参議院選挙の低投票率51、35%は、選びたいのに選べない市民の苦悩
しかし、争点や選択肢を巡る市民の悩みからこそ生まれる、共同体の再生

7月の参議院選挙の結果は、与党政党の圧勝となりましたが、投票率は戦後3番目の低さであり、6月の東京都議会選挙の2番目の低さ、さらに昨年12月の衆議院選挙は最低の記録となりました。何故これほどまでの低投票率がわずか半年の選挙で次々と起きているのか、その結果として与党の大勝となっているのでしょうか。
選挙とは複数の政党や候補者がこれからの社会をどの様にしていくのか、そのための理念や方策を、市民に選択肢として示し争点化していく事です。(マニフェストもそのための重要な手段です)しかし、この間の選挙では国や自治体の大きな転換点にたつ政策の軸が、殆ど争点化されなかったのです。
消費税と社会保障の一体改革では、増税によって社会保障制度がどう変わり、その時受益と負担がどう変わるのか、リスクをどの様に公正に分かち合うのか。脱原発に向けた今後のエネルギー政策はどの様に変わるのか、それはこれまでの中央集権的供給システムから地域分散型のエネルギーシステムにどうシフトするのか。景気と雇用の問題では、ますます広がる格差問題から新たな地域産業の展開を、地域共同体を基盤にどの様に再生していくのか、その時の市民の責任と役割とは何か。どれを一つをとっても何一つ争点化しませんでした。
さらに都議選は地方自治体の選挙であるにも拘わらず、アベノミックスの是非を問う参議院選挙の前哨戦と位置づけられ、猪瀬都政への評価や東京都議会の議会改革を始め、最低でも争点化されるべき政策の選択肢は一切提起されませんでした。
自治体の選挙で、これほど地域のことが遡上に上らなかった選挙は過去にはないはずです。
この様な状況では、市民が政策決定の全ての過程に参加し、一市民として、一フォロワーとして行動しようとしている市民ほど「選びたいのに、選べない」と言う思いが強くなっています。
特に、3,11以降に自身の価値観の大きな転換と受け止めた市民ほど、この思いが強く働き投票箱には収まらない民意が、投票箱の外側に留まったままである事を逆説的ですが証明しました。一方既得権に乗っ取られた既存政党、それに回収される世論が投票箱に収まっている、とも言えます。
だからこそ、争点は市民が盛り上げていくのであり、候補者を選ぶ事を目的とするのではなく、多面的な政策や地域共同体の課題にどうコミットするのかを、市民自身が試行する事が大切になって来ています。
 「○○市がどうなっており、どうなりうるのか」の選択肢があれば、市民は反応する

この間国政レベルの選挙とともに、各地の市長選挙が実施され、30代の現職市長が次々と二期目の当選を決めています。象徴的な選挙は、6月30日の横須賀市長選挙でした。二期目の当選を果たした吉田市長(37才)に対抗したのは、元副市長で自民・公明推薦の候補者で選対委員長は自民党の小泉進次郎衆議院議員でした。業界団体の推薦の元、連日小泉議員は街頭演説を始め選挙の先頭にたったそうです。
しかし結果は吉田市長が約1万票の大差をつけ、しかも投票率は前回より5%も伸ばしました。また三重県松坂市の二期目の山中市長(37才)も、現職県議(自民、民主両党(公明は支持)をはじめ、松阪市職労組や連合三重地協、医師会など多くの推薦を得て「オール松阪」の態勢で、地元の田村憲久厚労相も応援に入った)を、大差で破り投票率も5%アップしました。
さいたま市長選挙でも、二期目の清水市長(51才)が現職県議(自民、公明推薦)をこれも大差で破り当選しています。また同じく二期目の埼玉県和光市の松本市長(44歳)は、政権与党は対抗馬さえ擁立出来ず無投票当選となっています。
これらの市長選挙に共通するのは、国政レベルの政権政党がどうであろうと、その自治体が時代の変化に相応しい地域共同体をどう作っていくのか、その時公正なリスクの分担の視点から、市民の責任と役割を徹底して市民に訴え、共有していく選択肢を示し続けている事です。
つまり、ひっ迫した財政状況を徹底して公開する事を含め、市がどうなっており、どうなりうるのか、を問い続けたことです。一方破れた候補者は、「政権与党との太いパイプ論」を主張することで産業や雇用や福祉の充実を図り、「市民サービスには何でも応えるために、政権との強い人脈や組織が必要」という展開でした。既得権層には耳障りはよかったはずですが、結果は惨敗でした。
この事からも、はっきりしてきたことは社会を変革するには、社会保障制度を始めとして、受益と負担が現在どうなっており、今後既存の受給者にも給付カットや相応の税負担がどうなっていくのか、を正面から説明し、徹底した市民参加によって利害が相対立する市民を対象に合意形成を図る舞台をどう作っていくのか、と言う統治能力が極めて重要だ、と言う事です。
勿論、市民も市長や行政にお任せにせず、選挙での一票は当然ですが地域を変えていく手法や環境はますます広がっており、「未来へ投資する社会」のための熟議と日常行動が問われています。

 10月27日投票の越谷市長選挙で、試される市民の責任と役割。高橋市長の再選を巡り

今後3年間は国政レベルの大きな選挙を当面はない、と言われていますが、自治の現場では日々劇的な変化に対して、地域共同体の再生への挑戦が続けられています。
この間の各地での市長選挙だけでなく、越谷市でも約12億円もの保健所建設や約20億円の第3庁舎建設や、埼玉県内で最悪の耐震強度の本庁舎問題の先送り、中核市移行に伴う毎年の職員人件費7億円増等、市民の税負担とサービス実施の課題の明確化とそのオープンな議論を通した市民合意が待ったなしです。
しかし、高橋市長のこの4年間は毎年過去最高の予算額を更新しつつ、「市民サービスのため」という名分で、形式的な市民参加に留まっており依然「未来を搾取する市政」が続いています。
市長がもうこれ以上、市政のトップにいることは許されない事が、4年間の実績が証明しており、そのために投票箱に収まりきれない民意とどの様に向き合い、集約していくのか、本年10月の市長選挙にむけ市民とともに全力で取り組んで行きます。

