(09年11月21日)
                      「チーム白川」事務局

鳩山政権が誕生してから2ヶ月半、越谷市でも新市長が誕生しました。国政の場では事業仕分け作業が始まり、税金の使い方が市民に見えるようになってきました。今回のタウンミーティングは、11月30日から開催される12月議会で新市長の選挙公約の点検・検証の最初の場面を迎える中での開催となり、①「越谷市長選の総括と今後の議会活動」(ゲストスピーカーとしてお招きした越谷市民ネット・民主党会派の辻 浩司議員)、②「12月議会の課題について」(白川秀嗣議員)の2テーマで行い、参加者との間で活発な討議が行われました。

★12月議会の課題について―白川秀嗣議員―
12月議会の性格:日程は11月30日から12月15日まで。越谷市は昨年50周年を向かえ節目に来ている事、その中での新市長の公約―4年間どう実行するか―を点検・検証する最初の場となる。
市長選挙の投票率は何故8ポイント近く下がったのか:投票率35%(前回43%)で、つい2ヶ月前の衆議院選挙67%と比べて極めて低投票率であった。8月の政権選択選挙で初めて国民の1票で政権が交代し、「事業仕分け」の論戦に見られように政策決定を官僚に依存しない運営に転換し、「税金の使い方・集め方が劇的に変わっていく」ことが始まっているにもかかわらず何故35%だったのか。マニフェストによる論争ではなく、ネガティブキャンペーンが前面に出た(三候補の間で飛び交った世襲の問題や産廃処理を巡る批判、また労働組合等の利益誘導や候補者の年齢が高いことの批判、そしてこれらの批判と距離を置く“しがらみ一掃”が、それぞれの候補者における差別化のポイントとして強調された)結果、「政権交代という時代の大きな転換点に立って、越谷市をどういう街にしていくのか」という争点に結びつかず、政権交代が起きた中で市民としてその責任を果そうとする人ほど「苦渋の選択」となったのではないかと推測される。
白川議員の反省点として:総選挙を通してマニフェストへの関心をはじめ、新たな政治文化への変化か実感される中で、ローカルマニフェストを争点とした舞台を作り上げることができなかった事、我々の候補者を創り上げることができなかった事を深く反省している。
12月議会議案討議・一般質問:新市長の公約の中で「すぐ取り組む」ものとして「学童保育室の待機児童ゼロをめざす」「福祉総合窓口開設」等が挙げられているが、どのようなやり方で、どのような財源で、誰を配置していつまでに実行するのか等を点検・検証していくものとなる。又、自治基本条例の推進会議の設置に関して9月議会で一度否定された内容のものが、一言一句変更されてないまま再度12月議会で提出されようとしていることについての討議をしていく事になる。(注:推進議会の性格としては『議会からも市長からも独立して、双方からの権力行使を主権者として抑制することが出来るもの』として設定されるべきだが、そうなっておらず、またこうした重要なことを審査・検討することが年4回程度の会議開催でできるのかどうか疑問である)

