メルマガ♯がんばろう、日本!         №198(15.4.2)
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「がんばろう、日本!」国民協議会

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Index 
□住民自治の力で創る、人間復興・地域の再生
~第八回大会にむけて
●3.11から考える「人間の復興・地域の再生」
●ローカル・住民自治からガバナンスを問い直す

□お知らせ
◆第八回大会 6/21開催
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住民自治の力で創る、人間復興・地域の再生
~第八回大会にむけて
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●3.11から考える「人間の復興・地域の再生」
 3.11から四年が過ぎた。四月からは復興事業完了の目標年度が始まる。早くも集中復興期間(二〇一一~一五年度)後の事業費について、竹下・復興担当相からは「全 額国費の見直し、地元負担も」と示唆されている。だが多くの被災地の現状は、復興とは程遠い。少なからぬ地域では、生活の再建、地域の再 生が取り残されたまま、防潮堤をはじめとする「復興事業」だけが進捗しているように見える。
 防潮堤は国の事業でも、地域の人々が「防潮堤より必要」としている避難道は、「地元負担」となれば財政的にも厳し い。16年度以降に避難路整備などを見込む宮古市は、「自主財源が小さく、自己負担なら事業 を制限せざるを得ない」としている。これでは、誰のための「復 興」なのか分からない。
 原発事故に伴い避難を余儀なくされている人たちは、いまだに十二万人。四十年といわれる廃炉作業の「序の口」ともい える汚染水処理すら、(東電の度重なる「定義変更」や、情報隠しもあいまって)未だ、めどが立っているとはいえない。そんな事態を尻目 に、「帰還」政策だけが淡々と進んでいる。「除染」とインフラ整備さえできれば、復興は 完了するとでもいうのだろうか。
 人々が「帰りたい、しかし帰れない」のは、放射能への不安だけではないだろう。ズタズタになってしまったコミュニ ティーを取り戻すことができない「復興」とは何なのか。帰還政策が進み、避難指示が解除されれば賠償は終わる。帰っても、帰らなくても、 生活の再建には大きな困難が伴う。これは、誰のための復興なのか。
 一方で、希望の光も見えている。相馬市では震災から四年で、災害復興住宅がすべて完成した。それができたのは、岩 手、宮城の被災地よりも被災面積が少なかった、ということもある。しかしここでのポイントは、地域コミュニティーの力で高台移転を行った という点である。あるいは、独居高齢者が入居する「長屋」の建設によるコミュニティーの再建。
 被災した高齢者の孤独死は、阪神淡路大震災以来、大きな問題となってきた。仮設住宅の段階までは何らかの「見守り」 が行われていても、災害復興住宅に移った時点で復興は完了したとされる。震災を生き延びた高齢者の孤独死は、コミュニティーの再生、生活 の再建なき「復興」とは何なのか、という重い問いでもある。相馬市の「長屋」(コミュニティーの再建)は、そのひとつの答えといえる。
 同時にこれは、「2025年問題」を目前にした限界都市・東京(首都圏)にも通じる「社会実験」でもあるだろう(相 馬市の取り組みについては、立谷市長インタビュー 「日本再生」四三〇号掲載を参照)。
 あるいは巨大防潮堤を選ばずに、海とともに生きるまちづくりを進める宮城県牡鹿郡女川町の挑戦。(「復興への道をひた走 る―「商人の町」女川の挑戦」岩本室佳 ポリタス
http://politas.jp /features/4/article/335より)
 女川町は、津波で町の建物の70%が全壊または大規模半壊するという甚大な被害を受けた。特に港湾地区は地盤沈下が著しく、原型復旧だけでは再生は不可能とされた。基幹産業である水産業の再生は、町の復興にとって不可欠だった。
 そんななか、早くも発災から十日後には、民間の復興連絡協議会の準備会が立ち上がる。防潮堤について検討した 結果、嵩上げに八年かかり(町の復興が遠のく)、裾野が60メートルに及ぶため、狭い町では使える土地がなくなってしまうこと、そしてハードによる防災には限界があるとし て、ソフトによる減災を新しいまちづくりの理念とする。
 二〇一二年十月には基幹産業である水産業の拠点、水産加工センターが、手間のかかる国の補助金ではなく、東日本大震 災の復興事業を支援するカタールの基金から助成を受けて完成する。同センターは、津波時には外壁が外れて津波を「受け流す」構造。被害を 最小限に止める減災の発想で作られた。また、それまで業者がそれぞれ個別に持っていた貯蔵庫を共同とするなど、地域の知恵と結束が結実し ている。
 今年三月二十一日にはJR女川駅が再開した。駅の周りはまだほとんど更地だが、民間・行政が連携して、まちづくりの プランは着々と進んでいる。 女川のまちづくりは、町の住民・行 政・有識者が参加する「女川町復興まちづくりデザイン 会議」をはじめ様々な会議の場で、何度も話し合われてきた。そこには高校生から40代、そして「よそ者」も参加する。 年長者はアドバイスと見守りに徹する。
