これでいいのか!? 東電の賠償スキーム・与党案

河野太郎の国会日記より転載

 

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       衆議院議員 河野太郎の国会日記
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政府与党は、国民負担を増やして東電を救済しようとしている。

このブログを読んだら、ぜひ、お近くの与党議員の事務所を訪問
して、あるいは与党議員の事務所に電話をして、なぜ、あなたは
国民の負担を増やして東京電力を救済するのかと尋ねてほしい。

政府与党の案にはいくつかの問題があるが、それを検討する前に
今、政府がやっている目くらましにだまされてはいけない。役員
の給与、賞与をゼロにしろなどというのは金額にしてもたかがし
れている。もっとリストラを、なんていうのは政府の目くらまし
だ。そんなことでだまされてはいけない。メディアもそれはちょ
っとちがうんじゃないかとはっきり言わなければならない。

政府がやるべきは、そんなことではない。

まず、東電が、どのぐらいの支払い能力があるのか、どれだけキ
ャッシュが入ってくるのか、どれだけの債務を抱えているのか、
政府は調べていない。JALのときはタスクフォースと呼ばれた
専門家のチームがきちんとデューデリジェンスを実施したが、今
回は、それがない。東電と金融機関がつくった数字をもとに議論
されている。

次の問題は、東電の資産が保全されていないことだ。被災者への
賠償金も東電が銀行から借りたお金も同じような債務だ。もし、
今、東電が銀行からの借金をせっせと返していたら、被災者への
賠償金の支払い能力は減っていく。銀行は無傷でお金を返しても
らったのに、賠償金は支払えないから国民が負担しますというこ
とになっていいはずがない。だからまず、東電が勝手に債務を選
択的に返済しないように、政府は東電の資産を保全させなければ
ならない。

そうなると、東電の取引先は、東電に対して現金での支払いを要
求するようになる。そうなると、東電は一時的にキャッシュが不
足しかねない。だから政府が東電の支払いを保証してやる必要が
ある。

そうすれば、東電の資金繰りは回っていくので、当面、問題はな
い。JALと違って、東電は地域独占だからお客は逃げていかれ
ない。毎月数千億円の収入がある。

ゆっくりと電力業界の改革を考えながら、賠償金を確定させれば
よい。

にもかかわらず、政府与党は東電に、東電が破綻したら大停電が
起こるとか、東電を破綻させたら社債市場が崩壊し金融危機にな
る等と脅かされ、きちんとした責任追及もせずに、国民負担で東
電を救済しようとしている。

JALの時も、JALを破綻させたら大変だなどと同じようなこ
とが言われたがJALは飛び続けた。今回も、電力の供給という
業務と東電という企業体の存続はイコールで結ばれているわけで
はない。

東電の資産を保全し、キャッシュフローを保証したら、再生機構
なりが管財人として乗り込んで、まずコストカットをやる。広告
宣伝費に何百億円を使っているぐらいだから、いくらでもコスト
カットはできるだろう。相当利益を増やせるはずだ。

そうしているうちに、賠償金額が確定するだろう。もちろん東電
の資産では払いきれない。債務を支払えないということは、その
企業は破綻するということになる。

まず、経営陣は総退陣。次に株主の責任が問われて、株式は10
0%減資。このときに株主がかわいそうだとかいろいろ言うかも
しれないが、感情論ではない。株主の責任が問われずに、年金で
慎ましく暮らしている方々の電気代をその分上げるなどというの
は、資本主義を逸脱している。株式を買った人は、リスクもあわ
せて買っているのだ。

ここで株式を100%減資すれば、数兆円が浮いてくる。これを
しなければ、その分、国民負担が増えるのだ。

次に金融機関の責任を問う。ここで気をつけなければならないの
が社債の扱いだ。連休前から、東電を破綻させると社債市場が崩
壊して金融危機になるという話がまことしやかに永田町、霞ヶ関
を駆け巡ったが、そうはならない。

電力会社の社債は、電気事業法37条で、優先弁済される。つま
り、公租公課(税金等)、労働債権(給与等)の次に社債が償還
される。資産が残っている以上、電力債はカットされずに弁済さ
れる。だから社債市場が崩壊したりということにはならない。

そして残った資産で、銀行からの融資等の一般債務の返済や被災
者への賠償金の支払いが行われる。資産が足りなければ、これら
の債権は同じ割合でカットされる。

賠償金の残りは国が支払う、つまり国民負担になる。だから、株
主の責任を100%減資することによって追及し、金融機関の責
任を債務カットで追及することによって数兆円単位で国民負担が
減る。政府与党案のように株主責任も金融機関の責任も追及しな
ければ、その分、国民が余計に負担することになる。

金融機関は事故後に2兆円近い融資を東電に対して行っている。
コミットメントラインではなく現金で融資している。この融資を
金融機関の経営陣は、どう説明するのだろうか。こうした行為に
対する責任は免れない。

金融機関が、こんなことでは貸し出し余力がなくなって復興支援
ができないというならば、金融安定化スキームで公的資金を入れ
ればよい。

それから東電を国有化し、東電ホールディングスの下で発電会社
と送電会社に分け、発送電分離をしても問題はないことを世の中
にみせてから、出口で株式売却する時に発電、送電を分離すれば
よい。株式売却益は、国民負担の返済に充てる。

政府与党案では、東電は、多額の賠償金を超長期にわたって返済
し続けなければならなくなり、企業体も維持され、電力業界の改
革もできなくなる。国民負担は増え、責任をとるべき存在は許さ
れ、電力の改革も止まる。最悪だ。

だから、与党議員に、なぜ、あなたはこんな最悪の東電救済案を
支持するのかと尋ねてほしい。

東電、財務省、金融機関、経産省は、毎日、足を棒にして、議員
を脅かし、説得して回っている。

だれが正義をもたらすのか。

あなたがやらずに誰がやる!

(以上)

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石津美知子
「がんばろう、日本!」国民協議会

http://www.ganbarou-nippon.ne.jp

TEL 03-5215-1330 FAX 03-5215-1333