H22.6.8 「チーム白川」事務局

今回のタウンミーティングは、14時間マラソン演説会の熱気もさめやらぬ中、前回の中島社長に続き、新井社長をゲストスピーカに迎えて、もの作りの立場からの越谷市の商工業の振興策についてお話を伺った。

★ 政権交代後の参院選はどの様な意味を持つか  白川議員  
・参議院選挙は7月11日が投票日で、埼玉では3議席を8人(民主2、自民1、公明1、共産1、みんな1、新党改革1、社民党1)で争うことになっている。
・参議院選挙は政権選択選挙ではなく、政権交代後の政権与党の実績を中間評価する選挙。マニフェストの実行についての民主党の統治能力・政治手法が問われる事になる。自民党にとっては民主党とは違うもう一つの価値観をマニフェストによって示す事が問われる。
・政党のあり方が問われている。続々と新党が生まれているが国会議員5人以上いれば政党なのか?選挙のときだけ候補者をかき集めるだけなのか?比例名簿は作れるのか? 昨年の衆議院選挙では国民は政党と政治家を鍛えなおす一票としての選挙ではなかったのか?
政権交代後の概況と政権交代の意味
・政権交代後8ヶ月、普天間基地、政治と金、高速道路無料化等の様々な問題があり、鳩山政権の迷走、小沢幹事長の逆走といわれる状況になっている。
・昨年の衆議院選挙は、世界の枠組みが変わり、右肩上がりを前提とした自民党の理念・政治手法が役割を終え、民主党の良し悪しとは別の判断基準で国民が政権交代を選択した。政権交代後一番の柱は政治主導。明治維新から140年間続いた政治家と官僚の関係を変えようとした。それはマニフェストの実行を大臣・副大臣・政務官という3役が主導して、官僚組織を使って実践していくものであるが、十分な準備がないまま新しいステージに移行したため機能不全を起こしている。まさに民主党の統治能力=まとめる力が際立って問われたが、この政治主導の未熟さが迷走という事態になっている。更に国民は昨年の衆議院選挙で(自民党も含めて)選挙互助会の機能しか持たない政党と政治家を、マニフェストによって規律化する組織に鍛え直すことを選択した。こういう事が背景にある。
歴史の教訓を生かす
・一昨年のリーマンショック以降100年に一度の危機といわれたが、日本は危機を脱したのか、グローバル化に対応できているのか?歴史を紐解くと、80年前の1930年代、世界恐慌後の国際情勢は大きく変化していた。ドイツは第一次大戦後に多額の賠償請求をされ、苦境にあった。日本は列強の帝国主義が転換しようとする国際情勢の変化についていけず国際連盟を脱退した。そして、国内には格差が広がっていた(東北地方の身売り等)。今はこの時期と歴史的によく似ている。
・戦前は二大政党による政権交代が行われており、政党政治はそれなりに機能していたが、与党の政策失敗とそれに突け込み政権奪還を狙う野党の突き上げにより政党政治が混乱・崩壊に至り、情勢に対応できず、大政翼賛会から軍部主導(官僚主導)―戦争へと至った。
国会と地方議会―官僚依存体質とは
・【国会】:市民は国会議員を選び、国会議員のなかで首班指名が行われ、内閣が形成される。この内閣の補助機関として官僚がいる。
・【地方議会】:市長と議員を別個に選挙で選ぶ。市長は執行権があり議会は決定権を持ち、議会で決定したことを市長が執行する。その市長の補助機関として役人がいる。
・官僚内閣制とは国会では官僚が内閣をコントロールし、地方議会では役人が市長と議会をコントロールするという、市民の意思が反映しない構造になっている。従って問題は、官僚=悪ではなく、市民の意思が政治に反映するようにするためにはどうしたら良いかとして設定され、その対応として政権交代が行われた。
国民の意識変化と政策決定への参加
・右肩上がりの時は、「誰が政治をやっても変わらない」という政策論議不在が永らく続いたが、小泉選挙で「トップを選らぶことで政治は変わる」が実感され、政権交代によって「マニフェストは実行するもの・政党は選択肢を提起するもの」という事が国民の意識の中に明確に認識された。
・まさに民主党にも自民党にも新しい時代に挑戦する価値観や基準を提起する事が問われているが、同時に私達国民もどちらかを選択した責任が問われている。昨年1票を入れたという責任感と、時代が変わってきたという価値観の転換に即して参議院選挙に臨んでもらいたい。

