メルマガ♯がんばろう、日本!         号外(13.6.5)

━・━・━・━・━・━・━・━・━・━・━・━・━・━・━・━・━

「がんばろう、日本!」国民協議会

http://www.ganbarou-nippon.ne.jp

==================================

▼Index 

□6/11 東京・戸田代表を囲む会 ご案内

==================================

6月11日(火)の東京・戸田代表を囲む会は「日本政治の意思決定システムと民主党政権の失敗」です。

ゲストスピーカーは、村井哲也・明治大学講師

明治~戦前昭和と戦後日本の意思決定システムの歴史を紐解きながら、また、民主党政権のメンバーへの聞き取り調査も踏まえつつ、

民主党政権の失敗とは何だったのか、政権交代を当たり前のものとするための十分要件とは、といったことについて、お話しいただきます。

6月11日(火)18時45分から21時

「がんばろう、日本!」国民協議会事務所(市ヶ谷)

同人 1000円  購読会員 2000円

********以下に、村井氏が日経ビジネスオンラインに連載していたコラム「首相の権力~この国はどう決断してきたのか」の最後の部分をご紹介します。************

【以下 引用】

十分条件の模索へ向けて

 一方で政権交代の十分条件は、真剣に考えられてこなかった。それでも、自民党・官僚機構・業界団体のインナーサークルになかった存在が、3年4カ月にわたり権力中枢のカラクリを知った意義は大きい。その間に、情報公開は飛躍的に進展した。これを、政権交代を循環させる教訓に転化できないか。

 自民党の過去の業績は正当に評価すべきだし、現在でも相対的に「頼れる」政党だ。1993年からの政治改革は、全てが反自民に染まっていた訳ではない。支持者や識者の一部は、自民党を愛するがゆえ政権交代で緊張感を取り戻して欲しいと願ってきた。

 それでは、自民党に緊張感を持たせるべく結集された対抗勢力は、何を目指していたのだろうか。振り返るに、「頼れる中道リベラル」だった。「中道リベラル」は、非現実的な社民党でも極端な保守理念でもない範囲のものだが、問題は「頼れる」の中身だ。

 着実な外交安保や政権運営は必須だ。だが最も肝心だったのは、長期政権のしがらみでは不可能な「選択と集中」による財政規律の回復だった。これがブレア政権の「第三の道」を模した理由だったはずだし、官僚機構にはできない役割だったはずだ。

 だが、2007年の参院選でのバラマキ路線への転換、最大の看板になり得た「事業仕分け」の頓挫、急速な高齢化で最大の赤字要因となった社会保障費のタブー視が続いた。あげくの果て、政権与党になるや自らもしがらみができ始めた。これでは頼れるはずもない。民主党から日本維新の会やみんなの党に票が流れた背景だ。

 といっても、年金・医療・介護という本丸を恐れて生活保護をスケープゴートにする姿勢は、どの政党にも当てはまる。この本丸を争点化する勇気がなければ、次の対抗勢力にはなり得ない。民主党は、まがりなりにも時間をかけ組織と理念を育んできた。急造の第三極が、自民党の過剰な包括化戦略に耐えられる保証もない。

 結局は、一体性を高める政党ガバナンスに尽きる。これさえ確保できれば、新憲法は多数政党に強大な権力を与えている。内輪もめは論外として、過剰な包括政党化にも安易な路線転換にも陥らない、確かな綱領を持つ政策集団が必要だ。これこそ民主党が目指すべき純化路線だし、維新の会は漂流中の船中八策を練り直すべきだ。それができれば、マニフェストへの過剰な依存も減少するだろう。

~中略~

生き続けるシステム

 成功を収めた人物の講演会にありがちな光景がある。聴衆は、どんな秘訣やノウハウがあるのか固唾を飲む。大抵の主題は、「基本の重要さ」とか「人の絆の大切さ」。会場に落胆の空気が流れる。

 ところが、挫折と苦悩を繰り返しながら少しずつ前進し、泥まみれで成功をつかむstoryを聴くうちに見方は変わる。そうか。地道な基本を積み重ねて議論や信頼を築き上げられない人物に限って、派手な即効薬に飛びつきリーダーぶりを過剰演出するのだと。

 His Storyとはそういうものだ。時代や国が異なるのに、明確な答えを導くため「今こそ〇〇の歴史に学べ!」と謳う論者は、確実に胡散臭い。歴史は、あくまで本質を見極めるための示唆を得るものだ。

 明確な答えなどない。だが、誰もが「決められる政治」を叫ぶのなら、意思決定システムの歴史は振り返らざるを得ない。そうでなければ、将来を描くための示唆も道標もなくなるのだから。

 晩年の竹下登は、小渕恵三の次を担う人材が自民党に枯渇し始めていることに危機感を抱いていた。小泉という異端児を除けば、予言は当たった。「世代間調和」に傾きがちな風潮を嘆いてもいる。「世代間抗争」で這い上がってきただけに、重みのある指摘だ。

 竹下は自らに、若手政治家たちを鍛えていくことを最後の使命に課した。自民党の権力中枢を知り尽くした歴史体験に基づき、様々なカラクリを伝承しなければならない。それこそが、世代交代を促して、漸進的にでも意思決定システムを循環させるのだから。

「彼らは彼らなりに、今の政局が自分ですっきりしないし、わからなくなったから、親父の世代に聞いてみるということだろうね…僕のことを最優秀な語り部だと思っているのかもしれない」

 そのなかに安倍晋三がいたはずだ。再度の国家リーダーとして、歴史観の修正だけに執着するのでなく、竹下の遺言も反芻して欲しい。自らの政権を意思決定システムの歴史のなかに位置づけて将来を描くことこそ、good winnerに課せられた使命だ。

 しかし、竹下による伝承の試みは、長期政権時代のインナーサークルならではの一子相伝だ。より幅広い過去の材料から国民的な議論に支えられてこそ、意思決定システムは強靭になる。過去の歴史の情報公開が国家戦略に不可欠な理由はこれだ。

 意思決定システムとは、時代に合わせ変貌し続ける「生き物」だ。したがって、われわれは歴史のなかから示唆を得つつ、そこに生命力を吹き込み続けなければならない。明確な答えはないのだから、その模索に終わりはない。国家が存続する限り、永遠に。

【引用 終わり】

*******************************
石津美知子
「がんばろう、日本!」国民協議会

http://www.ganbarou-nippon.ne.jp

TEL 03-5215-1330 FAX 03-5215-1333


メルマガ♯がんばろう、日本!         №176(13.5.31)

━・━・━・━・━・━・━・━・━・━・━・━・━・━・━・━・━

「がんばろう、日本!」国民協議会

http://www.ganbarou-nippon.ne.jp

==================================

▼Index 

□未来を搾取する社会から未来へ投資する社会へ

 自治の現場からイノベーションの叢生を

●自治の現場から草の根のイノベーションが始まっている。

●未来への投資は、いたるところから顔を見せ始めている。

□国民主権で憲法改正を

●白熱講義! 日本国憲法改正 小林節 (ベスト新書)ほか

□6月の「囲む会」ご案内

==================================

□未来を搾取する社会から未来へ投資する社会へ

 自治の現場からイノベーションの叢生を

==================================

●自治の現場から草の根のイノベーションが始まっている。

 アベノミクスはこれまでのところ、人々の期待に働きかける「気」の部分では一定の成果を挙げてきたといえる。問題は実体経済である。一―三月のGDP速報値では、前期比+0・9%と高い伸びを示したが、個人消費や住宅投資、公共投資、外需が健闘しているなか、設備投資は前期比-0・7%と5四半期連続の減少となっている。

 これまでの日本経済の景気回復パターンは、輸出主導型であった。まず企業部門が動き、かなり時間を置いて家計部門が上向く。今回はこれまでのところ、逆のパターンとなっている。これから「成熟経済」型へと、投資の質が転換する糸口が開けるのか。それともここで息切れし、期待が早くも失望に変わってしまうのか。

