「がんばろう、日本!」国民協議会

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Index 
□ 地域に軸足を置いて、多層的な意思決定システムを参加型で創 出しよう
  ~21世紀の課題先進国に向けて
 ●民主主義の空洞化か、民主主義の深化―自治・関係性の涵養か
 ●地域からグローバル化をとらえなおす 
21世紀の課題先進国としての位置取り にむけて

□お知らせ
 ◆東京・囲む会&総会
 ◆京都・囲む会
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地域に軸足を置いて、多層的な意思決定システムを参加型で創 出しよう
~21世紀の課題先進国に向けて
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【民主主義の空洞化か、民主主義の深化―自治・関係性の涵養か】
 戦後最低の投票率(52・66)は、自らの権力基盤強化のための「奇襲攻撃」のような総選挙に対する、国民の答えと もいえる。これは民主主義の空洞化なのか。
 選挙に際して顕著だった「説明をせず」(言いたいことだけを一方的に言う)「都合の悪い側面には触れない」という政 府与党の姿勢は、選挙後はさらに目立つ。
 選挙前、テレビ番組でアベノミクスに批判的な街頭インタビューに色をなして反論した総理は、選挙後の番組ではキャス ターの質問に対して中継のイヤホンを外して一方的にしゃべり、そのなかでキャスターを名指しで批判した。総選挙直前の県知事選で、オール 沖縄で米軍基地の辺野古移転に反対する知事を選んだ沖縄では、総選挙でも小選挙区すべてで移転反対候補が選ばれた(対立候補は、九州ブ ロック票によって比例復活)。総選挙後、上京した翁長沖縄県知事は、総理にも官房長官にも面談できなかった。
 政治とは対立する利害、異なる意見の間で議論を通じて合意形成を図っていく営みだ。「勝てば官軍」とばかり、異論を シャットアウトしていたら民主主義は機能しない。安全保障、エネルギー、財政、アベノミクス、地方創生など、選挙後に先送りされた重要課 題はいずれも、得票率四割強の連立与党が「この道しかない」と数で押し切れば済む、というものではないはずだ。
 「日本政治は戦後長く続いた『55年体制』が90年代から変質し始め、小泉時代を経て大きな変動期に入ったと考えら れる。派閥や族議員と年功人事に依拠した以前の自民党政治の仕組みに代え、21世紀という時代に適合する新しい政治の仕組みを構築するた めの大きな過渡期といってもよい。
 そして、政策の方針とそれを担うリーダーや政党を国民が新しく選ぶというサイクルがあるとすれば、恐らく今回の総選 挙は、その大きな変動期の中での第1サイクルの最終局面だったのではないか」(野中尚人・学習院大学教授 日経「経済教室」12/19)
 第一サイクルの最終局面で見える風景は、永田町と地域ではまったく違うものになっている。永田町では「サギフェス ト」とさえ自嘲されるマニフェストは、地方政治では着実にPDCAサイクルとして定着している。また議会制民主主義において、政党はきわ めて重要な役割を担うものだが、永田町では選挙互助会の体すらなさなくなっている。一方、地方政治においてはマニフェスト、議会改革など の集積を通じて、議会活動や会派活動が規律化される可能性が開けつつある(6―8面「囲む会」北川・早稲田大学教授。あわせて一連の「一 灯照隅」寄稿などを参照されたい)。
 民主主義が機能するためには、「自分たちが選んだリーダーを通じて、自分たちも参加して決めた」という主権者として の実感(それに伴う責任)が不可欠だ。
 「(80年代以来)国民にとっての政策と政権の選択、透明で緊張感のある政党間競争の充実や政官関係の構築などが、 たとえ不十分であっても徐々に進められてきた。誠に残念ながら、今回の解散総選挙は、そうした『あるべき姿』を打ち捨ててしまった。自民 党政権以外に政権の選択肢がなかった30年以上昔の、いわば『白紙委任』選挙に戻ってしまったかのようである」(前出 野中)
 地方政治では、どうか。地方議会の不祥事も「変わりつつある」議会が見えていれば、それができていないところから生 じている問題ととらえ、前に進むことができる。例えばセクハラヤジは、ヤジを飛ばした議員の資質の問題もあるが、自律的な議会運営ができ ていない議会の問題でもある。政務調査費も、地方分権によって地域経営の自由度が高まり、それに応じて議会の政策提言・監視機能を高める ためのものだ、という意味が理解できていなければ「第二報酬」と化す、という問題だ。
 地方議会議員の不祥事を、新たな議会改革のチャンスとする。地方政治においては、第一サイクルの最終局面をこのよう に迎えつつある。その先には、「次のステージ」も見えている。
 「住民が議会を議員個人ではなく機関(塊)として理解し動かすために~中略~議会も(議員個々ではなく/引用者)機 関として作動する必要がある。それが今日広がっている議会改革である。閉鎖的な議会から開放的で住民と歩む議会へ、首長等への質問の場か ら議員同士が論点を明確にして合意形成の努力もする議会へ、そして追認機関から首長等と政策競争する議会へ」(江藤俊昭・山梨学院大学教 授 Voters №22)
 「多数の代表が選出されている代表機関である議会には、多様な住民の価値観や利害関係、そして感情が反映されている ことが期待される。~中略~他方、住民感情をそのままぶつけ合うことだけにとどまるのであれば、政策の採否を判断するための審議として成 立しないだろう。~中略~つまり、一般住民の意見や感情を反映しつつ、一般住民が自分ではできないレベルの審議を展開した上で、いい結論 を出して欲しいというのが、住民からの議会への期待なのである。~中略~(合議体であることを通じて)このような『ないものねだり』にも ある程度応えていける可能性をもっていることは、議会が持っている強みと位置づけるべきことだ」(廣瀬克哉・法政大学教授 ガバナンス 12月号)

