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1)、ヘイトスピーチ対策法
2)、教育機会確保法の具体化(フリースクールへの支援等)
3)、自殺(自死)対策
どのテーマも、これまでの制度の外側で起きている深刻な社会問題であり、自治体の責任が問われています。
しかし、市長も教育長も旧来の枠組みから一歩も抜け出していない答弁に終始しました。
思考停止の状態で2期8年も続いた挙句、市長は本年10月の市長選挙に、3選の出馬を6月議会で表明されました。
これ以上時代の変化に対応出来ない、その問題意識さえない、市政運営の継続に市民の批判が続いています。


PDFファイル⇒17年6月天秤棒

6月越谷定例市議会は、6月1日からはじまりましたが、冒頭から毎年繰り返される「議長の一身上の都合」を理由とする辞任のため、一年交代で新議長が選出されました。

議長ポストのたらい回し、今年も?
毎年6月議会の冒頭は、議長が一年で辞任をするため、議長選挙が行われ、新議長が就任する“年中行事”が今回も行われました。
しかも、自民党、公明党、民進党と無所属の会、刷新クラブの4会派(32名の議員の中で21人の議員を占めている)だけで、事前協議(談合?)で、正副議長を始め、4つの常任委員会の正副委員長ポストまでたらい回しをしているのではないか、との市民の厳しい批判が続いている中でした。
議長選挙の中で、唯一議会改革として取り組んでいる、議長立候補者による「議長公約」の文章化と全議員への配布だけは、今回も実行されました。
しかし、当選した議長公約の事後公開は実現されず、公約の検証は皆無の状態が続いています。
勿論、私は議長選挙の前に開催される会派代表者会議(7つの会派代表者で構成されている)で、一年交代の議長選挙に関して、せめて2年間の期間とすることや仮に一年で辞任を前提として議長公約を出すのなら一年間に出来ることややりたいことを明記すること等他会派に強く要望し協議を求めて来ました。
そこで、毎回私は議長選挙立候補に当たり、議長任期は2年間を目途することを始め、議長公約の市民への公開等を明記して臨んでいますが、全く改善の見通しはありません。
今回の議長選挙の結果は、岡野英美議員(公明党)25票、白川秀嗣(自治みらい)7票となり、岡野新議長が就任しました。
 議長選挙立候補にあたってのマニフェスト(所信)について
越谷市議会 自治みらい
代表 白川 秀嗣

 一昨年4月の市会議員選挙を経て、越谷市議会として、この間「市民に開かれた議会」をめざし、様々な議論が行われて来ました。
しかし、議長の一年交代が慣例化し、残念ながら本6月議会でも議長が一年で辞職されました。
 私は、本年5月25日の会派代表者会議で、議長の一年毎の交代を変更するよう強く要望させて頂きました。
 前回の市議会選挙は、投票率が史上最低の40%を割り込む結果となり、また市長選挙でも35%前後の低投票率が続いています。
 これは、住民福祉の向上を目的としている議会のシステムが有効に機能していないことに大きな原因があります。
 このため、議長の責任は勿論、議会全体が連続的な改革を推進していく覚悟が求められています。
 同時に立憲民主主義の視点から、多数決の手法を少数者への分断と不信の増幅に使うのか、信頼と連帯のために使うのかも大きな課題となっています。
 つきましては、「市民により開かれた議会」への歩みを更に進めるため、以下の10点を議長マニフェスト(所信)として明示し、議長の職責を全力で務めさせて頂くものです。
        記
1、 議長就任期間の一年交代の慣例を改め、議長任期を2年間とするため、今後その環境整備に努めます。

2、 議長候補マニフェスト(所信)は、議長選挙後に当選した議長のものを出来る限り市民に公開します。

3、 前期に開催された、議会主催の「市政報告会」の実績を基に、様々な問題点を改善しながら再度開催するために努力します。          (裏へ)