★商工業者の現状と地元活性化への課題 ―越谷の商工業振興策について思うこと―
新井 進 ㈱新井製作所 代表取締役
プロフィール:1948年、父親が創業、医療機器製造に着手。62年に越谷市に工場を移転する。80年、前社長の死亡により代表取締役に就任。精密板金事業を創業しつつ、医療機器の自社製品の開発と製造・販売を手がけている。越谷青年会議所OB。60歳
1985年プラザ合意からの教訓:1984年に大きな設備投資をしたが、翌年のプラザ合意で世の中ガラッと変わり、売り上げが半分以下になり崖っ淵まで追い込まれた。バブルの前でこれを経験しているので、バブルの際は会社を大きくするということはしなかった。自分がこれまでやってこられたのは、頻繁に起こる景気変動で下請け仕事は翻弄される体験から、下請をやらないですむ為には自社開発しかないと考え実行して、会社を大きくして来なかったこと これが幸いしている。
行政との関わり:第2次総合振興計画の策定の時に青年会議所の委員として携わった。そこで感じたことは、①2000年には人口33万になるだろうという想定は、10年遅れたが、ほぼその通りになった ②役人が作ったシナリオに意見を言っても通じないなと思った。今回いみじくも第4次総合振興計画、産業ビジョン会議のメンバーとして携わる。私始め、産業に直接携わる委員からは、土地利用に関して、行政の積極的な関わりを必要とする意見が多かった。工業団地すら、工業専用地域の指定をされていない。中小事業者は、存亡の危機を迎えていることに、いわゆる公務員は実態を把握、理解していない。
町づくりに携わって:前々から行政は「執行権の責任回避」(計画に立ちはだかる壁を回避する習性がある)をしているのではないかと思っていた。できない理由として、国との関係や、民間の利害に関わることには介入できないという壁を持ち出す。極めつけは縦割り行政の弊害である。例として、「産業振興」の観点から言えばこんなところに作るべきではないと思う事が、「開発」という観点から言えば要件を満たしているのでOKとなることがある。誰も本気で産業振興や町づくりを考えていない。手作りでいいから、“先ず自分で計画を作れ”、“作ったら責任を持て”、こういう仕組みを作って欲しい。予算を分配すれば何とかなるという時代は終わり、資金がなくなり、メシの種がなくなり、自らの身を削るというところに追い込まれて初めて、「まずい」と気が付く実体が垣間見える。
選挙について:昨今の投票率の上昇は、日本がどうしようもない危機感に追い込まれていると思い始めた市民が増加したからではないかと思う。民主党の成長を待つなどと悠長なことは言っていられない。
地域手当の件に関して:理想を言えば、公務員の給与はその地域の民間の水準に合わせるべき。公務員は全国皆同じ。これを止め、地域の人と同じ釜の飯を食い、同じ生活目線でないと力はあわせられられないのではないか。
★ まとめ
・感覚として、経済・社会が変化しているということを事業経営者層が敏感に感じて対応していることがわかったと思う。新井社長が言うように、プラザ合意で一気に売り上げが半減したと。商売をやっているものにとって世界の金融のルールが変わると言う事と関係無しに商売はやっていられないということ。ここにもグローバル化が見て取れる。
・土地に因縁があるということ。つまり長い先達の歴史があるということ、これをはずして何か新しいものを接木してもダメだということ。新井社長の父上の代から手がけておられる医療機器はパブリックと向き合うもののひとつだろう。ここを軸にしている限り、事業の継続性が見込める。
・地域手当に関しては、その地域の収入と支出のバランスから職員の給与を定める。これが本来の給料ではないか。社会的な労働の必要性から給与を見ていく事が必要である。                
以上