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メルマガ♯がんばろう、日本!         №206(15.12.2)

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「がんばろう、日本!」国民協議会

http://www.ganbarou-nippon.ne.jp

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Index 

□立憲民主主義の主体基盤を鍛えるために

●民主主義をバージョンアップする

●地域からの民主主義  

 住民自治の涵養と地域内経済循環から新しい連帯を

□「囲む会」のご案内 「凡庸の善で考え続けるために」

□お知らせ

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立憲民主主義の主体基盤を鍛えるために

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●民主主義をバージョンアップする 

選挙を「多数決主義に基づく権力ゲーム」に回収させない

 11月22日に行われた大阪府知事、大阪市長のダブル選挙はいずれも、大阪維新の会が圧勝した。投票率は府知事選が 45%、市長選が50%、前回よりもそれぞれ7ポイント、10ポイント低くなっている。5月に行われた「都構想」の賛否を問う大阪市住民 投票の投票率67%から比べると、市長選は17ポイントマイナスとなる。

 住民投票の際には、これまで選挙に行かなかった人々の一角までもが投票所に足を運んだ。普通の人々が都市制度という 分かり難いテーマを自分事として考え、最後まで迷い、悩んで投票した。今回のダブル選挙は、そうした人々の参加型民主主義をつくりだすに は至らなかった。(毎日新聞は出口調査の分析から、都構想に反対票を投じた人々が、今回は棄権した可能性を指摘している。)こうしたなか で、地力に勝る大阪維新が勝ったといえるだろう。

 反維新側は、「大阪に衰退と混乱をもたらした維新政治を変えよう」と訴え、また参院選―安倍官邸と大阪維新の連携あ るいは野党共闘―を視野に自民党候補を推したが、民意のうねりをつくりだすには至らなかった。

 都構想が住民投票で否決された後、都構想に反対した側も「改革は必要」としていた。しかしその後、都構想に替わる改 革への動きは可視化されなかった。「住民投票で終わった話」ということなら、民意を見誤ったというしかない。

 一方で住民投票は都構想というシングルイシューだが、首長選挙の論点は多様であり、選挙で勝てばすべてお任せの白紙 委任ではない。しかも今回圧勝したとはいえ、維新の絶対得票率は28%程度。こちらも「選挙で決着がついた」ということなら、民意を見誤 ることになる。

 「(立憲民主主義に不可欠な多元的な意思決定は)1回の選挙で終わりではありません。1回で片が付くという考えは、 シンプルで人々の心に入りやすいところがあります。しかし、以前に私は『選挙独裁』という言い方をしたことがありますが、政府が〝一度の 選挙で勝ったら全部終わり〟という考え方を採るのは、非常に短慮で不適切です。

 そうやって、議論を深めながら何度も選挙が行われる中で、国民の多くが『反対だ』と言うのであれば新安保法は廃止さ れる。逆に、もしも政府の主張に対する国民の支持が安定的に獲得されれば、新たな憲法解釈が次第に正当なものとして受け入れられてい く。~中略~さまざまな意見を持った国民は、時に悩み時に苦しみながら、どのような方向性がよいのかを手探りの中で決めていく。そのよう なプロセスを積み重ねていくことが、まさしく健全な民主主義の実践である、と言えるでしょう」(山元一・慶應大学教授 ダイヤモンドオン ライン10/15)

 選挙が多数決主義に基づく権力ゲームの繰り返しになってしまえば、多様な意見に耳を傾け、丁寧な手続きを通じて幅広 い合意を形成していくというプロセスは吹っ飛んでしまう。

 民主主義が独裁よりも「強い」のは、多元的な意思決定システムを持っているところだ。

多元的な意思決定システムには、コントロールやチェックが不可欠だ。それらを排除して「右向け右」になれば、政治は反 立憲的なものになる。それは同時に持続可能性の低い脆弱なシステムでもあることは、全体主義の歴史そして戦前日本の教訓からも明らかだ。

 「民主政治にはオポジションが重要だと言っているのであって、それが野党である必然性は必ずしもない。例えば、主要 政党すべてが閣僚を出しているスイスでは、国民投票がオポジションとして機能するし、米国では司法がそうです。日本でもかつては自民党内 の派閥や、衆参の『ねじれ』などがオポジションの役割を果たしてきた。ところが今の安倍政権下では、そうした『オポジション力』が非常に 弱まっています」

 「集団的自衛権の行使容認のために内閣法制局長官をかえる。『中立・公正』の名のもとにメディアを威圧する。権力に とって最強のオポジションであるはずの憲法をも軽視する。政治がある意味『ブラック企業』化しています」