 アベノミクスの三本の矢のうち一本目と二本目、すなわち金融緩和と財政出動は「矢」というよりは、物価上昇と金利上昇という「ブーメラン」だ。それは財政危機の引き金となりかねない。その意味で「矢」と呼べるのは第三の成長戦略だけで、それも的を射れば、の話である。旧来型の産業政策の延長のようなことでは的を外す。

「市場が不安定化したのは、アベノミクス『第三の矢』である成長戦略に対する失望リスクが浮上したことも一因だ。これまでに明らかになっている議論や内容から、労働市場改革や税制改革、社会保障改革など潜在成長率を高めるような迫力ある政策は先送りされる可能性が高いとの見方が広がっている。

~中略~安倍政権は六月十四日に『成長戦略』を閣議決定する方針を固めた。六月五日には、成長戦略の第三弾として、民間活力の活用を通じたインフラ整備(PFI)や特区制度、ベンチャー企業振興策等を打ち出す方針だ。しかし、これまでの発表内容や、産業競争力会議などでの議論を見る限り、少なくとも今回の『成長戦略』では、『日本経済の体質を転換し、潜在成長率を高めるような迫力ある政策は先送りされそうだ』(シティグループ証券チーフエコノミストの村嶋帰一氏)との受け止めが市場では多い」(ロイター5月28日。)

 問題の核心は、「失われた二十年」の岩盤を突き抜けるような、さまざまなイノベーションを起こせるかにかかっている。未来へ投資する社会へ政策転換するためのイノベーションの種は、圧倒的に自治の現場にある。

 例えば成長戦略の目玉のひとつとされる「女性の活躍推進」。「三年育休」と旗を振っても、女性労働者の約半数が非正規雇用という現状では、育休がとれる正規雇用と、とれない非正規雇用との格差をさらに広げることにしかならない(日本再生409号「囲む会・非正規雇用35%時代の課題」参照)。一方で待機児童ゼロは、非正規雇用労働者にも必要なサポートだといえる。問題はそのための発想だ。相変わらずの「全国一律・国が旗振り」ではなく、地域がそれぞれの特性に合わせて知恵を競い合うことこそが必要だ。

「――待機児童をゼロにした『横浜方式』を全国展開するとか。効果はどうでしょう。

渥美:横浜は都市型の保育。待機児童の対策費を三年間で八〇億円以上増やしている。市の財政が潤沢だからこそできるやり方です。他の自治体は、横浜をマネしろと言われてもできないと言っています。横浜方式を横展開するより、自治体が裁量を持って進めることを支援したほうがいい。

海老原:お金を使わない方法を、自治体が競って考えればいいでしょう。例えば、オランダのダッチモデルなど参考になります。男親も女親も一二〇日ずつ育児休業が取れるようにする、その代わり保育園を作らないことでコストを抑えている。そうした自治体が出てきてもいい。フランスの保育ママ制度も参考になるでしょう。何も(保育所という)既存インフラで解消しなくてもいい。アイデアで競えば、ベストプラクティスが生まれるでしょう。

渥美:福井県は、実はフランスのやり方に近い。三世代同居で共働き、子供は同居する祖父母が育てる。世帯あたり収入をみると、東京に次いで全国第二位です。地方自治体は予算が限られている中でどうすればいいか、必死に工夫をしています。全国の取り組みをきめ細かに見て、国が紹介していけばいい。解決策は横浜方式だけではない、全国一律ではないはずです」(日経ビジネスオンライン5/29「三年育休は女性をダメにする」)

 政府がやるべきことは、大きな方向を出した後は、自治体が裁量を持って進めることを支援する、もっといえばそれを妨げないことでしかない。

「樋渡 大まかな方向性は国が出す、その細目は自治体に任せると。それでいいんです。逆に言えば、僕ら自治体が(成功事例を)見せつけなければ、いくら国が『公共施設への民間活力の導入』と言葉で言ったって、何のことだか分からない。もちろん、国はそれを言わなければなりませんよ。それに沿って僕らは具体的な絵を描いて、それを市民に提供する。

もっといえば、自治体がやって見せて、それを国が後から追認するということでいいんです。だから僕らのもうひとつの役割は、ロールモデルをつくるということです。これが全国に広がれば、各地の図書館はもっともっと市民が行きたくなるような場所になりますよ。

――誤解を恐れず言えば、自治体は多少失敗しても修正が効きます。国はそうはいきません。そういう意味でも、政策実験が可能ですね。

樋渡 だから国はおおざっぱでいいんです。よく地方自治は民主主義の学校といいますが、それはこういう意味だと思いますよ。失敗してもいいんだと。市民もそれに寛容にならなくちゃ。マスコミもここぞとばかり叩きますが、そうすると自治体、とくに公務員は動きませんし、首長は首長で、『何もやらないほうがいい』となりますよ」(樋渡啓祐・武雄市長 日本再生409号インタビュー)

 例えば長野県飯田市では合併によって過疎化が進んだ地域に、手厚い子育て支援策を行った結果、子育て世帯が戻ってきている。その財源を今後は、固定価格買取制度を利用して小水力発電によって賄おうとしている(四〇八号 牧野・飯田市長インタビュー参照)。年間二、三百万を地域ビジネス(この場合は小水力発電事業)で自ら稼ぎ、それによって氏族可能なコミュニティーを培っていく。こういう草の根のイノベーションが、いたるところから叢生してくることこそ「成長」のカギといえる。

●未来への投資は、いたるところから顔を見せ始めている。

(以下、日本再生409号一面へ)

==================================

□国民主権で憲法改正を

==================================

●白熱講義! 日本国憲法改正 小林節 (ベスト新書)

「囲む会」でもお話しいただいた小林先生の新刊。国民主権の観点からの憲法改正についてコンパクトに整理された、「教科書」ともいえるような本です。

小林先生のご厚意で、著者割引をしていただきました。

1部680円 送料80円で頒布します。

お申し込みは 電話042-566-2950 FAX 042-566-2949まで

また小林先生の「囲む会」でのお話を冊子にまとめました。こちらもあわせてどうぞ。

政策ブックレット23「国民主権の発展としての憲法改正を」

1部100円 送料80円

(2冊以上の場合の送料は、上記までお問い合わせください)

==================================

□6月の囲む会

==================================

「日本政治の意思決定システムと民主党政権の失敗」

ゲストスピーカー 村井哲也・明治大学講師

6月11日(火)18時45分より21時

「がんばろう、日本!」国民協議会 事務所(市ヶ谷)

参加費 同人1000円 購読会員 2000円

*******************************
石津美知子
「がんばろう、日本!」国民協議会

http://www.ganbarou-nippon.ne.jp

TEL 03-5215-1330 FAX 03-5215-1333


メルマガ♯がんばろう、日本!         号外(13.4.3)

━・━・━・━・━・━・━・━・━・━・━・━・━・━・━・━・━

「がんばろう、日本!」国民協議会

http://www.ganbarou-nippon.ne.jp

==================================

▼Index 

「流動化・緊迫化する東アジア情勢と、日本外交の課題」

4/14 シンポジウム 進行 案

==================================

4/14 シンポジウム

パネルディスカッション「流動化・緊迫化する東アジア情勢と、日本外交の課題」

4月14日(日)1300開始 1630終了(3時間30分 途中で休憩)

アルカディア市ヶ谷(私学会館)3階「富士」(東)

http://www.arcadia-jp.org/access.htm

パネラー 中西寛・京都大学教授、李鍾元・早稲田大学教授、大野元裕・参議院議員

【趣旨】東アジア情勢(1)を軸に外交・安保政策をどう議論したらいいか(2)、について視点を整理する。

(1)ポスト冷戦→Gゼロ→? 歴史的移行期にともなう不安定要因や混乱要因を冷静にとらえる視座

(2)東アジアのなかに民主主義、市民社会が形成されつつある中での議論のしかたを、どう学習し、共有するか。

【進行と論点】

①政権交代の総括

二度の政権交代を経て、外交・安保政策を議論する「共通の土俵」はどこまでできたか。

→外交的な立場を自由に選べるかのような勘違いは卒業できたか?