越谷市の中核市移行に、メリットだけでデメリットは本当にないのか

高橋市長は、平成27年4月をメドに、越谷市を現在の特例市から中核市に移行させる事を目指しています。中核市になれば現在の事務事業のほか約2000事業の移管が県からなされます。典型的な事業は保健所業務ですが、これは全体の7割をも占めるものです。
当然事務量が増えれば、それに伴い歳出も増えます。例えば職員が約80名の増員(60名は保健所関係)が必要で人件費は約7億円が年間支出されます。その他産業廃棄物関連対策事業や外部監査事業など9事業で約2億4千万円の増額が見込まれます。
また、県支出金の内生活保護費負担金、保育所運営費負担金、放課後児童対策事業補助金等の17項目約5億5千万円の減額となります。
さらに、中核市移行で約20名の職員の増員や、現在の本庁舎の狭隘化の解消ための職員用の事務スペース、会議室の確保のため、平成27年4月までに、5階建て約4500㎡の第3庁舎を建設します。事業費は約20億円ですが、現在市役所の敷地内の土地を整備しています。
この様な状況について、6月議会で「中核市のメリットは十分伝わるが、デメリットも市民に知らせるべきではないのか」との議員の質問に、市長は「デメリットはない」と言い切ったのです。
その意味するのは、保健所業務を始め2000もの事業サービスが実現し、その財政負担は、地方交付税が16億円相当増えるので市民の税負担はないので、一切不利益がないと言うものと推測されます。
そのせいか、市民の中核市認知度は平成24年度市民世論調査では僅か13,7%となっています。
しかし、そもそも中核市の移行の意義とは、何なのか。それは国の地域主権改革に伴い、市民主権の推進を図るため「政策決定は、それにより影響を受ける市民、共同体により近いレベルで行われるべき」(越谷市作成の中核市移行の関する検討報告書・平成22年10月)という趣旨です。
つまり、市民は自分達の地域の問題を自分達で考え、決定して行く事を通して、市民自治を確立していく、と言う事です。
これは、行政のあらゆる領域に市民が参加し、市民同士で議論し、決定に参画する事で税負担を始め、一定のリスクをも引き受けることに他なりません。
そのため、市長は事業の推進にあたっては、出来うる限り情報を公開し、複数のシュミレーションを提案し、公開の場で説明し、利害調整を含む合意形成を進める役割に徹する事になります。
この視点から見れば、まず第3庁舎建設について市長は、一切市民に説明する必要もないし、ましてや意見聴取もしないし、パブリックコメントも取らない、としています。
その理由として、第3庁舎は本庁舎の機能を持つものではなく、単なる職員用の事務スペースであり、市民とは直接関係しないためその必要はない、と言うものです。
さらに、市民の更なる税負担はない、と言うものの、地方交付税制度は自治体の努力を必要としない、言わば国が地方をコントロールするものであり、自治体の努力で税収が増えれば、交付されなくなる制度なのです。
しかも、交付されても国の税収不足のため
越谷市が不足分を自ら借金をして補う「臨時財政対策債」が、平成25年度で341億円も積みあがっているのです。
 しかも、この制度は本年度で打ち切られ、今後の見通しは全く立っていません。
これに通常債が308億円もあり、さらに特別会計での累積債務は501億円となっています。
国の債務が1000兆円を超えていることから、今後の歳出の内、地方交付税が増えていくことは想定出来ないはずです。
にも拘らず、「地方交付税が増額されるから、市民への税負担は一切ない」という無責任な発言は到底容認出来ません。
市民サービスの消費者から供給者へ 役割を変えていく
さらに、市民サービスが増えるのだから、問題はない、という見識も甚だ不適切です。
確かに事務事業が増える事により、市民サービスが増加することは間違いがありませんが、それはサービスを消費する市民の立場から、むしろサービスを自ら改善し、供給する立場に市民が変わっていく機会にする事が可能になって行きます。
これは、先の参議院選挙で示された「投票箱に収まりきれない民意」の市民を、新たな地域社会の担い手として組織化していくことにも繋がっています。
この事から、市長の発言とその姿勢は「市民サービスをとにかく増やして、税負担や役割を担わない市民」に依拠し、さらに拡大を図る事になりかねません。
これでは、中核市移行の目的が達成されないのは明らかです。
市長任期最後の年に、この様な基本的な政治姿勢では、次期当選すれば「未来を搾取する市政」を続ける事になり「未来へ投資する市政」への転換を10月の市長選挙で実現しなければなりません。

平成25年6月14日付で国は、子宮頸がん予防ワクチンの接種について、越谷市を含む全国の自治体に対して積極的な勧奨を差し控えるように通知しました。
この問題は、6月議会の質問の中で、越谷市が進めて来た子宮頸がんワクチンの接種で「事故」が全国的に多発しているが、その対応はとの質問で遡上に上りました。
このワクチンは、がん予防のため女子中学1年生年齢相当を対象としており、かつては越谷市独自の事業としていたものから、国の事業に統一されていました。ところがワクチン接種による2000件を超える副反応の事故が起こり、重篤な障害を受ける被害もあり、国は自治体による勧奨を控えることを決定しましたが、依然希望者には接種を続ける、と言うものです。
これに対し、議会の答弁ではまだ国から通知が出されていない事もあり「公衆衛生上、リスクをゼロにする事は出来ない。市民への周知も事故を大きく取り上げるわけにはいかない」として接種を引き続き続ける姿勢を示しました。
ところが、それから僅か1週間後に国からの通知で「子宮頸がんワクチン接種のリスク・まれに重い副反応もあります」との内容が示されたのです。
これに従い越谷市は、対応を一変させ、今度はこれまでの事故(副反応)の状況を周知したのです。
事は子ども達の健康被害の問題であり、国の対応が極めて問題ですが、市民に最も近い越谷市が、ただただ国の言う通りの対応なののですから、無責任と言わざるをえません。