4、 議会基本条例の制定を任期中の実現をめざし、特別委員会の設置等実現を図ります。

5、 議会の防災対策のため、現在の議場の議席・執行部席・傍聴席に防災ヘルメット、防災頭巾を設置します。

6、 議会傍聴者からの議会アンケートは、全議員に周知するようにします。

7、 閉会中の本会議場は、出来るだけ市民に開放して行きます。

8、 議会だよりの改善のため、市民がどの程度議会だよりを読んでいるのか調査を実施します。

9、 議長への手紙、メールを整備して、市民からの議会、行政への意見、要望を受けつける仕組みをつくります。

10、休日、夜間議会を開催し、市民や小中学生等が傍聴して頂く様に工夫します。

                                以上

議長に就任された岡野議員の議長公約(あえて反対するほどの大きな指針の違いはありませんが、その実現手段の提案や他議員の参加と協力が必要です)実現のために、私が協力するは当然なのですが、市民の皆さんとの連携も必要です。
そのためにも、議長公約が公開されることが前提ですが、公開することは全会派の了解とはなっていませんので、残念ですがここに掲載することが出来ません。
また、来年の6月議会で、岡野議長が一年で辞任されないことを強く期待しています。

意見書案の審議を巡り紛糾
現在参議院で激しい論議が行われている「組織的犯罪処罰法改正案」(共謀罪法案)に反対する意見書を、私を始め自治みらいの4人、共産党2人、民進党と無所属の会4人が賛同者となり6月1日に議員提出議案として出しました。
通常は意見書の提案と審議、採決は議会最終日(つまり、今回は6月20日)に行うのですが、国会の閉会が6月18日予定のため、意見書が仮に採択されても送付先の国会が閉会していることから、先議(通常の議案審議に先立ち日程を早めて審議すること。一般的には議会初日、今回は6月1日に行うのが通例)を提案者の山田議員(共産党)からお願いがありました。
これを受けて議案を取り扱う議会運営委員会(議運)では、一旦先議を行うことに全会派一致して決定しました。
ところが、その日程を巡り激しい攻防が展開されました。
それは、6月1日冒頭での審議日、6月13日の議案質疑の日か、その中間の一般質問の初日6月7日なのか、断続的に議運が開催されました。
自治みらいは、この議案の取り扱いは内容に反対か賛成かを問うものではなく、あくまで国会開催中に間に合う様に事務的に処理すべきものであり、速やかに行う様に議会初日の審議を主張しました。
しかし、自民党、公明党、刷新クラブ、保守無所属の会が、6月13日の審議を譲らず、自民党の委員(伊藤治議員)からは採決による決定方法の示唆まで発言がありました。
これまで、議運では全会一致の原則で何事も決定してきた伝統があったのですが、本年3月議会での「議場への国旗掲揚」を巡り、これまでの慣例を一方的に破り、自民党委員(この時も伊藤議員)が審議打ち切りの動議を提案し、多数決で強行するなど、今回も同様になる可能性が浮上しました。
そのため、止む無く6月13日の審議に同調しましたが、極めて事務的に取り扱うべき議案にも拘わらず、何故これほど抵抗するのか全く不明でした。

市長選挙にむけ高橋市長、3選を表明。
6月9日、高橋市長は、本年10月に実施される越谷市長選挙に、3期目の立候補を予定していることを表明されました。
本庁舎の耐震化対策が、後手、後手に回っている現実が、市長公約の「安心、安全さいたまNO1」の対極にあることを含め市民の審判を受けることになります。


PDFファイル⇒17年6月天秤棒駅頭23

用意したチラシが、途中でなくなって
昨朝の駅立ちは、北越谷東口で、駅前の清掃作業の後午前6時から開始。午前6時40分毎回私にぶつかるまで早足で歩いて来る、40代前後の男性が今回も同様の行動に。
以前、邪魔だ、邪魔だと怒鳴られた事もある。ジーンズにポロシャツやジャンバー姿が多い。
想像するに派遣の現場労働者ではないのか?行き場のないうっぷんを、誰かにぶつけたくて、私が標的になっている様にも見えるのだが。毎回の事なので、何時も朝から気分が暗くなる。
そんな中でも午前8時前、馴染みの30代の女性から、配布した5月14日開催のアチャアチャ(食とくらしのマルシェのお祭り)の案内チラシを見て、あらかわいいと笑顔で。
綺麗なカラー印刷とかわいいイラスト入りのパンフだけに、私が通常配布している市政レポートとは全く異質。
しかも14年間もあまり変わり映えがしないためか、目立つのだろう。(以前にも書いたが、カラーで印刷したいのは山々だが最低1万枚で8万円程の費用が必要となる)
更になんとこの時間に用意したチラシが無くなってしまった。昨夜準備で用意した枚数を間違えた様で、直ぐに妻に電話をした。
午前2時過ぎに準備をして午前5時前には起床しているのでチラシを入れた袋を確認しなかったためだ。
当然、妻は不機嫌な様子だったが、(午前5時30分に自宅を出て、北越谷駅で街宣用具を降ろして一旦自宅に戻っている。通常なら午前8時30分過ぎに再び北越谷駅に迎えに来るのだが今回は2往復になるため)直ぐに車で配送してくれたので、午前8時30分まで途切れなく配布を続けることが出来た。その後妻の機嫌をとる労苦をともなって。
              (5月9日)

