メルマガ♯がんばろう、日本!         №236(18.4.1)

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「がんばろう、日本!」国民協議会

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Index 

□「安倍政治」の検証から、自由で民主主義的なデモクラシー思想の基礎をつくりだそう

  立憲民主主義は「ゆっくり、いそげ」でいこう

●安倍政治の検証から、立憲民主主義を具現化する糸口へ

●「働いた分の給与は払ってほしい、残業させるなら残業代は払ってほしい」

 まっとうな働き方を!

□トンキン湾事件、イラク戦争  政府による〝ウソ〟は戦争の始まり

□「囲む会」のご案内

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「安倍政治」の検証から、自由で民主主義的なデモクラシー思想の基礎をつくりだそう

立憲民主主義は「ゆっくり、いそげ」でいこう

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●これは民主主義の根幹に関わる問題だ

 昨年来、国有地売却が適正に行われたかが問われ続けてきた「森友問題」は、ついに公文書改ざん、国会に対する虚偽答弁という憲政史上最悪の事件に転じた。しかし証人喚問では、佐川前国税庁長官が「刑事訴追の恐れ」をタテに証言拒否を繰り返すのみならず、明らかに刑事訴追とは関係ない質問にまで証言を拒否、真相解明にはほど遠いままだ。

 真相解明が検察、司法の手に委ねられるだけでは、官僚組織が国権の最高機関たる国会において、改ざんされた公文書を元に虚偽の答弁を繰り返したことについて、権力者の責任は完全にスルーされることになる。問われているのは個人の刑事責任だけではない。私たちの民主主義がどこまで健全なのか、が試されている。

 「こういった行為が処罰されなければ、もはや政府を信頼することなどできなくなる。『もしフランスで官僚が森友問題と同じ手口で公文書を改ざんしたとしたら、公務員から解雇され、刑務所に送られるだろう。処罰は迅速かつ容赦ないものとなることは間違いない』と、フランスの上級外交官は話す。

 また、改ざんにかかわった官僚の自殺、といった由々しき事態が起これば、その時点で国を率いている政権が崩壊することは避けられない。しかし、どちらも日本ではこれまでに起こっていない。麻生太郎財務相と安倍首相は、このまま権力を維持すると明言している。

 ~中略~スキャンダルそのものより悪いのは、政府と官僚がスキャンダルを隠蔽しようとしたことだ。だがその隠蔽よりさらに悪いのは、隠蔽に対する国民の反応だ」(「外国人から見て日本の民主主義は絶滅寸前だ」レジス・アルノー 東洋経済オンライン3/29)

 自民党は、「官邸の関与はなかった」として一件落着にしようとしている。二階幹事長は「安倍首相を始め、政治家がどういう関わりあいを持っておったか、一つの焦点だったと思うが、幸いにして(関わりは)なかったことが明白になった」と発言。冗談ではない! 財務省理財局が独自の判断で公文書を改ざんしたなら、そのほうが致命的な問題だ。政府が官僚組織を統括できていないのだから。

 しかもこれは森友だけのことではない。南スーダン派遣自衛隊の日報隠し、裁量労働制のデータねつ造、加計学園…結局すべてウソではないのか? という民主主義の根幹に関わる問題だ。「スキャンダル」のレベルで見ていれば、「いずれまた支持率は戻る」とタカを括ることになる。民主主義の根幹に関わる問題だ、という当事者性が国民のなかに広がれば「逆風加速」になる。問われているのは私たちだ。

 「たかだか8億円の森友問題で、いつまで騒いでいるのか」という冷笑は、間違っている。これは民主的な統治の根幹に関わる問題だ。「理財局が勝手にやった」というなら、政府も国会も関与させないまま中国で戦線を拡大した旧陸軍と同じことだ。トンキン湾事件やイラク戦争(後述)でも明らかなように、決定の前提となる事実やデータ、公文書などの改ざんや捏造は、究極的には戦争につながる。「たかだか8億円」ではない。

 世界各国の民主主義の度合いを評価している英エコノミスト・インテリジェンス・ユニットによれば、2015年にはともに「欠陥のある民主主義」に分類されていた韓国と日本が、2017年には日本は「欠陥のある民主主義」に、韓国は「完全な民主主義」に分類された。これは五ヶ月超に及ぶろうそくデモで、立憲主義に基づいて政権を退陣させた韓国民主主義に対する評価だ。ドイツのフリードリヒ・エーベルト財団は韓国国民に対して「法治と民主的参加に貢献した」と人権賞を授与した。同財団が特定の団体や個人ではなく、「国民」を賞の対象としたのははじめてだという。