PDFファイル⇒B5-市政レポート2013-6


本庁舎耐震化は先延ばしで、第3庁舎建設だけを急ぐ平成25年度一般会計予算案に10名が反対。「市民要望」に応える、と言う名分で膨らみ続ける予算額。
次世代の搾取か、次世代への投資か、選択と決断が問われている

3月議会で可決された、平成25年度予算案は、一般会計834億円余、国民健康保険会計等の9会計の特別会計615億円余、市立病院の事業会計115億円余で総合計が1564億円余となり、過去最大規模の増額予算となりました。
しかし、一般会計の基幹税である個人市民税は、昨年度対比マイナス1,2%の減少となっており、しかも毎年減少傾向にあります。因みに平成19年度の約201億円から、平成25年度では約185億で16億円も減少しています。
その原因は、この間構造的不況で給与が下がり続けており、給与所得者の年平均額は平成19年度で352万円から平成25年度332万円と19万円減少しています。特にこれから担税力(納税する力)のある子育て世代を中心として年収が200万円以下の若者が大量に生まれています。
しかも生産労働人口の減少時代にはいっており、0才から64才の人口は平成17年度と平成25年度では、13,085人も減少し、一方65才以上の人口は25、548人も増加しています。
越谷市の高齢化率はすでに22%と、超高齢社会となっており、国よりも2倍のスピードで到達しました。一般会計では歳出の41%である341億円を民生費(高齢者等への社会保障費)が占めており、さらに今後も増え続けて行きます。また、笹子トンネル事故で浮上した、公共施設の問題でも、越谷市の施設の半数は、すでに建設から30年以上経過しており、現在更新時期を迎え、そのまま建て替えれば1000億円以上の費用が必要となります。
つまり、全体の傾向として今後個人市民税が、減少し、高齢者対策のための歳出が増えていくことを前提に、どううまく事業を進めていくのか、人口減少、少子化、生産労働人口減少の時代に相応しい町づくりに着手する事です。いかに町を縮小していくのか知恵と工夫が問われています。  さらに、国の借金は1000兆円を超え、越谷市でも1500億円もの累積債務を抱えながらの市政経営が強いられています。今年度予算では、市債を78億円発行し、公債費を82億円計上していますが、僅か4億円を返済することになり、単純計算では完済するのに375年もかかる事になります。
もうこれ以上次世代の子ども達にツケを回してはならない、未来を搾取する社会に加担してはならず、未来への投資に転換していく事を、決意するのは普通の市民感覚であるはずです。

ところが、今回の予算案をはじめ市長が4年前に就任されて以来、この課題が改善していると言い難い状態が続いています。
市長は答弁で「財政がひっ迫していることは十分承知しているが、市民の要望に応えるのが行政の責任でもある」として財政規律を見直す姿勢はありません。
勿論市長は、行財政改革に取り組んではいますが、その削減効果は僅か3億円に過ぎないのですが、所謂「事業仕分け」を実施して事業の優先順位をつける事はしないと発言しています。
このため、予算編成過程では、当初の予算要望額は、1、750億円を超えており、最終査定で186億円減額して1564億円となったものの、過去最高額の予算となりました。
しかも、今回も新規事業は20事業15億5000万円を計上していますが、要求額は21事業15億3300万円と1600万円の増額となり、何と要求額より査定額が多いのです。その原因は(仮称)第3庁舎建設の事業費(全体事業費約20億円)の要求額1億6700万円が査定額3億2000万円となったのです。予算要望額とはつまり「市民の要望」であり、市長が恣意的に予算を増やしているわけではないのですが、市民の側から「事業をあきらめる、がまんする」という声が上がらなければ、借金をして市民の要望に応えると言う旧来型の姿勢を変えることは出来ないのです。

かつて経験や発想したことのない、縮小し、多機能型のコンパクトな地域社会への挑戦

今回の平成25年度予算案の歳出では、昨年9月議会、12議会で大きな問題となった(仮称)第3庁舎建設(約20億円の建設費で、平成27年4月までに完成予定)や本庁舎整備審議会設置(老朽化や耐震化対策のための委員会で、第3庁舎建設後に60億から80億円の建設費を予定)に関連する予算案が計上されています。
今後の越谷市の財政計画や次世代への負担の軽減を最優先に考えれば、今回の予算案にはどうしても賛成出来なったのですが、私を含む10名もの議員が反対しました。
これは過去16年間の市政の中では異例の事態となりました。これまでたった1名の議員も一般会計予算案に反対したことはなかったのですから。
勿論反対するからには、予算特別委員会でも本会議でも反対理由を明らかにしました。しかし民主党・ネット・無所属の会(8名)の会派を除き、自民党(6名)、公明党(6名)、共産党(2名)の既存政党の会派は、誰一人として賛成討論を行いませんでした。結局は賛成多数で予算案は可決してしまい、これ程の不合理が公然とまかり通って行くのです。
これは、9月議会、12議会と同様の対応で、何故(仮称)第3庁舎が必要なのか、震度5強では倒壊する危険な本庁舎の耐震化対策は、平成27年4月以降に延ばすのか、市民の命と職員の事務スペースの拡充では優先1順位はどちらなのか、本庁舎審議会への議員の参加はこれまで制限してきたにも拘らず、「議会の代表」ではなく「市民の代表」として参加するのは何故か等、堂々と議会の場で討論する事が最低の責任ではないでしょうか。
残念なことですが、「議会が市長の追認機関となっており、ただ賛成だけするのなら議会は必要がないのでは」と言う市民の批判に応えられない議会の現実に、当然私も大きな責任を感じています。
「失われた20年」そして2年を経過した3,11東日本大震災は、地域共同体の根本的なあり方を問うと同時に戦後日本人の価値観や生き方の転換を迫っています。
これまで拡大再生産こそが「豊さ」としてきた価値観を前提として、「予算をつける」と言う習慣から縮小していくために「何をあきらめるのか」と言う視点から、複数のシミュレーションを含む選択肢を示すマネージ力が何より必要とされています。市長や議会がこの責任を持つ事は勿論ですが、市民にも、地域共同体の一員として、その役割を担っていく事が極めて重要です。

