(1月22日開催)
             2011.1.31「チーム白川」事務局

今回のタウンミーティングは新年度の行事が多い土曜日の昼間にもかかわらず、タイムリーなテーマとゲストスピーカーへの注目度も高く、若者や自治会長さんなど20数名の参加者で開催された。

★ 本日のテーマの前段として、有権者がリーダーを選ぶ基準を示した「地方財政の手引き」―地方財政を見る目を養おう「ゆでガエル」にならないために―(「がんばろう、日本!」国民協議会の若手会員が作成した「地方財政手引き」に越谷の現状を踏まえて作成した資料)に基づいて「チーム白川」岡村事務局長から内容説明があり、自治体への様々な形への積極的な参加が提起された。
・ 地方財政は二つの爆弾を抱えている:①これまでの負債+更なる赤字財政による財政破綻、②生産人口の減少と福祉予算の増大による財政破綻である。
・ 夕張市の財政破綻は全国共通の課題であり、議会と市民の行政への監視不足や無関心が財政破綻の背景にある。
・ 少子高齢化による自治体の財政負担は、地方都市より首都圏の都市にとって深刻な問題である。
・ 2,000億円弱の借金を抱えた越谷市において、生産年齢人口の減少と高齢者人口の増加は急ピッチで進むが、第4次総合振興計画(今後10年間の基本構想)にはそのことを見越した行財政の対応策は示されていない。
・ 今年の統一地方選は破綻回避のラストチャンスである。そのために、地域の経営ができる、個別の利益ではなくパブリックの利益を考える、市民参加を促進する等の要件を備えたリーダーを選ぶ必要がある。そして、市民が参加するには地域の活動にかかわる、事業仕分けをやる、仲間を作り住民参加で税収が増える政策を考える、選挙中に気になる候補者を探す、話を聞く、マニフェストを読む等に取り組む。

★ 市議選のローカルマニフェスト:白川議員
【市長と議会の対立構造の背景に議会の機能不全、市民の不信感がある】
・ 名古屋市や阿久根市で市長と議会が対立しているが、市長と議会で何を議論しているのか、対立点や一致点がどこにあるのかはなかなかわからない。殆どの議会は市長の提案に対して議員が賛成して終わりで、越谷市議会も例外ではなく、予算の修正は一度も行った事がない。予算の提案は市長が行うが、決定するのは議会である。議会で個々の議員が質問するだけでなく、議会として予算額の修正等が提案されなければ、議会として機能していないという事になる。
【越谷市議会として市民の意見を集約する機能が果たされていない】
・ 第4次総合振興計画について、12月議会では2日間の議論を用意していたにもかかわらず、1日で終わってしまった。これは個々の議員の質問に執行部が答えるやり方で、質問項目が無くなったことに原因がある。参考人からの意見聴取など議会としての組織的な取り組みを行う必要があった。市長(執行部)は全13地区における「まちづくり協議会」の人たちの意見を吸い上げて原案を作成しており、議会としても独自に市民の意見を吸い上げる必要があったが、そのような取り組みが行われなかった。これでは議会としての活動が市民に見えて来ない。
【政策の決定過程への市民参加のために変えるべきこととは】
・ 今自治体に求められているのは、自分たちの町が本当はどうなっており、どうなろうとしているのかを知ることである。市民参加が必要だと誰もが言う。第4次総合振興計画への市長の参加呼びかけに767人の市民が関わったが、越谷市民の0.24%に過ぎない。議会が市民参加を取り組まない理由として①日常的に議員が支援者や地域に行って市民の声を聞いており、それを反映して議会で討議されているから当然32万の市民の声が反映している、②市長が意見を吸い上げてくれるので何も議会側がしなくても良い、を挙げているが、これでは議会としての機能を果たしているとは言えない。この構造を変える必要がある。
【自立した自治体を作るための統一地方選の課題:地域分権】
・ 市民参加とは、自分たちの税金の使い方は自分達で決めるということ。現在年間約300万円前後の交付金が13地区に地域交付金として成人式等のイベント費用に使われている。これに設備費を含めて例えば約1,000万円を交付金として地区に渡し、市民で使い方を討議し、決めてもらう。どこに優先的に使われるのか、仮に必要であっても優先順位が低いものはどうするのかを協議し決めてもらう。そうすれば、議会と同じことをやっていることが体験でき、討議の公開や決定した以上は責任を持つことに進んで行く。こういうことを実践している自治体は全国では沢山ある。このシステムを作って行かなければならない。これを議会で条例を作ってもいいし、市長がそれを受けてやってもらってもいい。4月の統一地方選でこの事について会派や党派は違うが統一政策でやろうと考えている。このような政策に対する賛否を基準にして議員を選んで頂きたい。

