(2010.3.20)

「チーム白川」事務局

今回のタウンミーティングは前回に引き続き、「朝の駅頭でいつも見ていた」という若者(男女)と旧知の80代の方等、多数の方々が参加され、ゲストの40代経営者・中島氏の「鴨ネギ鍋ブランド化への歩み」と題したエネルギッシュなスピーチに参加者全体が思わず引き込まれていったタウンミーティングでした。

★ 3月定例議会報告 白川秀嗣議員
・ 平成22年度予算:3月議会は1,400億円弱の原案を可決しました。おおよその概要は一般会計で見ると子供手当の新設や生活保護世帯が増えている事、歳入のうち市税は約445億円から約433億円と約12億円の減になっている事、自主財源と依存財源を見ると、約510億円から約499億円(約前年度比2.7%減)で自由に使えるお金は減っている事、病院事業会計を見ると入院人数が前年度から6,000人近く減るとの予測や、今年度も一般会計から11億円繰り入れしており、赤字の幅は少し縮まってはいるが経営は依然苦しい。このため財政調整基金20億円(災害等何かあった時のための貯蓄)の内11億円を取り崩して一般会計に入れて22年度予算を組んでいる事である。
・ 3月議会の性格:市長が提案した平成22年度予算案は昨年10月の市長選挙でのマニフェストをいかに実行していくかであり、議会の役割は予算の性格をマニフェストから点検・検証し評価するということになる。
・ マニフェストに掲げられた政策の実行:市長が市長選挙時に期限を明確にした公約を提出したことは評価できるが、12月議会の答弁ではその見積もり、財源、行程表など一切しめされなかった。そこで新政クラブでは12月に市長に4つのマニフェストの点検、検証についてのお願いを提出し回答を求めたが、納得できる回答はなされなかった。しかも3月議会でも事業仕分けの評価を新政クラブ代表の石川議員が質問したが、現在事務事業評価をやっているおり、所謂「仕分け作業」より優れているとの答弁だった。これは全く理解できないものであり、マニフェストの実行は平成22年度予算の中ではほぼ計上されていない。
・ 小中学校の耐震化計画:平成22年度までで62.8%の耐震化計画は示されたが100%まではあと5年(平成27年度まで)かかり、事業費は72億円とされているが財源の工夫は国の補助金によって賄うとされている。600の事務事業+新事業を実行する際に財源をどうするかとなると、1)更なる借金をする2)600事業をゼロベースから見直す、3)事業の廃止や凍結をする4)財源確保のため市民公募債の発行や寄付の呼びかけをするなど、が考えられるがどれも不確定。
・ 委託料に関して:各種基本計画の策定をコンサルに委託する案件がものすごく多い(地球温暖化対策実行計画策定=500万円、一般廃棄物処理基本計画策定=400万円、中心市街地活性化基本政策策定=308万円、教育振興計画策定=400万円等)。何故庁内のプロジェクトを作ってやらないのか?コンサルに依頼するといっても、一定の問題意識で頼まないと丸投げになるのではないか?しかも形式的な市民の意見吸収という手法はこの間一切変更されていない。
・ 事業仕分け:国の事業仕分けでは、削減する事だけが注目されているが、本来は政策の優先順位を明らかにする事が目的である。市が事業仕分けを行わない理由について、市長は「現在市がやっている事務事業評価の方が、事業仕分けより優れている」という答弁であった。議会では事業仕分けに取り組むかどうか代表者会議を中心に論議されているが、賛成=新政クラブ・自民党・公明党、 慎重=民主党・共産党(慎重な理由として、1)既に市が事業評価をやっている、2)市民サービスが低下する事業仕分けはいかがなものか)となっている。新政クラブではもし議会としての取り組みが出来ないのであれば会派で試験的に取り組むことも検討している。
・ 地域手当に関する付帯決議:昨年9月に議員条例によって可決(国の地域手当並みの6%にする)された地域手当が、一般職は条例どおり6%だが、現業職(約280人)は労使間の交渉で決定ということで7%のままになっており、まだ妥結していない。そこで労使交渉を尊重しつつ市長のさらなる努力を求める付帯決議案を新政クラブが提出した。しかし賛成11票、反対20票で否決された。昨年9月条例改正に賛成した自民党や公明党までが反対したのは理解し難い。

