メルマガ♯がんばろう、日本!         №216(16.9.29)

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「がんばろう、日本!」国民協議会

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Index 

□ 暮らしのなか、自治の現場から、多様な政治的有用感を生み出し、

 「未来への責任」を分かち合う民主主義を育てていこう

  ~「時間かせぎ」の政治に向き合う主権者運動の役割とは

 ●あなたの民主主義はどんな民主主義ですか 

  反・非立憲空間を広げる「時間かせぎ」の政治に対抗するカウンターデモクラシー

 ●「未来への責任」を分かち合う生活者を主権者へ 

立憲民主主義の共有地・公共空間を暮らしのなかから

□「囲む会」のご案内 

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 暮らしのなか、自治の現場から、多様な政治的有用感を生み出し、

 「未来への責任」を分かち合う民主主義を育てていこう

  ~「時間かせぎ」の政治に向き合う主権者運動の役割とは

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【あなたの民主主義はどんな民主主義ですか 

 反・非立憲空間を広げる「時間かせぎ」の政治に対抗するカウンターデモクラシー】

 それは異様な光景だった。

 9月26日の衆院本会議。安倍総理は所信表明演説で、「現場では夜を徹し、今この瞬間も海上保安庁、警察、自衛隊の諸君が任務に当たっている」、「今この場所から、心からの敬意を表そうではありませんか」と呼びかけ、これに呼応して自民党議員がいっせいに立ち上がって拍手、安倍総理も壇上で拍手をした。

 民主党政権が誕生した際も、鳩山総理の演説で民主党議員が起立、拍手したとの指摘もあるが、安倍総理は、自衛隊など国家機関への「感謝」を要求して起立を促した。鳩山総理の場合は演説終了後、政治改革への賛同を訴えたことに賛同する意味で民主党議員が起立した。前者は北朝鮮型、後者はアメリカ型。この違いが分からないと、立憲主義も民主主義も分かっていないことになる。

 さらにいえば、海上保安庁、警察、自衛隊が対峙しているのは、中国の挑発行為だけではない。辺野古や高江では沖縄の民意に対峙して、「銃剣とブルドーザー」といわれた時代と変わらないような自治権圧殺の最前線に立っている(日本国政府の命令の下)。

 立憲主義とは国家の権力行使を法で制約し、規律化することである。究極の国家権力というべき自衛隊をはじめとする国家機関は、こうした規律・制約をもっとも厳しく課されるべき存在であることは、立憲民主主義においては当然のことだ。このような国家権力の規律化、制約こそ、立法府である議会が担うべき機能と役割にほかならない。

 9月26日の衆院本会議の異様な光景は、立法府・議会がこうした役割を放棄した姿といえる。そこでは国会の「外」の民意は「ないもの」とされ、投票箱に収まった民意(投票率55%)でさえ、その一部(沖縄の民意)は切り捨てられている。「この道しかない」といって選挙で勝てば何でもできる―選挙だけの民主主義、多数決主義だけの民主主義、立法府が行政権力に追従する姿。これは民主主義といえるのか。

 「時間かせぎ」の政治(448号一面参照)は、こうした反・非立憲主義の空間を拡大させる。これに対抗する立憲民主主義の空間を、どのように創出し拡大していくか。

 そこで必要なのは、「公共性とは、閉鎖性と同一性を求めない共同性、排除と同化に抗する連帯である」(448号「囲む会」参照)という視点だろう。「この道しかない」に対抗しうるのは、「この道はダメだ」という決め打ち、思考停止ではなく、〝凡庸の善〟で考え続けることであり、多様性の共存のなかで鍛えられる民主主義の胆力だ。

 「国家・国民が、個別的現象に対する情動的反応から徒に『力』や『支配』を求めて狂奔することなく、広い長期的な視野に立って地道に課題に取り組んでいく必要がある。その際求められるのは、多様な人間の共生を可能とする基礎的条件である『寛容』と『知恵の交換』である。われわれは、立憲主義を侮蔑し、『力』への信仰に走った国々(日本もそのひとつ/引用者)によってあの第二次世界大戦という未曾有の悲劇が引き起こされたことを決して忘れてはならない」(佐藤幸治「立憲主義について」放送大学叢書)。

 「中国の脅威」「抑止力」「アベノミクスの成果が出ないのは、アベノミクスが足りないから」等は、思考停止のマジックワードだ。「原発を動かさないと電気が足りない」というのも同じこと。こうした近視眼的な執着や、個別的現象に対する情動的反応から離れてみれば、まったく別の「新しい現実」や多元的な視点が見える。例えばこうだ。

 「普天間・辺野古問題には、二一世紀の日本にとって、『抑止力』の虚実や政治による外交の統制、中国を筆頭とするアジアとの向き合い方、中央と地方との関係、そして何よりも民主主義とはいかなるものであるべきかといった重要問題が凝縮されている。~中略~後世、『なぜあのような愚策を』と指弾されることが避けがたい辺野古での『現行案』に対するあまりに近視眼的な執着から離れ、『辺野古新基地なき普天間問題の解決』を実現できるか否か。それは日本が二一世紀中葉に向けて、前途を切り開くに足りるだけの『政治』を持つことができるか否か、その『試金石』なのである」(「普天間・辺野古 歪められた二〇年」宮城大蔵・渡辺豪 集英社新書)

あなたの民主主義は、どんな民主主義ですか。選挙さえすれば民主主義? 民主主義の決め方は多数決だけ? 「憲法改正は最後は国民投票で決めるんだから、国会での議論が煮詰まっていなくても三分の二で発議すればいいんだ」という民主主義?