予算特別委員会で指摘した問題点
大袋駅舎建設工事費11億7100万円のうち東武鉄道負担は8500万円

平成25年秋の完成を予定している大袋駅舎建設工事は、越谷市と東武鉄道と基本協定書を締結し進めています。総事業費は11億7100万円ですが、その費用負担は越谷市が10億8600万円(92,7%)、東武鉄道8500万円(7,3%)となっています。何故私企業である東武鉄道の駅舎にこれほどまでの税金を投入するする必要があるのか、その根拠を質問しました。
答弁は、法律によって規定されていないが大袋駅舎改造は所謂「請願駅」という位置づけのため、基本協定書を双方の協議によって決定している。市民からの請願である以上費用負担は基本的に越谷市が負担することになっている、と言うものでした。
また、大袋駅舎自由通路整備事業も総額8億2900万円ですが、全て越谷市の負担となり、
東武鉄道の費用割合は0円です。つまり100%税金によって負担しています。
しかし東武鉄道は、そもそも駅舎改造の意向は全くなく、現状のままでの対応を主張したため、越谷市から再三お願いしたうえで東武鉄道に「了承」してもらったと言う事です。
公金の支出は、一般的には一私企業に投入される事はないのですが、鉄道事業という公共的な存在であるため税金による私企業施設の費用を負担する事に一定の理解は出来ます。
しかし、新駅舎建設は、市民の利便性や安全性が確保されることは当然ですが、東武鉄道にとって何の不利益を被ることはなくむしろ乗客の評判が上がり、収益が上昇することも予想されます。つまり市民も東武鉄道も双方に大きな便益をもたらすことになります。
ところが、東武鉄道は、鉄道利用者を始め市民や行政に対して「公金による駅舎建設」の宣伝を殆ど実施していなのです。
市民はこれだけの税金によって私企業の駅舎が建設されている事実を知る機会は殆どないのです。唯一越谷市の「広報」によってその事実を知ることが出来るのですが、その「公報」も建設の事実は掲載しているものの肝心の費用負担については記事がないのです。
市民の皆さんは、駅舎建設を長く望んでいましたので、完成に期待があるはずですが、一方多くの財政負担がある事を含む情報が東武鉄道、越谷市の双方から開示される事が大切です。

東京電力は、福島原発事故の賠償請求への回答を東埼玉資源環境組合に実行したにも拘らず、何故越谷市にはゼロ回答なのか

東京電力福島第一原発事故に伴う放射線対策に要した費用の賠償請求を平成24年5月28日付で、越谷市を含む周辺自治体で構成する「埼玉県東南部地域放射線対策協議会」が提出しました。その賠償請求額は、1億3202万円(越谷市分は2299万円)。
この回答が平成24年7月30日にされましたが、「個人、法人、個人事業主の賠償を優先する」との理由でゼロ回答でした。
ところが、同じ様に平成24年5月28日付で「東埼玉資源環境組合」(管理者 高橋努越谷市長)が、賠償請求した4億3530万円に対して、平成25年2月22日付でほぼ同額を支払うという回答を、東京電力はしました。
放射線対策では、自治体でも資源環境組合でも5市1町で統一的対応をしており、請求額が発生した原因は、一義的には東京電力にある事は明白です。
しかもすでに平成24年には、大口利用者には電気料金の値上げが実施され、越谷市の
増額負担は、9000万円にも及び個人利用者でも8,46%もの値上げに踏み切っています。このため茨城県高萩市の様に、東電から請求された電気料金約500万円の支払いを保留している自治体もあります。
しかし平成24年6月時点での東京電力の22人の役員報酬の総額は、2億3000万円となっており、その上1兆円もの国費が投入されているのです。
同じ様な2つの広域行政が放射線対策に要した費用の賠償に区別がないのは当然ですし、東京電力は、先の回答で「機会を改めてご説明させて頂きます」としていましたが、今日まで何の回答もあっていなのです。
総原価主義が採用されているのは、その事業が公共的役割を果たしている、と言うのが最大の理由なのですから、福島原発事故の反省があるのなら、速やかに賠償に応じるべきです。

埼玉県立大学に医学部を設置する請願に反対した理由

 埼玉県の人口10万人当たりの医師数は146人と全国最下位であり、医師不足解消と救命救急医療の確立のため、越谷市のある埼玉県立大学に医学部を設置する事を求める意見書を埼玉知事に提出して欲しい、と言う請願書が8団体連名で出されました。賛成多数で可決されましたが私は以下の理由で反対討論をしました。
第1の理由は、現在全国的な医師不足の改善に向け医学生入学定員は、平成25年度で9041人と過去最高数であり、昨年より50人増えています。
しかし医師不足は診療科や地域的偏在によって発生しており、医師の絶対数が不足している訳ではありません。それは特に近年医療過誤の賠償支払いの危険性の高い産科医、外科医、麻酔科であり、さらに現在の健康保険支払い下では収入の少ない小児科医を選択する医師が少ないことです。従って単純に医師を増やせば解消するという言う事ではありません。
第2に医学生入学定員を増員しても卒業後1~2年の研修終了医師が独立して医療を行えるのは7~8年後であり、その時点で若手医師が専門科を選ぶのは、条件の不利な麻酔科、産科、小児科の見込みは依然少ないのです。また仮に県立大学医学部卒業生が埼玉県内の病院に勤務する見込みも不確定ですし、直ちに医学部が設置されても10年後の話です。
第3に、埼玉県立大学の医学部を設置すると、建設費700億円と毎年のランニングコスト60億円を要します。これだけの費用を未確定な将来にかけるより現在の救急医療体制の拡充にこそ充てるべきです。
第4に米国・カナダでは、40年も前からナース麻酔師が麻酔専門医師の監督の下独立して麻酔術が行える体制にあり、外科手術の80%はナース麻酔師により独立して実施されており、日本でも同じ仕組みを作ることで医師不足を解消できるはずです。
第5に、勤務医の疲弊の大きな原因に、所謂コンビニ医療やモンスター患者の存在があり、市民が医師や病院を支えていく責任と役割をもっと引き受けるべきです。

