PDFファイル⇒17年3月天秤棒駅頭18

よそ者は追い出してしまえ、保護主義のために
今朝の駅立ちは、午前6時から新越谷駅東口で開始した。直ぐに60代後半の男性で、缶ビールを片手にいきなり話しかけて来た。
グローバリズムは、小泉政権から進められて来ていてユニクロもシマムラも自然を破壊している。これからは地場企業が中心の時代だ。全て保護主義で行くべきだ。
そのために、よそ者は追い出すべきだ。そんな事が分からない政治家は辞めてしまえ、と捨て台詞とともに立ち去っていった。
トランプ大統領の保護主義と排外主義に触発されている。権力者の言動は、こんな不見識な市民に位置を与えている。グローバリズムが、市民の意識に確実に影響している。
午前7時30分レッズ応援団の男性6人が、大きな声で、通勤客に向かって明日開催されるレッズ戦への参加を呼びかけ始めた。
当然私の議会報告のスピーカーの音とだぶってしまったので、通勤客は朝から少しうるさかったかもしれない。
更に住宅情報紙の配布を女性3人が始めた。この駅は市内では、最も乗降客が多く一日中賑やかだが、今日月曜日は朝から更に賑やかな事になった。
(2月27日)

10年かかった市政レポートの手渡し
今朝の駅立ちは、せんげん台駅西口で実施した。
午前5時15分に駅に到着し、街宣用具の設置と、駅前のゴミや吸い殻の清掃の後、市政レポートの配布を開始した。
直ぐにこの時間に通勤する白人男性から、手を上げて挨拶をしてもらった。
この男性とは3年位前から駅で出くわしていたが、当初はこちらが挨拶をしても無反応だった。(在住の外国人は、あいさつを殆どしないのが通例)
しかし、半年前から小さな声で会釈の状態から、今回の手を上げてのリアクションとなった。
なんだか嬉しい気分でいたら、今度はいつもこの時間に出会う、大きな買い物籠の30代の男性から、市政レポートへ手を出して頂いた。挨拶は毎回していた。(恐らく店の仕込みのため生鮮の材料を築地等の朝市場で買い出しに毎日出来かけているのではないか)
実は、毎回笑顔で挨拶をするだけで会話をしておらず、10年以上が経過している。
だからこそ初めて、市政レポートを求められて、嬉しさが込み上げてきた。
たかが、たった1枚の市政レポートのことで、配布した約250枚の内の一枚にしか過ぎないが、私にとっては大きな意味を持っている。
更に午前6時過ぎ旧知の佐賀銀行員の方から、1000円のカンパを頂いた。
先の夜駅立ちの時カンパ箱を設置していなかったため、カンパが出来なかったが意思を持って頂いていた。
次々に起こる市民の反応に日々の仔細なことでも時代や社会を感じることが出来る。
一方こんな反応も。午前8時過ぎ、60代後半の男性が、市政レポートを指さしてこれは、なんだ、と聞いて来た。
市議会の報告です、と返答。するとけげんそうな表情で、選挙じゃーねーのか?と聞くので、違います、と返答したら勿論受け取りもせず直ぐにいなくなった。
選挙以外の日常活動は想像がつかないのだろう。選挙の時しか意識されない議員の存在とは何なのだろうか。
(3月13日)

継続された駅立ちは、様々な新たな出会いを生んでいる
昨日は、越谷市内15の中学生が一斉に卒業式を開催し、私は地元の北陽中に、議長代理で出席した。
体育館での式典では、議長の祝辞を代読する役割だ。
極寒の冬に戻った様な、寒さの中で挙行された。午前8時30分玄関での受け付けの時、在校生のPTAの母親の一人は、駅立ちで良く合う方だった。
挨拶をしたら、駅でお会いする時挨拶をしよう、と思うんですがと、母親。えー挨拶をして頂けば、朝から元気が出ますから、とお願いした。式典は、午前9時50分から開始されたが予定された、午前10時50分を大幅に延長して終了した。
北陽中学校は、全校生徒の合唱で有名だが、在校生と110名の卒業生の送り送られる合唱。
毎年北陽中学校の卒業式では、合唱しながら涙する生徒が続出する。
今回も同様だが指揮棒をふった女生徒は、指揮棒をし、自ら歌っている途中から感極まって目頭を時々押さえていた。
冷え切った身体のまま式典が終わり暖かい控え室に戻って来たら、70歳の元タクシー運転手で、地元自治会役員の男性から話し掛けられた。現役の時は、越谷駅で朝から客待ちをしていた話から始まった。
当時良く駅立ちを見ていたが、今でも続けているのですか、と。はい、もう14年になりますが、継続しています、と返事をした。
受け付けの母親や、この男性のように駅ではない場所での出会いに、卒業生への祝福と共に、繋がりの深さに、厳寒を忘れた一日だった。
(3月16日)