政策論争の軸は対米関係から対アジア関係に?

経済通商(TPPなど)が争点?→グローバル化をめぐる国内利害が対外関係に反映?

②東アジア情勢の緊迫化をどうとらえるか

現状認識 その1 主として北朝鮮を軸に「緊迫」、「危機」の性格について。

→北朝鮮の意図?

→六者協議に替わる枠組みは可能か、そのためのハードルは何か

③歴史的転換としてどうとらえるか

現状認識 その2 10年くらいのスパンでの「移行期」という視点から。最大要因は中国。

→よいシナリオ、悪いシナリオ マネージすべきリスクetc

*2030~2050年あたりに、日本がこの地域での「課題先進国」(高齢化や環境・経済など)としての位置取りができる、ということが理想的なシナリオ。そのためのハードルやリスク要因はどういうものか、という問題設定でもあります。

④流動化、緊迫化に向き合う社会の忍耐力を醸成するために

→排外的ナショナリズムの誘惑⇔「可能な未来を人々と協力して切り開く」社会的合意

→冷戦後、「経済」を軸とした東アジアの平和が不安定化するなか、本来の意味の外交力が、

各国政府にも国民にもはじめて試されている、といえるのではないか。

以上

ぜひご参加を!

シンポジウム終了後、事務所にて簡単な懇親会を行います(会費1500円)。こちらもどうぞ。

*******************************
石津美知子
「がんばろう、日本!」国民協議会

http://www.ganbarou-nippon.ne.jp

TEL 03-5215-1330 FAX 03-5215-1333


メルマガ♯がんばろう、日本!         №175(13.3.31)

━・━・━・━・━・━・━・━・━・━・━・━・━・━・━・━・━

「がんばろう、日本!」国民協議会

http://www.ganbarou-nippon.ne.jp

==================================

▼Index 

□未来を搾取する社会から未来へ投資する社会へ 

その政策転換を自治の現場から

●国民主権国家vs国会議員主権国家

●国民主権の発展―フォロワーシップの転換と、政策イノベーションの促進を

□映画「異国に生きる~日本の中のビルマ人」

 スーチーさん来日記念公開

□シンポジウム「流動化・緊迫化する東アジア情勢と日本外交の課題」のご案内

==================================

未来を搾取する社会から未来へ投資する社会へ 

その政策転換を自治の現場から

==================================

●国民主権国家vs国会議員主権国家

~略~

この期に及んで、0増5減で「やったフリ」は許されないということだ。一票の格差が2・5倍なら違憲だが0増5減で2倍以下になればセーフ、というレベルの話ではない。これは主権者は誰なのか、国民なのか、国会議員なのか。国家権力は誰が行使するのか、国民なのか、国会議員なのかという問題なのだ。国会議員が代表たりうるのは、主権者国民の多数意見による付託を受けるからである。その正当性の根幹が問われている。(この点からいえば、自民党の「改革」案は一票の価値の平等をさらに歪めるものだ。)

選挙制度改革というと、これまでは党利党略や技術的な議論、あるいは「カネがかかる、かからない」といったレベルの話に終始してきた。しかし選挙制度とは本来、国民主権をどう制度化するかという、民主主義の制度設計の根幹である。

~略~

●国民主権の発展―フォロワーシップの転換と、政策イノベーションの促進を

政権選択と政策選択との乖離、これを主権在民の原理でいかに埋めていくか。参院選後に本格的に問われる「政治の安定」の本質とは、このことだ。衆議院の満期は二〇一六年、同じ年に参議院の半数が改選を迎える。この時間軸のなかで、政権選択の次のステージを準備できるか。二〇一五年の統一地方選は、その重要な試金石となる。

そして今年は、はじめての政権交代を前後して各地で誕生した若手改革派の首長が、改選を迎えている。一期目は「勢い」で当選することも可能だが、二期目の選挙は一期目の業績評価を伴う。空虚な改革論ではなく、それぞれの現場に即した自治のガバナンス・マネジメントをどこまで集積し、あるいは展開しているかが試される。(四〇六号掲載 山中・松阪市長のインタビュー参照)

主権在民・国民主権の原理で現場を動かし、組織・人間関係をマネージし、自治分権の原理で地域を経営し、そのなかから政策のイノベーションを発展させていく。その具体的集積によってこそ、政権選択と政策選択との乖離を主権在民の原理で埋めていくことができる。

ここで必要なのは、「それは主権在民・国民主権の発展に資するのか」という座標軸であり、「どうすれば、国民主権の発展につながるのか」という(ダメ出しではない)ポジ出し(荻上キチ)の発想だ。

例えばアベノミクスの三本の矢のひとつである、大型公共事業をはじめとする大規模な支出。これを「バラマキ」「無駄遣い」と批判することもできるが、はたしてそれが国民主権の発展に資するのか。国民主権の発展につながる、言い換えれば主権者としてのフォロワーシップにつながる問題提起とは、例えば以下のようなものではないか。

「大判振る舞いの補正予算などについては、国民に対して一つひとつの予算項目に対する説明や代替案のシミュレーションがお粗末だと感じています。~そのお金は安倍晋三首相の小遣いではありません。実際には、国民の税金か次の世代にのし掛かる借金なのです。

自民党政権でも民主党政権でも景気低佐久や雇用対策、経済発展という美名を使いながら、金をばらまいてきました。その政策で潤う人は称賛するでしょう。利益を得られる人は必ず称賛の声を上げるものです。

でも声を出さない多く人は、今の財政のことや次の世代のことを真剣に心配しています。声の大きい人の称賛に惑わされず、現場に根ざしたシミュレーションを出し、そのうえでみんなが議論して現場に応じた予算の使い道を考えなければいけません。

場合によっては我慢をしてもらう。誠実な話をしていかなければならないのです。今の政治で決定的に欠けているのは、負担の説明や一緒に汗を流すことへのアプローチです。

現状では負担に対する国民への説明は、消費税5%、10%といった単純な選択肢しか出てきません。消費税を上げずに他の部分で負担してもらうようなシミュレーションが出てこない。社会保障費は削れないと言われますが、本当にそうなのでしょうか。薬価や診療報酬を減らせば一気に下げられるはずです。もちろん、そうしたら医療現場にどのような影響が出るのかなどを十分にシミュレーションしなければなりません。

そうした議論を真剣にせずに、今の現実はこのくらい必要だからということだけで議論をやめてしまっている。それは粗い。『いいこと』『悪いこと』の両面をオープンにして、議論を進めるべきなのです。国が示すシミュレーションは、都合のよい一面だけを示す傾向が強い」(山中光茂・松阪市長 日経ビジネスオンライン3/12)

「いいこと」「悪いこと」の両面をオープンにして、議論を進める。こういった国民主権のガバナンスとフォロワーシップの集積が、もっとも可視化されるのが自治の現場にほかならない。当然、その格差も露になる。二〇一五、一六年、全国で五百を超える自治体がいっせいに、平成の大合併に伴う交付税特例措置の期限切れを迎える。「自分たちのまちがどうなっており、どうなりうるか」をオープンにして、自治分権のガバナンス―フォロワーシップを集積してきたところと、お任せのままやってきたところとの格差は、否応なく明らかになるだろう。

未来を搾取する社会から未来へ投資する社会へ、という政策転換は、自治の現場でのこうした集積からこそ具体的に見えてくる。自治の現場でのこうした集積とどこまで結びつくことができるのか、せめて追認することがどこまでできるのか。選挙互助会以下の永田町は、これで検証する以外にない。

もうひとつ、今求められているのは政策イノベーションであり、それを可能とするのも圧倒的に自治の現場だ。少子高齢化、巨額の財政赤字、知識経済への転換、低炭素化、都市と農山村との共存など、「課題先進国」といわれる課題は、いずれも先行事例の模倣(追いつき、追い越せ)といったこれまでの方法で取り組むことはできない。参考事例はあるにせよ、独自の政策イノベーションが不可欠である。