         第9回14時間マラソン演説会の開催
  平成25年 5月21日(火)午前6時スタート午後8時まで、連続演説会
            せんげん台駅東口       

pdfファイル⇒B5-市政レポート2013-5



「憂鬱な圧勝」「高揚感なき船出」から、始まった利益の分配から
不利益の分かち合いへの時代へ。地方自治体は、その試金石
昨年実施された衆議院選挙は、自民党の大勝となりましたが、民主党政権が難題として直面してきた課題を、そのまま自民党政権も正面から取り組まざるを得ないことになりました。
 それは、日本の歴史上初めての生産労働人口の減少、猛烈なスピードで進む高齢化、GDPの2倍もの1000兆円を超える累積債務、加速するグローバル市場の形成、中国を始め東アジアを含めた新たな世界秩序の再編、という21世紀の課題に他なりません。
 だからこそ、選挙の直前に合意された民主党、自民党、公明党の3党合意(消費税増税と社会保障制度の一体改革・赤字国債発行法の3年間の成立・衆議院定数の是正)は、これ以上子ども達にツケを回さないことを共通認識とした決断でした。衆議院選挙では、この合意を最低の基準として各党がどの様な社会を目指すのかビジョンを提起し、市民が選択するということが求められたのですが、現実は残念ながらその様には展開しませんでした。
 高い経済成長を見込める時には、政治の役割は拡大するパイをいかに分配するのか、でしたが、(市民は政治に要望をぶつければ良かった)成熟社会となり「凌ぎの時代」では、利益の分配から不利益の分かち合いを、どの様に公正にすすめるのか、とうことに転換しました。   つまり「不都合な事実」を事実として認め「負の再分配」「何かをあきらめる」ことを、政治が選択肢を示し、「任せて文句を言う」ことから「引き受けて責任をとる」と言う経営者市民へ登場が求められています。
 消費税増税はやむを得ないが、次の社会での社会保障制度が、右肩上がりの制度からどの様に変化するのか、示して欲しいという選挙中の市民の声が「負の再分配」での最低の基準となっています。
 しかし、同時にリスクを引き受ける、言う事は例えば現在受け取っている年金額の2割をカットすることも認めていくことでもあり、具体的な不利益が市民自身の問題となった時には、まだまだ正面から向き合うことを躊躇する現実もあります。それでも否応なしに襲ってくる難題に立ち向かわざるをえないのも現実であり、避けては通れないのです。
 この現実は地方自治体での様々な施策の実施を通して、何故その事業が必要なのか、必要だったとしても、全て税金で賄う必要性があるのか、またこれらを決定する過程は、市長や議会では市民にオープンになっているのか、予算を決定した議会は、決定の責任を負っているのか、等極めて実践的で身近な課題として目の前に日々生起しています。
 越谷9月、12月議会で大きな争点となった、第3庁舎建設問題や本庁舎整備問題はその典型的な事例と言えます。
 第3庁舎は、現在ある本庁舎や第2庁舎に加え新たに約20億円の建設費で、平成27年4月の中核市移行に伴い建設を予定しているのですが、全体のグランドデザインは示されず、実施計画にも何の記載もなく、突然市長から提案されたものでした。
当然市民の意見を吸い上げることなど一切行われないままでした。
しかもその市長の姿勢をチェックし、予算を決定している議会では、既成政党の会派は全て賛成してしまっているのです。(私の所属会派では修正議案も提案しましたが否決されました)
 12月議会では、本庁舎整備問題も議論となりましたが、市長の付属機関である「審議会」設置(20名で構成、学識経験者6名・公共的団体推薦者4名・公募市民4名・市会議員6名)も、既成政党の会派の賛成で可決してしまいました。(ここでも私の所属会派では修正議案を提出しましたが、やはり既存政党会派の反対で否決されました)
 そもそも、本庁舎整備は、この間10数年に渡り顕在化しており、特に耐震化強度は埼玉県の庁舎の中ではワースト1と言う劣悪な状態だったにも拘わらず、一切なんの対応を取って来なかったものです。つまり毎年毎年先送りを繰り返した挙句、9月議会で第3庁舎問題に関連して議会の指摘によって、慌てて「審議会」の発足を約束するというその場しのぎの対応が連続しています。
ここにも市民の意見を吸い上げる手法は、取られていなのです。(辛うじて公募市民4名の枠を設定していすが、総額80億円とも言われる建設費が必要なのですから、僅か4名の市民の声では全体の市民の納得が得られないは自明のことです)
 また、大津市や大阪市のいじめや体罰問題で大きな議論となっている教育委員会の対応
に関しても、教育委員を決定している議会の審議のあり方を変えなければなりません。
 これまでは、市長が推薦した教育委員候補者が議案として議会に提案され、本会議上で投票によって決定、選任して来ました。しかし議会は一度も本人から教育行政の課題やいじめや体罰への見解など一切聞かずに選任してきており、これまで否決したこともありません。
 責任ある選任する以上、本人から意見を聴取するのは最低の判断基準です。
 さらに3月議会では、市長は所信表明を行い、「教育長」が教育行政方針を述べるのですが、教育委員会の最高責任者は「教育長」ではなく、「教育委員長」であり、委員長が述べるのが常識的な考え方です。この様に、よりオープンに、より市民参加が問われています。

 

12月議会で提案、可決された「本庁舎整備審議会」設置条例は、極めて多くの問題を抱えたまま、私の所属会派の修正案も否決され3月議会にステージが移ろうとしています。
市長の説明によれば、本庁舎整備の目的は、狭隘化、老朽化、耐震化、情報化への対応のため、20名以下の構成による「審議会」を発足させると言うものです。
これからの議論によりますが、建て替えならば総額80億円もの建設費が必要となり、いつまでにどの程度の規模の建物なのか、市民への説明や合意をどうしていくのか、これから始まる事になります。
しかし、この審議会設置には、以下の点が不明確であり、私は市長提案の原案に反対し、修正案に賛成の立場から討論に立ちました。