労基法違反が公然で行われている
昨朝の駅立ちは、大袋駅西口で午前6時から開始した。午前7時過ぎ馴染みの60代の女性から、何時も頂く暖かな缶コーヒーとチョコレートをまた頂いた。
忙しい中、相談があるのですが時間いいでしょうか、とおずおずと話しかけられた。
いいですよ、何でしょうか、と応じた。
(話している最中でも旧知の市民は、手を出して頂き市政レポートを次々に受け取っていく)
吉川市の工業団地にある会社に3年前から、勤務していたが、先週経営者から、3月20日までにロッカーの私物を整理して退職するように言い渡された、と。
解雇の理由は、他の従業員と比べ仕事の覚えが悪く、これ以上は上達が見込めないから、と。
そこで職安に相談したら、労基法違反だと助言されたが、揉めてしまうと弁護士など知らないので不安だとのこと、だった。
解雇をする場合は、経営者は最低1か月前に解雇理由とともに通知をしなければならない。
もし、一か月後でなく直ちに解雇したい場合は、一か月分の給与を支払う必要があるはずです、と返事をした。(正当な理由が前提だが)
すると、これから職安に出かけるので、良く相談してみます、と改札に向かわれた。
非正規雇用やブラック企業や残業時間100時間以内の容認など、ますます労働環境は悪化の一途の状態になっている。
一方ワークライフバランスを始め、女性や高齢者の働き方革命など喧伝されているが、全ての労働者に対して、まず労働基準法の厳格な適用を政府が責任を持って進めることが最優先されるべきだ。
この日の夜、私が会員である中小企業家同友会東部地区の3月例会で「越谷イチゴ農園ブランド化に学ぶ」をテーマに越谷市環境経済部長を講師に、越谷市中央市民会館で開催された。
講演の後、参加者は5,6人でテーブル毎にグループ討論を行うのだが、その座長と初めて会ったので名刺交換をした。するとその座長さんが、私の名刺のインカム姿の顔写真を見ながら、一年前まで大袋駅から南越谷駅を利用して通勤していたが、その時の駅頭の議員さんですね、思い出しました、と話された。
講演終了後、越谷駅近くの中華料理店での懇親会を終えて、午後10時30分頃歩いて駅に向かっていたら、朝駅立ちで午前7時過ぎに毎回差し入れを頂く帰宅途中の50代のサラリーマンとばったり出会った。毎日この時間の帰宅になるとの話だったが、長時間労働に少し驚いてしまった。        (3月16日)


PDFファイル⇒17年2月天秤棒駅頭17

自治みらい全員の思いは、通じる
今朝の駅立ちは、私が代表の越谷市議会の会派 自治みらいの街頭市政報告会を、せんげん台駅西口で、午前7時からメンバー4人全員で開始。昨日も同様に朝は大袋駅で、夕方は北越谷駅で取り組んだ。
今週は猛烈な寒波と北風のため震え上がりマフラーも手袋もコートもホッカイロも余り役に立たない程。
それでも、自治みらいの会報の12月議会の特集号を市民に届けたい一心で、全員マイクを握りレポートを配り続けた。
その思いが通じたのか、東口駅前を毎日清掃しているシルバー人材センターの男性から、温かいペットボトルを4本も頂いた。
以前にも同様にして頂いている。直ぐに喉と身体に流し込んだ。感謝、感謝。市民の中には、今日は大勢での街宣ですね(何時も一人のため)と、声を掛けて頂くことも多くなった。
     (2月6日)  