★ なぜ市議から県議を目指すのか:山本正乃議員
【3期12年間の市議活動の総括】
・ 前回選挙戦では、①未来へつなげる安全・安心のまちづくり、②市民参加で協働のまちづくり、③教育、福祉、環境を重視したまちづくり、④子育て支援と男女共同参画のまちづくり、⑤ユニバーサルデザイン(UD)のまちづくりの5点を目標に掲げた。市長選の際に板川市長が掲げた政策を共に作ってきた経緯もあって板川市政と共に歩んできた中で、①から④までは具体的な実績を挙げ、目標を達成したと自己評価している。⑤のユバーサルデザインは、バリアフリーマップの作成や大袋駅舎の改修という個別案件のハード面だけの進捗となり、条例化等のソフト面の進行には至らなかった。
【なぜ市議から県議を目指すのか】
・ 地域医療を考える市民の活動を県につなぐ役割を担う:2008年市立病院8-1病棟の休止をきっかけに発足した「地域医療を考える市民の会」の立ち上げに関わって活動していく中で、越谷市から保健所がなくなり春日部保健所の管轄になり(2010年4月から)、救急車の搬送範囲が6市1町と広域になったことで、越谷市の地域医療の問題は市だけでは解決できない問題となっている。市と県が連携が不可欠であり、越谷市の地域医療の現状を把握した県議が問題解決に取り組む必要がある。
・ 県が今までよりも身近になる時代の県議会の役割を担う:政権が交代したが、民主党政権の迷走が続く中で、事業仕分けや社会保障費改革のプラスの部分と、労働最低賃金や年金の復活など少しづつだが確実に変わってきている成果を訴えてきた。その中で最たるものが「地域主権」= 今まで国がやってきたことを一番生活に密着した市町村がやるという考え方だ(例えば今までのひも付き補助金を一括交付金に変える等-平成23年4月通常国会で通れば実施-但し全て市町村に肩代わりという事は難しいので先ずは都道府県から)。従って、今後都道府県からお金の使い方を考えるという事が起こってくる。国で決めていた広域基準や国民健康保険や後期高齢者制度も今後の議論として都道府県単位で考えるという方向になって来ている等、市町村だけで担いきれない部分が益々増えてくると考える。
・ 埼玉県議会の女性議員の割合を高める:埼玉県議会は定員94人で女性5人 (割合:5.3%、全国指標順位:36位)。自分も二人の育児をしながら社会労働に参加していているので、是非女性議員を増やすことに寄与したいと考えている。

★ なぜ市議から県議を目指すのか:細川 威議員
【どういう人間なのか―経歴を踏まえて―】
・ 浦和市生まれ、弥栄小、北陽中、独協埼玉高、東海大工学部卒、北陸先端科学技術大学院修士課程卒、細川律夫の事務所に入所、地元秘書として4年、その後2007年4月越谷市議会選挙立候補、初当選。
・ 大学、大学院と経営工学・「ナレッジマネージメント」(人間が持っている知識をいかに創造していくか)を研究してきた。修士論文は「議員事務所のナレッジマネージメント」(いかに有権者の知識を吸い上げて代議士が政策を作るのか)。父が政治家だったこともあり、子供の頃から政治を身近に感じていた。思春期の頃は街に父親のポスターが張ってある事がイヤだったが、年を重ね社会人になるにつれて「政治家・細川律夫」かっこいいなと思うようになり、秘書を経験して政治家になろうと決心した。
【4年間市議として何をやってきたか―特徴的な議会質問から―】
・ インターネットといじめの関係に取り組んだ。インターネットはコミュニケーションツールとしては適しているが、「学校裏サイト」のように大人が気付かないところでいじめにインターネットが使われている。その辺の事に教育関係者の大人はあまりに希薄で危機感が無いので質問し喚起した。
・ 越谷市をいかにPRするかということでフィルムコミッション(以下FCと略す)を提案した。FCとは映画やCMの撮影に越谷市を使ってもらうという事。越谷市は草加・川越・春日部等のように著名な特産物でこれと言ったものがないが、越谷市を離れていく人でも郷土愛を持ってもらうようにと考えてFCを提案した。
・ 健康保険制度の可視化。現在の保険制度は財政的には危機的状況にある。原因は先程のプレゼンテーションでも言われているが生産年齢人口の減少により、保険料を支払ってもらう金額よりも医療にかかる金額の方が多くなってきている。現状の越谷市は人口も多く何とかなっているが今後どうなるかわからない。更に先程財政の仕組みがわかりにくいとプレゼーションにあったが、保健制度の金額という問題は大変複雑でわかりにくいので、越谷市の保険料はなぜこんなに高いのかを質問した。
【なぜ市議から県議を目指すのか】
・ 地域主権の推進:「地域の事は地域に住む住民が責任を持つ」ということ。そのために経営工学で言うところのミドルマネジャー、国と市町村の間をつなぐ役割としての県議が重要と考える。
・ 社会福祉環境の充実:越谷市の民生費は全体の35%(約284億円)を占めており、今後減る事はなく県と市が連携して福祉環境を整えていく事が需要だと考える。
・ 無駄使いの徹底チェック:現在県から市への支出金や補助金は45億5,000万円。効率的な支出や補助金や支出金のあり方を検証する事が必要と考える。
・ 子育て支援の拡充:私自身も1歳の子供を持つ子育て世代。なぜ子供が増えないのかを地域の実情に応じた子育て支援として取り組んでいきたいと考える。
・ 海外市場への展開:現在埼玉県では中小企業の海外市場への展開として7,500万円の予算がついている。グローバル社会の中で地方自治体が海外企業の誘致や海外市場への展開の手助けを行い、中小企業の支援に取り組んで行く事が重要と考える。

