PDFファイル⇒20年3月天秤棒No76

「知覧特攻平和館」等の行政調査の報告

1月29日、30日、31日の3日間にわたり、「子どもの貧困対策について」「知覧特攻平和会館について」「再生可能エネルギーの効率利用について」の3項目を調査事項とし、宮崎県宮崎市、鹿児島県南九州市、鹿児島県日置市への行政調査を実施しました。

 まず、宮崎市の「子どもの貧困対策について」調査しました。
質問 ①宮崎市では子どもの権利条例は、すでに成立しており、今回の子ども対策基本方針も確定しているが、国連の子どもの権利条約の理念や指針はどの様に生かされているのか。
②近年国は様々な社会的な課題への対応として、法律を制定してきているが、そもそも、それらの問題には各自治体で不十分だったとしてもその対応策を実行して来ている。しかし国の要綱や大綱の実施を自治体が担うことになり、結果として屋上屋を重ねた上に国からは財源や人材の登用がないと言う状況に対しての受けとめ方は。

 宮崎市では平成30年12月1日に、子どもの学びの支援の充実、家庭生活の支援の充実、生活基盤の確立に向けた支援の充実、つながり・見守りの仕組みの充実の4点にわたる視点で構成された「宮崎市子ども未来応援基本方針」を策定しました。策定にあたり事前にアンケートや市内の子どもに関する団体に対し意見交換会を実施し、これらの「子どもの生活実態状況調査」では、学習習慣と経済的困難・生活習慣に関すること、家庭的な養護と社会的相続に関すること、健康、家計と収入に関すること、他者や団体とのつながりに関すること、地域の交流に関することなどのほか、支援が必要な子どもを広く把握し、効果的な支援へとつなげていくことが課題としてあがっています。
 今後は、市における子どもの貧困に関する状況、暮らし向きに関する認識、「物質的剥奪」の状況にある世帯の割合、経済的貧困等、特に貧困を抱えやすい子ども・世帯についての課題や調査結果を踏まえ、今年度改定を進めている「第二期宮崎市子ども子育て支援プラン」との一体型としての貧困対策の計画を策定することになっているとの事でした。

次に、南九州市の「知覧特攻平和会館について」調査しました。

質問 ①年間人件費を含む経費約1億500
0万円(入場料)での運営は特質するも
のがあるが、今後どの様な課題を想定し
ているのか。
②特攻隊員の遺書や手紙だけを見て美化する傾向が高まっているが、戦争に突入していく、日中戦争当時からの社会や市民のくらし、雰囲気等を正確に伝えて行く事が大切と思われるが、その取り組はどうしているのか。

知覧特攻平和会館は、太平洋戦争末期の沖縄戦において、人類史上類のない特攻作戦で亡くなられた隊員の遺品や関係書類等を収集・保存・展示しその記録を後世に残すこと、またその史実を通じて平和の大切さ、命の尊さを語り継ぎ、世界恒久の平和に寄与することを目的として建設されました。
当初は運動公園の休憩施設として「特攻遺品館」という名前で建設されましたが、(裏へ)痛ましい事実に大きな反響が寄せられ、展示資料も増え手狭になったことから、特別対策事業として場所を移し、昭和62年2月に現在の会館が建設され名前も「知覧特攻平和会館」に改名されました。            
その後も数年にわたり増築・増設が行われてきました。
事業内容は資料の収集・保存活動、教育・普及活動、またその他に広報活動と平和事業があります。平和事業では、平成元年に届いたある女子高生からの手紙がきっかけとなり、平成2年から「平和へのメッセージfrom知覧スピーチコンテスト」が毎年8月15日に開催されています。
 「知覧特攻平和会館」を支えてきた遺族の方々の高齢化、また毎年多くの人が来館していることもあり、史実を正確に伝えていく場として今後もますます「知覧特攻平和会館」の役割が大きくなると考えられています。無謀な特攻作戦を実施して来た資料取集や展示をすることで、それを見た当時を知らない人々にも歴史に向き合ってほしい、とのことでした。
この様に一時資料の展示、保存に注力してきたが、その基本的な視点は特攻の様な無謀な作戦を二度繰り返してはならない事です。
そのため、特攻をむやみに美化したり、英雄として受け止めないよう様に配慮しています。
ただ、この「知覧特攻平和館」を支えて頂いて来た遺族の皆さんが高齢化しているので、史実を正確に伝えて行く場として、ますます「知覧特攻平和館」の役割が大きくなっており、学芸員も増員しました。
「何故特攻という作戦が取られたのか、それを何故受け入れて来たのか、事実に基づき当時の社会や家族、人々の生活感など伝えるための特段の努力をしている。
そのため学芸員の増員や明治期からの知覧地区での庶民の暮らしぶりまでさかのぼり、資料取集や展示をすることを通して歴史に向き合って欲しいとの館長の言葉が印象に残りました。

最後に日置市の「再生可能エネルギーの効率利用について」調査しました。
 
質問 ①町づくりの基本指針に、再生可能エ
ネルギーによる循環型・21世紀モ デルの地域起こしが必要とされているが、総合振興計画には、どの様に位置付けられているのか。
②単なる第3セクター方式は、すでに失敗しているが、日置市の取組は何がどう違うのか。
③この取組は、人と人の関係性を次世代
の社会に向けて再編していく運動となっており、また不採算
部門である福祉や公共交通等への財政支出までを目指しているのか。

日置市では、ひおき地域エネルギー株式会社の方にもご出席いただき、「日置市における地産地消型エネルギー利用のためのコンパクトネットワークについて」ご説明いただきました。
ひおき地域エネルギー株式会社は、平成26年6月16日に設立され、小売電気事業、特定送配電事業、水力発電事業の3部門の事業を行っている会社です。小売電気事業の目的は大手電力会社から地域電力に切り替えることにより、地域の経済活性化、地域循環とエネルギーの地産地消の仕組みを電気の販売を通して構築していくことです。
 コンパクトネットワークの概要は、行政エリアと福祉エリアをネットワーク化し、太陽光発電設備や、福祉エリアにおいてはそれに加えてコジェネ設備による電力を自家消費しています。
こうして外からの買電量を削減することで、電気料金と二酸化炭素排出削減に寄与しています。
また新設電気設備は、ひおき地域エネルギー株式会社が運用、管理、保守しています。今後も地域循環型のエネルギーシフトの加速が見込まれており、地域と共に歩む会社、IターンやUターンの若者をはじめ地域雇用を生み出す会社を目指している、とのことでした。
一連のお話の中で、今後とも地域循環型にエネルギーシフトが加速していく事を確信している。地域と共に歩む会社を経営し、IターンやUターンの若者をはじめ地域雇用を生みだす会社として、社員が子どもを大学卒業までを賄える給料(400万円から500万円)を出すことが出来る事を目指している、との発言に自信と地域の未来を感じました。   以上