ギリチョコでも、駅頭で頂くのは嬉しいものだ
今朝の駅立ちは、せんげん台駅西口で午前5時30分から開始。
昨夜来の雨が心配されたが天気予報が曇り後晴れだったので街宣用具を設置したものの、直ぐに強風のため倒れてしまった。
おまけに、午前6時過ぎには雨まで降ってきたため街宣用具を全て駅構内に移動させた。
だが、これが裏目に。
30分後に馴染みの佐賀銀行員の方がカンパをしようとしたが、カンパ箱がないため次回にします、とエレベーターを登って行かれた。
同時に民進党のスタッフの方が街宣のため看板設置を始めた。
駅立ちの日程は予め承知していたが、民進党は東口だけと勘違いしていた。
更に2名での予備校のチラシ配布も始まった。
この時間帯の駅前は、大勢の獨協中高の生徒も含めて賑やかな場所になってしまう。
そして、民進党のスタッフの一人の方が、私の市政レポートを配布しましょう、と声を掛けて頂いたが丁寧にお断りした。
また、暫くして温かなペットボトルの差し入れに来られた。度々ご配慮ありがとうございます。
終了間際の8時40分過ぎにハッピーな出来事が。馴染みの中年女性から、チョコレートを頂いた。いつも頑張っているから、ギリチョコですと笑顔で渡されたが。
体が冷え切っているため近くの星野珈琲で新メニューのスープモーニングを注文。落ち着いた頃に、同じ会派の辻浩司議員が朝食に偶然入って来たので、妻と3人で暫く歓談した。
(2月10日)

別れ話がこじれた末に、起こること?
今朝の駅立ちは、午前5時からせんげん台駅東口で街宣用具の設置を始めた。
直ぐに駅付のタクシー運転手さんから声が掛かった。この道40年のベテランで前は都内のタクシー会社で働いていて、今は松伏タクシー。今日は午前5時から午前0時までの、長時間勤務で私の事は良く知っていると。
大袋駅でも駅立ちをしているし、こんなに早くから活動している議員はいないと、話した後、良く思い切ったね(私がタクシー運転手から選挙に出た事)と付け加えられた。
午前6時頃20代の男性1人女性2人連れの内の一人の女性がいきなり男性に殴りかかった。男性は応戦して女性を突き飛ばした。
このため女性は、地面に倒れたが、更に殴り掛かろうとする。泥酔状態だ。少しもみ合いの後男性は離れて行った。
もし男性がこれ以上腕力を振るったら止めに入ろうとした矢先だったが、女性は警察に訴えてやる、と叫びながら路上に寝転んでいる。それまで静観していたもう一人の女性が介抱をする。
心配となり、女性の所に向かっていたら、その男性とすれ違い、ほほから少し血を流していたので、大丈夫ですかと声をかけたら笑顔で大丈夫です、との返事だった。(冷静に見えた)
更に、介抱している女性にも、声を掛けたが同じ様に笑顔で、大丈夫だと、返事があった。
恐らく別れ話がこじれて末の激怒だろう。
少し落ち着いたので、市政レポートの配布を続けた後、様子を見に行ったら未だ警官が来ていない最寄りの交番前に二人で座り込んでいた。
午前6時30分頃再度交番を見に行ったら、中で警官が対応していた。安心した午前7時30分頃その女性二人は笑顔で歩いていった。
酔いから覚めて、現実の世界に。
(2月15日)

国民皆保険の恩恵を受けて、透析治療
作朝の駅立ちは、越谷駅東口で実施した。午前7時30分頃20代後半の男性が、咥えていたタバコを火がついたまま歩道に捨てて行った。駅に向かっている市民も大勢いる中でのこと。
確かこの男性は、以前同じ様にタバコの吸殻を缶コーヒーに入れて、そのまま歩道に放置して行った男性ではないのか
マナーとかポイ捨て禁止レベルの話しではない。何しろ火がついており、事故が起きたらどうするのか。
午前8時、駅正面のツィンシティビルに設置されている大型スクリーンから映像と音楽が流れ始めた。越谷市の観光や伝統を紹介するビデオを始め、ビル内で営業している居酒屋や用品店のCMが何回の放映されている。
その前には、毎回必ず温かいペットボトルを差し入れて頂く旧知の市民に出会う。
更に大袋駅から乗車して越谷駅で下車している中年の馴染みの女性から声が掛かった。
駅前ビルの病院で働く看護師の方で、透析治療を担当しており、若い患者もいて国民皆保険制度だから患者は安心して透析が出来る、と。
午前8時30分過ぎ、自転車に乗った男性が笑顔で話しかけて来た。すでに引退したが、現在38才で15年前にはフライ級のプロボクサーで、対戦成績30勝無敗で、当時は1億円も稼いでいた。
そのため、彼女に一軒家を買って上げたり、車の購買等で散財し、貯金ゼロになった。
その内白内障が悪化した事や酔って喧嘩し相手をボコボコにしたため逮捕された体験もある。
今は、駅近くの職場で商品のピッキング内職中、と次々と話が続いた。
様々な市民と出会う駅立ち。当たり前の様だが、それぞれの市民にはそれぞれの人生があり、悲喜こもごもだろう。
やはり社会を形成する人は多様であり、だから面白くもあり、また辛くもある。(2月23日)