★ 越谷鴨ネギ鍋 ブランド化への歩み 中島高明 前越谷市商工会青年部長

・ プロフィール:38歳(H17年)から40歳(H19年)まで商工会青年部長。現在43歳、健康ランド「らぽーれ」の経営に携わっている。
・ 「2005こしがや産業フェスタ」への出展がスタート:商工会青年部の仲間と「商業と農業の何を持って産業フェスタなのか」を悩み、考え、イベント⇒楽しい事⇒鍋・・・(鴨場+中島ネギ)ときて「こしがや鴨ネギ鍋」の出展に行き着き、直径2mの鍋で5000人分を作った。
翌2006年1月、和光市で開催された「彩の国鍋合戦」に参戦、市民が食べて投票する審査で見事1位となり「鍋奉行」の栄誉を与えられる。
・ 「こしがや鴨ネギ鍋」ブランド化計画への取り組み:NHKなどの取材で取り上げられ越谷市の商店会からの依頼もあり「越谷の名物料理に出来ないか」という事で「鴨ネギ鍋」のブランド化のための委員会を作り1年間「鍋」だけを考えて活動する。ネギの研究は、増森地区の農地「こしがや鴨ネギファーム」で、4月2000本のネギの苗を植え、6月TVカメラを設置し、青年部のメンバーは朝5:30に集合して1年間育成を見守った。鴨の研究は、友人の共同企画で米を育てながら150羽の合鴨を育成する「アイガモ農法による稲作」を支援しながら行った。「こしがや鴨ネギ鍋」ホームページを開設、更にマスコットキャラクターの名前を公募した結果、「ガーヤちゃん」に決定、商標登録した。
・ 活動の継続と財源:青年部の事業として特産品開発委員会(商工会の中心メンバー+農業者)を作り、鴨ネギ鍋は継続。財源は「小規模事業者新事業全国展開事業」として800万円の国の補助金を受ける(+商工会50万円、市50万円の計900万円)。補助金について、国から降りてくるお金が国に戻るような仕組みになっていると感じられ、使い勝手が悪い。白川議員のお話の通り、町をよくするために「どう活用されていくのだろう」ということを市民として常にチェックしていく必要がある。又、手続き決定のスピード感が要求されている。
・ 「こしがや鴨ネギ鍋」の事業展開:市内で「鴨ネギ鍋」が食べられる店を公募し、3年で30店舗近くが展開されている。また、小学校の給食への提供のかたわら、出前授業で食育の話をさせて頂いている。前述の「彩の国鍋合戦」では出場3年間で優勝も含めて常に3位以内。マスコットキャラクターの「ガーヤちゃん」も着ぐるみで県の「ゆるキャラ応援団NO6」の称号をいただく等、非行防止のキャンペーンやサッカーの浦和レッズの応援団で借り出されている。
・ 「町おこし」としての今後の展開:「鴨ネギ鍋は5年後どうなるか」「店は経済効果があるのか」というところから考える必要がある。全国で一つしかないという絶対的優位性を持ち、レイクタウンへの来訪者年間3000万人の市内への回遊、あるいは映画ロケーション誘致、合鴨農法の水田アート(測量技師の協会との協賛)等に取り組んでいる。そのためには農業、商業、産業、観光等の横の関係を串刺ししていく事が鍵となる。

★ まとめ

・ 越谷市は433億円の税収しかない。この税収で市を運営していかなければならない(国は既に1000兆円の借金で、立ち行かなくなっている)。右肩上がりの成長の時代は、行政も市民もそんな事は考えなくて良かったし、議員は税金を地元に落とすことを仕事としていた。今や就労人口5000万人のうち非正規雇用は1700万人を超え、そのうち40%は年収200万円以下の若者になっており、子供が一人出来たらどう暮らしていく将来の人生設計は劇的に変化している
・ 市民が自立した暮しをしていくために市議会・行政をどう活用していくか。「鴨ネギ鍋」はまさにそのためのチャンスといえるのではないか。30万人の人口、首都圏から25km以内、レイクタウンには年間3000万人の客が来る。この人たちにお金を落としてもらう仕組み、即ち“ないもねだり”ではなく“あるものを磨く”、これが地域興しの構造となる。補助金の使い勝手が悪いと報告があったが、補助金の使い方を事業仕分け等で市民の皆さんが決めていくと大分違ってくる。
・ 中島さんの報告から地域興しをつなぐものとして3K(環境・観光・健康の3K)が言われたが、その実行段階での決定方法やスピード感の遅さの指摘がなされた。行政・民間・市民等の合意を図っていく政治セクターとしての機能がない事がその原因となっている。そのような人材のネットワークをつないでいく事、そこへ転換していっている地域は成功している。今日タウンミーティングは40代経営者、70・80代、50代の団塊世代、20代の若者が参加した。この人的資産で回していく政治セクター(そのモデル)を地域で作って行きましょう。