「辻浩司議員への反省を求める決議の撤回を求める市民請願」と「佐々木浩議員への懲罰動議」の否決にみられる議会多数派の権力行使は、受益と負担の論議が出来る議会に繋がるのか?

PDF⇒B5-市政レポート2014-4

3月越谷定例市議会は、議員の発言に関して議会の議決と言う議会多数派の権力行使を巡り、一方は議会外でのツィッター発言に対して「議会内申し合わせ」に抵触したとの理由で、昨年12月議会で可決した「辻浩司議員への反省を求める決議」の撤回を求める市民請願が賛成少数で否決しました。
 一方は、敬老祝い金削減の議案質疑の中で議場内で不必要に女性議員を呼称し、年齢を取り上げた佐々木浩議員(清流越谷)への懲罰動議が、セクハラ行為ではないとして否決されました。
「反省を求める決議」は、昨年12月議会で特定国家秘密保護法に関して、辻浩司議員(民主党・市民ネット)が、「国会の強行採決に抗議し、慎重な審議を求める意見書」を議会に提案し、議会運営委員会で協議の結果、全会一致にならないことを理由に、本会議への上程が見送られたことから、“混乱”が始まりました。(つまり、この意見書に賛成、反対の審議そのものが出来ない状態)
辻議員は上程に反対した自民党や公明党に対して、その反対理由(国会の審議中であり、地方議会は見守るべき。地方議会の決議にはなじまない等)は、市民が到底納得できる理由ではないとして、自らのツィッターで「自民・公明の不当な反対で、意見書の提案そのものを阻止されました」と掲載。
このため、自民党、公明党から議会運営委員会や各会派代表者会議で、「越谷市議会の申し合わせである、“議員の広宣活動は客観的事実に基づき、市民に誤解を与えない”との項目に抵触するもので、辻議員は訂正をすべきである」と問題視され、「反省決議」を自民党、公明党が提出し、賛成多数(自民党、公明党、清流越谷)で可決されたものでした。
 しかし、3月議会では言論の自由や議会活動の最大限の保障という観点から、3728名もの市民の賛同署名のもと「反省決議の撤回を求める決議」が市民請願書として提出されましたが、残念ながら否決されました。
大雪の中街頭で署名を呼び掛ける請願運動や議会傍聴をした市民からは、「議会の出来事を、市民に知らせようとした議員の行為を、議会の多数派が数の力で封殺してしまえば、結局市民の自由な発言も権力によって抑圧される事になる。多様な意見発信があればこそ、民主主義の学校と呼ばれる地方自治体の特性であり、最も尊重されるべき事である。その意味では自民党や公明党の主張に賛成は出来ないが、その主張をする権利は最大限尊重しなければならない」と異口同音に話しています。

