2010.11.2「チーム白川」事務局

 今回のタウンミーティングは前回の市議選で、行財政改革調査議員連盟(通称「議連」)が掲げた3つの統一政策について、議連としての総括がまだ行われていないので、白川議員個人としての総括について、来年のローカルマニフェスト作成に向けての話と、ゲストスピーカーに岩槻タクシーの小暮社長をお迎えして、小泉政権の下で実行された規制緩和政策の影響についてタクシー事業者の立場から話を伺った。

★ ローカルマニフェストを競う統一地方選に向けて:白川議員

岩槻タクシー勤務を振り返る 12年前の選挙で5票差で落選後、岩槻タクシー創業者の前社長を頼り、2種免許を取得して都合1年半年あまり勤務させていただいた事は、私の人生にとって大変勉強になった。乗務の際にお客様から「ありがとう」「運転手さん気をつけてね」と言う一言が非常にうれしかった。仕事に就き、家族を養い、その上でリーダーを目ざすということがないと『公職に就く』ということは理解できないのではないか。議員を辞めた後全く何もしないという人が結構多いが、バッチをつけるかどうかではなくて、一人の主権者として社会や地域のために何ができるかを理解しているリーダーとフォロアーの関係を作りたいということが私の活動の原点になっている。

前回の市議選で目指したこと
・ 議会で過半数議席(17)を獲得することにより、条例等が可決できるようにすること。
・ 13人の議員(新政クラブ:5人、自民党:4人、無所属の会:4人)により、行財政改革調査議員連盟(通称「議連」)を立ち上げ、3つの統一政策を掲げて選挙を行った。
① 行財政改革:事業仕分けによる徹底した行財政改革
② 産業支援:税収アップのための稼げるプロジェクトを作る
③ 議会改革:どの議員がどの議案に賛成・反対したかを公表する 
        
部会の活動実績 
・ 歳出削減部会: 1400億円の税金を使っている600余りの事務事業に、事業仕分け作業といわれるゼロベースの見直し作業を要望してきた。
・ 産業支援部会: 商工会・納税組合・JC等に状況把握の会合を持ち、農産物のネギのブランド化(これによって観光・農業・商業全体評価が上がり、住んで見たいと言う人も増える)等の趣旨を話した。B級グルメのブレイクに伴い、富士宮市(焼きソバ)に調査・意見交歓を行い越谷の「鴨ネギ鍋」を支援した。
・ 議会基本条例部会:北海道福島町の議会基本条例等の調査活動を行った。
・ 北部地域バス路線部会:公共交通と町づくりの関係、観光・農業との関連を含めて検討し活動した。
* 問題はこれらの活動の評価がされていないことである。この背景にある問題点は13人の議員で作ったが、市民参加ができていなかったことである。

3つの政策の自己評価点数 
① 行財政改革=40点
【成果】:副市長一人制を目指す請願署名を行うことによって人件費の削減を達成した。職員の地域手当を9%から7%へ、更に全体を順次6%(国の基準)へ下げていくことが決定した。
【問題点】:事業仕分けに関して、何度も市長(前板川、現高橋両市長)に提案するも首を縦に振らないので、議会で実施することを考えた。しかし全会派一致とはならず(民主・共産が反対)、新政クラブ独自で勉強会方式を提案したが、今度は執行部から説明員として職員は出せないということで、事業仕分けは断念という結果になった。
② 産業支援=20点
【成果】:JC・商工会・農協との意見交換を議連で行うことができた。
【問題点】:従来の産業支援はほとんどが縦割行政で、関連課が補助金の口利きとしてやってきた。今回の稼げるプロジェクトの進行の中で、横のつながり(特に人材の発掘と連携)が見えたが点としての存在確認に留まった。
③ 議会改革=50点
【成果】:二元代表制ということが曲がりなりにも浸透した。議案決議(副市長一人制条例制定、請願運動、地域手当の決議等)の公開を行った。
【問題点】:費用弁償廃止は全会一致で決まったものの、水道議会に関しては廃止されなかったように、議会全体のまとまりという点でマネージできなかった。又地域手当が7%と6%の二つ現存するということに関しての常識的な範囲での解決には進まなかった。学生議会に関して、開催したことは画期的だったが、その後若者にどう議会に関わってもらうのかは討議されず、単なるイベントしない課題が残った。