「既に述べたように、政治はあらかじめ分かっていることをただ実行するための仕組みではない。むしろ問題を見つけ出して解決策を求め、必要な支持を調達して実行し、常に反省しつつ、必要な修正を加え続けるのが政治の役割である。今のところ、政治の現場においては、変化が必要かどうかといった論争(「改革vs既得権」という類/引用者)が形を変えて続くばかりで、政策の優秀さを競う形になっていない。しかし、本来であれば日本が直面する問題を論争のなかに浮かび上がらせ、それに対する対処法を政策という形で提示し合い、政治家や政党間での競争が展開しなければならない」(飯尾潤「現代日本の政策体系」ちくま新書)

独自の政策イノベーションを生み出すこうしたプロセスは、本来は政党が持っているべき機能であるが、残念ながら現状は選挙互助会以下である。「問題を見つけ出して解決策を求め、必要な支持を調達して実行し、常に反省しつつ、必要な修正を加え続ける」というプロセスは、圧倒的に自治の現場に集積されている。ここに立脚して、新しい未来の立ち上げ方にふさわしい政策論争の空間を創り出していこう。

「~そこで必要とされるのは、政策論争を支えるだけの知的基盤と、問題を袋小路に追いやるのではなく、開かれた論争を促進するための構想力である。決断さえすれば何でもできるという誇大妄想的全能感に陥ることなく、また、後ろ向きに考えるばかりの旧慣墨守的無力感にとらわれることもなく、可能な未来を、人々と協力して切り開こうという」(飯尾 前出)政策的構想力の芽も、自治の現場に芽生えつつある。

そしてこうした構想力は、パワーバランスが大きく変化し、流動化する外交の領域にも必要とされている。「可能な未来を、人々と協力して切り開こう」という政策的構想力を、国境を超えて展開するまでの主権者パワーで、偏狭な排外主義的ナショナリズムから私たちの未来を解き放とう。

(「日本再生」407号一面)

==================================

映画「異国に生きる~日本の中のビルマ人」

==================================

「囲む会」(「日本再生」390号)でもお話しいただいたことのある、ビルマ民主化運動活動家のチョウチョウソーさん。彼の生き様を追ったドキュメンタリー映画「異国に生きる~日本の中のビルマ人」が、スーチーさん来日に合わせて公開されています。

民主化運動に参加し、弾圧を逃れてやってきた日本。なかなか政治難民として認められず、生きるために苦労しながらも、祖国の民主化のために仲間とともに活動する日々。5年後、ようやく実現した妻の来日、14年ぶりに第三国で実現した父との再会。

3.11では、在日ビルマ人の仲間とともに4回にわたって東北に支援に赴いた。「自分の居場所ではない」日本でなぜそこまで?との問いに、チョウさんはこう答える。「困っている人がいれば、自分にできることをするのは当たり前」「人は自分のためだけに生きているのではない。社会のなかで生きているのだから」「日本社会への恩返し」と。

映画は、チョウさんのまっすぐな生き方を通して、日本人に「いかに生きるか」を問いかける。

「異国に生きる~日本の中のビルマ人」

http://doi-toshikuni.net/j/ikoku/#c1

4/25まで、ポレポレ東中野 http://www.mmjp.or.jp/pole2/にて。

札幌、大阪、名古屋でも順次公開。

==================================

シンポジウム

「流動化・緊迫化する東アジア情勢と日本外交の課題」

==================================

●シンポジウム

「流動化・緊迫化する東アジア情勢と日本外交の課題」

4月14日(日)13時より16時30分

アルカディア市ヶ谷 3階「富士」

参加費 参加費 2000円

パネラー 中西寛・京都大学教授、李鍾元・早稲田大学教授、大野元裕・参院議員 

(中西先生、李先生のインタビューは406号に掲載)

*Gゼロと言われるようなパワーバランスの歴史的変化のなかで、中国、韓国、北朝鮮、日本と、それぞれ政権が替わった東アジアの外交課題を議論します。国家間の利害対立を紛争によらずに解決する知恵が外交であるなら、わが国には今ほど「当事国」として、そのことがシビアに問われているといえるでしょう。

*また各国とも変革が問われるなかで、内政がうまくいかないときには、排外的ナショナリズムの誘惑が常に持ち上がります。東アジアはこの意味でも、試練に直面しているといえます。

排外的ナショナリズムの台頭に対するカウンターたりえるか。「可能な未来を、人々と協力して切り開こう」という政策的構想力の基盤たりえるような民主主義や市民社会の底力も試されています。

【参考】

新大久保 排外デモに対するカウンター行動

http://togetter.com/t/%E6%96%B0%E5%A4%A7%E4%B9%85%E4%BF%9D

*******************************
石津美知子
「がんばろう、日本!」国民協議会

http://www.ganbarou-nippon.ne.jp

TEL 03-5215-1330 FAX 03-5215-1333


電子瓦版(転送はご自由にどうぞ)

━・━・━・━・━・━・━・━・━・━・━・━・━・━・━・━・━ 

メルマガ♯がんばろう、日本!         号外(13.3.19)

━・━・━・━・━・━・━・━・━・━・━・━・━・━・━・━・━

「がんばろう、日本!」国民協議会

http://www.ganbarou-nippon.ne.jp

==================================

▼Index

 

□映画「異国に生きる~日本の中のビルマ人」のご案内

==================================

ビルマ民主化運動の指導者、スーチーさんの来日に合わせて、囲む会でもお話しいただいたことのあるチョウチョウソーさんのドキュメンタリー映画が上映されます。

映画「異国に生きる~日本の中のビルマ人」

http://doi-toshikuni.net/j/ikoku/#c1

上映 ポレポレ東中野

http://www.mmjp.or.jp/pole2/

上映期間 3/30から4/25

*******************************
石津美知子
「がんばろう、日本!」国民協議会

http://www.ganbarou-nippon.ne.jp

TEL 03-5215-1330 FAX 03-5215-1333


「がんばろう、日本!」国民協議会

http://www.ganbarou-nippon.ne.jp

==================================

Index 

□あれから2年。 「新しい未来」を立ち上げる一歩は踏み出されたが、

長い道のりを歩み続けるための支援は、もっともっと必要だ。

●セキュリテ被災地応援ファンド

●被災地の放課後学校 コラボスクール

●ドキュメンタリー映画「わすれない ふくしま」

□囲む会、シンポジウムのご案内

==================================

あれから2年。 「新しい未来」を立ち上げる一歩は踏み出されたが、

長い道のりを歩み続けるための支援は、もっともっと必要だ。

==================================

●セキュリテ被災地応援ファンド

震災から2年。現在の課題と求められるもの

東日本大震災から2年。被災地の36社の事業者に現状と課題、必要としていることは何かを聞きました。http://oen.securite.jpより

事業再開にこぎつけたものの、販売先や資金、人材の確保など、多くの課題を抱えています。地域に根ざしていた事業者さんにとっては、まちの暮らしが復興しなければ、販路もなかなかままなりません。その意味でも、震災直後の「非常時」とは質の違う、息の長い支援が必要です。

そんな事業者さんたちの、声を直接聞く機会が―――

◆連続トークイベント「事業者が語る被災地の今」開催!(3/4-15・東京)◆

3月4日(月)丸光製麺(宮城県気仙沼市/製麺)

3月5日(火)ヤマジュウ(北海道霧多布/水産加工)・歌津小太郎(宮城県南三陸町/水産加工)

3月6日(水)三陸オーシャン(宮城県仙台市/水産加工)

3月8日(金)斉吉商店(宮城県気仙沼市/水産加工)

3月14日(木)世嬉の一酒造(岩手県一関市/酒造)・アンカーコーヒー(宮城県気仙沼市/飲食)

3月15日(金)マルトヨ食品(宮城県気仙沼市/水産加工)

(場所:新丸ビル7階「ライブラリー」スペース、時間:19:00-20:00、参加費:無料)