越谷市民に、選挙区が異なる有権者が
今朝の駅立ちは、午前6時から大袋駅西口で開始。駅前にあったビルが解体され、更地に大型ユンボが配置されていた。
午前8時前、地元大袋地区でスポーツレクリエーション推進協議会の役員のサラリーマンから、衆議院の選挙区割りに関して話しかけられた。一票の格差是正のため最高裁が勧告を受けて法改正に進んでいる。
このため、これまで第3区(越谷市と草加市)の選挙区だった越谷市のせんげん台西地区と大袋地区が隣の春日部市を含む第13区に編入された。
つまり、越谷市民の中で選挙区が違う有権者が存在する事に。この件で話しになり、当該の市民は殆ど知らないだろうし、地元の意見も聞いて欲しかった、と。
午前8時過ぎ、馴染みの女性が、チラシを受け取り少し驚いた様に、これ何?と。配布していた5月14日開催の第3回アチャアチャの案内パンフを見て。昨日もそうだったが、このチラシに女性がよく反応して頂いている。何時もの単色刷りの市政レポートに慣れすぎているせいだろう。それ程読んで頂いている証左かも。
   (5月9日)
         
気づかない中で、1000円のカンパが
今朝の駅立ちは、越谷駅東口で午前6時から開始したが、市政レポート配布の定位置は、太陽が早くも照りつけて暑い。
 午前6時30分過ぎ、馴染みの40代のサラリーマンが、チラシを受け取り、(裏へ)      演壇のカンパ箱に500円を投入して頂いた。
確か前回も頂いたはずだが。後ほどカンパ箱を見たら。
500円硬貨以外に1000円札が。昨日は雨のため駅頭を中止しており、前日の大袋駅かその前の北越谷駅で、どなたかがカンパをして頂いた様だ。午前7時30分頃、何時もペットボトルを差し入れて頂く50代のサラリーマンの方が、キャリーバックを引いておられたので、出張ですか?と尋ねた。
羽田空港から宮崎市に向かうとの事。更に仕事の後、故郷の熊本市に帰ると。気をつけて行ってらっしゃい、と送り出したら、何時もの様に冷たい飲料水の差し入れが。
その後若い男性7人と女性1人の一団が、大きな横断幕を掲げて駅前に勢ぞろいした。パンダ美容院の従業員の皆さんだ
しかし、並んでいるだけで何も始まらない。10分程して、おはようございます、行ってらっしゃい、パンタ美容院です、と声を合わせて通勤客に呼びかけていた。
やっぱり街頭で大きな声を出すのは、勇気がいるものだ。ましてや、20代の若者だ。しかし、やる気と慣れが恥ずかしさを忘れる、私がそうである様に。         (5月11日)

人身事故が、道路や運行に大きな影響を
昨朝の駅立ちは、午前7時から北越谷駅西口で開始したが、自宅から駅に向かう4号線が、上りも下りも、渋滞して中々駅に着かない。
交通事故が原因ではないか、と思って到着したら、駅構内に乗降客が溢れていた。
 午前5時30分頃、大袋駅と北越谷駅間の踏切で人身事故が発生していた。(よく人が飛び込む場所だ)
このため、ダイヤが大幅に乱れており、大きな影響が北越谷駅で起こっていた。演説を始めて暫くしたら、何時もはせんげん台駅で出会う、20代のサラリーマンが、歩いて来られた。また大袋駅で出会う50代のサラリーマンは、奥様に車で送ってもらった、と。どちらも、私のマイクの声に反応して話し掛けて頂いた。
本当に、毎日市内の何処かの駅で、市政報告会に取り組んでいるのですねー、と。午前8時前、30代前半?の女性が、近づいて来たものの、何か話し掛け様として躊躇している様子。
そのため、私から声をかけてみたら、駅前の灰皿問題だった。灰皿の周りには喫煙者の煙で充満している
このため、直ぐ横に設置してある郵便ポストに手紙が入れにくい、移動して欲しい、との事。 
以前から灰皿問題に市民からの改善要望が寄せられていた。先般も市役所の担当課長に話したが、灰皿の移動先に近くの公園を検討したが、地元住民が反対し、更に交番の前も断わられたとの経緯を説明した。
このため、移動ではなく撤去の方向で現在検討中である、と付け加えた。ただ、時期が特定されていないため、待つしかない。この女性は、黙って聞いておられたが納得されたのだろうか。受動喫煙法も検討されているのだから、法制定によりこんな状態を早く解決する事に繋がって行くはずだ。     (5月17日)