  セクハラ行為への重大な歯止めと警鐘となるはずだった、佐々木議員への懲罰動議

また、3月議会で市長からの「敬老祝い金の削減」議案の質疑に際し、佐々木浩議員(清流越谷)は、本議会で特定の女性議員を取り上げ、名前を名指し年齢を引きあいに出して、市長に答弁を求めました。
名指しされた女性議員は、「多くの議員がいる中で、ことさら私を取り上げる必要はないし、ましてや年齢まで議場で披瀝しなければ質疑の主旨が伝わらないとは思えない」として直ちに佐々木議員及びの後藤孝江議員(清流越谷の代表)に、発言の削除をお願いしたものの、(両議員とも正式には申し出を受けていないと発言していますが)一旦は拒否されました。
その後佐々木議員から削除申請が出されたものの、一切当該女性議員への経緯や削除理由の説明もなく、しかもその態度は「不快感はもとより、威圧的で強権的であり、恐怖まで感じた」と女性議員は話しています。
このため、この女性議員を主体に、「佐々木浩議員に対する懲罰動議」が、提出され「議員は無礼な言葉を使用し、他人の私生活にわたる言論をしてはならない」との地方自治法に抵触し、さらに「セクハラ行為に値する」として佐々木議員への陳謝を求める懲罰動議を巡り、激しい討論と審議が繰りかえされました。
当然佐々木議員から、弁明が本会場や懲罰特別委員会で行われましたが、自らの発言は、全く問題ではなく、ましてやセクハラ行為にはあたらない、と言うものでした。
そもそもセクハラ行為とは、社会的関係が一般的には下にある者が被害を受けますが、それは発言された言葉自体が問題ではなく、この言葉を言われた女性が「不快感を持ったり、威圧感を感じた」場合をセクハラ行為と規定しています。
 この点からは、間違いなく当該女性議員は、「不快感を感じた。今後もこの様な態度で発言が続くなら、さらなる恐怖感に襲われる」と話しており、正にセクハラ行為に該当します。
 勿論、日常的な信頼関係が成立していれば、この人間関係からセクハラ行為は未然に防止されますが、議員相互の良好な関係がなかったことは、明らかでした。
 今回の懲罰動議は、単なる議員間の問題に留まらず、被害を受けた一般女性の年間一万件を超えるセクハラ相談に見られる様に、深刻化する社会問題に対して、議会が当事者として対応することにより、健全な職場環境への規範を示すことを問われたものでした。
 しかし、これも残念ながら反対多数(自民党、公明党、清流越谷、共産党)で否決されました。

    議会の議決行為は、そのまま市民自治に直結して行く

 この二つの議決に対して、市民から「議会内部のごたごたに無駄な時間を費やさずに、もっと議案の審議に集中すべき」との批判があるのは事実であり、本来はそうあるべきでしょう。
 ただ、議会が賛成、反対の姿勢を示しながら議案への多様な見方や視点をオープンにしていくことが役割であればあるほど、議員の発言や議員活動の最大限の保障が制限されていては、つまり、自由闊達な論議の空間が議会と言う公式の場にないならば、その役割は果たせないのも事実です。また、佐々木議員への懲罰動議の否決に見られる様に、セクハラ事案への議会の議決が社会問題への歯止めや規範を示す事が出来ない事態を放置していては、問題解決能力の欠如だけでなく、その問題意識さえないと言う市民の批判を受けざるを得ません。
 3月議会での市長が提案した敬老祝い金の削減を皮切りに、今後市民にこれまで実施されてきた直接的な利益やサービスを我慢せざるを得ない予算や条例が提案されることが予想される中で、ますます利害の調整や合意形成が問われていくのですから、議決機関である議会の責任が大きくなっており、市民の議会参加や納得感が必要となっています。
それは、市民要望の実現という段階から、何かを諦める、何かを我慢することを通して、税や保険料に関する受益と負担の全体像を明らかにし、新たな地域社会を展望していくことです。