 「当時還暦だったFRK(女 川復興連絡協議会)の会長が『60代は口を出すな。50代は口を出してもいいけど手は出すな』と言ったんです。一通りの工事が終わって町 ができあがるのに最低10年、その町づくりを評価されるまでにはさらに10年かかる。そのときに今の50代60代は責任が取れない。責任 を持って町を担っていく若者に任せようと。鳥肌が立ちました」(小松氏 特定非営利活動法人アスヘノキ ボウ代表)。「鳥肌が立った」と「よそ者」に言わ せる地域の力、生き様が復興の原動力だといえるのではないか。
(海士町に移住してまちづくりを担う「よそ者」は、「僕のいた会社(名だたるグローバル企業)には、仕事のできる大人 が大勢いた。でも海士町にはそれ以上に、本気のかっこいい大人がいた」と言う。)
 集中復興期間の最終年度を迎える今こそ、これまでの総括と教訓のなかから、何のための復興か、生活の再建、地域の再生―人間の復興 のために何が必要なのか、しっかり議論し共有するときではないか。
 防潮堤をめぐっては、岩手県が住民の声を聞いて比較的に柔軟に計画見直しに応じてきた のに対して、村井・宮城県知事は「防潮堤の高さと構造は国が決めたものであり、これを変更することは許されない」「変更には一切応じない が、住民には合意していただく」という、かたくなな姿勢を繰り返してい た。
 それに対して気仙沼市鮪立(しびたち)地区では、巨大防潮堤ができれば海が見えなくなるばかりか、漁港機能にも支障をきたす、とする住民がまちづくり委員会を立 ち上げ、専門家のアドバイスも受けながら協議を重ねた。そして(巨大防潮堤の根拠として独り歩きしていた)県のシミュレーションのやり直 しに持ち込み、地形を考慮した見直し(堤防高を引き下げ)にこぎつけた。
 鮪立まちづくり委員会代表の鈴木伸太郎 さんは「8・1メートル(原案は9・9メートル)というのは決して満足できるものではない。しかし、住民の結束を保つためにも苦渋の決断をせざるをえなかった。将来の 世代に恥じることのないまちづくりを考えていきたい」と。
 「千年に一度」という自然災害に対して、国が(個別の条件、事情を捨象して)地域を一括りにして画一的に定めた基準 に沿って行われる「復興」。地域には、それを「受け入れるか」「拒否するか」の選択肢しかないという状態では、「これは私たちの復興では ない」となってしまうのも当然だろう。こうしたプロセスそのものを、大きく転換すべきときではないか。
●ローカル・住民自治からガバナンスを問い直す
(以下、「日本再生」431号へ続く)
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第8回大会 記念シンポジウム 「住民自治の力で創る、人間の復興・地 域の再生」
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「がんばろう、日本!」国民協議会 第八回大会 記念シンポジウム
2015年6月21日(日)  13時 より17時
連合会館(旧総評会館 御茶ノ水)
タイトル  住民自治の力で創る、人間 の復興・地域の再生
1300-1400  第一部 講演
          3.11から考え る「人間の復興・地域の再生」
       立谷秀清・相馬市長 岡 田知弘・京都大学教授
1410-1700  第二部 パネル ディスカッション
      テーマ 住民自治の涵養・ 地域主体の地域再生
      パネラー
      熊谷俊人・千葉市長、松本 武洋・和光市長、立谷秀清・相馬市長 
      岡田知弘・京都大学教授、太田昇・真庭市長
      廣瀬克哉・法政大学教授 (調整中) 
1730- 懇親会
参加費  シンポジウム/2000円  懇親会/5000円
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 第26回 関西政経セミナー 開催要 項
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シンポジウム「地域の自治力を問う」
住民自治の涵養と地方議会の役割・地域 自主組織の底力
5月30日(土)午後1時より5時まで  終了後懇親会
エルイン京都 JR京都駅八条東口前  1階大会議室
問題提起:岩崎恭典・四日市大学教授 (兼・パネリスト)
パネリスト:山中光茂・松阪市長、隠塚 功・京都市会議員 ほか
会 費:1000円 懇親会費4000 円
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 政策ブックレット23 ローカル・住民自治からガバナン スを問い直す
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《内容》
●閉塞状況を打開する議会からの政策サイクル
●住民の当事者意識を涵養するローカルマニフェストの深化とは
●住民自治の涵養・地域主体の地域再生の観点から、統一地方選の問題設定を共有する
●人口減少時代の自治体と地域のあり方
●地域の課題を解決する地域の総合力ー地域自主組織の底力
(「囲む会」「政経セミナー」「総会」などの記録 全204ページ)
1部 500円(送料 80円/複数部の場合はご相談ください)
申し込み先 郵便振替00160-9-77459 「がんばろう、日本!」国民協議会 

石津美知子
「がんばろう、日本!」国民協議会

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