メルマガ♯がんばろう、日本!         №219(16.12.28)

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「がんばろう、日本!」国民協議会

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Index 

□民主主義のイノベーション、21世紀の課題先進国への挑戦。

「未来への責任」を地域に根ざして語り、ともに深める一年に。

 ●国境を超える民主主義のイノベーション 21世紀の課題先進国への挑戦

 ●「未来への責任」を担ううえで、私たちが向き合うべき問いとは

□「囲む会」のご案内 

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民主主義のイノベーション、21世紀の課題先進国への挑戦。

「未来への責任」を地域に根ざして語り、ともに深める一年に。

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【国境を超える民主主義のイノベーション 21世紀の課題先進国への挑戦】

 2016年は、第二次世界大戦以降で、もっとも民主主義の限界と欠点が明白になった年といえるだろう。民主主義は人権の尊重や社会的連帯のためのツールである一方で、憎悪と対立を増幅するツールともなりうるのだ。ファシズムと世界大戦をめぐる二十世紀の歴史的な教訓を踏まえ、二十一世紀の民主主義のイノベーションへの一歩を拓けるか。2017年はそれが問われる。

 二十世紀後半に民主主義が支持され、定着したのは、その理念の正当性によってというよりも、それが豊かな中間層を形成することができたからにほかならない。資本主義と民主主義は車の両輪となって、世界規模での「戦後民主主義」を支えてきた。しかしグローバル化の進展と新自由主義の台頭は、資本主義と民主主義の新たな矛盾を顕在化させている。

 「国家はグローバリズムを統御する主体としてではなく、これに棹差すようになったことで、課税権と金融市場のコントロールを自ら手放してしまった。その結果、自らの選択によって民主的な政府・統治が可能だとする政治的信頼も損なわれていくような、『二重のコントロール・ギャップ』(クラウス・オッフェ)によって民主主義の空洞化が進んでいる。中間層によって民主主義が支えられてきたのであれば、中間層の没落はそのままデモクラシーの後退を意味するだろう」(吉田徹「『グローバリズムの敗者』はなぜ生まれ続けるのか」 世界1月号)

 

 三月にはオランダで総選挙が、フランスでは四月から五月に大統領選挙、六月には国民議会選挙が、ドイツでは九月に連邦議会選挙が予定されている。2016年、EU離脱のイギリス国民投票、アメリカ大統領選挙に現れた「やせ細る中間層」の怒りや憤りが、さらに増幅されるのか。あるいは野放図なグローバル化をマネージすることと、国内の再分配政策を再構築することを組み合わせる包括的な構想を可能にする、政治の可能性―民主主義のイノベーションへの糸口を手にしうるのか。

 これは先進国だけの課題ではない。グローバル化のマネージや国内の再分配は中進国も含めた課題だ。ギリシャ債務危機、アジア通貨危機など、グローバル化の猛威により晒されるのは中小国であり、またロシア、中国といえども、そこから自由ではありえない。さらにグローバル化を放置したまま「99%対1%」といわれるような格差が野放しにされれば、国内秩序さえ脅かされることになるのは、先進国のみならず中国も本質は同じだろう。

 再分配も同様だ。グローバル化とともに少子高齢化、低成長、脱工業化といった変化に対応した再分配政策の再構築は、先進諸国のみならず中所得国にとっても「明日はわが身」であり、中国とて「他人事」ではいられない。資本主義と民主主義の再契約をなしうるかは、二十一世紀の課題先進国にむけた普遍的な挑戦だ。

 これは一国だけでなしうるものではない。国境を超えた民主主義のイノベーションの波、その相互連鎖を作り出せるか。私たちの民主主義も、その一翼を担えるかが問われている。

 「やせ細る中間層」の怒りや憤りの噴出は、新たな「政治の季節」の到来でもある。「特権的な5%、リスク意識を高め不安定な75%、社会的に排除された20%」(「分断された社会は乗り越えられるのか」今井貴子 世界9月号)という分断社会のなかで問われているのは、移民や外国人などに仮託しない形で生活や社会への不安を表出し、異なる他者と議論(闘議)できる場、関係性を作り出せるかだろう。生活の利害や社会への不安が否応なく政治化し、鋭く対立するように見えるときにこそ、政治が問われる。

 「……人間生活の政治化ということだと思います。『政治化』とは、イデオロギーということではなく、地域に根差した人たちがどうやったら生きていけるか、それを調整し組み立てるということです。~そうした本来のポリティクスないしは政治的経済によって、グローバル化に対抗する。アメリカで今回それを担ったのがサンダースの支持者たちでした。~(『アメリカ第一』のトランプのポリティクスに対し、『この地域の我われ住民』という/引用者)サンダースの訴求力がトランプのそれより少し弱かったとすれば、それは、結局『敵』をつくりだして自らの立ち位置を固める、そうした言説で支持者をまとめるほうが勝ちを占めたということでしょう」(西谷修「アメリカのない世界」 世界1月号)