平成11年、第2庁舎建設時には本庁舎の耐震化が遡上となり、平成13年には耐震化診断が行われ、5階全ての階での強度が脆弱であることを確認しています。また、3,11東日本大震災時にも震度5弱の地震が襲い、安心、安全の根本的見直しが議論されました。しかし昨年9月議会で第3庁舎問題が浮上して、初めて本庁舎整備が正式の議論となっているのは、この13年間庁内では、一切対応してこなかったことになります。  
この審議会の答申の対象から、新しい第3庁舎建設は除外されています。本庁舎は、市民にとって市政の砦であり、本庁舎、第2庁舎、第3庁舎全体のグラインドデザインを描き機能化することが当然にも拘わらず、この市民常識が拒否されています

審議会の委員の中で公募の市民は4名に過ぎません。当然4名の市民は市        民全体の利益を代表するものではありません。越谷市自治基本条例の制定過程では、多くの市民が原案を作成することから市民が責任を持って答申してきた、と言う実績があるにも拘わらず、今回その蓄積を一切踏襲しないのは理解に苦しみます。
より多くの市民が議論に参加することで、市民自身が当事者として市役所のあり方に関与することは、単に建設という枠に留まらず市政運営の要としての役割を果たすことが可能となります。

  また、審議会の委員に市会議員6名が対象となっていますが、市長の付属機関に議員が就任する事は、平成12年時の「原則として議員は審議員にはならない」と議会が決定し、その間これを遵守してきた歴史を無視することになります。
さらに、議会棟建設も対象となっており、議員という利害関係者が市長の元に配置され意見を出せば、その意見は聖域となりかねません。つまり市民の議会に対する意見が制限されることになります。
 

越谷市議会⇒中継録画⇒会議名(12月議会)⇒12月19日⇒白川の討論

 ■第112回白川ひでつぐタウンミーティング
     1月26日(土)午後2時から午後4時/白川秀嗣事務所
   テーマ 「憂鬱な圧勝」がもたらした衆議院選挙後に問われる負担の分担
 ■第8回桜井地区市政報告会
     2月2日(土)午後6時30分/桜井地区センター あすぱる
      テーマ 平成24年12月議会について
■第9回政経セミナー特別講座
     2月23日(土)午後6時30分/越谷市中央市民会館
        テーマ 越谷いちごのブランド化から見えてくる農業のいま
     講師 木村友和氏(いちご工房木村屋代表)/長柄幸聖氏(環境経済部長)

昨年12月中及び新年の街頭宣伝・駅だちの中断のお詫び
 昨年暮れに風薬の副作用のため、長期間歩行が困難となり、12月の駅立ちを実行する事が出来ず、また議会開催や衆議院選挙中は街頭活動が制限されるため、長期間の中断となりました。さらに当選以来10年間毎年続けていました新年1月1日、2日、3日の街頭宣伝も参加出ませんでした。多くの市民の皆様にご心配をお掛けしました。お詫びとこれから通常通りに再開いたしますので、今後とも宜しくお願申し上げます。      白川 秀嗣

PDFファイル⇒市政レポート13年1月


平成24年12月定例会
12月19日 本会議(議案審議、閉会)
    
市長提出第116号議案の審査結果報告(総務常任委員長)
◇委員長報告に対する質疑
◇修正案の上程
修正案提案理由の説明(菊地 貴光 議員)
◇修正案に対する質疑
 (野口 佳司 議員)
 (山田 大助 議員)
原案に対する賛成討論(髙橋 幸一 議員)
修正案に対する賛成討論(大野 保司 議員)
修正案に対する賛成討論(白川 秀嗣 議員)
修正案の採決
原案の採決


9月議会に突然提案された 「新第三庁舎建設問題」
建設費約19億円、極めて危険な本庁舎の耐震補強は後回し?

9月議会では、平成27年4月をめどに現在の本庁舎と第二庁舎に加え、新たに第三庁舎を建設するための設計委託料2000万円が補正予算として、市長から提出されました。
その理由は、社会福祉の関係部署では窓口対応や事務処理が近年増え続けており、庁舎のスペースが狭隘化し、職員22名増員分の広さが必要と言うものです。
また平成27年4月をめどに越谷市は「中核市」への移行のため職員20名の増員が必要となり、この事務スペースを確保しなければならない、との理由です。このため、約4500㎡、5階建ビルを現在の市役所敷地内に建設する(建設費約19億円)ための設計委託料が計上されました。
 しかし、第三庁舎の建設は、この間専門家や議会は勿論市民からの意見聴取が全くなされないまま、しかも庁内での決定手続きや合意が極めて不十分でした。このため越谷市前期基本計画・実施計画にも一切の記載がないまま、突然9月議会での補正予算の提案となったものです。
当然多くの議員から疑問や懸念が表明され、本会議場では質疑がかってないほど行われました。そもそも市庁舎の狭隘化を理由としていますが、職員の増員は合計で42名に過ぎず、その必要面積は最大でも700㎡と推測され、何故4500㎡ものスペースが必要なのか、緊急性や妥当性の理由としては、希薄なものです。
さらに職員500名、1日約1964人(年間28万人)の市民が来庁する本庁舎の耐震強度はIS値0,11であり(埼玉県内の庁舎ではワースト1)、震度5強以上では倒壊、崩壊の恐れがある建物です。  
昨年の3,11時では震度5弱だったのですから、いまでも損壊の危機が続いているということです。また第三庁舎と現在の本庁舎と第二庁舎との関係性や機能や役割など、全体のグランドデザインも全く示されてはいません。
これに対し市長は、本庁舎の耐震化について「危険であることは十分認識しているので、新庁舎建設を含め早急に検討委員会を設置して対応する」と答弁しました。
しかしその検討委員会は、あくまで本庁舎だけを対象としており、第三庁舎を含む全体の庁舎をどうするかではありません。 
また委員には専門家や議員には就任してもらうが市民には遠慮してもらい、しかも第三庁舎建設の後に本庁舎の対応をする、というものです。
平成11年には、第二庁舎が約11億円で建設されましたが、当時から本庁舎の耐震問題は遡上に上がっており、議会でも様々な議員が質問を続けていたのですが、何ら対応がとられてきませんでした。
この事から、今後2年半は越谷市には震度5強以上の地震は絶対に起こらない、もし地震が発生したら不幸だったと諦めて下さい、と言っているにも等しいものです。(当然地震が起これば、市長をはじめ職員や市民が重大な被害にあうのは必定であり、災害対策本部の機能も喪失します)このため、私の所属する新政クラブと保守無所属の会の議員を中心に、設計委託料2000万円を公共施設整備基金に付け替える修正議案を提出し、市長提案に反対しました。
この間の本会場や私の所属する総務常任委員会での徹底した質疑や答弁を見れば、多くの議員が修正議案に賛成して頂ける、と期待していたのですが、結果は大変残念ですが民主党・ネット・無所属の会(7名)、自民党市民クラブ(6名)公明党市議団(6名)、共産党市議団(2名)に賛同して頂けず修正案は否決されました。これによって第三庁舎建設は賛成多数となり、市長に建設へのゴーサインが出た事になります。私は第三庁舎建設そのものに反対するものではありませんが、全体のグランドデザインがないまま、とにかく第三庁舎だけの建設を先に決めてしまう事や、今日にも倒壊の恐れがある本庁舎の問題を先送りにすることは、約2万人もの犠牲者を出してしまった3,11東日本の大震災から何も学んでいないと、言わざるを得ません。優先すべきは、便利さや効率性ではなく、安全を確保する事です。ただ、優先順位の一番として耐震対策を含む新庁舎建設となれば、60億円から80億円もの建設費が必要となると、されています。つまり、庁舎の事務スペースの狭隘化を解消し、財政問題を含む本庁舎の耐震化を実現することを同時に解決するという方程式を解かなければなりません。
特に、本庁舎建設のための財源の捻出のため、毎年20億円弱の新規事業や既存事業の中止や凍結という決断をすることも当然あり得ることであり、説明と選択により「何かを諦める、何かをがまんする」事を市民が受け入れなければなりません。 来年の3月議会には本予算として第三庁舎建設費が計上されることが予想されますので、引き続きこの問題を賛成、反対という二項対立論ではなく、より良い選択にむけ、市民と皆さんと共に活動していきます。