詳細・お申込はこちら:

http://www.musicsecurities.com/blog/community_news.php?ba=b10820a32139

●被災地の放課後学校 コラボスクール

「新しいまちを作るんだ。そのために僕たちは今勉強する」

~新しい未来を立ち上げる、その担い手を育てるために~

被災地の放課後学校 コラボスクール

 http://www.collabo-school.net/

震災で勉強する場所を奪われた子どもたちに、学びの場を。NPO法人カタリバが女川と大槌に開校。寄付金や募金, ボランティアの支援とともに、行政や学校などと協働しながら、被災した地域全体で子どもたちを支えています。 復興を支える未来のリーダーを、東北の地から輩出することを目指して!(1校で年間約6千万円の費用が必要です)

(http://www.collabo-school.net/lp/より)

「これまで勉強できなかった分を取り返したい」

「福祉の仕事でお年寄りの方々のために働きたい」

「前は保育士になりたかったけど、病院で働く姿がかっこよくて、震災後、薬剤師を目指すことにしました」

「家も教科書も流されたけど、応援してくれる人がいたからがんばりたいと思えた」

「ここで集中して勉強して、消防士になる夢を叶えたい」

「進学」という人生で最初の岐路に立つ年に、津波で多くを失った女川町・大槌町の中学3年生。2012年3月、私たちが初めて送り出した卒業生124名は、全員が無事に高校へ進学。

●ドキュメンタリー映画「わすれない ふくしま」

監督・編集 四ノ宮浩

《 監督ノート 》この映画「わすれない ふくしま」は福島県飯舘村の避難民であるひと家族とその知人で自殺した酪農家といまだに警戒区域で300頭の牛を飼い続けている酪農家の日常を追った記録です。2011年3月11日の東日本大震災と原発事故は戦後最大の出来事と言っても過言ではありません。だからこそ、これからの日本人の生き方を考える意味でも、この映画が映画を観た方々の何かのきっかけになれればいいと思って創りました。

http://wasurenai-fukushima.com/

東京都写真美術館にて3/2から3/29上映(月休み)

==================================

□囲む会、シンポジウムのご案内

==================================

●東京・戸田代表を囲む会【会員限定】
「がんばろう、日本!」国民協議会 事務所(市ヶ谷)
 会費  同人 1000円/購読会員 2000円 

 18時45分から21時

□第122回 「日本はなぜ財政再建できないか~財政規律と予算制度改革」  
 3月4日(月)18時45分から
 ゲストスピーカー 田中秀明・明治大学公共政策大学院教授

□第123回 「国民主権の発展で、憲法改正を語ろう」  
 3月19日(火)18時45分から
 ゲストスピーカー 小林節・慶応大学教授

●シンポジウム

「流動化・緊迫化する東アジア情勢と日本外交の課題」

4月14日(日)13時より16時30分

アルカディア市ヶ谷 3階「富士」

参加費 参加費 2000円

パネラー 中西寛・京都大学教授、李鍾元・早稲田大学教授、大野元裕・参院議員 ほか

(中西先生、李先生のインタビューは406号に掲載)

●総会

第七回大会 第三回総会

5月11日(土)10時より18時

「がんばろう、日本!」国民協議会 事務所

参加費 無料【会員限定】

ゲストスピーカー 山中光茂・松阪市長、福嶋浩彦・元我孫子市長、

諸富徹・京都大学教授 ほか

*山中市長のインタビューは406号に掲載。

*******************************
石津美知子
「がんばろう、日本!」国民協議会

http://www.ganbarou-nippon.ne.jp

TEL 03-5215-1330 FAX 03-5215-1333


「がんばろう、日本!」国民協議会

http://www.ganbarou-nippon.ne.jp

==================================

▼Index 

□新しい未来の立ち上げ方と民主主義のさらなる深化を

 自治の現場からの多様なポジ出しの実践を

●政権選択と政策選択との乖離

これを主権在民の原理でいかにどう埋めていくか

●新しい未来の立ち上げ方

 その多様な実績を地域からつくりあげよう

□囲む会、シンポジウムのご案内

==================================

新しい未来の立ち上げ方と民主主義のさらなる深化を

 自治の現場からの多様なポジ出しの実践を

==================================

●政権選択と政策選択との乖離

 これを主権在民の原理でいかにどう埋めていくか

政権選択と政策選択との乖離。昨年末の総選挙はこのことに尽きる。エネルギー政策にしろ、「コンクリートから人へ」にしろ、民主党政権が目指した(はずの)政策的方向性が否定され、二四年度補正予算に代表されるような、旧来型(バラマキ)構造への逆戻りが支持されたわけではない。ましてや「戦後レジームからの脱却」のような、戦前回帰的な方向性が支持されたわけでもない。

政権選択と政策選択とのこのような乖離は、ようやく政権交代が普通のことになり、総選挙が政権選択選挙となったからこそ浮上してきた、新しい問題だ。この乖離を主権在民の原理でどう埋めていくか。それがわれわれの課題にほかならない。

今夏の参院選の後は、衆議院の満期と次の参議院選は二〇一六年となる。この時間軸のなかで、政権選択と政策選択との乖離という問題を一定クリアして、次の政権選択のステージを準備することができるか。主権在民の深化によってクリアしていくうえで、二〇一五年の統一地方選をはじめとする各種の自治体選挙は、重要なステップとなる。

自治分権、市民自治の発展と集積によってこそ政権選択選挙が機能しうるという、すでに確かめられた事実から出発すれば、政権選択と政策選択との乖離を埋めるための民主主義の深化と、その実践的課題が見えてくる。

「京都では、ローカルマニフェストを検証して深める、マニフェストサイクルをちゃんとやっているということがあります。これが永田町ではできていません。

それをやるということは、会派が違っても議会を活性化するということです。政党が違えば意見が違うのは当たり前ですが、そのうえでどうやって合意形成するか、それが議会の本来の機能であり、そのために知恵を絞り、そのプロセスを市民にオープンにしていく。地方議会ではそういう議会改革が始まっていますが、国政では国会改革が全く進んでいない。こういうことが背景にあります。

地方議会が自治分権の観点で変わろうとしている、変わりつつある。ここが同じ政党内でも、永田町にはなかなか通じないんです」

「自治分権、主権在民をリアルに考えているかどうか。政策の作り方、理論闘争や論戦の構え方、それをどこまで普通の人、フォロワーにも共有してもらうか。そういうことは自治分権のリアリズムがないと、言葉で偏差値的にわかったつもりでも、実践的に共有するということになりません。そういう矛盾が党内に起こっている、ということでもあるんです。

こういう矛盾が起こるということは、曲がりなりにも自治ということを政党として考えることが始まっている、ということです」(戸田代表「京都・囲む会」7―11面)。

例えば松阪市長選挙では、選挙のあり方そのものが四年間の市政のあり方を決めるという形になった。市長選挙は、一期四年間の市民改革の業績評価であると同時に、次の四年間も市民が責任と役割を共有する改革を進めるのか、それとも団体や組織を通じた調整という市政運営に変えるのかという選択となった。「何を言っているか」だけではなく、「どう実行しているか」(組織、コミュニケーション)「誰が実行するか」(担い手)までが、フルセットで両陣営とも可視化されたことで、政策選択と政権選択が連動することになったといえよう。

 自治の現場からの民主主義の集積は、ここまで来ている。〇九年の政権交代を前後して各地に誕生した改革派の首長は、今年再選を迎える。四年間の自治分権の集積、市民参加の集積を、それぞれ次のステージへつなげられるか。ここはきわめて重要なポイントになってくる。

 負担とリスクを分かち合うことが問われる時代には、決定過程の透明性とともに、公正さ(≠公平)につながるプロセスの共有がきわめて重要になる。「たたみ方」「立ち上げ方」のマネジメントやガバナンスは、この問題になりつつある。

