メルマガ♯がんばろう、日本!         №234(18.1.31)

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「がんばろう、日本!」国民協議会

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Index 

□2020年後に向けて、「時間稼ぎ」の政治からの転轍を

 ●「時間稼ぎ」の政治が破綻する〝その先〟に何を準備するか

 ●人材の焼畑・人を使い捨てる経済社会なのか、

 「人たるに値する生活を営む」ことができる経済社会なのか

□「囲む会」のご案内

□ 「市民政治の育てかた」著者割引にて

「おだやかな革命」 2/3より上映

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2020年後に向けて、「時間稼ぎ」の政治からの転轍を

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●「時間稼ぎ」の政治が破綻する〝その先〟に何を準備するか

 今年秋には自民党総裁選が予定されている。ポスト安倍をめぐる攻防を、永田町の権力闘争の枠にとどめてしまうのか、それとも「安倍政治」五年間の検証を媒介に、オリンピック後を見すえた新しい政治の座標軸をつくりだしていけるか。言い換えれば、「安倍政治」に対する個々の批判や問題点の指摘に終わるのか、それとも「安倍政治」の検証を通じて、それに替わる「新しい現実」に向けた方向性を共有できるのか。

 

 アベノミクスが何年経っても「道半ば」であることに端的なように、「安倍政治」とは、予見しうる破局を先送りする「時間稼ぎ」の政治にほかならない。「時間稼ぎ」を続ければ続けるほど、「このままでも明日は来るけれど、その先に未来はない」というところから、「このままでは明日さえ見えない」ところへ社会の底は抜けつつある。

 ポスト安倍をめぐる攻防にともなって、「時間稼ぎ」の政治の破綻の一端が明らかにされるだろう。そのときに問われるのは、破綻の〝その先〟に何を準備できるかだ。それは(平成とほぼ重なる)「失われた○○年」だけではなく、第二次産業革命の時代の「追いつき、追い越せ」型(折りしも「明治維新150年」)も視野に入れた時間軸から、「新しい現実」「もうひとつの(政治経済社会の)あり方」を準備できるか、ということだ。その糸口とすべく「安倍政治」の五年間をどう検証し、そこから共通の方向性=新しい政治の座標軸をつくりだしていけるか。こうしたステージが始まっている。

 「私たちはいま大きな流れの中にいます。中央集権・周辺分断型の政治がグローバル化のなかで否応なく機能不全となって、地方が主人公となる新しい流れとぶつかっているのです。グローバル化とローカル化が同時進行する『グローカリゼーション』の趨勢は今後ともとどまることがないでしょう。2016年の参院選と知事選は、こうした大きな歴史的な流れの中の象徴的なできごとだったと思います。

 同じ文脈の中で安倍政権やトランプ大統領も生まれたわけですが、残念ながらそれは新自由主義の最後のあだ花にすぎません。もはや先のない中央集権システムを無理に延命させるために、過去の栄光にノスタルジーを寄せ、古いナショナリズムの幻想をまきちらすしかないのです。でも、それは歴史的に限界を迎えているやりかたですから、どんなに粉飾し、強権で一体化を維持しようとしても、いずれは破綻します。

 ただ、私たちが考えなければならない次の問題は、破綻した後のオルタナティブな社会の青写真がまだはっきりしていないという問題です。だから時間があまりありません。悲観的になるなら、戦争という破滅の道が見えてきます。私たちがこれまでのように、たんに観客民主主義の住人にとどまるなら、行き詰った政治は安きに流れ、歴史上くり返されてきたように戦争と暴力に訴えることになります。

 しかし、危機が迫った時代に、それを危機として認識できる人間が多く存在すれば、それはむしろ新しい時代への契機(チャンス)にもなるでしょう。危機(クライシス)の語源には『分岐点』という意味があります。数えきれない個々の危機を相互に結びつけ、危機の総体を把握し、適切な克服法を考え、そして行動をうながす。それは現在の学問の役割であり、政党をはじめとする政治的リーダーの役割であり、また私たち市民一人ひとりの課題でもあります」(「市民政治の育てかた」佐々木寛・市民連合@新潟 共同代表)

 「安倍一強」「一強多弱」という状況は、野党の数合わせで転換できるものではない。野党が取り組むべきは、「安倍政治」に対抗しうる政治の座標軸をつくり、共有するための地道な積み重ねだ。そのプロセスは国民に開かれた参加型のものであるべきだ。そして国会内では(理由があって別会派になっているのだから)、ひとつひとつ議論を重ねて合意を形成する以外にない。