 「敵」をつくりだす政治化か、「この地域の我われ住民」という政治化か。イギリスの国民投票でEU離脱派の合言葉は「コントロールを取り戻せ」だったが、グローバル化に対抗するナショナリズム―政治化にも二つの異なる方向性がある。

 「……『スコットランド独立投票は、ナショナリズムには民族的ナショナリズムと市民的ナショナリズムの二種類があるということをイングランドに示した』と言った。英国のナショナリストたちが『よそ者は出ていけ』と排外しているときに、スコッランドでは国の命運を決める投票権を在住外国人に渡していた。~中略~二〇一四年の英国とスコットランドはまったく違う形でアンチ・グローバリズムを表出させた」(ブレイディみかこ「ヨーロッパ・コーリング」岩波書店)

 「やせ細る中間層」の怒りや憤りの噴出を、どのように政治化していくのか。「トランプは問題解決にはほど遠いですが、彼のおかげで、問題を否定し続けることはできなくなりました。人々が利害を軸に集団をつくり、そのために進んで戦うという、生々しい意味での政治制度の復権。そこに私はまだ、希望を持っています」(シュトレーク 朝日11/22)。民主主義のイノベーションへの挑戦だ。

【「未来への責任」を担ううえで、私たちが向き合うべき問いとは】

  

 世界が第二次大戦以来の試練を迎えるであろうなかで、日本に生きるわれわれはどのように「未来への責任」を担っていくことができるだろうか。

 

 トランプのアメリカは、アメリカ主導の秩序に寄りかかっていさえすればよい、という「自明性に埋没した思考停止の蔓延に気付きを与える」(宮台真司 朝日11/25)だろう。「今の日本が混乱するのは当然です。絶望的な状況の自覚から始めるのです」(同前)。今回はこれができるか。

 中国大陸での場当たり的な戦線拡大から日米開戦に至る「あの戦争」の過程では、「絶望的な状況の自覚」すらできなかった。「自明性に埋没した思考停止の蔓延」からは、当事者性は生まれない。当事者性が欠落した無責任連鎖のなかでは「気付き」さえも生じない。ここを今回は越えられるか。

 「日本では開戦を軍部の独走と考える人が多いでしょう。~実際は、要所要所で戦争回避とは異なる選択を続け、自ら後戻りを難しくしたのです。政府や軍部にも開戦反対をほのめかす人はいました。しかし、身を挺し戦争に歯止めをかけようとする指導者はいませんでした。~開戦は多くの公式、非公式の会議を経て下されました。にもかかわらず、指導者層にことごとく当事者意識が欠けていました。東京電力福島第一原発の事故も新国立競技場の建設も、事後処理や決定過程が75年前と酷似しています。(責任の所在が不明/引用者)~開戦の決断を取り囲む状況を『空気』『雰囲気』でよりよく説明することはできます。しかし判断ミスや勇気の欠如は、自然発生しません。責任はあくまでも人間にあるのです」(堀田江理 朝日12/7)

 しかり。問題は「空気」ではない。責任はあくまでも人間にある。そしてフォロワーがフォロワーとしての責任を互いに問いあう型を持たなければ、リーダーの責任を問う作法は作れない(一億総懺悔→総無責任)。

 「国民の多くは対英米強硬論に与しつつ、同時に『戦争はぎりぎりのところで回避されるのでは』との希望的観測をも抱いていたのではないでしょうか。そのような意味で12月8日は『国民が国家の行く末に十全に関われなかった』ことを噛み締める日だと思います。

 『軍部の失敗』という総括は、現在、戦前期の軍部と同様の組織がない以上、実のところ痛くもかゆくもない総括です。そうではなく、社会に溢れているみせかけの選択肢を『本当の選択肢は何だったか』と置き換えて考える癖、言い換えれば『歴史に立ち会う際の作法』というもの、これが(日米開戦に至る/引用者)3つの失敗の事例から学べるものだと思います」(加藤陽子 日経ビジネスオンライン12/7)