会派の市政報告会との違いに戸惑い
昨朝の駅立ちは、せんげん台駅西口で午前5時30分から開始したが、午前7時からは自治みらいの4人の議員による街頭市政報告会を開催した。そのため通常の街宣用具を設置せずにスタートした。すると、午前6時過ぎ毎回カンパを頂く銀行員の方が、カンパ箱がないので、次回にします、と。午前7時過ぎ、自治みらいの街宣に移行したら、自転車駐輪係の馴染みの高齢男性が清掃の手を休めて、もう終了ですか、と話し掛けられた。
いいえ、今から会派の市政報告会です、と返答。また、通常の場所ではない所で、自治みらいの会報を配布していた事で旧知のサラリーマンからも、立ち位置が、変わったんですか、とも尋ねられた。すでに14年間も続けているので、通勤客にとっては定常の風景になっているのだろう。        (5月19日)


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Index 

□民主主義をバージョンアップするための確信を語ろう

「いのちの世話を人びとが協力してなす技」としての自治と「議論による統治」をつなぐ

 ●弁解ではなく、確信を語る

 ●価値をめぐる問いに向き合ってこそ、主権者教育

 ●民主主義の足場はどこまで固まっているか

□「囲む会」のご案内 

  

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民主主義をバージョンアップするための確信を語ろう

「いのちの世話を人びとが協力してなす技」としての自治と「議論による統治」をつなぐ

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 6月18日のシンポジウム(詳細は末尾「ご案内」参照)のテーマは「民主主義のバージョンアップ」。そのための起点となるであろう点について、考えたい。

●弁解ではなく、確信を語る

 イギリス国民投票、アメリカ大統領選と、先進国政治の乱気流が続く中、フランス大統領選は、開放経済と移民包摂に積極的で国際協調や欧州統合の重要性を正面から説くマクロン氏を大差で選出する結果となった。

 これは、「国際政治における新たなトレンドを裏付けた。どの国においても、最も重要な政治的分断はもはや左派か右派かという構図ではなく、国家主義者か国際主義者かという構図になった」(ギデオン・ラックマン 日経4/27)ということでもある。「既存政治の機能不全」や、「やせ細る中間層」、「先進国リスク」といった問題に、国際協調・国際主義の立場に立って向き合うのか、それとも国家主義の立場に立って、国境の壁を高くすることで向き合うのか、それが問われるということだ。

 この転換をもたらしたものは何だろうか。人びとの不安や不満の高まりに対して、「知識人ですら、反自由主義的ポピュリズムに『理解』を示し、ひそかに迎合する中」(遠藤乾 東洋経済オンライン5/8)、「マクロン氏は11人の候補者中唯一、開放経済と欧州統合の意義を堂々と肯定し、そのうえで選出された。つい10年ほど前に、欧州憲法条約が国民投票で否決され、その後遺症が残る国での話である」(遠藤乾 朝日5/25)。

 遠藤氏はこうしたマクロン氏の揺るぎない確信を、彼個人のバックボーンから解き明かして、こう述べる。「(マクロン氏の思想的立場からは)~欧州は、個人と社会、市場と衡平、競争と尊厳との間に均衡が成り立つ稀な場に映る。国もそう。欧州という枠のなかでフランスは開花し、そうなることで欧州も輝く。だからそれは、保全されなねばならない。統合や協調を進めるのに弁解は不要だ、となる」(遠藤 前出「朝日」)。

 もちろん、「こうした確信は傲慢と紙一重」(同前)ともなりうるだろう。だがポイントは別のところにある。人びとの不安や不満をどれだけ「的確に」「正しく」分析できたとしても、そこに立脚すべき強い〝確信〟がなければ、乱気流を乗り切ることはできない、ということだ。

 それは例えばまちづくりをめぐる地域の議論の場で、どんなに有能なコンサルによって的確な現状分析と方向性が示されたとしても、そこに〝思い〟がなければ人びとを動かすことはできない、ということに通じる。〝思い〟があって、人びとが動くからこそ、合意形成のプロセスが動き始める。当然、思いも立場も意見も利害も違う人びとのなかでの合意形成は、時間も手間もかかる。その紆余曲折を一歩ずつ進めるためにも、〝思い〟を繰り返し共有することが大切だ。その過程で〝思い〟は〝みんなの意思〟になっていく。

