第93回タウンミーティング報告 (7月2日)                       ‘11.7.12「チーム白川」事務局

 今回のタウンミーティングは、震災後3ヶ月、統一地方選挙後2ヶ月ということもあり、6月議会に市民請願を出したグループの人をはじめ、地域や自冶会で活動を担っている人、サラリーマンや学生など、年齢も職業も多方面にわたって多くの方が参加し、議員の報告を受けるだけでなく参加者間での活発な発言・意見交換が行われました。

★ 「市議選を経て会派・議員の活動はどのように変わったのか」―市民との連携の変化とこれからの市民参加の課題を考える―

ゲストスピーカー:辻 浩司議員(民主党・市民ネット・無所属の会)

 プロフィール:越谷市民ネットワークという地域政党所属、会派「民主党・ネット・無所属の会」幹事長、2期目 36歳 子育て世代(子供一人)、社会の状況に一番敏感な世代

1.改選前後の議会構成の変化

・今回当選者は30代:5人、40代:9人と、子育て世代が約半分。初当選:11人、2期目:6人、8年以内が約半分、3期目まで入れると8割位と議会構成が若返った。

2.会派構成の変化

・新政(10→7)、民主・ネット(7→8)、公明(5→6)、自民(4→6)、共産(4→2)、無所属(1→3)。各会派が横並び状態で、個別政策での連携が必要となってきている。

3.政党の求心力低下と会派間の流動化

・前回選挙は、政権交代の国民的な高まりの中で行われた選挙で、若手が多く当選した。民主党は“若手・民主・イケメン”の3点セットがそろうと当選。変化を求める雰囲気はすごくあった。

・今回選挙は、政権交代後のあきらめ感・失望感がすごくあって『政権交代で民主党に投票したが結局うまくいかない、だからといって自民党に戻るというのもどうかという選択肢がないというところに震災が来て選挙どころではない』という状況の中での選挙。各候補者が何を訴えていいかわからない、そもそも選挙運動やっていいのかという状況であった。

・どの政党も国政のマニフェストは持っているが地域マニフェストはなく、地域課題に対応しきれてない。(地域課題には個々の議員が個別判断をしている)

・会派間の流動化の中で、政経セミナーグループの議会改革提案が会派を超えた取り組みとしての土俵を作りつつある。例えば議長選挙。密室談合ではなくオープンな場で、議長になりたい人は議長選挙のマニフェストを出して下さい、それを見て決めましょうに変わった。また、桜井地区や大袋地区での市政報告会のように市議会主催で報告会をすべきだという提案が、改選後に取り上げられるようになってきた。

・流動化の良い面

議長選挙で伊藤議員が議長マニフェストを書面で提出し配布した。これは越谷市議会史上初めてのことである。

・流動化による既存の組織の力量低下が感じられる面

「子供を被爆から守ってほしい」という放射性物質の安全対策を市に求める請願で、その対応をめぐって議会の混乱・右往左往があった。総論で反対する議員はいないが、実際進めていく時に、汚染された土壌の検査は費用がかかる、給食の食材について検査をすれば風評被害につながるのではないか、給食を食べないで弁当持参や牛乳を飲まないことを認めれば、給食というシステムが成り立たなくなるのではないか等、具体的に実行する上で色々な課題がある。原発が爆発して日本の半分が汚染されることは日本のどんな法律もこのようなことを想定していないが、それに対して何とかしなければ健康被害が出てくるという中で各議員や会派の価値観が問われた請願だったと思う。

・市民請願の結果は、常任委員会では「趣旨採択」(請願の趣旨は良いが、それを実行するまでには至らないというもの―請願者の気持ちは汲むけれど、議会としては責任を持って市長にそれを要望はしないという玉虫色の決着)になった。また、請願の紹介者に名を連ねた会派の議員が「趣旨採択」に賛成してしまうということがあった。通常は請願の紹介者に名を連ねるという事は請願の内容を全面的に支持し、実行の責任を保証するという意思表示である。このような経過があったにも拘らず、本議会では圧倒的多数で「採択」という結果になった。「子供の健康を守る」という請願に対して、上記のように市議会が迷走したことから、想定されていなかった課題に対して議会や会派のマネジメント機能が低下していると感じた。

4.市民に意識の変化と議会

・脱原発意見書が本会議で可決された(常任委員会では否決)。何故そういうことが起こってきたのか。放射性物質の請願もそうだったが、委員会や本会議での傍聴に請願を出したお母さん方が参加し、その結果がツイッターで一瞬のうちに知れ渡る、あるいは議員が議決した理由を市民に聞かれる等、市民の温度変化を議員が敏感に察知したのではないか。特にツイッターで仲間にどんどん内容を広げていく(中東の革命はツイッターで起こったといわれるように)その威力を敏感に感じ取って反応した子育て世代の議員の態度というものが議会全体を動かしたのかなと思う。

・請願してくる市民に対する目線の変化と「提案する市民の台頭」がある。従来は請願を出す人は政治色がついた市民と見られていたが、今は特定の団体に所属していないけれど、提案してくる市民が出てくることで明らかに目線が変わってきた。