 加藤氏は「本当の選択肢とは」と問うような態度の例として、次のように述べている。「(TPPについて)政府が私たちに示す選択肢が、『世界のGDP4割、人口8億の沃野に打ってでるか、それとも国内に引きこもるか』だとしても、その見せかけの選択肢の文句に惑わされることなく~中略~(日米両国が批准しなければ発効しないという)事実を前提として、なぜ日本政府が国会承認を急ぐのか、それを問うような態度を是非とも歴史から身につけたいと思います。『日米両国の批准がなければ発効しない協定が、アメリカの不参加にもかかわらず、承認を急がされるのは何故なのか』という形に、問いの形を変えていけばよいのです」(同前 12/8)。

 思考停止に陥らない問いの発し方。それは個々人の自覚だけでできるものではなく、人々の関係性のなかでこそ可能になる。イギリスの国民投票がウソが横行する「デマクラシー」と言われ、アメリカ大統領選挙が「ポスト真実の政治」と言われたように、怒りや憤りが政治的に噴出されるなかでは、「事実」や「真実」はどうでもよいものとされがちだ。ファクトチェックは大切だが、感情を事実や論理、合理的判断だけで納得させることは難しい。

 問題は、「敵」に仮託して感情を表出するのか、「顔の見える」関係性のなかで感情を表出できるのか、ではないか。遠くの誰かを全否定したり罵倒したりするのは簡単だが、目の前で話を聞いてくれる知り合いは、そう簡単に罵倒できるものではない。忖度でも同調圧力でもなく、単なる多数決でもなく、利害の対立、意見の相違を、まずは「そういうものだ」と認め合うところから互いに議論できる―そういう関係性のなかでこそ、事実は説得力を持つだろう。思考停止に陥らない問いの発し方は、そのなかで可能になるはずだ。

 「未来への責任」を担ううえで、私たちが向き合うべき問いは何か。

 「理念なきアメリカ、自分のことしか考えないアメリカという像は人をうろたえさせるかもしれませんが、その発想を持たなければ、世界はもはや未来をイメージできない。『日本の対米自立』と意気込む人もいるのでしょうが、右であれ左であれ、アメリカ的秩序に寄りかからずに自分の国はどうしていくのか、本格的に考えなければいけない時がきているということです」(西谷 前掲)。

 「『国体』とは、国の生き方そのものである。当座しのぎの外交的なパッチワークではなく、思想や原理が問われる。次の『国体』を構想するうえで鍵となるのは、普遍的価値との距離感だ。むきだしの権力政治がいっそう前景にせりだすなか(自分のことしか考えないアメリカ/引用者)、右でも左でもない日本国が、いま一度人権や平和といった規範に則って国の針路を見定めることができるのかどうか、正念場を迎えている」(遠藤乾 朝日11/24)

 「あの戦争」に負けた日本は、人類の多年にわたる努力の成果としての普遍的な理念に則って、国を復興しようと決意した。1948年から53年にかけて中学・高校の教科書として使われた「民主主義」(文部省)は、こう述べている。

 「民主主義を単なる政治のやり方だと思うのは、まちがいである。~略~すべての人間を個人として尊厳な価値を持つものとして取り扱おうとする心、それが民主主義の根本精神である」(西田亮介・編 幻冬舎新書)。

(「日本再生」452号 1/1 より)

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囲む会のご案内  「凡庸の善で考え続けるために」

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◆第169回 東京・戸田代表を囲む会【会員限定】

 「環境・平和・自治・人権~反公害運動からの社会運動の歴史と《今》そして《これから》」

 1月5日(木) 午後6時45分より

 ゲストスピーカー 寺西俊一・日本環境会議理事長 一橋大学名誉教授

「がんばろう、日本!」国民協議会事務所(市ヶ谷)

 同人1000円/購読会員2000円

*社会運動が途絶えたといわれるなか、日本環境会議は三十五年以上にわたって公害、環境問題を軸に活動してきました。その歴史的な歩みと集積、そのなかで闘いとられた「環境・平和・自治・人権」という視点、またこれからの課題などについて、同理事長の寺西先生にお話しいただきます。

◆第170回 東京・戸田代表を囲む会【会員限定】

 「集団的自衛権を考える」(仮)

 1月19日(木) 午後7時より

 ゲストスピーカー 篠田英朗・東京外国語大学教授

「がんばろう、日本!」国民協議会事務所(市ヶ谷)

 同人1000円/購読会員2000円

◆戸田代表を囲む会in京都

 「立憲民主主義をよりよく機能させるために~憲法を論じる共通の土台をどう作るか」

 2月8日(水) 午後6時30分より

 コープイン京都

 講演とディスカッション 曽我部真裕・京都大学教授、福山哲郎・参院議員

             泉健太・衆院議員、隠塚功・京都市会議員

 1000円

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2017年もよろしくお願いいたします。

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石津美知子
「がんばろう、日本!」国民協議会

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