 重要なことは、そのプロセスを国民に(支持者だけではなく)オープンにし、対話を通じて共有点を積み重ねていくことだ。「安倍政治」の検証も「新しい現実」も、永田町の外、地域の暮らしと自治の現場にこそあるのだから。

 「安倍政治」に対する個々の批判や問題点の指摘に終わるのか、それとも「安倍政治」の検証を通じて「新しい現実」への方向性を共有できるのか。国会論戦の組み立て方、対案の位置づけ、野党間の連携の取り方など、後者の視点から意識的に行われるようにフォロワーの側からも迫り上げていこう。

●人材の焼畑・人を使い捨てる経済社会なのか、

「人たるに値する生活を営む」ことができる経済社会なのか

 今国会の施政方針演説で、首相は働き方改革と改憲を前面に掲げた。働き方改革について「戦後の労働基準法制定以来、70年ぶりの大改革」と称するように、憲法実現法律と位置づけられる労働基準法の「改正」は、憲法とも無縁ではない。

 各党代表質問では働き方改革関連法案に対して、野党からの批判が相次いだ。

 「労働時間の上限規制は待ったなしだが、なぜ上限を月100時間までとするのか。政府案は『過労死の合法化』ではないか」(共産党・小池晃書記局長)。政府案は、時間外労働を取り決めた労使協定(36協定)での残業の上限を、最長で「月100時間未満、年720時間」とする。「月100時間の残業」は「過労死ライン」とされ、これでは「過労死容認法案になりかねない」(立憲民主党・枝野幸男代表)。

 また残業に上限を設けることで、残業代減→収入減→消費減が心配されるという声もあるが、そもそも過労死ラインまで残業しなくてもそこそこの暮らしが出来るようにするのが、あるべき労働条件なのではないか。

 金融ディーラーなど年収1075万円以上の一部専門職を労働時間規制の対象から除外する「高度プロフェッショナル制度」(高プロ)の導入や、裁量労働制の対象を一部法人営業職にまで拡大するといった規制緩和についても、「労働者のためでなく、人件費削減の観点から導入されようとしている」(希望の党・玉木雄一郎代表)との批判が相次ぐ。

 裁量労働制とは「見なし残業代込みの賃金(定額)」で、働く側に裁量権のある職種に適用される(労働時間規制の対象から除外)。その要件が緩和されるということだ。高プロ制度の場合は年収1075万円という枠があるが、裁量労働制の場合は収入にかかわらず対象職種が拡大されることで、「定額働かせ放題」になる可能性がある。現に2017年に大手不動産会社が裁量労働制を違法に社員に適用したとして是正勧告を受けたが、法案が通ればこれも合法ということになる。(「年収制限のない『定額働かせ放題』ってマジ?」河合薫 日経ビジネスオンライン1/23 参照)

 そもそも「働き方改革」とは何のためなのか。人件費削減→人材の焼畑を続けていった先に何があるのか。

 労働基準法は「労働条件は、労働者が人たるに値する生活を営むための必要を充たすべきものでなければならない」(第1条)と定めている。労働基準法が、憲法の価値を実現するための憲法実現法律と位置づけられる所以だ。「人たるに値する生活を営む」ための社会的経済的条件が破壊されたところでは、立憲民主主義社会の担い手も破壊される。

 「安倍政治」五年間の検証という意味では、「非正規の2018年問題」も重要だ。短期雇用の契約を繰り返しながら五年以上働いてきた非正規の労働者が、希望すれば2018年4月以降、無期に働ける新しい制度だ。その一方で、ルールが始まる直前の3月末で雇い止めを言い渡される事態が相次いでいる。

 理化学研究所では2018年3月末時点で、五年以上働いて雇用の上限を迎える有期雇用の職員は、パートや契約職員など五百人弱。そのうち、無期雇用の研究アシスタント試験に合格した百人余りとわずかな事務職員を除き、三百人を超える職員が3月末で雇い止めとなる。

 不当労働行為の救済申し立てに関わった弁護士は「ルールが本格的に適用される2018年4月を前に、その権利を行使させずに雇い止めできるよう就業ルールを変えた。事実上の『無期雇用逃れ』だ。ベテラン職員の多くが去ることになり、研究の遂行に影響が出かねない状況になっている」と指摘する。同様の問題は、ありとあらゆる現場で派生している。

 現場を支えてきたベテランスタッフを「使い捨て」にする職場、人件費削減しか能のない事業に、持続可能性はあるだろうか。いやそれ以上に、五年先の雇用が見通せない「働き方」(働かせ方)を余儀なくされる社会で、次世代や他者のことを考えられる民主主義が育つのか。