 それがあれば大きく道を外れたり、修復不能な分断に陥る可能性は低くなる。それがなければ、目先の個別的な利害に不断に揺さぶられ、はじめは小さな食い違いが分断と対立の芽に転化することになる。そうしたいわば、拠って立つべき確信をどう持つか、が問われているのではないか。

 民主主義のバージョンアップというのは、たんなる制度や仕組みの改変の話ではない。民主主義の価値をめぐる問いに真剣に向き合い、その過去―現在―未来のなかから共有すべき価値を磨いていくことだろう。そこに弁解は不要だ、必要なのは確信なのだ。

●価値をめぐる問いに向き合ってこそ、主権者教育

 民主主義の機能不全は、他人事ではない。「安倍政治」の下で、民主的な統治プロセスがいかにないがしろにされているか、挙げればきりがない。もちろんそれに対する抗議行動も必要だろう。だがそれは「安倍政権打倒」だけで済むことなのか。もっと根本のところ、民主主義の価値について共有するところから組み立てなおすことなしには、民主主義のバージョンアップにつなげることはできないだろう。遠くに跳ぶためには、後ろに下がらなければならない。

「私は行政学者ですから、地方自治について制度や組織の話を長年やってきました。もちろん今もそのレベルでの改革も必要なのですが、最近はもっと根本のところで自治のあり方を再構築、バージョンアップしないと物事は動かない、そのギリギリまで来ているのではないか、という思いが強くなっています。

最近『ポピュリズム』という議論がありますが、東京都政では石原都政の成立をめぐっても、そういう議論がありましたし、その前の青島都政も『人気投票云々』と言われたりしました。そういうことが繰り返されつつ、劣化しているんじゃないか、という感じもあります。

 これは一つひとつの現象を批判しているのではなく、なぜそうなっていくのか、ということにまでさかのぼって考え、そこからどう構えていけばいいかということを、もう一度組み立てなおさなければいけない、そんな時点に今立っているのかな、と思っています」(廣瀬克哉・法政大学教授 「日本再生」457号)。

 「民主主義を単なる政治のやり方だと思うのはまちがいである。~すべての人間を個人として尊厳な価値を持つものとして取り扱おうとする心、それが民主主義の根本精神である」。これは、1948年から53年まで中学・高校の教科書とした使われた「民主主義」のなかの一文だ。この復刻版(幻冬舎新書)を編集した西田亮介氏(東工大准教授)は、同書の解説でこう述べている。

 (18歳選挙権を受けて総務省と文科省が制作した教材は)「政治や選挙の基礎知識について端的に記述されているともいえるが、ここには価値をめぐる問いは登場しない。見事なまでに教科書的である。なぜ民主主義を学ぶ必要があるのか、民主主義と憲法の関係はどのようなものなのか。近代日本にどのように民主主義は定着してきたのか。日本の民主主義の固有性、短所、長所とは何か・・・・・・。このような価値に関する問いと向き合わずに済むように、巧妙にデザインされている。(これらが政治的にセンシティブなものであったとはいえ/引用者)~こうした問いこそが、民主主義や政治と向き合うモチベーションの源泉となる。価値をめぐる問いを抜きにして、日本における民主主義の質感や手触り、固有性を語ることはできず、また政治的な志向も自覚できないだろう」

 

 価値をめぐる問いに向き合わずに済ませてきた民主主義とは消費者民主主義であり、それは「消費者として公共サービスに依存することが当たり前」の社会だ。その「依存して生きられる社会」が、いよいよ限界を迎えつつあるなか、私たちは民主主義をめぐる問いに向き合って、そこから構えなおしていくべき地点に立っている。その足元は自治の現場にほかならない。

「介護サービスの消費者として、そのサービスを買えるお年寄りは、消費者として自分の生活の質を買うことができます。それができる消費力がなくなると、ここは傷んでくる。傷んだ人の割合が多いコミュニティで、まさにまちが荒れてくるというようなことが進んでいくとき、でも本当にまちをそういうふうに使い捨てていって大丈夫ですか、みんなが不幸になりませんか、そうならないためにどうしたらいいんでしょうか、何ができますか、というコミットメントが自治体を動かす仕組みであると考えると、それは民主主義の政治制度の中で動かしていくしかないわけです。