メルマガ♯がんばろう、日本!         №221(17.2.28)

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Index 

□乱気流を突き抜けて民主主義をバージョンアップするために、

小さくても無数の行動を持続し、広めよう

 ●曲がり角を迎える民主主義 

  21世紀型民主主義へのバージョンアップか、民主主義の脱定着か

 ●トランプさん、ありがとう

 「警告」に応えて行動し、民主主義のバージョンアップのための社会関係資本を積み上げよう

□「囲む会」のご案内 

  3.11を忘れない

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乱気流を突き抜けて民主主義をバージョンアップするために、

小さくても無数の行動を持続し、広めよう

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【曲がり角を迎える民主主義 

 21世紀型民主主義へのバージョンアップか、民主主義の脱定着か】

 民主主義が大きな曲がり角を迎えている。2016年は第二次大戦以降でもっとも、民主主義の限界と欠点が明白になった年といえるだろう。民主主義は人権の尊重や社会的連帯のためのツールである一方、憎悪と対立を増殖するツールともなりうることを、私たちは目の当たりにした。20世紀、二度の世界大戦を通じてファシズムと全体主義に打ち勝った自由民主主義を、21世紀のそれへとバージョンアップできるのか。その歴史的挑戦の只中に、私たちはいる。

 とくに3月15日投開票のオランダ総選挙、4月から5月のフランス大統領選挙、6月のフランス国民議会選挙、9月のドイツ連邦議会選挙は、こうした攻防の焦点となる。

 オランダでは、移民受け入れ反対や反EUを掲げる右翼・自由党(PVV)が首位の勢いを保つ。比例代表制の下、今回は31の党が出ており、PVVは150議席中30議席を得て第一党となると予測されている。しかし過半数を得る政党はないため連立が不可欠となるが、PVVと連立を組む政党はないだろうと見られている。

 フランス大統領選挙は今のところ、一回目の投票でどの候補も過半数を得られず、決戦投票が予想されている。極右・国民戦線のルペン候補は、前回(2012年)は決選投票に進めなかったが、今回は決選投票に残ると見込まれており、決選投票での当選の可能性は高くはないが、完全に排除することもできないと見られている。

 ドイツでは、前EU議会議長を首相候補に擁する社会民主党の支持率が急伸、メルケル首相率いる与党連合と支持率を競っている。移民受け入れに反対する「ドイツのための選択肢(AfD)」の支持率は10%程度、依然として議席獲得ラインの5%を上回っているが、今年に入ってからは低下傾向にある。

 トランプ大統領のアメリカでは、大統領令の乱発と司法による対抗や地方政府のサンクチュアリ宣言、あるいは政権スタッフの更迭、メディアとの対立、タウンミーティングでの議論など、立憲民主主義を機能させるとはどういうことか、その「生きた教科書」のような事態が展開されている。「人々の感情の烈風を受けた政治家の人格に、政治が過度に左右されないための建国者たちの工夫」(岡田憲治 日経ビジネスオンライン11/15)の数々が、はたしてどこまで機能するかが試されている。

 かつてチャーチルは、「民主主義は最悪の政治といえる。これまで試みられてきた、民主主義以外の全ての政治体制を除けば」と述べた。だが皮肉なことに、冷戦の終焉によって民主主義が「唯一のゲーム」となったにもかかわらず、むしろ民主主義の正統性は揺らぎ始めているように見える。

