2010.8.3  「チーム白川」事務局

連日の猛暑の中で、第83回タウンミーティングは、「イノベーションが始まった参議院選挙」―越谷市が抱える問題との関係とは―というテーマで開催致しました。地元での夏祭りが開催されている最中のお忙しい時にご参加いただき有難うございました。今回は参議院選挙の結果を受けての討議を中心に行いました。

Ⅰ.参議院選挙について

★越谷での投票結果はどうであったか

・ 一番の高投票率は、南団地自治会投票所で 61.72%
・ 一番低かった所は、荻島地区センターの 46.69%
・ 平均投票率は 54.73%(全国平均は 57.92%。国政選挙では2004年の参院選の 56.57%に次ぐ低さ)
・ 特徴としては、投票率の高かった上位7つの投票所に、桜井地区が3ヶ所入っていたこと。とりもなおさず、政治意識・関心が高いといえるのではないか。

★越谷市での選挙区の得票結果

・ 大野候補(民主党・新人):約29,000票 当選→島田候補と2人合わせても前回より大きく得票数が減少
・ 西田候補(公明党・現職):約27,000票 当選→前回よりわずかに得票数を減らす
・ 関口候補(自民党・現職):約26,000票 当選→前回より大きく得票数を減らす
・ 小林候補(みんなの党・新人):約20,000票 落選→前回との比較は出来ないが、健闘した
・ 島田候補(民主党・現職):約19,000票 落選→前回より大きく得票数を減らす

★越谷市での比例区の得票結果

・ 選挙区とほぼ同じような傾向が見られる。
・ みんなの党が、小林候補の得票数より 3,000票多い。3年前(2007年参院選)と比べると、自民・民主・共産・社民の各党とも得票数を減らしており、微減の公明党を含めて全国の傾向を同じような結果になっている。みんなの党は、公明党を抜いて野党第2党となった。

★全国的に見た特徴

・ 労組団体、業界団体、各種団体党の組織票をバックにした比例区の候補者が軒並み得票数を減らしている。
・ タレント候補と言われた人達も5勝20敗であり、凋落傾向がはっきり見て取れる。
・ つまり業界、宗教団体、労働組合などの中央集権的組織選挙の終焉であり、タレント候補の人気も通用しないことが明確になった。

Ⅱ.参議院選挙の結果から何が見えてくるか

★民主党敗北の原因は消費税か?

・ 消費税増税を言ったから民主党が敗北したのだろうか? 自民党はマニフェストにはっきり消費税10%と書いてある。多くの国民は、財政全体から見て増税止むなしと考えており、消費税増税と言ったから民主党が負けたのではないと思われる。消費税は白黒をつけるほど単純なものでないことは国民は理解している。
・ 日本は今、本当はどうなっており、どうなっていくのかを言い切れなかった人が落選したのではないか。

★政権交代の意味は何だったのか?

・ 昨年の政権交代で国民が期待したのは、戦後60年間続いた分配政治の限界を感じており、民主党に政権を任せたのであり、政権交代後の9ヶ月何を変えようと努力し、何が障害になっているのかを明らかにして訴えた人が当選している。
・ 小鳩体制では30議席を切るというマスコミの世論調査があり、両者が辞任した経緯がある。ここにも分配政治に決別すべきという民意が現れている。

★熟議の国会がスタートした

・ 決して自民党が勝ったわけではないことは、比例区の結果を見てもわかるが、「ねじれ国会」は本当に良くない事な のか? 国際社会では普通のことであり、日本においても3年前の「ねじれ」でこれまで国民に見えなかったことが見えるようになった。
・ 今後の国会では与党も野党も責任が問われる。法案は国会の会期内に成立しなければ廃案になるため、与党は数の力で法案を成立させようとし、野党は会期切れの廃案に持っていくことを目指した戦術を駆使するという国会運営がなされてきたため、公の利益という観点から政策の内容の討議が行われて来なかった。
・ 国民が判断した絶妙の投票結果は、国会の議論の仕方を変える、国会改革にとって絶好のチャンスである。国会で政策の中身に対して十分な議論を行い、合意形成を図るという本来の議会への一歩を踏み出すことが問われている。
「熟議」の国会という政治のイノベーションが始まる条件が整った。

Ⅲ.越谷では何が始まろうとしているのか!