PDFファイル⇒市政レポート12年9月


6月議会、1年交代が繰り返された正副議長選挙の光と影
6月19日に閉会した越谷6月議会では、開会当日正副議長の辞職と選挙を巡り、6つの会派代表者の協議が断続的に開催され、新たな正副議長が選ばれました。この間1年で必ず交代する正副議長ポストの選出は、これまで市民の批判の対象でした。それは、地方自治法が規定する正副議長の任期(4年間)があるにも拘わらず、ここ40年あまり1年交代が恒例化している事や、その選出の過程が、議会内実力者による水面下の事前協議によって事実上決定されてきた事です。
昨年の市会議員選挙でも、私を含む超党派議員の市民組織「政経セミナー運営委員会」策定のマニフェストにも「正副議長選挙の更なる透明化」をお約束していました。
そこで昨年5月の改選期における正副議長選挙では、まず立候補する議員は議会全体にその意思を表明すること、と共に議長公約を文書で示すことを6会派で合意しました。ただ、任期については正式には合意が出来ませんでした。
そして今回再び正副議長選挙となったのですが、前回と同様立候補者の表明と議長公約文の提出が行われました。
さらに議会のルールや活性化を審議、決定する議会運営委員会(私も委員)では、正副議長選挙のあり方をテーマに、明確なルールづくりが協議の対象となり、各会派の意向と合意を図るため精力的な取り組みが着手されています。
また市内13地区で超党派議員による任意の「市政報告会」が3か所で開催されている実績を含め、議会全体で主催する「市政報告会」も合意されており、日程や会場、報告事項等の具体化の協議に入っています。

PDFファイル⇒市政レポート12年6月


6月議会最終日、市民請願「大飯原発の再稼働にあたり、国に意見書の提出を求める件」

越谷議会録画ページへ

賛成討論

議長の許可をいただきましたので24請願第2号「大飯原子力の再稼働にあたり、国に意見書の提出を求める件」に対して賛成討論をします。
政府は、6月16日、関西電力株式会社「大飯原発」3、4号機について、再稼働することを表明しました。
しかし、この再稼働は以下の3点から拙速と言わざるをえず、到底受け入れられるもではありません。
 第1に安全性の問題です。
東京電力福島第一原発の事故の原因が詳細には未だ、解明されていないことや、免震棟の建設、安全基準の未確定等の請願書の指摘以外にも重大な危険性に対応できていません。
 それは第1に大飯原発1,2号炉の地下にF-6と呼ばれ活断層が存在している事実です。
このことについては、東洋大学の変動地質学の渡辺満久教授が再三指摘しています。ちなみに渡辺先生は原子力発電所は現状では必要である、と発言している学者です。
しかしこれまで保安院や原子力安全委員会は、原子力発電所付近の活断層について、認めなかったり、活断層の長さを意図的に短くしてきました。
 例えば島根原発について、直近の活断層の長さは、当初2㎞だということにされ、それが批判されると8㎞、さらに10㎞と伸びて行き、とうとう22㎞の活断層と言う事になったのです。
 これ以外に志賀、柏崎刈羽、大間、泊などは活断層を意図的に短くしたり、近くの活断層の存在を隠した典型的な例だとしています。
 この活断層は、地層がずれ込むことで地震が発生し、建屋や配管に重大な影響を及ぶすということであり、建屋の耐震性がどんなに高くとも効果が薄いと警告しています。
 安全性の問題で、第2に廃炉を40年とする原発の老朽化の問題です。
 国内の運転30年以上の原発は54基中、19基であり、福島第1原発の1~6号機の全てが30年以上で、特に1から5号機は「マーク1」と呼ばれる旧型の第2世代炉です。
現在主流の第3世代炉より安全性が劣るとの指摘があがっています。
しかし、福島第一原発1号炉は昨年2月には40年を超える運転計画が認められたばかりで、3月には大事故を起こました。
九州電力は運転37年目の玄海原発1号機の圧力容器が、従来想定よりも中性子で劣化しやすいとする最新の予測結果を発表しています。
つまり、繰り返し中性子による影響を受け続けていると、圧力容器の鋼の壁に亀裂や劣化が起こりやすいと言うものです。