 「過去三〇年を通じ、北米と西ヨーロッパの民主主義では、議会や裁判所といった政治制度に対する信頼が大きく低下した。同様の傾向は投票率にも現れている。政党への帰属意識は弱まり、党員数が減少する中、市民の既存政党への支持も低下した。代わって有権者はシングル・イシューの運動を支持し、ポピュリスト的な主張をする候補者に投票し、自らを現状への反対派と位置づける『反体制』政党への支持を強めている。世界で最も経済的に発展し政治的に安定した地域においてさえ、民主主義は修復が必要な状態にあるように見受けられる」(「民主主義の脱定着へ向けた危険」ロベルト・ステファン・フォア、ヤシャ・モンク 世界2月号)

 自国において民主主義がうまく機能していない、あるいは政府がきちんと仕事をしていないと不満を感じても、選挙や抗議行動を通じてそれを変えることができると人々が考えているなら、体制としての民主主義は定着しているといえる。

 だが、1995から2014年の世界価値観調査のデータを基にしたフォアとモンクの分析は、次のように警鐘を鳴らす。

 「筆者らが分析から得た知見は憂慮すべきものである。民主主義が深く定着しているとされる北米や西ヨーロッパ諸国の多数の市民は、自国の政治的リーダーへの批判的な姿勢をただ単に強めたわけではない。より正確に言えば、彼らは政治体制としての民主主義の価値を疑い、自ら行動を起こすことで政策に影響を及ぼせるという希望を失い、民主主義に代わる政治体制としての権威主義の支持に前向きになっている。以前と比較し、民主主義の正統性の危機はより多くの指標に亘って現れているのである」(フォア&モンク 前出)

 ヨーロッパでは「既成政党に対する不信」、「グローバル化による格差拡大」、「イスラム移民に対する拒否感」が、こうした動きの要因として挙げられるため、日本からは距離があるように見えるかもしれないが、必ずしもそうとはいえない。「ポピュリズム」(中公新書)の著者、水島治郎千葉大学教授は、「ポピュリズムというテーマは学生も関心が高い」と、次のように述べている。

 「質問や講義後のコメントを通じて、学生の関心が強いのが伝わりました。~略~ポピュリズムに関心があるといっても、少なくとも日本では、学生が排外主義にシンパシーを感じているということではありません。若者たちは既成政治への違和感を強く持っていて、ポピュリズムの持つ『既存の権威への挑戦』『エリートに対する逆転劇』といった要素に共鳴している部分もある、他方で危うさも感じている、いずれにせよ関心を寄せている、ということだと思います」

(http://www.chuko.co.jp/shinsho/portal/101818.html)

 ポピュリズムは単なる大衆迎合主義ではないし、必ずしも排外主義に直結するわけではない。既存の民主主義制度の外側にいる(と感じざるをえない)人々、「自ら行動を起こすことで政策に影響を及ぼせるという希望を失い」、あるいは「自分たちは忘れ去られた」と感じている人々を、「内側の一員」「当事者」として包摂、再統合することができる民主主義のバージョンアップこそが問われている。

「水島 二〇世紀型の政治の在り方が、二十一世紀になってかなり崩れているにも関わらず、それを見る眼鏡は過去のままではないか、という気がしています。政治社会的な構造として言われてきたのは、政党は基盤となる利益団体や支持団体を持ち、支持団体の下に人々を掌握する。その仕組みの中で上がってくる声を取りまとめ、政策を統合し、結果、政党はデモクラシーの中心で力を発揮できると。政治はこれまで、そのような構造として、捉えられていたと思います。~略~

 しかし、かつてのように、誰もが労働組合、農業団体、中小企業団体、専門職団体、さらには地元の自治会といったものに所属する時代ではなくなっていますよね。二〇世紀は既存の団体の力が強かった時代です。しかもそうした既成団体は、政党と繋がることで利益を擁護してきた。団体は政党を支持し、政党は団体に利益をもたらす。保守政党、左派政党を問わず、そのようにして安定的に成り立ってきたのです。

 ところが一九九〇年代以降、グローバリゼーションの波の中で、その仕組みが崩れていく。今ではグローバリゼーションに対応することが、右派も左派も、政治エリートの至上命題になっているのです。そういう流れの中で、足元の社会と政党がかけ離れてしまう。一方で既成の団体も足腰が相当弱っていて、人々のアイデンティティを組(ママ)み取る力がない。

 ~略~切り捨てられたサイレント・マジョリティは、ツイッター等で直接ポピュリストリーダーへ繋がります」(「民主主義(デモクラシー)の曲がり角で、今」 対談・宇野重規・水島治郎 週間読書人ウェブ2/10 http://dokushojin.com/article.html?i=829)

