

日時:2015年12月21日(月)

会場:京都大学東京オフィス  東京都港区港南2-15-1 品川インターシティA棟27階

定員:150名

入場無料

【プログラム】

10:00受付開始

10:30開会挨拶 京都大学経済学研究科長 岩本武和

10:40特別講演 「科学技術と持続可能な社会」 滋賀大学学長 佐和隆光

11:40基調講演 「再エネを巡る動向と推進策」 京都大学特任教授 山家公雄

12:20昼食休憩 (午後・第1部)

13:30講演 「欧州の再エネ推進政策」 京都大学特任教授 内藤克彦

14:00講演 「再エネを巡るファイナンス新潮流」 日本政策投資銀行(株)部長 増田真男

14:30講演 「技術開発と再エネ普及」 関西大学准教授 安田陽

15:00講演 「電力システムと容量メカニズム」 電力中央研究所上席研究員 服部 徹

15:30休憩 (午後・第2部)

15:45講演 「再エネの力とエネルギ-市場」 

       スプリントキャピタルジャパン代表 山 田光

16:15講演 「FIT見直し議論について」 名古屋大学教授 高村ゆかり

16:45質疑 「会場からの質問と回答」 モデレーター 京都大学特任教授 山家公雄

17:30閉会挨拶(総括) 京都大学特任教授 山家公雄

17:35閉会

【お申込み】

※以下のページ下部の参加登録フォームからお申し込みください。

http://www.econ.kyoto-u.ac.jp/renewable_energy/detail

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真庭 シンポジウム&バイオマスツアー

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この度、環境省主催「つなげよう、支えよう森里川海」シンポジウムを岡山県真庭市で開催致します。合わせて、特別オプ ショナルバイオマスツアーを開催、参加者を募集します。(真庭観光連盟)

◆シンポジウム

(開催日)

平成27年12月22日(火) 「つなげよう、支えよう森里川海」シンポジウムin真庭

会場:真庭市勝山文化センター 第一会議室 【住所:岡山県真庭市勝山319】

時間:14:30~17:30 (受付:14:00~)

参加費:無料

(内容)

基調講演に、銘建工業の中島社長の「木材を利用しつくす新しい仕組み」、北広島町より「バイオマス活用の取組み」、兵 庫県より「都市と地方を食 でつなげ支える取組み」など3名の方の講演から、真庭市長とともに真庭の未来を考えるパネルディスカッション など、地域活性化の興味深いシンポジウムが予 定されています。

◆オプショナル バイオマスツアー

平成27年12月22日(火) 「オプショナルバイオマスツアー」

時間:10:00~14:00

集合場所:真庭市勝山文化センター 10:00集合

※岡山駅からの送迎バスもご用意しておりますのでご利用下さい。

8:30集合、8:40出発

参加費:お一人様 6,000円(バス代、昼食代込み)

※詳細は、下記ホームページにてご覧下さい

http://biomass-tour-maniwa.jp/topics/2015/11/in.html


石津美知子
「がんばろう、日本!」国民協議会

http://www.ganbarou-nippon.ne.jp