・ 来年度の国の予算案は、70兆円と言われているが、依然として予算をつけることに力点があり、これからは予算を削ることに注力しなければならず、越谷市も全く同じであるがそうはなっていない。
・ 市長選においてもマニフェストが大きな焦点となったが、高橋市長も掲げていたのでその点検・検証を議会で行っているが、市民の立場でも点検・検証を行う責任がある。

★第4次総合振興計画

・ 越谷市の今後10年間の計画が来年度より始まるので、今年の12月議会で決めようとしている。市の一番大切な計画であり、ここに記載されないものは予算が組めないので、議会として特別委員会で審議、対応しているが、議会として住民や関係者の意見徴集等の「市民参加」への対応が必要である。

★小中学校の耐震化工事

・ 100%やるには、あと72億円が必要で5年かかるというのが現在の対応である。しかし最優先の課題であり事業の優先順位を決めることが必要。これによって行政サービスを切られる団体や市民にはきちんと合意を取り付け、何にお金を使うのかを市民の間で討議して決めることが必要である。

例えば、老人福祉センターの運営費:2億円、敬老祝金:6,300万円を対象として、右肩上がりの基準で 作られ、運営されていることを成熟社会の基準で見直し、どこに税金を集中投下するのか、決めていくことこそが求められている。

・ また、市立病院会計の赤字は減ったが、まだ黒字にはなっていない状況。これからの越谷の舵取りをどのようにしていくのか、議会が市民の意見を聞き、議会で討議することが問われている。

Ⅳ.質疑応答・討議

Q:教育振興基本計画は議会での議決事項ではないと言われたが、市民にはとてもわかり辛いので、もっと市民にわかり易くするための方策は?

A:議会は例えば、第4次振興計画の素案を、まちづくり会議の代表の人に来て説明してもらっても良いし、市と連携している県立大学や文教大学の先生に議会で意見をだしてもらうことも出来る。国会改革がなかなか進まないように、市議会を変えることも大変だが、桜井地区でやったように、議会が開催される前に市民の意見を聞くなど決定するまでに出来うる限り市民の声や当事者の意見を吸い上げることが重要。

Q:議会に問題があると感じている人はいるが、一歩踏み出すことは難しいことであると感じている。議会で多数派を形成するということを市民側も考えていかねばならないと思う。問題点を絞り込んでいくための議員側からの提案はないか?

A:既に選挙モードに入ってしまったような討議からは、何も見えて来ないが、今問われていることに答え切ることだと思う。国の民主党政府と同じ様に地方議員が問われていることと同じ性格のものだと思う。

Q:一度、議員も市民と衝突してみるということをしないと、本気にならないのではないか。

Q:参院選でみんなの党を応援してみた感想は、上下関係ではなくコミュニケーションを重視した選挙活動であった。
インターネットでのつながりをそのまま持ってきたような感じ。候補者にどれだけのアピール力・メッセージ力があるかがとても重要だが、みんなの党が自力で取った票であることは間違いない。

A:仲間を作る時に、選挙互助会でない組織を持てるかどうかが重要。それが参院選で問われた第2ステージということである。

Q:1人区での自民と民主の議席獲得数の大きな差をどう見ればいいのか?

A:今回ほど地方の有権者が悩んだことはなかったと言えるくらい「塾考」したのではないか。自民党に政権を戻したいと言う人は多くはないが1人区における公明党の協力や公募型候補の健闘が目立つ。

Q:小中学校の耐震化が5年後というのはまずいのではないか。72億円というのは何かを削ったくらいで出せる程簡単なものではないが、一市民として正直あまりに遅すぎると思う。

A:市長はまず、こうなっているという事実をしっかりと市民に示して欲しい。72億円全額をすぐに市は出せるわけではないが、市民から借金をすることも出来る。

Q:市債を発行する時、なぜ国債より高い・低いという議論になってしまうのか。買う側の市民としては、一定の額が集まると思う。市民である自分に出来ることはないかと考えると、署名運動をやるしかないのではと思う。

A:3月議会に向けて署名等を行うなど市民運動としても展開すべき課題かもしれない。

Q:値引き債という考え方もある。99万円を預けてもらい、10年後に100万円をお返しするというのは、市民にわかりやすいと思う。

Q:桜井地区の市政報告会が継続されていて、大袋地区でも市政報告会が始まったという現実は、確かに議会が変わりつつあり、この歩みを止めてはならない。明らかに議員と市民は近付いている。市立病院の赤字も待ったなしである。政治は政策で勝負していくもの。私は若い人達に責任を持ちたいし、若い人は力を結集し、アイディアを出して欲しい。

Q:8月26日に市長のタウンミーティングが予定されているので、学校耐震化と市立病院の赤字解消については質問して市長の考えを聞きたい。

A:政策・マニフェストと口では言っても、その意味が違って捉えられることはよくある。政策・マニフェストで選挙をするという政治文化をぜひ確立していきたい。

【本日の討議に参加して】:事務局のまとめ

・ 当たり前のことを当たり前のように進めるということが、本日の討議の中で確認できました。「ねじれ」があるから前に進めないのでしょうか? そうではありません。前に進めないことの理由に使ってはいけないと思います。
・ 本格的な第2ステージの始まりなのに、どうしても選挙ということが目に入らざるを得ないという現実の中で、この現実を見据え、現実を変革するという活動の歩みを早めていきたいと思います。

           以上