★越谷市長選の総括と今後の議会活動―辻 浩司議員―
辻議員プロフィール:会派は「21市民ネット・民主党」、1期目34歳、議会運営委員会副委員長。
「わらじの会」という障害者団体の団体職員として、2005年の市長選挙で板川支援を行った。ここで市民ネットワークとの出会いがあり、今村前議員の後を次いで立候補した。21市民ネット・民主党は現在7名おり、(民主党公認、推薦、市民ネットワーク)政党の統一の方針や政策を持っているわけではなく、会派拘束はかけていない。
本日のテーマについて、高橋市長を誕生させた立場と二元代表制における議会の立場から話をしたい。
市長選の総括
板川市政12年の評価抜きには考えられず、歴史的な意味として、5期続いた島村市政のハコモノ行政から福祉・民生重視の市政に転換させたこと、借金体質の財政を健全化に向けたこと、密室政治と言われた閉鎖的な市政・側近政治を、情報公開を含めて開かれた公平な市政に変えたことが挙げられる。
しかし「少数与党」のため島村市政からの官僚機構をそのまま温存せざるを得ず、市民からの直接対話を重視するより、官僚に依拠した市政運営となっていた。その結果30万都市としてのバランスのとれた市政運営だったが、官僚から上がってくるものをそのまま議案にかけるという事になっており、ダイナミズムに欠ける面も否めなかった。国との関係では国との対立を避けるものとなっていた。総合的に見て、一定の限界があるものの、歴史的に見れば大きな変革をもたらした12年であったと評価している。
今回の選挙結果をどう評価するか:今回の市長選は板川市政の12年がどう評価されるかが大きな争点であった。また、政権交代後の選挙であり、板川市政が変革してきた成果を継承し、政権交代に伴う改革の動きを、ダイナミックな市政運営のリーダーシップを発揮して実行する人が求められた。
板川市長が後継指名をせずに引退という結果になったので、「市民ひろば」(議員、政党、労組、市民団体等で構成)を中心として、どう後継者を選んでいくのかが、政策作りと並行して進められた。未経験の領域であり、選考過程の中では、極力開かれた形で候補者を生み出すことを目指したが、実際には混迷を極めた。紆余曲折を経て、最終的には高橋氏擁立で一致できた。市長選挙は衆議院選挙の政権交代の影響が大きく、民主党への期待と「何が何でも自民に入れなければならない」という呪縛から解き放たれた空気を感じた。従来の自民党支持者が高橋さんへの支援に回るというケースも見られたと思う。初期の高橋さんのチラシに「民主党政府との太いパイプ」と表現したのは、旧来の国からの利権誘導を意味したものではなく、旧来の政治手法からの脱却を目指す民主党政権との共感性をイメージしたものである。
今後の議会活動でどういう立場をとっていくか:執行部の盾になるという役割ではない。現にこれまで3回ほど市長提出議案に反対したことがあり、常にその議案が市民にとっていいのか悪いのかという観点で判断をしている。議会の課題として『議会内調整機能』を高める必要がある。現状ではこの機能が地方議会には公式には存在せず、裏で調整とならざるをえない。例えば、今回の自治基本条例における推進会議設置条例に対し、議会としての情報の共有化と合意形成が出来ないことが『議会内調整機能』の不在を示している。議員は誰しも「市民の声を聞きます」と言うが、ここで言う「市民」とは一体誰なのか。「市民=自分(議員)の後援者・支持者」であり、「多様な意見を持つ市民の声」ではないケースも多いのではないか。しかし、議員の役割は、後援者の意見の取次ぎだけではなく、後援者以外の市民も含めた、普遍的な市民参加のシステムを作っていくことではないか。議員を経由しなくても市民が市政に声を届けられるしくみができることを恐れていてはいけない。もうひとつ、何故議会があるのに推進会議が必要なのか、という批判(推進会議は議会軽視につながる)があるが、推進会議の役割は市長サイドの自己点検機関であり、そこに市長が市民を入れるという判断をしているのである。従って議会は議会としての市民の意見を聞くシステムを持たなければ、市長サイドに対抗することが出来なくなり、議会不要論の道につながる。今回の推進会議の議論を通して、議会として市民の意見を聴取し、議会の中で共有し議論を戦わせて議会の総意を形成するシステムを作る必要を痛感した。そのためには、議会が、議員同士意見交換の場・自由討議の場になっていく必要がある。現在の地方議会では執行部との質疑のみで、議員同士の意見を戦わせる時間が少ないと思われる。自由討議を行えば、何故あの議員はあの条例に賛成(反対)したのかの可視化でき、決定のプロセス=誰がどういう意見だったのかを市民は知ることになる。そして、各議員の議案に対する賛否の結果公表が必要である。市議会だよりに議案の賛否や質問者の名前を掲載することがいまだに実現できないでいることは問題である。また、バス路線研究会に見られたように、バス会社の関係者に実際に来ていただいて、実際はどうなっており、どう変わりうるのかの共有認識を議員同士の間で持てたことは非常に評価できるのではないか。

★ 質疑応答とまとめ
質疑は市長選の広報に関するものから、板川市政3期12年の評価に関してのもの、あるいは推進会議設置の討議から、市民参加の根幹に関わる討議「何故支持者でない人々に議会報告をする必要があるのか、議員を比較されるじゃないか等根強いものがあるがそれをどう克服していくか」が討議された。更に市職員の地域手当の前倒し削減に関して、単純に「公務員は給与に見合う働きをしていないのではないか」との声に関して、公務とは何か、人口減少化時代における公務員の役割とは何か、政権交代後の鳩山政権の政策と地方議会の政策の整合性を市職員はどう図っていくのかとして、懸念や問題を更に市民が政治の決定過程に参加する方向で討議は回っていった。辻議員と白川議員とは個々の議案に関する立場は違っているが、政権交代後の地方議会の改革、参加する政治という民主主義の根幹に関する共有感があるため、問題解決に向けて討議する関係性が築かれつつある。このような議員の共有関係の中に我々主権者が共に参加していく糸口が見えてきたタウンミーティングでした。

次回 タウンミーティング 
12月19日(土) 午後2時から 白川事務所で行います。ふるってご参加ください。