 「短期的にはオポジションを排した方が『生産性』は上がるようにみえる。だけど長期的にみれば、持続可能性は減りま す。ブラック企業がそうでしょう。民主主義は手間がかかりますが、だからこそ続いてきたのです」(吉田徹・北海道大学教授 11/6朝 日)

 制度に埋め込まれたシステムとしてのコントロールやチェックが機能しないとき、多元的意思決定のためのオポジション 力を担保するのは、市民社会そのものの生命力、院外の民主主義の力にほかならない。デモというオポジションが当たり前になってきたのは一 歩前進だ。そこからさらに選挙や院内の民主主義を、多数決主義に基づく権力ゲームから解き放ち、院外と院内をつなげられるか。そこに向け て立憲民主主義の主体基盤をどう鍛えていくか。

●地域からの民主主義  

住民自治の涵養と地域内経済循環から新しい連帯を

 デモなどの運動の高揚は、かならずしも選挙に直結しない。小選挙区制の下、低投票率と野党乱立によって、自公は三割 の組織票で圧勝することができる。一方で、投票率が六割を超えて七割に上るような状況のためには、ある種のポピュリズムが必要になる。問 題はそれが、多数決主義に基づく権力ゲームに回収されてしまうのか、それともそこに回収されない自前の主体性―立憲民主主義の主体性を獲 得できるのか、であろう。

 そのキーワードのひとつが地域であり、住民自治の涵養だ。地方では平成の合併の影響もあって、地域自治組織がさまざ まな形で運営され、住民がみずから地域の課題を話し合い、知恵と力を出し合っている。選挙も四年に一度の「非日常」ではなく、四年間の参 加型の日常を集積したうえで、取り組まれている。

 三重県松阪市では山中前市長が、徹底した住民主体・住民参加の自治体運営を行い、ついに市長は選挙運動すらやらず、 市民が自分たちで選挙運動をやるという市長選挙で、自民党県議のエース(相乗り)を破った。山中氏は任期半ばで辞任したが、住民自治の基 盤は市長の交代で左右されることのないところまで、着実に根づいている。(山中氏をゲストスピーカーとした「囲む会」は次号に掲載。)

 問題は都市部の根なし草のところにおける、住民自治の涵養だ。

 「辻元は前述のインタビュー(社会運動7月号)で、こう述べている。『リベラルの側は、集会には行くんだけれども、 じゃ、自分の住んでいる町で本当に草の根でつながっているか、商店街のおっちゃん、おばちゃんと話をしたことがあるかといったら、ないん ですね』。これでは集会に何万集まっても、選挙区では少数だ。それを変えるには、地域で繋がりを広げて『まず一〇人、核をつくる』。そし て『これが本当に沁み渡るように広がっていけば、憲法改正の国民投票は怖くないんです』という。

 ~中略~私自身は、近隣の人と挨拶や世間話をよくする。そして自宅の『向こう三軒両隣』に、国会前の集会に行った人 が2人いるとわかった。何万も参加しているのだから当然だろう。もちろん近隣には、志向が違う人もいる。そうした人とも率直に話せばよ い。~自己規制で会話もできない社会より、意見が違っても気軽に話せる社会のほうがずっとよい。健全な社会、健全な政治はそんな自己規制 を取り払うことから始まる」(小熊英二 朝日10/13)

 地域は生活の場だ。そこからものを見て、考えることの重要性は3.11以降、否応なく増している。防災を考えても、 地域の防災力抜きに被災直後を生き抜くことはできない。また地域包括ケアなど地域の自治力なしに、今後の高齢社会は持たない。そして地域 には、さまざまな立場、志向の人がおり、そのなかで意見が違う人とも議論しながら合意形成を図っていかなければならない。立憲民主主義の そうした基礎体力を養う場が、地域である。

同時に地域は、グローバル経済だけに依 存しない「強い」経済をつくりだす場でもある。

「グローバル化の時代に入ったということです。世界経済のつながりが、ものすごく強くなりました。上海の株価、あるいは為替レートの関係で、みなさん苦労されています。京都はインバウンドで、爆買集団がいっぱい入って来ています。 これがいつ去るかわからないと、観光業者の方々が警戒しています。『これに依存したらまずいんではないか』、そういうことを常に考えるべき時代で す。

そういう時に、世界経済がまず先にあり、日本経済がそれに合わせて形 作られて、そして地域経済が一番最後に来るのか、という問いかけをした場合、どう考えられますか。為替レートの動きは確かに毎日報道され ています。けれども為替レートで生きている人は、ごく少数でしょう。