だから投票だって、行かなくちゃいけないのだと思います。~中略~理念をお説教するのではなくて、このまちで生きていくことの『宿命』として、どんなふうに振る舞うのが大人であるか、そういうたしなみとして民主主義を再生させないといけないんじゃないか、そういう主権者教育をわれわれは求められているのではないか、と感じています」(廣瀬先生 前出)

依存するのが当たり前という「豊かな社会」の消費者民主主義のライフスタイルそのものを見直し、「いのちの世話を人びとが協力してなす技」としての自治(廣瀬先生)というライフスタイルへと転換していくところから、民主主義を再生させる。迂遠のようにみえるが、それが主権者運動の歴史的な役割だろう。

●民主主義の足場はどこまで固まっているか

 

 問われているのはポピュリズムの是非や危険性ではなく、ポピュリズムの波に足をすくわれないほどに、民主主義の足場が固められているのか、ということだ。

 「石川 (憲法について)議論の自由度が増したのは確かですね。でも、肝心の『憲法への意志』がどこにあるかと考えると暗たんたる状況です。支える意志ですね。~『憲法への意志が憲法の規範力を支える』~日本の場合は『憲法への意志』が、9条とその支持層に限られており、憲法の核心をなす立憲主義の本体が、それによってのみ支えられるという構造になっている。~他方で、いたずらに憲法を敵視する復古的な勢力だけが、依然として改憲への『意志』を持っている。この状況でもかまわないという立場を取ると、立憲主義そのものの否定に加担することになると思います。そうやって憲法の根幹を奪われてしまうことへの危機感が、『真ん中』には感じられません。もしそこに、立憲主義の敵を退ける強い『意志』を見出せる状況ならば、9条の是非を視野に入れた、より広範な憲法論議が可能になりますが」(石川健治 5/3毎日)。

 立憲主義を支える「意志」とは、どういうものか。「立憲主義は独裁国家ではない、現代民主政国家にとってのグローバルスタンダードでもあるが、その核心は『法によって国家権力を構成し、制限する』という点にある。ここで強調したいのは、国家権力を構成するという点、すなわち複雑化する現代社会で『国民』を形成する政治プロセスを生み出すという憲法の働きである」(宍戸常寿 正論6月号)。

 「国民」とは、あらかじめ一枚岩のまとまりを形成している存在ではない。とくに現代社会は多様な利益、価値、世代、地域、信条などの違いのなかで、それを調整しバランスをとることの繰り返しであり、政治プロセスもまた、こうした利害や立場の違いを調和させて(多数決至上主義ではなく!)合意形成を調達していくものにほかならない。

 こうした「議論による統治」(三谷太一郎)における当事者性の涵養と、「いのちの世話を人びとが協力してなす技」としての自治における当事者性の涵養を結びつけ、その結びつきによってそれぞれをさらに豊かなものにしていく、そうした民主主義の循環をつくりだしたいものである。

 政治家に〝確信〟を求めるのは「ないものねだり」だが、空虚な言葉をふりまく政治家には事欠かない現状のなかで、せめて「あったものをなかったものにはできない」というオープンな都政運営への転換くらいはめざしたいものだ。

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「凡庸の善」で考え続けるために

「囲む会」のご案内 

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■第177回 戸田代表を囲む会

「『国家戦略特区』を検証する~〝暮らし〟と〝なりわい〟を地域の手で」

6月3日(土) 1330より

ゲストスピーカー 岡田知弘・京都大学教授

「がんばろう、日本!」国民協議会事務所(市ヶ谷)

同人1000円  購読会員2000円

「第二の森友」といわれる加計学園(愛媛)問題は、国家戦略特区の産物である。

アベノミクスの下で進められている国家戦略特区が何を生み出しているのか。

その検証とともに、いわばその対極にめざすべき地域再生―地域経済の活性化

について、またそこでの自治体の役割について、お話しいただく。

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第105回 シンポジウム

制度の外からの問題提起を、新しい〝共有地〟の糸口として受けとめる民主主義の底力を鍛えよう

~民主主義のバージョンアップとフォロワーシップの転換~

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6月18日 1230から

TKP市ヶ谷カンファレンスセンター7階ホールA

参加費 2000円

講演とディスカッション

吉田徹・北海道大学教授

小川淳也・衆議院議員 ほか


石津美知子
「がんばろう、日本!」国民協議会

http://www.ganbarou-nippon.ne.jp