 働き方改革、そして「一億総活躍」「女性活躍」やらの安倍政治五年間の検証を通じて、「働かせ方改革」の対抗軸となりうる方向性をどう見出していけるのか。これはまた労働法制を憲法実現法律としてきちんと機能させるとはどういうことか、その視点を共有したうえでの憲法論議の土台・前提とはどういうことか、という国民参加型の議論をつくりだしていけるか、ということにもなるだろう。

 グローバル化、主権国家、民主主義は同時に追求することはできず、どれかひとつを犠牲にしなければならないと言われる(ロドリック「グローバリゼーション・パラドクス」)。確かに世界には今、自国ファーストや権威主義など、民主主義を外したグローバル化と主権国家の組み合わせが台頭しつつあるようにも見える。これはある意味では、民主化の「第三の波」に対するバックラッシュかもしれない(12/3シンポジウム参照)。だが一方でこれは、新たな歴史段階において民主主義をより深化させる挑戦でもあるだろう。

 「グローバル化を反転させるのは容易ではない。自らが道具化すると感じるなかで生の意味を見出すのは、誰にとっても難しい。しかし、そうした時代にあっても、中間層を増やし、生の困難を減じ、他者への憎悪に転化するのを防ぐよう努めるのは大切なことである」(遠藤乾 毎日1/23)

 立憲民主主義は、それを支える人々の政治的意思とその経済的社会的条件を不断に育み、手入れすることによって持続可能だ。非立憲的な中国の台頭がおそらくピークを迎え、日本が高齢化の急坂にさしかかるであろう2020年代半ばを見すえ、「時間稼ぎ」の政治をどのように閉じ、「ともに引き受けて前へ進む」政治をどう立ち上げていくか。ここからポスト安倍、オリンピック後へむけた舞台を準備しよう。

(「日本再生」465号一面より)

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東京・戸田代表を囲む会

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□第182回

「『すべて国民は個人として尊重される』(憲法13条)って、どういうこと?」(仮)

2月5日(月) 1845から

ゲストスピーカー 山本龍彦・慶應大学教授

*立憲主義の基本原理である「人権」「個の尊重」は、実現されているのか。憲法改正は今ある憲法を守ってから言え=立憲主義を支える意思を、9条以外からも作り出すとは。

参照:「日本再生」461号インタビュー

□第183回

「いま、野党に何が必要か」

2月15日(木)1845から

ゲストスピーカー 大島敦・衆議院議員 希望の党代表代行

□第184回

「〝ともに引き受けて前へ進む〟政治の立ち上げかた」(仮)

3月1日(木)1845から

ゲストスピーカー 宮川伸・衆議院議員 ほか 

いずれも

会場 「がんばろう、日本!」国民協議会 事務所(市ヶ谷)

会費 同人 1000円  購読会員 2000円 

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京都・戸田代表を囲む会

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□第32回

「立憲民主主義を支える言論空間を、どうつくるか」

2月4日(日)1500から

メルパルク京都

ゲストスピーカー 福山哲郎・参議院議員 泉健太・衆議院議員

会費 1000円

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「市民政治の育てかた  新潟が吹かせたデモクラシーの風」

佐々木寛 市民連合@新潟 共同代表

1部 1400円(税込) 

2016参院選、県知事選、2017総選挙を、市民主導で戦い成果を収めた市民連合@新潟。

その実践知と経験値を、各地でも活かしていくために。

1600円(+税)のところ、ご厚意で著者割引により、1400円(税込)で。

送料は、1部215円(旧冊子小包の形式の場合)

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映画「おだやかな革命」 2/3より上映

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3.11後の「新しい現実」・・・自然エネルギーによる地域再生の物語の数々

―この映画には、静かに力強く、ふつふつと湧き上がってくる力があります。

その力はあまりにも美しく、切なく、愛に満ちていて、胸が締め付けられそうにもなります。でも、そこに「光」を感じます。バンドラの箱に残った「希望」のように。

――鶴田真由(ナレーション)

監督インタビュー 「地域の自立を切り開く「おだやかな革命」家たち」

https://greenz.jp/2018/01/24/odayaka-kakumei/

【ポレポレ東中野・上映情報】
2/3(土)~16(金) 10:20/12:30/19:00

2/17以降も上映は継続、時間は未定


石津美知子
「がんばろう、日本!」国民協議会

http://www.ganbarou-nippon.ne.jp