「市民参画の舞台をどう作るか。これは要するにコンセンサスを得るということです。私は予算委員会で野田総理と議論した時に、『賛成、反対の意見を聞かせていただいて、最後は私が決断する、そういう時代は終わりました』と言いました。共に悩むプロセスで、どれだけ情報を開示して、しんどいことも一緒に決めようとするか、その姿勢が問われているんであって、政治はそのコンセンサスだと思うんです」(辻元清美・衆院議員「京都・囲む会」同前)。

政権選択と政策選択との乖離を埋めるとは、より公共性、社会性のある政党政治への糸口を作ることであり、よりいっそうの市民参画―参加民主主義を深化させることにほかならない。そのためのコミュニケーションのあり方や、場づくり、そこから見えてくるマネジメントやガバナンスの実践的深化、これらは自治の現場での経験からこそ集積されている。その多様な経験の集積と共有をさらに加速させ、政権選択選挙の次のステージを準備しよう。

安倍政権もまた、政権選択と政策選択との乖離を意識せざるをえない。「~安倍政権の課題になるのは、やはり参院選後です。今の状況では自民党がある程度勝利すると思われますから、その後の国内の期待と対外的に可能なこととのギャップをどう埋めるか。経済についても、順調に進んでいればいいですが、何かの形でうまくいかなくなる、あるいは外交でも世論の期待に応えるような対応ができなくなる、ということで安倍政権の支持率が低下しても、自民党が総選挙に打って出ることはないでしょう。そうなると政策の不振が続くことになる。そういう状況になることが、より大きな危険だろうと思います」(中西寛・京都大学教授 本号13―15面)。

「失われた20年」の負の遺産、少子高齢化(労働人口の急激な減少)、Gゼロといわれる国際政治のパワーシフトと北東アジアの緊張、世界同時財政恐慌といわれるような不安定なマーケットの動向、そして前例のない復興と原発事故の後始末…。野田政権が難儀したこうした課題は、何ひとつ解決されたわけではない。ここで、右肩上がりの時代の政権運営の経験に替わる、「たたみ方」「立ち上げ方」のマネジメントを実践的に集積できるか。

利益分配の時代に集積された統治技術や知恵では、負担とリスクを分かち合う時代の「たたみ方」「立ち上げ方」の合意形成はできない。これは、右肩上がりの時代の政権運営の経験にはないことだ。政権政党としてこのことを学習した部分が、与野党に存在する―そういう政党間競争の新しいステージを開けるか。これもまた、われわれの民主主義の課題だろう。

●新しい未来の立ち上げ方

 その多様な実績を地域からつくりあげよう

(以下、「日本再生」406号へ続く)

==================================

□囲む会、シンポジウムのご案内

==================================

●東京・戸田代表を囲む会【会員限定】
「がんばろう、日本!」国民協議会 事務所(市ヶ谷)
 会費  同人 1000円/購読会員 2000円 

 18時45分から21時

□第122回 「日本はなぜ財政再建できないか~財政規律と予算制度改革」  
 3月4日(月)18時45分から
 ゲストスピーカー 田中秀明・明治大学公共政策大学院教授

□第123回 「国民主権の発展で、憲法改正を語ろう」  
 3月19日(火)18時45分から
 ゲストスピーカー 小林節・慶応大学教授

●シンポジウム

「流動化・緊迫化する東アジア情勢と日本外交の課題」

4月14日(日)13時より16時30分

アルカディア市ヶ谷 3階「富士」

参加費 参加費 2000円

パネラー 中西寛・京都大学教授、李鍾元・早稲田大学教授、大野元裕・参院議員 ほか

(中西先生、李先生のインタビューは406号に掲載)

●総会

第七回大会 第三回総会

5月11日(土)10時より18時

「がんばろう、日本!」国民協議会 事務所

参加費 無料【会員限定】

ゲストスピーカー 山中光茂・松阪市長、福嶋浩彦・元我孫子市長、

諸富徹・京都大学教授 ほか

*山中市長のインタビューは406号に掲載。

*******************************
石津美知子
「がんばろう、日本!」国民協議会

http://www.ganbarou-nippon.ne.jp

TEL 03-5215-1330 FAX 03-5215-1333


メルマガ♯がんばろう、日本!         №号外(13.2.18)

━・━・━・━・━・━・━・━・━・━・━・━・━・━・━・━・━

「がんばろう、日本!」国民協議会

http://www.ganbarou-nippon.ne.jp

==================================

▼Index 

3月、4月、5月の囲む会、総会のご案内

==================================

●東京・戸田代表を囲む会【会員限定】
「がんばろう、日本!」国民協議会 事務所(市ヶ谷)
 会費  同人 1000円/購読会員 2000円 
 18時45分から21時

□第122回 「財政規律と予算制度改革」(仮題)  
 3月4日(月)18時45分から
 ゲストスピーカー 田中秀明・明治大学公共政策大学院教授

□第123回 「国民主権の発展で、憲法改正を語ろう」(仮題)  
 3月19日(火)18時45分から
 ゲストスピーカー 小林節・慶応大学教授

●シンポジウム
テーマ「外交」
4月14日(日)13時より16時30分
アルカディア市ヶ谷 3階「富士」
参加費 参加費 2000円

パネラー 中西寛・京都大学教授、李鍾元・早稲田大学教授、大野元裕・参院議員
(中西先生、李先生のインタビューは3/1号に掲載予定)

●総会
第七回大会 第三回総会
5月11日(土)10時より18時
「がんばろう、日本!」国民協議会 事務所
参加費 無料【会員限定】

ゲストスピーカー 山中光茂・松阪市長 ほか
*山中市長は、市民選挙によって1/27再選。市民自治の更なる深化について大いに語っていただきます。

*******************************
石津美知子
「がんばろう、日本!」国民協議会

http://www.ganbarou-nippon.ne.jp

TEL 03-5215-1330 FAX 03-5215-1333


メルマガ♯がんばろう、日本!         №173(13.2.4)

━・━・━・━・━・━・━・━・━・━・━・━・━・━・━・━・━

「がんばろう、日本!」国民協議会

http://www.ganbarou-nippon.ne.jp

==================================

▼Index 

□「失われた20年」のたたみ方、新しい未来の立ち上げ方

~未来を搾取する社会から未来へ投資する社会へ

●依存と分配の復活による政治の安定か、

「負の再分配」の合意形成による政治の安定か

●自治分権と地域経営の領域で、

「たたみ方」「立ち上げ方」のガバナンス、マネジメントの実績を(*)

●連動する米中韓との対外関係  日本とアジアがはじめてフラットな双方向の関係に

(「日本再生」405号 2/1発行1面から、*部分を転載しています。)

□2-3月 「囲む会」のお知らせ

==================================

●自治分権と地域経営の領域で、

「たたみ方」「立ち上げ方」のガバナンス、マネジメントの実績を

==================================

大きな社会経済構造の転換は、グレートリセットではできない。「失われた20年」とは、右肩上がりの時代の社会経済構造やシステム、その下で肥大化した依存と分配の構造を転換することを、ズルズルと先延ばししてきた結果にほかならない。そこで欠けていたのは転換の大きな方向性、構想と、それを実際に制度化していくための調整や合意形成プロセス、そしてその工程管理のマネジメントという体系的なパッケージである。「たたみ方」「立ち上げ方」のガバナンス、マネジメントとはこのことにほかならない。

原発・エネルギー問題は、こうした「たたみ方」「立ち上げ方」のガバナンス、マネジメントを多くの国民に実践的に意識させた。原発稼動を止めたとしても、大量の放射性廃棄物をどう管理していくかを考えない、「たたみ方」はありえない。

あるいは再生可能エネルギーは原発がどうであれ、促進していかなければならないが、旧来の補助金や工場誘致と同じ発想、枠組みで再エネに取り組んでも、依存と分配をたたむこともできなければ、新しいまちづくりを立ち上げることもできない。自治の力で地域を経営する、自らリスクをとって新しいビジネスを興すというところからこそ、依存と分配の上手なたたみ方、新しい未来の立ち上げ方が見えてくる。(405号「新春特別シンポジウム・エネルギーと自治」参照)