★ 質疑・応答
Q:予算の執行に関して、事業仕分け(国)と外部評価(越谷市)の評価を聞かせてもらいたい。又県議選で民主党としては何らかの統一したマニフェストは出すのか。出すとすればそこに事業仕分けは入るのか。
A:民主党として何らかの統一したものは示す予定。新政クラブがやった事業仕分けに参加したが市民参加の下でやられたので非常に良かった。県議選のマニフェストにも入れるべきと思う。
A:新政クラブの事業仕分けには参加しなかったが、外部評価自身は継続していくべきと思う。事業仕分けは先ず予算の見える化をし、その後段階的に事業仕分けをしていくべきではないか。
A:事業仕分けは地方が先で、すでに100以上の市や県が実行しており、この事業は国・県・市・民間がやるべき、又は必要なしと仕分けされている。既に右肩上がりの時代ではないので何かを諦める・我慢するということをしないと財政は持たなくなっていること、今受けているサービスを止めて自分たちにとって何が必要かを市民ともに討議していく積み重ねが必要でありそれこそ市議会議員の仕事ではないか。
Q:市民への議会報告に関してどのように行っているのか。
A:市政報告会を行っている。自分の支持者ではない人の前でしゃべるのは大変緊張したが、超党派で議会報告をしていることによって議員間の連帯感が生まれてきた。県議会でも議会報告が出来るよう提案するつもり。
A:市政報告は行っていないが、イベントや国会見学などの中で支持者の人に議会報告をしている。
A:議員にとって市政報告会では自分が決定した案件を、自分を支持する人以外の市民にも説明しなければならない。そこに会派や党派の中だけの連帯感とは違う連帯感が生まれる。市民にとって市政報告会は自分が選んだ人以外の意見を聞ける場でもある。
Q:地域に予算を下ろす件について大賛成だが、役人の壁が厚くて一旦手にした予算は中々離さないのではないか?それを打ち破る方法は何かあるか?
A:各々の地区まちづくり協議会で議論して要望書を出す事が重要。その上で、議会側でそれに賛同する議員が出て条例として議会に提案する事になる。議会で制度として決定できるが、課題は運営する市民の側にあると考えている。多様な意見を持った市民が討議して、案件の優先順位を決めて、何かを諦める合意をしていく過程をマネージメントすることが課題である。

★ まとめ
今日のようなタウンミーティングは初めてである。議会では最も激しく対立している会派の方に来ていただいて意見を述べてもらい、又参加した市民の方が話を聞いたり討議したりする、これが今までの議員の集会とは全く違っている。右肩上がりの時、市民は議員や首長にお願いしていればよかったし、議員は自分の支持者の所だけで説明をしていればよかった。今は私たち自身が少ない税金を有効に使うための判断をしなくてはいけなくなってきた。そうしないと子供や孫の世代の人に責任が取れなくなってきた。団塊以上の人がこのまま墓に行くのではなく、何かを子供たちに残していく事、これを越谷市の街づくりの基本形にしたい。個別の政策や立場は違っても、地域のことは自分達で決めて責任を持つ自立した自治体を作ることに関しては同じ認識を持つ人を選んでもらいたい。

                                      以上