 民主主義の深化―自治・関係性の涵養へ。統一地方選を、その着実な一歩としよう。
【地域からグローバル化をとらえなおす 21世紀の課題先進国としての位置取りにむけて】
 「地方創生」は安倍政権の最重要課題であり、同時に統一地方選の重要なテーマでもある。「アベノミクス効果(どんな効果?)を全国津々浦々に広げる」という発想では、人 口減・少子高齢社会という21世紀の構造問題に、とても対応できないことは明らかだ。
 「地方創生」は、「グローバル化の勝ち組」東京から、負け組の地方への再分配、トリクルダウンのことではない。安倍 首相は「世界で一番企業が活躍しやすい国に」というが、「競争、効率、グローバル戦略重視」では、地方はもとより限界都市東京も行き詰 る。規模と効率・選択と集中の発想からは、「分権なくして創生なし」となるだろうが、新しい社会的連帯の発想なら「自治なくして創生な し」というべきだろう。これは20世紀型経済、社会から、21世紀型経済、社会への大きなパラダイムシフトなのだ。
 「アベノミクスによる景気回復で、大手製造業を中心に業績が好調だ。その事実を根拠に、グローバル企業が高度経済成 長期からバブル時代のように加工貿易モデルで再び世界を席巻し、それが日本の経済成長を牽引するかのような幻想のなかで議論が進んでい る。しかし~日本のGDPと雇用のおよそ七割を占めるのは、製造業ではなくサービス産業だ。しかもサービス産業の大半は、世界で勝負する ようなグローバル企業ではなく、国内各地域内の小さなマーケットで勝負するローカル起業が大半だ。~多くは経済構造的にローカル企業が ローカルに活躍する構造から、あまり大きくは変化しない。~これからの日本の経済成長は、ローカル経済圏のサービス産業の労働生産性とそ の相関変数である賃金が大きく左右すると考えていい。~中略~経済のグローバル化が進展すると、ローカル経済圏で活動する非製造業への依 存度が高まるのは、先進国共通の現象である」(冨山和彦「なぜローカル経済から日本は甦るのか」PHP新書)
 問われているのは、ローカルか、グローバルか、という二者択一ではない。地域に軸足を置いてグローバル化をとらえな おす、その主体性だ。
 「グローバリゼーションというのは、本来ローカルを強くするはずなのに、アジアでは国家と首都だけが強くなり、ロー カルを潰してしまっている面があります。そこが欧米のグローバリゼーションと違う。~中略~ヨーロッパのグローバリゼーションは、ローカ ルから世界に直接繋がる回路なんです。G(グローバル)とL(ローカル)の間にN=ネーション(国家)がありますが、NとLはバランスが とれていなければならない。国家がグローバリゼーションを理由に、地方を支配してしまうと状況は変わります。NとLのバランスがきちんと とれていれば、LからGへのアクセスが生まれ、地方は浮上できる」(川島真・東京大学准教授 中央公論1月号)
 「地方創生」が官治分権の範疇に収まるシロモノになるのか、自治分権―分権・参加・自治への回路となるのか。それを 決めるのは永田町でも霞ヶ関でもない、地域の現場(地方政府、地方議会、地域住民)の主体的力にほかならない。言い換えれば「分権」と は、中央の権限を下のレベルに下ろすというだけのことではなく、国境を超えてますます多様化する社会にあって、多層的な意思決定システム を参加型でどれだけ創り出せるか、ということでもある。その基盤としての自治―当事者性と関係性の涵養、である。
 21世紀の課題先進国としての位置取りも、ここから見えてくる。