ここからは賛成、反対、を言い合うだけのときとは、民主主義のレベルも違ってくる。異なる立場や利害を、討議を通じて調整し、合意形成をはかっていくという民主主義だ。

二〇三〇年の日本社会(高齢化率30%超)と、わが国をとりまく国際環境(アジアとのフラットな関係)をしかと見据え、このなかで「課題先進国」としての位置取りが可能となるような方向転換・構造転換を図るには、「たたみ方」「立ち上げ方」という移行プロセスのマネジメントが急務である。

この課題が実践的にリアルに見えているのは、地域にほかならない。厳しい財政制約や少子高齢化、そのなかでの老朽施設やインフラの更新・長寿命化やコンパクトシティーなどといった「たたみ方」と「立ち上げ方」。あるいは地域ブランドや再エネ、低炭素化など、新たな未来の「立ち上げ方」と、それに伴う依存と分配の「たたみ方」。こうした多様なモデルを各地に生み出していくことこそ、急務である。

「安倍政権では、いろいろ揺り戻しがあるし、依存と分配が復活することも避けられない。それを批判するのも結構ですが、必要なことは『たたみ方』と『立ち上げ方』の多様なモデルを創ることで、それがなければいくら批判しても、なし崩しの現状肯定が続くということになります。そういうことをやっている時間的猶予も、財政的猶予もなくなりつつあります。

 今年は政権交代を前後して、各地で誕生した若手市長が二期目の改選を迎えます。今月末には松阪の山中さんの選挙がありますし、瀬戸内の武久市長も今年改選ですね。こういう市民自治に意欲的に取り組んできた若手市長が、その四年間の実績のうえで二期目を迎えることができるかどうか。ここは非常に重要なんです。一期目は『勢い』だけでも勝てますが、二期目となると、市民自治・改革の支持基盤が市民の中に生まれているということになりますから。そういう意味でも、ここが踏ん張りどころになります」(新春特別シンポジウム 戸田代表)

(注/一月二十七日投票の松阪市長選挙は、現職・山中光茂氏が再選を果たした。投票率は前回より3ポイントあがって54・6%。相手候補は前自民党県議で、自民、公明、民主と組合、医師会などの団体が応援する組織選挙、山中陣営は完全な市民選挙。対立の構図は前回と同様だが、今回は総選挙で自民党が勝った直後でもあり、石破幹事長、田村厚労大臣なども応援に入るなど、下馬評では山中氏が不利と見られていた。しかし四年間、市の政策決定に参加する機会を数多く経験してきた市民の意思は、山中氏の得票を前回より上乗せする、という形で現れた。)

==================================

□2-3月 「囲む会」のお知らせ

==================================

東京・戸田代表を囲む会【会員限定】

会場 「がんばろう、日本!」国民協議会 事務所(市ヶ谷)

会費 同人 1000円  購読会員 2000円

□第121回 「ガバナンスについて語ろう~政策立案と政権運営の経験から」

 2月7日(木)18時45分から21時

ゲストスピーカー 大野元裕・参院議員

□第122回 「財政規律と予算制度改革」(仮題)

 3月4日(月)18時45分から21時

ゲストスピーカー 田中秀明・明治大学公共政策大学院教授

□第123回 「国民主権の発展で憲法改正を語ろう」

 3月19日(火)18時45分から21時

ゲストスピーカー 小林節・慶応大学教授

●第19回 戸田代表を囲む会in京都

「総選挙の総括と参議院選挙にむけて~『負の再分配』の時代のガバナンスを語る」

パネルディスカッション 隠塚功・京都市議、上村崇・京都府議、泉健太・衆院議員

辻元清美・衆院議員(予定)

2月16日(土)18時30分から

キャンパスプラザ京都2階第2会議室

会費 1000円

*******************************
石津美知子
「がんばろう、日本!」国民協議会

http://www.ganbarou-nippon.ne.jp

TEL 03-5215-1330 FAX 03-5215-1333


メルマガ♯がんばろう、日本!         №172(12.12.28)

━・━・━・━・━・━・━・━・━・━・━・━・━・━・━・━・━

「がんばろう、日本!」国民協議会

http://www.ganbarou-nippon.ne.jp

==================================

▼Index 

□「依存と分配」の復活の道の上手なたたみ方

 「負の再分配」への道の上手な立ち上げ方

●“魔法の杖”も“坂の上の雲”も、もはやない。

「憂鬱な圧勝」から始まった「負の再分配」の時代

●「依存と分配」の復活による政治の安定か、

「負の再分配」の合意形成による政治の安定か

□新春特別シンポジウムのお知らせ

==================================

●“魔法の杖”も“坂の上の雲”も、もはやない。

「憂鬱な圧勝」から始まった「負の再分配」の時代

第46回総選挙は当初からの予想どおり、自民党圧勝、民主党惨敗で終わった。自公は参院での否決を覆すことができる、衆院の三分の二を上回る議席を得て、「ねじれ」も解消できる。

とはいえ、05年郵政選挙、09年政権交代のような高揚感、期待感とは程遠い。「失われた20年」の負の遺産、少子高齢化(労働人口の急激な減少)、Gゼロといわれる国際政治のパワーシフトと北東アジアの緊張、世界同時財政恐慌といわれるような不安定なマーケットの動向、そして前例のない復興と原発事故の後始末…。野田政権が難儀した宿題は、そのまま自民党・安倍政権に引き継がれる。右肩上がりの時代の政権運営の経験では対応できない難題ばかりだ。

自民党の比例での得票は下野した09年よりも減っている。政党乱立の結果、自民は小選挙区で43%の得票で79%の議席を獲得し、民主は23%の得票でも議席は9%にとどまった。圧勝したものの、選挙中に自ら高めた期待に応えることができなければ、短気なマーケットからはすぐに反動が返ってくる。しかし「魔法の杖」などないことは、「失われた20年」でもはや明らかだ。

民主党には、その存在意義が根底から問われる。政権交代という「坂の上の雲」は、もはやない。「負の再分配」の時代のはじめての政権運営という経験を財産に、30年後、あるいは(高齢化のピークを迎える)40年後の持続可能性から現在を規定する、という責任性や胆力なくしては、解党的出直しには耐えられないだろう。

投票率は前回より10ポイント近く低下し、戦後最低を記録した。また無効票が二百万票を超えて過去最多となり、なかでも白票の割合が大幅に増えている。ここに有権者の“悩み”“憂鬱”が見て取れる。

09年政権交代の意義は、「世界第二の経済大国幻想」を前提とした粉飾決算をやめ、「本当は日本がどうなっており、どうなりうるか」という21世紀の新しい現実と向き合う目線を共有することにあった。その三年余りの評価は、「民主もダメ」「でも政権交代には意味があった」というところだろう。

民主党政権の惨状にもかかわらず、「でも政権交代には意味があった」といいうるとすれば、それは右肩上がりの惰性で肥大化しきったこの国と社会を、どのようにして持続可能なものへと転換していくか、そのプロセスにおける上手な「たたみ方」「立ち上げ方」という実践課題が、とにもかくにも見えてきた、といいうる立場以外にはないだろう。

原発・エネルギー問題は、この「たたみ方」「立ち上げ方」という問題を、多くの国民に実践的に意識させた。そして三党合意は、「利益の再分配」から「負の再分配」へと政治の役割が転換せざるをえないときの、「たたみ方」「立ち上げ方」の最初の関門となるはずであった。

ようやくマニフェストや公約に、「何をあきらめるか」「負の再分配」を求める有権者は芽生えはじめてきたが(受益者市民から負担者市民、主権者市民へ)、残念ながら候補者や政党には、それを正面から問いかけたものはほとんどいなかった。「たたみ方」「立ち上げ方」という新しいマネジメントは、主権者のなかでは実践課題となりつつあるが(今号「一灯照隅」参照)、永田町ではかすりもしなかった。それとともに、三党合意はあいまいになる。