 

 これまでの既存の政治構造では「外側」「周縁」化され、政治化されてこなかった人々の声や問題を、どのように社会として取り上げ、政治化し、新しい合意を形成していくか。これは狭義の政治には収まりきらない、いわば民主主義の社会的な基盤、社会関係資本をつくり出していく営み、運動と一体のものだ。

 「……人間生活の政治化ということだと思います。『政治化』とは、イデオロギーということではなく、地域に根差した人たちがどうやったら生きていけるか、それを調整し組み立てるということです。~そうした本来のポリティクスないしは政治的経済によって、グローバル化に対抗する。アメリカで今回それを担ったのがサンダースの支持者たちでした。~(『アメリカ第一』のトランプのポリティクスに対し、『この地域の我われ住民』という/引用者)サンダースの訴求力が弱かったとすれば、それは、結局『敵』をつくりだして自らの立ち位置を固める、そうした言説で支持者をまとめるほうが勝ちを占めたということでしょう」(西谷修「アメリカのない世界」 世界1月号)

 人々の感情を煽ることが容易い「ポスト真実」や「デマクラシー」と言われる時代の乱気流のなかで、民主主義のバージョンアップのための社会関係資本の集積、それを可視化する「新しい現実」を、暮らしや自治の現場にどれだけつくりだすことができるかが問われている。

【トランプさん、ありがとう

 「警告」に応えて行動し、民主主義のバージョンアップのための社会関係資本を積み上げよう】

 「民主主義は一晩で滅びるわけではなく、脱定着へ向けて動き始めた民主主義が必ず崩壊するわけでもない。~多くの市民が熱心に民主主義を支持し、反体制政党が周辺的な存在ないしは皆無であり、主要な政党が政治ゲームのルールを重んじる世界である時、民主主義が破綻する可能性は限りなく低い。しかしながら、我々が住んでいる世界がこうした世界であるのかはもはや定かではない」(フォア&モンク 前出)

 この数年を後から振り返ったとき、「あれは私たちへの『警告』だった」と言えるだろうか。

 「私は、怒りを感じる一方、とてもフシギな感覚に陥っている。トランプ大統領という新世界の『化け物』は、空から降ってきたものでも、戦争や暴力によって生まれたものでもない。~略~

 トランプ大統領によって、私たちは権力が暴走すること、政府が嘘をつくこと、自由主義諸国のリーダーといえども常に疑いの目でみて、時には彼らを強く批判して、私たちの手で止めないといけないことを、逆説的な意味で学んだ。

 こうした考えは、なんとなく日本では『サヨクっぽく』聞こえる。反対ばかりしている変わった人の考えにみえる。

 しかしながら、トランプ大統領という思わぬリーダーの登場によって、左翼も右翼も関係なく、こうした『批判的なスタンス』は、私たちが近代社会や民主主義の社会を生きる『市民』として、大前提として持っておくものだ、ということを改めて知った。~略~

 トランプ氏は自身のことを、これまでのワシントンの政治家と違い、『口先ではなく、行動する大統領になる』とたびたび口にしている。私たちもactionあるのみだ」(竹下隆一郎 ハフィントンポスト日本版編集長 

http://www.huffingtonpost.jp/ryan-takeshita/what-i-think-about-presidenttrump_b_14522924.html)

 時代が大きく転換し、それまでの秩序や体制が液状化するなかで、ある人々は思考停止に陥るが、ある人々は「警告」に耳を傾け行動し始める。この分岐は、「エリートと庶民」「リーダーとフォロワー」という線に沿って走ってはいない。それはわれわれ庶民、フォロワーのなかの主体分解だ。

 「ポスト真実」や「デマクラシー」と言われる時代の乱気流のなか、「風頼み」の凧やグライダーの出番はない。社会関係資本の集積とつながらない「政治」の出番はない。持続可能性と結びつかない経済活動、経営には乱気流を抜ける展望はない。

 混迷を突き抜けた先、破局の先に「新しい現実」が見えている者は、この乱気流を突き抜ける準備を整えつつある。3.11以降の「新しい現実」は、暮らしと自治の現場に着実に集積されている。