・7月1日からの15%の節電に関して、これを前向きな契機として対応しているような気がする。今までのエネルギーの使い方はおかしかったよね。これを契機に電力の使い方とかライフスタイルを変え、自然エネルギーに変えていこうよというような、明るい前向きなテーマで夢を持って電力問題を考えていくという風に変わってきているのではないか。3.11以降、消費しお願いする市民像ではなく、大変な事態の中でも自分たちの出来ることを実行し、未来に向かって提案していこうという市民が顕在化してきたのではないか。

5.市民と議会の連帯の今後として

 ・議会の中と外とで連携を進めていくことが必要となってきている。

請願を行った市民より

・震災後の放射能汚染に不安を持っている母親たちが集まって「5年後10年後子供たちが健やかに育つ会」を立ち上げ、6月議会で市民請願を行った。

・普通の母親が「国や市の対応を待っていられない」ということで自分たちでガイガーカウンターを買って計測したりし、自分の子どもだけのためではなく越谷市全体の子供たちのことを考えて請願を行った。

・今まで世の中のことをあまり考えてこなかったが、今回のことで一気に目と頭が開き、急にいろんなものが見えるようになり、今までの自分の生き方を改めるきっかけになった。

・越谷市と同じ会が埼玉ではさいたま市、春日部市、所沢市にもあり、宮城県では県議会に対して提案書を提出し採択された。全国的な流れにつながりつつある。

★ 6月議会報告―3.11以降の防災対策の問題点と福島原発事故の放射能測定の現状―

白川秀嗣議員

● 市長提出議案(特徴的なもの)

・(仮称)パスポートセンター整備:越谷駅東口再開発ビル内に平成24年度にパスポートセンターを移設のための用床購入・設備工事-―原案可決

・市民活動支援センター整備・中央図書室整備:上記東口開発ビル内に市民活動支援センター設置に伴う施設用床購入と施設工事(中央図書室は支援センター内に設置)-― 原案可決

・大袋駅自由通路整備工事委託に関する協定・締結-― 原案可決

・学校耐震化補強工事請負契約の締結(南中・宮本小・蒲生小)―― 原案可決

● 請願案件に対する常任委員会採決と本会議採決のねじれ

・ 脱原発意見書:委員会(不採択)、本会議(採択)

・ 放射能汚染安全対策:委員会(趣旨採択)、本会議(採択)

● 6月議会から見えてきたもの

・震災後、既成政党が液状化し、政府は統治能力を失っていることが顕在化した。海外の報道は「日本の国民は一流、官僚は三流、政治は四流以下」と報じている。また、震災後の復興において地域格差が出てきている。共同体がしっかりしているところでは被害も少なく立ち上がりも早い。一方で戦後60年間、政府や役所が何かしてくれるだろう、税金で何とかしてくれると思ってきたところは共同体やコミュニティに対する関わりが弱く、依存と分配の意識が依然として残っており、復興に違いが出ている。

・政府の復興対策が遅れていることは確かだが、先ほどの請願者の意見にあったように、「待っていられない、自分達のことは自分達でする」ということが始まっているところは多数ある。

・3.11以前と以降では市民の感覚は全く違ってきている。7月以降の15%節電で電力をジャブジャブ使って良いとはなっていない。生活スタイルの変更まで考えるようになってきたのは戦後初めてのこと。先ほどの請願者が「自分の生き方を変えるきっかけになりました」と発言した。まさに自分たちの生き方や価値観を変えたのが3.11で、それ以降全く違う世界が生まれてきている。依存と分配を残したままでいくのか、やっぱり自分たちのことは自分達でやろうというのか、その分岐が生活の隅々にまで走ったのが3.11だ。

・社会の新しい担い手が登場している。いわゆる子育て世代といわれる30代・40代の人たちが社会のシステムの決定権者にならないとこの国も変わらないと思っている。

・会議の仕方や決定方法も変わってくる。強いリーダーがいてお任せしているところでは、会議においてある着地点が設定されておりそこに向かって会議を進め、すっと終わり、参加者の決定結果に対する当事者意識は薄い。一方で当事者意識を持って参加し、方針を決定しているところではそれぞれ意見を出しながら、討議し決定しており、決定結果を当事者として受け取っている。つまり「参加」の仕方が3,11以降変化していることが見え出して来た。

・復興支援をするということは、越谷の皆さんが自分達の共同体に参加していくことだし、これが抜けて支援ということは有り得ない。新しい担い手を作るということは、自分の持ち場での当事者意識や小さき責任を共有できるという共同体を作るということである。

★ 質疑・応答

Q:統一地方選挙で、投票率が40%にも満たなかったが、投票や請願で市民がもっと参加するために何か具体的なことは考えているのか

A:選挙期間中に政策を配布できるようにすべきではないか。そのために公職選挙法の見直しや条例等を変えていくことを考える必要がある。

A:市民サイドからの請願をもっと活発にするために、請願の方法ややり方をもっと明確に丁寧に多くの場所で示すようにすべきではないか (請願コーナーをHP上に掲載する等)。あるいは、不在者投票の場所をもっと市民が利用している場所などに設置すべきだと考えている。

以上