 公文書の改ざんは、民主主義の根幹に関わる問題にほかならない。立憲主義や法の支配はまともな民主主義の前提であり、政権を支持する・しないにかかわらず、守られ共有されなければならない。それを崩そうとする者には、権力を構成する主権者たる国民がその前に立ちはだかるべきなのだ。

●「安倍政治の検証」を、立憲民主主義を具現化する糸口へ

 平昌オリンピックを契機とした南北対話から、北東アジアは大きく動き出した。十年ぶりの南北首脳会談(4月27日)、初の米朝首脳会談(5月に予定)、金正恩氏になってはじめての中朝首脳会談など。残念ながら「制裁一辺倒」「日米同盟一本やり」の安倍外交は、蚊帳の外である。

 しかもアメリカ・ファーストを掲げて鉄鋼、アルミニウムに輸入関税をかけるとしたトランプ大統領は、安全保障上の理由でEU、韓国などは対象から外す一方、日本は中国とともに対象とした。あれだけトランプ大統領との「蜜月」ぶりに腐心してきた安倍外交とは何だったのか。支持率低下の度に「外交の安倍」で逃げ切りを図ってきたが、今回はそれも難しくなりつつある。

 看板政策であったアベノミクスも表向きの株価とは裏腹に、悪性インフレにすぎないことが生活で実感されてきた。その株価も政府・日銀が買い支える「官製相場」で、まともな資本主義市場経済とは言いがたいものになりつつある。

 これまで安倍政権は「地方創生」「女性活躍」「一億総活躍」など、一年単位で政策スローガンを設定し、目先の看板を架け替えることで「やっている」感を醸し出してきた。しかしさすがに6年目ともなると、それぞれの政策が検証されざるをえない。森友・加計問題で明らかになったのは、こうした検証に堪えうるだけの実質を安倍政権が備えているのか、ということでもある。政権を失う恐怖をバネに党内をまとめ、民主党政権の「失敗」を言い募って現政権を正当化し、批判する市民を「あんな人たち」と排除するだけでは、政策の検証・評価、それを通じた批判には堪えられない。

 「結局のところ、『評価』に堪えうる政策決定過程を作り出そうという努力を、安倍政権は放棄したのである。ことは森友問題だけではない。政権が新しい政策の目玉として打ち出した『働き方改革』にしても、政策の基となる調査データの不備が明らかになり、裁量労働制に関する部分の法案の撤回に追い込まれた。これもまた、基本的な政策決定手続きを踏むことができない政権の欠陥を、はしなくも示すこととなった」(「安倍政権では不可能な『政権交代2.0』牧原出 WEBRONZA 3/29)

 

 「安倍政治」が曲がり角にさしかかるなか、自民党は3月25日の党大会で、9条第1項(戦争放棄)と第2項(戦力不保持)を維持しつつ、新設の「9条の2」に「必要な自衛の措置をとることを妨げない」と規定した改憲案を示した。この案では集団的自衛権の全面行使に道を開く可能性が生じるとして、野党は反発。公明党幹部も「自衛権の限界を詰めに詰めた2015年の安全保障法制の議論が無駄になる」と批判する。身内の自民党からも「森友問題で国民に説明責任を果たさないと、憲法改正はできないのではないか」(長野県連)、「信頼なくして憲法改正なしだ」(小泉進次郎)などの異論が出ている。

 「お試し改憲」という目先の看板の架け替えで、時間稼ぎの政治を続けるか、それとも「安倍政治の〝終わりの始まり〟」へと転轍できるか。今のところ「ポスト安倍」候補は、世論の様子見にとどまっている。自民党内疑似政権交代ですら、世論の力に頼るしかないほど、既存政治の力は衰えている。

 だからこそ国民世論のなかに、立憲民主主義の言論空間をどこまで作れるかが、決定的になる。歴史の経験はこうだ。「大衆の力の強化によって押し出され、大衆の意志の産物として現れた、大衆の代表そのものの政党政治と、その強力化の行き過ぎの是正としてこれまた強力に求められた中立的権力(天皇・官僚・軍部)の強化の方向という、大きく二つのポピュリズムをたどって日米開戦に至ったのだとも言えよう」「考えなければならないのは、二度にわたるポピュリズム政治を体験した現実を見据え、それを超克する、新たな自由で民主主義的なデモクラシー思想の基礎を確立する方途であろう」(筒井清忠「戦前日本のポピュリズム」中公新書)