この事に対して原発の推進や建設に関わってきた井野博満・東大名誉教授は「緊急の問題だ」と指摘しています。
日本の原発の中で脆性の問題を抱えるものとして、玄海1号機・高浜1号機・美浜1、2号機・敦賀1号機そして大飯2号機を挙げています。

第2に再稼働の理由が電力不足とされていますが、本当にそうなのか検証が必要です。
 細野環境大臣は「原発の安全性は電力需給の影響を受けない」と発言していますが、上記のように何ら安全性の担保はないのは明確な事実です。
 しかし、政府は今夏の電力不足に対応するために大飯原発の再稼働の要因としています。
 ISEP(環境エネルギー政策研究所)が2011年の関西電力の夏の供給力の実績を公表しています。
それによれば水力、火力、他社融通、揚水、原子力の発電総量は2947万kwで、これに対して需要は2784万kw。
政府はこの夏の供給予測として、原発電力をゼロと想定して2489万から2574万kwとして、需要予測を昨年よりはるかに上回る3138万kwとしています。  
この供給力予測では、関電管内の自家発電の購入量を83万kWとしています。
 ISEPの試算では、関電管内で自家発電容量は700万Kw以上あり、購入価格を例えば50円に引き上げれば相当量の掘り起こしが可能だとみており、  さらに価格を引き上げれば1000Kw以下の設備容量の自家発電も購入対象になりうる、と指摘しています。
 また、中部電力、中国電力、四国電力の供給力余力は800万Kw以上もあると見込まれています。
 揚水発電の能力も430万Kwあり、ピーク時にあわせて供給することは十分可能になるとも指摘しています。
 さらに需要サイドでは、様々な対策で200万Kw程度のピーク時の需要を落とすことができると見られています。
 関西電力の2010年のピーク需要は3095万kWでしたが、ピークから100万kW以内、つまり2995万kW以上の需要になった時間は、一年間でわずか30時間しかないのです。
これは一年間の0.3%にしか過ぎません。
もし、この30時間のピークカットができれば、必要な供給力は100万kW減少することになります。
 この様に大飯原発の再稼働による電力供給がなくとも、十分必要電力を賄うことは可能である、との結論に達します。
 この事実に向き合え合うならば、関西広域連合が、「再稼働やむなし、極めて限定的な承認である」とした理由である、電力不足へ認識も大きく違って見えてきます。
 ましてや、その共同宣言を出した広域連合の首長の一人である滋賀県・嘉田由紀子知事は、6月13日「関西電力や国、あるいは企業からずいぶんと警告され、『本当に停電になったらどうするんだ』と、かなり脅されました。お前は責任が取れるのかと」明らかにしており、
 なりふり構わず、ひたすら再稼働に突き進んでいった、政府や企業の姿勢をあらわにしています。
また、6月18日の朝日新聞の朝刊によれば、「政府は電力不足を理由に再稼働を進めるが、廃炉にすることで電力会社の経営が成り立たなく背景がある」と記事を掲載しています。
 つまり、原発の資産価値は、廃炉になることで資産価値がなくなってしまうため、資産の目減りを損失として処理しなければならず、大きな赤字を一気の抱え込んでしまう、と言うものです。
 このため、資産価値の落ちた古い原発が多い関西電力では約5割の純資産が失われることになり、経営にとって致命的な影響がでる、としています。
これが再稼働を強引に推し進めてきた大きな理由です。

第3に大飯原発の再稼働の問題は、福井県の大飯町の一原発稼働の問題に限定できず、今後の原子力政策に大きな影響を及ぶすことになります。
 すでに6月14日民主党の政調幹部は「ストレステスト(耐性検査)がすめば、その他の原発も粛々と動かすべきだ」と発言しています。
さらに、経済産業省原子力安全・保安院が安全性を確認した四国電力伊方原発3号機など各地の原発再稼働を急ぐべきだとの考えを示しました。
 また、政府は脱原発依存を掲げながら、一方6月13日には民主・自民・公明の3党は原子力の安全規制を担う新たな組織を設置するための法案を巡る修正協議で、原発の運転を原則として運転開始から40年に制限するとした規定について、原子力規制委員会が速やかに見直すとして規定を盛り込むことで、合意しました。
 つまり原発が40年超えても運転される可能性が高まったことになります。
 この様に今回の大飯原発の再稼働は、全国の停止中の原発の再稼働にゴーサインを出し、さらに廃炉40年の規定を先送りにする事に典型的にしめされる様に、脱原発に向けたエネルギー政策の転換と、そのためのロードマップを放棄した、と言わざるをえません。
つまり、原発をどの様に減らしていくのか、その目標も仕組みも、私たちは手にしてはいません。
 これは、旧来の様に原発推進や反対かという二項対立論の枠では、選択も解決も出来ないのです。
 先ほど指摘した渡辺先生も井野先生も原発の必要性を強く主張されている、学者ですが、この間の政府の対応に異議を唱えておられます。
勿論、この責任は一人政府や政党だけの問題ではなく、原発による電力供給やそのシステムを「安全神話」のもと受け入れてきた自治体や議会や市民の問題でもあります。
 それは、戦後の大量生産、大量消費、大量廃棄を社会運営の原理として、電化製品に囲まれ、便利で快適なくらしを謳歌してきた私たちの価値観や生き方を大きく転換する舞台として受け止める必要があります。
 6月13日ドイツの90年連合・緑の党は、野田総理や西川一誠福井県知事らに、大飯原発の再稼働反対を訴える2784人分の署名をベルリンの在ドイツ日本大使館に託しました。
 ドイツは東京電力福島第一原発事故を受け、2022年までに原発を全廃することを決定し、福島での事故以前は17基が稼働していましたが、現在は9基のみとなっています。
 同党のレナーテ、キュナスト共同党首らは、野田総理への書簡の中で「日本の様な産業国が一か月以上も原発ゼロで活動していることは、原子力の危険がない未来への希望を、世界に与えている。原子力時代を終わらせ、エネルギーの転換にむけともに歩みたい」と連帯を表明しています。
このことを私たちは真摯に受け止め、議場の全ての議員の皆さんが、賢明な判断をして頂くこと切にお願いし賛成討論とします。