何故そうなるのか 
1. 越谷市は高度成長期に東京一極集中のおこぼれで成長してきた町である
高度成長期に、越谷市は何もしなくても人口は増え、税収は増えてきた背景がある。
2. 社会関係資本形成の限界
産業発展のために住民が苦労したとか、苦労して政治家を使って地域に税金を落とさせるとかはしなくても良かった結果、人間関係の取り方が無機質になってきたため、地域共同体としての関係性が希薄になっている。どの階層を見てもいわゆる仕切る人がいるようでいない。それは社会の各層にそういう社会関係資本ができていないということではないのか。
3. 失われた20年と板川市政12年
グローバル化に対応できなかった20年の間、板川市政に対抗する保守側の体制もできて来たわけではない。その結果官僚主導型政治があらゆるところに貫徹するようになった。首長は自分で「何かを決め、決めたことに責任を持つ」ということにはならず、市議会は市役所を敵に回さずにうまく立ち回り、擦り寄って行く傾向となり、市民の方も役所や首長や議員が何かをしてくれば良いといういわば三重苦の状態のようになってきた。この構造を各レベルで変えていくということが越谷市における主権者運動の役割である。

議員の課題と市民参加 
名古屋市の議会解散リコール、阿久根市の市長リコール、草加市の市長不信任・議会解散・市長再不信任の動きを通じて、市民の中に市議会に対する不信感が思った以上に強い事を感じる。議会が市長与党意識のままであったり、市長マニフェストの検証が行われないままで統一地方選を迎えるのであれば、議員への不信感は拭い去されない。3年前の議連の統一政策が市民参加できていなかったという反省から、現在の政経セミナーは新たなローカルマニフェストの材料を市民参加で作成しようとして取り組んでいる。

来年の統一地方選に向けて 
越谷市の現在の人口は32万人で50年後は20万人になると試算されている。人口減少(労働人口が現在の半分になる)という認識から現在の越谷市の政策は立てられていない。右肩上がりの時に培われてきた経験や発想やノウハウが全く通用しない転換期を私たちは迎えている。右肩下がり=定常化社会の主軸を担うのは若者であり、団塊以上の世代の人はそのために何ができるのかを考えるべきである。今まで経験したことのない国際政治の進行にどういう対応をしていくのか、若者は団塊以上の人々の経験も含めて学び、来年の統一地方選に備えていただきたい。

★ 規制緩和によるタクシー事業者の現状と課題について:小暮光康 岩槻タクシー社長

プロフィール 昭和36年生れの49歳、昭和60年岩槻タクシーに入社、平成11年に役員を経て、平成17年に岩槻タクシー社長に就任。現在も経営の第一線で活躍中である。

テーマの趣旨について
平成14年規制緩和が行われ、その後平成20年特別措置法(時限立法)の施行で、増減車が自由にできなくなったことで、果たして規制緩和は失敗だったのかどうなのか多様な見方がある中で、タクシー事業を営む立場からこの間の事業推移も含めてお話をしたい。

タクシーの始まり
大正元年東京―数寄屋橋で6台走り出したのが始まり。運賃は800m60銭(もりそば3銭)でかなり高い。大正時代には2,000台に増え、大正13年に大阪、昭和2年に東京で、市内均一料金の円タク(市内なら何処でも1円)が出現。昭和20年燃料不足から56社4,500台が大手4社(大和自動車、日本交通、帝都自動車、国際自動車)に合併・統合された。