 そして危機の時代には、多数の「普通の」人々のなかからも、「警告」に応えて行動する人々が生まれてくる。

 第二次大戦後に民主主義が強く支持されたのは、その理念によってよりも、豊かな中間層を作り出したことによってだというのは、その通りだろう。同時に、その豊かな中間層が支持した民主主義は、日本では消費者民主主義、お任せ民主主義というべきものだった。(トランプ氏の選挙スローガン〝MAKE AMERICA GREAT AGAIN〟で想起されるAMERICAがGREATだった時代は、人種分離が合法とされていた時代でもある。その「豊かさ」はどういう民主主義とセットなのだろう。)

 今や、その中間層はやせ細り(相対的貧困率は16%でOECD30カ国中四番目に高い)、「自ら行動を起こすことで政策に影響を及ぼせる」という希望を失うどころか、その概念すらはじめから奪われている人々、社会的な自尊感情や政治的有効性感覚を持てない人々を大量に生み出している。

 ここの社会関係資本を豊かにすることを伴わずして、民主主義を鍛えることも、バージョンアップすることもできないだろう。私たちのなかでのフォロワーシップが、勝負の鍵を握っている。その主戦場は、暮らしと自治の現場にほかならない。

 「昨年の参院選では、はじめての18歳選挙権ということもあって、主権者教育ということがさかんに言われましたが、多く場合やっているのは投票者教育ですよね。それはどうなの、と思います。投票というのは、いわば最後の行為です。それ以前に、自ら主体になる経験値を貯める必要があると思います。

 自分が毎日通う学校のことや、住んでいる地域のことを考えたこともない子どもが、マニフェストを勉強して国政のことを語ったところで、どんな意味があるのか。勉強することに意味がないとは言いませんが、自分たちの学校や地域のことについて、みんなで苦労して合意形成してきた経験があれば、市政だろうと国政だろうと、もっと言えば国際政治だろうと、自分の価値観でしっかり判断できるだろうと思います」(熊谷・千葉市長 5―7面インタビュー)

 消費者民主主義からの主体分解が、「消費者として文句を言う」ところから始まることは避けられない。暮らしや地域自治の現場では、企業や組織など、タテの価値観で仕切られた集団のなかではほとんど出会わない、数々の小さな摩擦や衝突に出くわす。その摩擦や衝突を繰り返すなかで、我を通す=「消費者として文句を言う」だけなら、持続性は生まれない。

 はじめは「耐える」だけだとしても、関係性を持続するなかから他者を意識する感性が生まれるかもしれない。その小さな違いは、タテの価値観では見えなかった(存在しているにもかかわらず、「ない」ことにされていた)社会の関係性のなかでの、ちょっとした「ありがとう」かもしれない。

 世間の大半の問題は、賛成・反対や単純な多数決では決着がつかない。多様で複雑な利害や意見の違いをぶつけ合い、「まぁそれなら仕方ないか」といえるところまで議論を重ね、折り合いをつけることによって民主主義の正統性は育まれる。「消費者として文句を言う」ことから始まったとしても、「まぁそれなら仕方ないか」というところまでのプロセスに参加し続けることで、政治的有効性感覚が集積される。

 その意味で、政治は百円ショップで気に入ったものを買うことよりも、日々妥協と取引を重ね、相手に働きかけをしながら、折り合いを付けていく結婚生活に近い。(「日本再生」四五一号 吉田徹・北海道大学教授インタビュー参照)

 その結婚生活にも、新しい可能性が見えているのかもしれない。『逃げるは恥だが役に立つ』というドラマ(ラブコメ)が評判になった。「契約」で同居をはじめた男女が、結婚して「共同経営責任者」という関係を築くというストーリー。

 「一つ確かなことは、この二人には、出発点に素敵な仕掛けがあったということだ。『契約』関係という仕掛けだ。対等な契約当事者として、二人は互いに尊重し合い、『合意』を目指して丁寧に話し合うことを重ねてきた。対等であることが、、参加を強要せずして真摯な話し合いを可能にし、紛争の解決を導くのだ。~略~二人の小さな政治共同体が、希望のありかを教える。家事に象徴される共同性の責務は、たえざる分担の見直しを迫る。だからこそ、決定に参加する地位が対等に当事者に保障されていなければならないのだ」(「ラブコメで語る男女共同参画」糠塚康江 世界3月号)。

 民主主義のバージョンアップを可能にする社会関係資本を、暮らしと自治のあらゆる現場から集積しよう。そのための小さくとも無数の行動を波を起こそう。何度でも、あきらめず。