~中略~客観的にいえばこの京都の経済、あるいは金沢の経済、あるいは北海道の経済、愛知の経済なしに、日本経済はあり得ないんです。生活を するための経済活動、これを繰り広げる単位は生活の範囲ですが、それはとても狭い単位ですね。そうい う狭い単位の中で、人間はお金を発明し、そして企業を発明し、資本を発明した。それが国境を越えて海外展開していく、これは 資本主義の時代です。とりわけ多国籍企業が本格化してきたのは、1980年代半ばからのわずか三十年です。

ですから地域を起点に、暮らしの場である地域が出発点です。それが経済活動を重ねる中で、より広い 範囲で活動をする企業群が生まれてくる。そして一国単位、世界単位、これが同時に存在している構造が現在です。地域があってはじめて国や世界がある、逆ではありません」

 グローバル経済だけに依存しないサブシステムとして、こうした地域経済循環を持つことは、国民経済の強さでもある (14―18面参照)。

 住民自治の涵養と地域内経済循環、その多様性から紡ぎ出されてくるのは、対立と分断を乗り越える連帯にほかならな い。バイオマスエネルギーの地域内循環に取り組むローカルベンチャーは、「だれの子どももころさせない」というママの会のポスターを自宅 に貼り、福島で再エネに取り組む百姓は「誰からも奪わないくらし」を目指す。

 時代の大きな転換(グローバル資本主義など)はえてして、社会にゆがみや生き苦しさを生じさせる。そのゆがみや生き 苦しさをもたらすものを「外部」に求めない思想や行動の探求から、私たちの立憲民主主義を鍛えよう。

(「日本再生」439号 一面より)

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囲む会のご案内  「凡庸の善で考え続けるために」

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《東京・戸田代表を囲む会》

「がんばろう、日本!」国民協議会 事務所(市ヶ谷)

参加費 同人会員1000円/購読会員 2000円

●第154回

「温暖化対策と正義・公平~COP21を終えて」

12月17日(火)1845から2100

ゲストスピーカー 明日香壽川・東北大学教授

●第155回

「成熟国家をめざして~経済第一から ヒューマンファーストへ」(仮)

2016年1月13日(水)1845から2100

ゲストスピーカー 小川淳也・衆議院議員 

●第156回

「アフリカから考える『民主主義ってなん だ』~地域紛争、テロ、民主主義」

2016年1月21日(木)1845から2100

ゲストスピーカー 坂井真紀子・東京外国語大学准教授 

《望年会 京都》

12月7日(月) コープイン京都

第一部 セミナー 午後6時より

「変貌する国際環境にどう向き合うか~ア メリカ、中国、東アジア、そのなかで日本は~」

講師 村田幸嗣・同志社大学教授

会費 1000円

第二部 懇親会  午後7時15分より  会費 3500円

《望年会 東京》

12月23日(水) 午後4時より  会費 1500円

「がんばろう、日本!」国民協議会事務所(市ヶ谷)

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お知らせ

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◆日中韓の環境NGOが「気候変動対策強化と持続可能な東アジア構築に向けた日中韓市民共同声明」を発表。

本声明は、1)気候変動の主犯である石炭からの脱却、2)原発からの脱却・エネルギー利用効率化・再生可能エネルギー 拡大、3)平和と気候変動の解決を同時にめざす東アジア協力、の3つの柱からなり、東アジアでの原発に頼らない気候変動対策の強化と平和 のための協力を求めている。

今般、COP21が開催されるパリでは同時多発テロが発生し、世界が衝撃と悲しみに包まれている。その影響でパリでの 市民気候マーチの開催が中止に追い込まれた。しかし、こうした悲しみや憎しみの連鎖を乗り越えて平和を求める市民の声は世界中でこれまで 以上に高まっている。歴史認識などにおいて対立しがちな日中韓の市民もまた、地域および世界の未来についてあらためて深く考え、このかけ がえのない平和を脅かす気候変動という国家および地域全体の安全保障問題に対して真摯に取り組むことを声明の中で力強く訴えている。

声明本文は次のURLからご覧いただけます。

http://eastasiaclimate.net/

◆安保関連法の廃止を求める学生/学者/市民の共同行動

12月6日(日) 1330より 日比谷野外音楽堂  1430よりデモ

◆立憲デモクラシー講座  1830から 早稲田大学

 立憲デモクラシーの回による連続10回講座 第3回目は12月11日

   講師 山口二郎・法政大学教授

   詳細は  http://constitutionaldemocracyjapan.tumblr.com/

◆映画「日本と原発」上映会

12月14日(月) 1000~  1330~

タワーホール船堀5階小ホール(都営地下鉄新宿線「船堀」駅 北口すぐ)

前売り 1000円  当日 1500円

問い合わせ info@kamioteruaki.com

映画「日本と原発」

http://www.nihontogenpatsu.com


石津美知子
「がんばろう、日本!」国民協議会

http://www.ganbarou-nippon.ne.jp