法改正とタクシー事業の変遷
平成14年2月 改正道路運送法の施行により需要調整規制が廃止になり、新規参入や増車が容易になる。(参考 埼玉県 事業者数 緩和前・平成13年216社、台数6,297台 現在・平成22年214社 6,505台)これがいわゆる世間で言うところの「規制緩和で車が増え過ぎて困っている」ということの実態である。では規制緩和で何が変わったか。
平成14年2月 運行管理者は運行管理者試験制度が導入され国家資格になる。
平成14年9月 整備管理者制度が改正 事業者の責任における整備管理を徹底化するために改正
平成19年12月 タクシー料金改定  初乗り 2Km660円 →2Km710円 爾後 296m80円 →310m90円 割増 23:00~5:00 3割増 →22:00~5:00 2割増
平成20年1月 埼玉県内6,700台全面禁煙になる。
平成20年6月 改正タクシー業務適正化特別措置法が施行。前項13地区指定地域においてタクシー運転手登録制度が開始され、悪質な法令違反や重大事故をひき起こした場合一定期間乗務できなくなる。
平成21年10月 タクシー事業の適正化(減車・休車)及び活性化に関する特別措置法が施行され以下の事がタクシー業界に課せられるようになった。
(1)地域計画に即してタクシー事業の適正化(減車)、活性化に資する取り組み(他の取り組み)を実施するための特別事業計画を作成し、国土交通大臣の認定を受け、必要に応じて計画に減車(事業再構築)を記載する。
(2)特定地域における措置 ①新規参入要件の厳格化、②増車を事前届出ではなく、認可制に、③減車実施事業者に対する監査の特例、④行政処分の特例

越谷事業所のこれまでの事業実態と課題
・ 市内初の「迎車料金無料」サービスを実施
市内初の「迎車料金無料」サービスを実施した。市内初ということもあり、口コミで広がり年々本数を増やしていった。
・ 客のニーズに応えるため、無線システムの導入
タクシーは天候に左右されやすい。雨天の通勤時間帯は電話が集中し、やむを得ず断るケースがあったので、無線システムを導入し、利用頻度の多い地区に待機場所を設けて対応した。
・ 「規制緩和」「路線バスの拡充」による需要減少への対応
* エコドライブ:安全運転・省エネ運転対応としてドライブレコーダーを設置した
* 子育て支援策(検討中):保護者が同乗出来ない場合に、子供だけをタクシーに乗せるサービスを検討している

今後の創意工夫と公共機関としての役割を果たすために 
他社との差別化のためにグレードの高い車両を導入し、病院・薬品会社・企業の役員の送迎に工夫を凝らしている。直面する需要の低迷、供給の過剰、労働環境の悪化、サービスレベルの低下等の問題がある中で、公共機関としての役割を果たすために様々な工夫をしていきたい。若い人の雇用に関して、2種免許は21歳からしか取ることができない。18歳から取ることができるように法改正が望まれる。措置法は後3年間あるがその間に再規制がかかるのかそうではないのかははっきりしていないが、お客様の要望である「早く目的地へ」へ応えるための様々な総意工夫や、事故のない安全な環境作り、積極的な若者の雇用を促進し支援するための努力を推し進め、常に変化に対応できるような事業展開を行っていきたい。

★ 質疑応答とまとめ
・【市議会(議員)への不信の原因とその解決について】:不信の原因として議員が普段何をしているのかがわからないということがある。自分の支援者だけでなく反対の人の意見も含めて熟議をしていくということで不信を払拭する糸口になっていくのではないか。超党派6人で議会報告を行ってきた桜井地区報告会、大袋地区報告会も3回を迎えているが、自分の支持者でない人の前で、議案の説明をし、議決の賛成反対理由を明らかにし、市民からのシビアな意見に応える中で、各議員の格付けや位置も市民に見えるようになってきたのではないかと思う。
・【若い人の受け入れ先としてのタクシー業界の工夫について】:右肩上がりの時代が終わって20年余り   経つが、社会の変化にどう対応していくのかが私たちに最も問われている。今日の小暮社長の「迎車無料」の話にもあったように、社会の変化に応じて市場のニーズをいち早く取り込んで対応していくことが示された。またお年寄りや子育て世代を対象とした取り組みが示された。特に子育て支援というのは単に保育所を作れば良いというだけではない。〈病後保育の例など〉子育て世代の人が安心して暮らせるような社会参加をどう促進させていくのか。社会の変化は劇的に変わってきており、その変化に応じた社会の枠組みを変えていくことが政治の役割になっている。タクシー業界もバス業界も生き残りをかけて取り組んでいる。市民にとってもイノベーションが不可欠である。
                                    以上