(「日本再生」454号 3/1 より)

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囲む会のご案内  「凡庸の善で考え続けるために」

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◆第173回 東京・戸田代表を囲む会【会員限定】

 「〝トランプのアメリカ〟と、どう向き合うか~先が見通せない時代の指針を考える」

 3月6日(月) 午後6時45分より

 ゲストスピーカー 大野元裕・参議院議員

「がんばろう、日本!」国民協議会事務所(市ヶ谷)

 同人1000円/購読会員2000円

◆第174回 東京・戸田代表を囲む会【会員限定】

 「孤立と分断に抗して~『目線を合わせる』ということ」

 4月11日(火) 午後6時45分より

 ゲストスピーカー 湯浅誠・社会活動家・法政大学教授

「がんばろう、日本!」国民協議会事務所(市ヶ谷)

 同人1000円/購読会員2000円

◆第175回 東京・戸田代表を囲む会【会員限定】

 「民主主義のバージョンアップとフォロワーシップの転換~自治の視点から考える」

 4月16日(日) 午後4時より

 ゲストスピーカー 廣瀬克哉・法政大学教授

「がんばろう、日本!」国民協議会事務所(市ヶ谷)

 同人1000円/購読会員2000円

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 東京で語り継ぐ東日本大震災

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7回目の3.11を迎えます。5年目の昨年と比べて、メディアで知り上げられる機会も、

ずいぶん減っているように感じますが、まちづくりをはじめ復興は、これからが正念場。

2013年9月、東北の復興を飲食業として支えるべく東京に「かき小屋」をオープンした飛梅では、

今年も「東京で語り継ぐ東日本大震災」の集まりを開催します。

飛梅に食材を提供している漁師さん、蔵元さん、水産加工業者さんたちの話を聞き、

おいしい料理とお酒を味わいながら、「これから、わたしたちにできることはなんだろう」

と考えてみませんか。

東京で語り継ぐ東日本大震災

3月10日(金) 1830から2030

かき小屋 飛梅 神田西口店

会費 6000円(料理7品 ドリンク飲み放題)

売上の一部を「あしなが育英会」に寄付。

申し込み・問い合わせ 03-3527-1663

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 3.11を忘れない 福島から未来へ

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(主催 FoE Japan のよびかけより)

東京電力福島第一原発事故から6年。帰還促進政策の中で、現行の災害救助法に基づく住宅提供の打ち切りが迫り、原発事故被害者は精神的にも経済的にも追いつめられた状況に置かれています。2016年4月から小売り電力の全面自由化が始まり、私たちは再生可能エネルギーの電力を選べるようになりましたが、国は託送料金への上乗せという形で国民全体から廃炉費用を回収しようとしています。
しかし、希望もあります。昨年、福島の高校生達がドイツに招かれ、持続可能な未来にむけてドイツやベラルーシの若者と交流しました。彼らは新たな期待を持って、未来に向かって動き出しています。ベトナムは原発計画を中止しました。世界が持続可能な社会に向けて動き出しています。
原発事故被害の実相とエネルギー政策の未来をみつめます。
ぜひお誘いあわせの上、お越しください。

http://www.foejapan.org/

3.11を忘れない 福島から未来へ

3月10日(金) 1300から1600

文京区民センター 2A

第一部:原発事故の被害の実相
・基調講演:つながり合う被害者と福島の今…武藤類子さん/ひだんれん共同代表
・事故後6年…各地で迫られる選択

 帰還せざるをえなかった母親からの訴え
 母子避難を支える父親として
・福島の高校生から~ドイツで学んだ福島の姿
・廃炉作業員と福島原発事故の現実…なすびさん/被ばく労働を考えるネットワーク
・保養の現場から…矢野恵理子/福島ぽかぽかプロジェクト

第二部:原発なき未来に向けて
・基調講演:どうなる東電?どうなる私たちのお金?…大島堅一さん
・「原発事故と電力自由化後の日本のあるべきエネルギー政策」…吉田明子 /FoE Japan
コメント:福田健治さん/弁護士、福島の子どもたちを守る法律家ネットワーク代表

資料代 500円

要申し込み http://www.foejapan.org/


石津美知子
「がんばろう、日本!」国民協議会

http://www.ganbarou-nippon.ne.jp