それでも有権者の選択で、ひとつだけ明確になっていることがある。「負の再分配」で最も重要なことは「公正」だ。それは参加と合意形成によってこそ、担保される。利益の再分配なら、分捕り合戦でも「寄こせ、寄こせ」でも参加できるが、それでは「負の再分配」の合意形成には参加できないどころか、全面拒否やちゃぶ台返しにしかならない。そういう政治勢力は永田町でも少数派になった。共産、社民、未来の得票は、そのことを表しているといえる。

圧勝した自民党のなかにも、「寄こせ、寄こせ」が少なからず紛れ込んでいる。民主党が難儀した負の再分配をめぐる合意形成が、今度は自民党に問われることになる。ここで分捕り合戦に先祖帰りすれば、先の展望はない。

「負の再分配」はもはや避けられない、そのことはうすうす分かりつつ、しかし未だ正面から向き合うことを恐れたまま、それでも否応なしにふりかかってくる難題に立ち向かわなければならない。そういうステージが始まった。税と社会保障をはじめ危機的な財政、原発・エネルギー、TPP、北東アジアでの新たな立ち位置など、野田政権から安倍政権に引き継がれる21世紀の難題は、政権の宿題であるとともに、私たち国民の宿題でもあるのだから。

受益者市民の鬱憤晴らしからは卒業しつつあるが、経営者市民、主権者市民の政治空間は(国政レベルでは)未だならず(自治では点在)、という過渡期―それが第46回総選挙の風景だろう。ここから「たたみ方」「立ち上げ方」という新しいマネジメントを、どう実践的に深めていくか。参院選はその最初の試金石となるはずだ。

●「依存と分配」の復活による政治の安定か、

「負の再分配」の合意形成による政治の安定か

誰が、どの政党が政権に就こうと、「負の再分配」はもはや避けられない。「まず景気対策」という発想そのものが、少子高齢化(労働人口の急激な減少)、Gゼロといわれる国際政治のパワーシフトと北東アジアの緊張、リーマンショック後さらに顕著となった世界同時財政恐慌といわれるような不安定なマーケットの動向などが、視野に入っていないといわざるを得ない。「世界第二の経済大国幻想」をひきずったまま「危機突破」を叫んでも、モルヒネが切れた後には、(先送りした分だけ)21世紀の現実がさらに厳しさを増すだろう。モルヒネが有効なのは、構造転換の痛みを緩和できるときだけだ。

2030年の日本社会(高齢化率30%超)と、わが国をとりまく国際環境(相対的地位の低下は不可避)をしかと見据え、このなかで「課題先進国」としての位置取りが可能となるような方向転換・構造転換を図るには、「たたみ方」「立ち上げ方」という移行プロセスのマネジメントが急務である。

総選挙から七ヶ月後の参院選で、本格的な政治の安定が問われることになる。必要とされる「政治の安定」は、依存と分配の復活ではない。「負の再分配」という役割を担いうる政治の安定だ。依存と分配の復活への道をいかにたたみ、「負の再分配」への道を立ち上げるか。それが参院選にむけた攻防にほかならない。

この点で重要な試金石となるのが、三党合意の確実な実行である。繰り返せば、三党合意とは①消費税増税と社会保障改革 ②赤字国債発行法の三年間の成立 ③衆院定数是正である。この背景にあった「次世代にこれ以上ツケを回さない」という政治意思が、あいまいにされてはならない。

①消費増税と社会保障改革 安倍総理は、デフレが続けば消費増税は実施できないとの立場だが、消費増税の先延ばしが日本国債の信認に与える影響は小さくない。下手をすれば、アベノミクスのマジックは簡単に吹っ飛ぶ。リフレ政策の効果は短期的なものに限定される。産業構造の転換、そのスピード、少子高齢化といった構造的変化への対応(社会保障改革の本質はここにある)と、財政健全化などの本質的な課題を先送りすべきではない。消費増税はその一歩にほかならない。

また財政規律を働かせるうえで必要なことは、情報公開によって国民の目が届き、政治家も官僚も説明責任を負わざるを得ない、ということだ。その意味で、事業仕分けを継続するのか、事業評価シートとその公開を継続するのかも、重要な試金石だ。

②三党合意によって、赤字国債発行が「ねじれ」国会で与野党の駆け引きに使われることは、少なくとも三年間はなくなった。これは財政健全化と財政規律についての、まともな合意ないし制度化にむけた猶予期間にほかならない。逆にこれをいいことに、国債を大量増発するようなことになれば、そのツケは大きなものになるだろう。

③定数是正は、違憲状態がさらに拡大している以上、急務である。問題は定数削減で、これはまさしく永田町の当事者のなかで、「負の再分配」をいかに合意形成するかだ。三分の二を持つ与党の責任は大きい。

自民党には与党として三党合意を実行する責任を、民主党には政権を経験した野党としての責任を厳しく求めていくことが、主権者としての役割だ。

 TPP交渉参加も時間切れが迫っている。参加11カ国のTPP交渉は2013年中の交渉妥結を目指す方針で一致。来年10月のアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議が大きな節目となり、3月にシンガポールで開催される次回の交渉会合からは、関税撤廃の例外品など個別分野で詰めの議論が交わされる公算が大きい。
 だが、日本の次回会合参加は絶望的だ。交渉参加の条件となる米国の承認を得るには、90日前までに米大統領が議会に通知する「90日ルール」があり、安倍総理が年明けすぐに交渉参加を表明しても、実際の参加は4月以降となる。そのうえ自民党内には、農協の支援を受けて「TPP反対」を訴えてきた議員も少なくない。参院選を前に党内の意見集約は難航が予想され、参加表明がさらにずれ込む可能性が高い。このまま交渉に参加できなければ、日本の主張がいっさい反映されないまま、10月のAPECで合意した通商ルールをそのまま容認するだけになる。

 TPP交渉参加を見送り、消費増税を先送りし、財政を拡張させる―依存と分配を復活させて獲得する参院選後の政治の安定とは何だろうか。これで憲法改正を可能とする議席数を確保できたとして、それがはたしてわが国の国益だろうか。政治の安定は、三党合意やTPPという課題のなかから、「負の再分配」の実践的教訓を積み上げてこそ獲得されるべきではないか。

 そして「負の再分配」、そこでの公正さを担保する参加と合意形成は、何よりも自治の現場、自治の公共空間でこそ集積される。その基礎からこそ、選挙制度や政党がどうであれ、それを使いこなすことができる主権者が生まれる。また2030年を見据えた社会の転換は、地域での試行錯誤とその実績からこそ可能となる。その実績をつくり出さない限り、なし崩しの現状肯定(依存と分配への先祖がえり)を、上手にたたむことはできない。こうした自治の基礎のうえで政権や政党を検証する、賢明な主権者になろう。

次世代につなぐ未来と希望を語る覚悟を!

==================================

新春特別シンポジウムのお知らせ

==================================

●新春特別シンポジウム

「エネルギーと自治~民主主義のバージョンアップとフォロワーシップの転換」

1月12日(土)12時から15時30分

アルカディア市ヶ谷 5階「穂高」

参加費 2000円

パネラー 植田和弘・京都大学教授、諸富徹・京都大学教授

     武久顕久・瀬戸内市長、原亮弘・おひさま進歩社長、前田武志・参院議員

*2030年代原発稼動ゼロも、電力システム改革も、温室効果ガス25%削減も、ぜーんぶチャラにされそうな勢いです。とはいえ、原発ゼロも自治分権も、政府が決めればできるのではなく、地域での実績を積み上げることなしには、なし崩しの現状肯定が続くだけです。政権がどうなろうと(独裁政権でない限りは)、なし崩しの現状肯定を変えることができるのは、私たちの意欲と行動にほかなりません。

ぜひ、ご参加を!

*******************************
石津美知子
「がんばろう、日本!」国民協議会

http://www.ganbarou-nippon.ne.jp

TEL 03-5215-1330 FAX 03-5215-1333