 「安倍政治の〝終わりの始まり〟」「安倍政治の検証」とは、安倍政治の後に作り出すべき「新たな自由で民主主義的なデモクラシー思想の基礎」を方向付け、立憲民主主義を具現化する営みだ。改憲をめぐっても、「護憲・改憲」という枠組みには収まらない民意に、「立憲的な憲法改正の論じかた・非立憲的な憲法改正の論じかた」という土俵での議論や対話を提起していこう。

 そこには当然、「憲法の条文を改正しなければ対応できない事態は、ほとんどないと思います。~中略~従来の解釈にすぎない改正を、衆参両院の3分の2が確保できそうだからやろうというのは、国内的に納得されず、国際的にも不信感を招くだけです」(中西寛・京都大学教授 朝日3/24)という常識が共有されるべきだ。

 また、全米で高校生が自分たちが安全に学ぶために銃規制を訴えているが、まさに憲法上の権利(銃を持つ権利)とぶつかるようなこうした社会からの訴え、要求の広がりを受けてこそ憲法改正の議論が始まる、ということが共有されるべきだろう。

 立憲民主主義とは、国民が統治される側として「権力をしばる」だけではなく、統治する側―権力を構成する主権者として権力を監視・監督することである。そういう主権者を育てる基礎は、自治の現場にほかならない。地域の方向を自分たちで決めていく営みのなかで、学習を通じて人々は統治される側の視点だけではなく、統治する側の視点も獲得していく。地方自治を憲法改正の論点にするなら、こうした自治の基本を支える「補完性の原理」を「地方自治の本旨」として明記すべきだろう。「合区の解消」では「立憲的な憲法改正の論じかた」にはほど遠い。

 「安倍政治の検証」を、立憲民主主義を具現化する糸口へ。

(「ゆっくり、いそげ」とは、良い結果に至るためにはゆっくり行くのがよい、という格言)

(「日本再生」467号一面より)

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トンキン湾事件、イラク戦争  

政府による〝ウソ〟は戦争の始まり

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●トンキン湾事件

トンキン湾事件は、1964年8月、北ベトナム沖のトンキン湾で北ベトナム軍の哨戒艇がアメリカ海軍の駆逐艦に2発の魚雷を発射したとされる事件である。これをきっかけに、アメリカ合衆国連邦政府は本格的にベトナム戦争に介入、北爆を開始した。(ウィキペディアより)

1971年、ニューヨークタイムスが「ペンタゴン・ペーパーズ」と呼ばれる機密文書を基に、ニクソン政権と全面対決するなかで、この事件はでっち上げであることを暴いた。

参照 映画「ペンタゴン・ペーパーズ」(S・スピルバーグ監督、メリル・ストリーブ、トム・ハンクス)

   http://pentagonpapers-movie.jp/

●イラク戦争

2003年からのイラク戦争は、イラクの大量破壊兵器保持―国連決議違反を理由とする。武力行使の国連決議にはロシア、中国のみならずドイツ、フランスも反対したため、アメリカを中心とする「有志連合」がイラクを攻撃したが、大量破壊兵器は見つからなかった。後に情報提供者は「フセイン政権打倒のために情報を捏造した」と証言。

有志連合に参加したイギリスは、2016年チルコット委員会「根拠なきイラク戦争」と断じた。

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東京・戸田代表を囲む会

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いずれも

会場 「がんばろう、日本!」国民協議会 事務所(市ヶ谷)

会費 同人 1000円  購読会員 2000円 

 

□第187回 東京・戸田代表を囲む会

 「米朝戦争の危機と日本の針路」(仮)

 4月9日(月) 午後6時45分から

 ゲストスピーカー 柳澤協二・元内閣官房副長官補

□第188回 東京・戸田代表を囲む会

「日本国際ボランティアセンター(JVC)の活動をふりかえって」(仮)

4月20日(金) 午後6時45分から

ゲストスピーカー 谷山博史・JVC代表

□第189回 東京・戸田代表を囲む会

「アフリカの今とこれから」(仮)

5月15日(火) 午後6時45分から

ゲストスピーカー 坂井真紀子・東京外国語大学准教授

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京都・戸田代表を囲む会

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□第33回 戸田代表を囲む会in京都

4月23日(月) 1900から2100 (1830開場) コープイン京都

「憲法改正の論じかた/立憲的な憲法改正の論じかた・非立憲的な憲法改正の論じかた」

ゲストスピーカー 曽我部真裕・京都大学教授

会費 1000円


石津美知子
「がんばろう、日本!」国民協議会

http://www.ganbarou-nippon.ne.jp