前年度予算を更新した結果、史上最高額の平成26年度予算1618億円と
敬老祝い金廃止にみる、市民への負担と受益の構造

3月議会で賛成多数(私は反対)で可決した越谷市平成26年度の予算額は、一般会計862億円、8つの特別会計636億円余、市立病院事業会計120億円余で総額1618億円余となり、越谷市始まって以来の拡大予算額になりました。
一般会計の歳出には、(仮称)第三庁舎建設事業費12億9000万円、新保健所建設費15億円弱などの公共施設の建設費を始め、毎年増高を続ける民生費391億円余が計上されています。
しかし税収の根幹となる市税は450億円(この内市民税は189億円)で前年度対比で僅か2,2%の伸びに過ぎません。一方一般会計での地方債の残高は臨時財政対策債を含めて690億円、特別会計で総額482億円となり、これに病院事業会計46億円、土地開発公社185億円、債務負担行為216億円を加えると、実に1619億円もの累積債務が積みあがっています。
ほぼ予算額と同じ額が借金として返済に責任があるのですが、平成26年度予算での歳入の内、臨時財政対策債41億円を含め71億円もの市債を発行し、歳出の公債費は79億円を計上。その差の8億円を債務の返済に充てる計算となるため、一般会計の690億円を完済するには約86年かかることになります。(市では返済計画は一応ありますが、完済の目標はありません)
また、賛否が大きくわかれた(賛成15、反対14)「敬老祝い金」では、これまで77才の市民に現金2万円を支給していたものを廃止する条例で、市民への直接的税金の分配を削減する事案が初めて遡上に登りました。
福祉や介護などの高齢者向けの予算配分にも、削減や廃止をせざるを得ない事例であり、これを皮切りに市民は今後ますます何かを我慢する、何かを諦める事が発生するのは必至です。それだけに、市民に大きな不利益が生じる事案では、市長は事前に最低関係市民への説明や意見聴取が不可欠ですが、今回は実行されておらず大きな課題となりました。
何故市民に事前説明をしなかったのか、との議場での質問に「事前に市民に話したら、混乱が予想されたので」と市長は答弁しています。この姿勢は第三庁舎建設に際して「もっぱら職員が使用する建物なので、市民に事前説明する必要はない」との答弁にも共通するものです。
また、今回可決された「中核市指定の申出の議案」(私は反対)に関しても、増員する80人もの職員人件費約7億を始め20億円の財政負担にも、「地方交付税が増額されるので市民にはデメリットはない」とする事とも共通しています。高齢社会により増大する社会保障費の歳出増と、人口減少(つまり税を負担する市民の減少)によって歳入の減少の結果、その差が拡大する所謂「ワニの口」状態をどの様に説明し、市民の共通認識としていくのか、と言うことです。
越谷市がどうなっており、どうなっていくのか、受益と負担の可視化に他なりません。

本年3月1日、大袋幼稚園の屋根に太陽光パネルが設置され、園児達による発電ボタンを押す「点灯式」が開催されました。設置費用総額約200万円に内、100万円は埼玉県からの補助金をあて、残りを市民や企業、NPOなどからの寄付を集めての取り組みで第一号基となりました。
 越谷市では、市民団体「おひさま発電・こしがやプロジェクト」が、これを契機に発足し、街頭宣伝や口コミなどで市民寄付を呼び掛けました。その結果212人105万円を超える寄付金が寄せられました。
 この運動は、幼稚園や保育園などに、太陽光パネルの設置を通して、子ども達への環境教育の実施と再生可能エネルギーの普及を目的としています。3,11から3年、持続可能なエネルギーへの転換は、市民による地域エネルギーの発電だけでなく、管理・運営をも担うことで実現されて行きますので、(エネルギーの地産地消)今回の小さなスタートはその大きな意義を持っています。今後も第二号基の設置など公共施設の屋根がしを始め、自然エネルギー普及の活動が継続されて行きます。 
(写真:太陽光発電の特注表示盤に園児のボタン押しで通電、一斉に電気が灯った瞬間)
当選以来毎月開催して来ました私の市政報告会はすでに、122回となり本年から私とツウーショットでの合同報告会に取り組んでいます。1月には小林豊代子議員(保守無所属の会)と大沢地区センターで開催しました。(写真)また4月1日には菊地貴光議員(新政クラブ)と桜井地区センターで実施し、さらに5月10日には辻浩司議員(民主党・市民ネット)との開催を予定しています。

第15回桜井地区市政報告会  4月19日(土918:30~20:30
                桜井地区センター「あすぱる」(℡ 970-7600)
 報告事項 ①佐々木浩議員の対する懲罰動議②中核市指定の申し出 
③敬老祝い金の削減④平成26年度予算 ⑤市民請願 主催 桜井地区議員の会      

第16回政経セミナー特別講座 4月26日(土)18:30~21:00
              越谷市中央市民会館 第4・5会議室(℡966-6622)
    テーマ  超高齢社会を地域でどう受け止める?
   パネラー 川田虎男(聖学院大学講師)伊藤節子(NPOアピアランスセンター代表)
        越谷市高齢介護課副主幹       主催 政経セミナー運営委員会