「川島 国家の規模で制度やシステムを作ればそれで安心というのはもう無理ですね。一面で社会単位を小さくしていくし かない。社会がここまで多様化してくると、画一的にマスにやろうとするだけでは無理です。自分たちのことは自分たちでやるというふうにし ないと。国家はそこまで手が回りません。自分たちのことは自分たちでやって、うまく国のシステムを利用するというふうにしないといけな い。日本がヨーロッパなどの例を参考にしながら、アジアにおける住民参加型の意思決定システムを構築し、世界に示すことができれば、成熟 国家としての地位を占めることができるでしょう。
佐倉 平成二十七年の明治維新ですか。
川島 そうです。そこに高齢社会への対応策を盛り込めればなおいい。これからアジアの国々がみんな苦しむ課題ですか ら。国家のコストを下げながら、住民参加型の民主主義を再生するにはどうすればいいかをうまく提示できれば、たとえGDPが下がっても世 界で存在感を示すことができると思います」(前出)
 二〇二〇年には、二度目の東京オリンピックが予定されている。一度目のオリンピックを高度成長への入り口で迎え、そ の後の約半世紀をアジアで唯一の先進国として過ごしてきた日本は、二〇二〇年オリンピックを、アジアにおける課題先進国の姿を示すものと しして準備できるか。
 オリンピックの翌年、二〇二一年からは、いよいよ東京も人口減少に入ると予測されている。二〇一九年に予定される統 一地方選は、目前に控える「二〇二五年問題」(団塊世代が全員後期高齢者となり、医療・介護ニーズが爆発的に増大すると見込まれる)への 対応が、否応なく問われることになる。二〇一五年の統一地方選は、こうした問題を地域で話し合う場をどれだけ準備できるか、それを問うも のにしなければならない。
 アジア、とりわけ東アジアでは中国の台頭、アメリカの相対的な地位の低下というパワーバランスの変化が、不安定要因 であり続けることは避けられない。これに、古典的なパワー重視だけで対処するのか、21世紀の生き残りをかけた改革競争としてもトライす るか。
「日本とアメリカと中国、それぞれ経済で競争しているし、場合によっては安全保障にしても競い合っているところがありますが、実は日米中で一番競争しなければなら ないのは、この十年ほどの間にどれだけ国内改革が大胆に進むか、ということです。この十年ほどの間に、より大胆に国内改革に成功した国が、二 十一世紀の残りに、より有利な地平に立てるのではないか。そういう競争の時期にわれわれはいるのではないか、ということです」(16―19面 村田教授)。
戦後七十年を迎える今年は、「歴史」を 避けて通ることはできない。侵略した側とされた側が、過去の記憶を共有することは難しい。願わくは、「共通の未来」に向かって互いの過去 を理解しようと努力する、という土台に立ちたいものである。
(「日本再生」428号 1/1発行 一面より)
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□ お知らせ
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《東京》
◆第146回 東京・戸田代表を囲む会
「東京でも、地域から総選挙を語ってみよう」
ゲストスピーカー 柿沢未途・衆議院議員
1月10日(土) 13時30分より
「がんばろう、日本!」国民協議会事務所(市ヶ谷)
参加費  同人2000円/購読会員1000円

◆第七回大会 第五回総会
「住民自治の涵養・地域主体の地域再生」の視点から、統一地方選の問題設定を共有する
問題提起 廣瀬克哉・法政大学教授 ほか
2月22日(日) 13時から18時
「がんばろう、日本!」国民協議会事務所(市ヶ谷)

《京都》 
◆第24回 東京・戸田代表を囲む会in京都
「香港の民主化運動に思うこと―日本の若者の政治離れと比較して」
ゲストスピーカー 山田昌弘・中央大学教授
1月30日(水) 18時45分から
ハートピア京都 第五会議室
参加費 1000円