「これまでは、民主主義というのは選挙に行くかどうかだけだったんです。四十年間、デモや社会運動、カウンターデモクラシーがほとんどありませんでしたから。そうなると『選挙に行って、俺らの気持ちを反映する政党があるのか』、こう返って来ますね。『永田町の政党なんか、私欲でやっているんだ』とか、『政権交代したってダメだったじゃないか』とか。こういうところから民主主義は投票だけではない、民主主義観にはいろいろある、そういうふうにフォロワーシップのほうが変わりつつあるわけです」(戸田代表 7-11面「囲む会in京都」)

【「未来への責任」を分かち合う生活者を主権者へ 

 立憲民主主義の共有地・公共空間を暮らしのなかから】

野党とは議会制民主主義と普通選挙権に並ぶ、民主主義の三大発明の一つ(吉田徹「『野党』論」ちくま新書)と言われる。「野党には期待しない」ということは、民主主義が機能しなくてもいい、選択肢を持たなくてもいい、ということを意味する(前出「囲む会in京都」)。野党あるいは反対党、あるいはカウンターデモクラシー、こうしたものなしに民主主義は機能しない。これは既存の野党を支持する、しないとは別の次元の話だ。このような民主主義の空間、場をつくり、共有地として手入れしていくことが主権者運動の役割だろう。

 そのために、どのようなコミュニケーションをしていけばいいのか。例えばこのように。

 「『野党に期待しない』というのは禁句だというと、『じゃ、どう聞けばいいのか』となりますね。そういう時は、『野党、反対党の機能と役割をどう理解していますか』と聞くわけです。

 反対党は与党、政権党に対して異議申し立てをすることが第一です。それが目先のチェックだけの異議申し立てか、それとも『三十年後の産業構造を考えたら、原発じゃなくて再エネでしょう』と、未来をどう変えるかというところからチェックする場合では、違ってきますね。だから『チェックしている』というなら、『目先のチェックだけじゃないですか、次の、未来の展望はどうなんですか』ということと、『争点を明確にできていますか』と。

 『補正予算でわれわれは子ども手当を二億増やす、安倍はそうでない』というだけの争点なら、子どもでもわかります。『私の争点の明確化は、必ず背景に立憲主義ということがある。その観点から、たとえば象徴天皇制はこう、緊急事態条項はこう、子ども手当はこう』と。そういう展開ができるかどうか。

三点目に、選挙の投票率が五割ということは、簡単にいえば『民意の残余』が五割程度残っているわけです。いわば投票箱の外の、既存の制度の恩恵を受けていない人たちの民意を、どのように吸い上げて政策化するのか、そこはどうですか? という会話になりますね。

『野党に期待しない』と言わない代わりに、今言ったような会話をしていくということです」(前出「囲む会in京都」)

「アベノミクスの成果が出ないのは、アベノミクスが足りないからだ」という「時間かせぎ」の政治に対して、「成果がでていない、国民の生活は苦しくなった」というだけでは、目先の異議申し立てにしかならない。政権党をチェックする野党の機能、役割は、近視眼的な執着や、個別的現象に対する情動的反応から離れた、まったく別の「新しい現実」や多元的な視点を提示すること―政策思想の軸の転換―だろう。

「次世代を意識してアベノミクスへの対立軸を打ち立てようとすれば、おのずと地道な結論にたどりつくはずだ。自民、公明、旧民主による『税と社会保障の一体改革』の3党合意は、少なくとも未来を見据えていた。民進党は原点に立ち返り、野心的なアベノミクスに対抗するのでなく、増税も視野に入れた財政再建と、家計に安心感をもたらす社会保障の充実を両立できる将来像を描いてほしい」(毎日7/28 「記者の目」)

 「特権的な5%、リスク意識を高め不安定な75%、社会的に排除された20%」(「分断された社会は乗り越えられるのか」今井貴子 世界9月号)という分断社会の到来を前に、「成長に依存しなくても人間の生活が保障され、そのための財源論からも逃げない」(井手英策 世界9月号)という合意形成の可能性は、暮らしの現場のなかに拡がりつつある。救済すべき弱者を選別するのではなく、みんなを底上げするためにみんなで負担する、そういう民主主義へ。

 自分(たち)の意見や行動が社会や政治に反映されているという実感を、政治的有用感という。暮らしのなかの困りごとや生きづらさ、不安について語り合い、政治に対して要求していくなかからうまれる政治的有用感を、「時間かせぎ」の政治に対抗しうる「未来への責任」を分かち合う民主主義へと育てていくことは、主権者運動の役割にほかならない。

(「日本再生」449号より)

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囲む会のご案内  「凡庸の善で考え続けるために」

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◆第165回 東京・戸田代表を囲む会【会員限定】

 「民進党がめざすもの―民主主義における野党の機能と役割を考える」(仮)

 ゲストスピーカー 小川淳也・衆議院議員

 10月13日(木)午後6時45分より

 「がんばろう、日本!」国民協議会事務所(市ヶ谷)

 参加費 同人会員1000円/購読会員2000円

◆第八回大会 第三回総会

「『時間かせぎ』の政治に対抗しうる『未来への責任』をどう語るか

 ~立憲民主主義と主権者運動の役割」(仮)

 11月13日(日)午前10時より午後6時

 「がんばろう、日本!」国民協議会事務所(市ヶ谷)


石津美知子
「がんばろう、日本!」国民協議会

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