第95回タウンミーティング報告
                            2011.9.7「チーム白川」事務局

 今回のタウンミーティング(8月27日開催)は、9月議会の課題を白川議員から、前回の放射能汚染対策に関する子育て世代の母親の請願をめぐる報告に引き続いて、ゲストスピーカーとして小学校の父兄から3.11大震災時における学童下校の際の安全確保に関する問題点と対応策が報告された。今回も司会は前回に引き続き岡田氏が担当した。司会者から地域コミュニティーを作る当事者として、学校や地域あるいは議員との関係を作っていくためにどういう役割を果たすべきかを考えて欲しいとの提起を受け、それに応えるべく論議がされたタウンミーティングだった。

★ 9月議会の課題: 白川議員
会期は9月1日~22日、 議案は40議案程度
● 人事議案:教育委員の任命、人権擁護委員の承認議案。 
● 一般議案  
・寄付控除(地方税法の一部改正):NPO法人等に2,000円以上の寄付をすると税額控除の対象になるというもの。5,000円以上→2,000円以上に変わり、より一層市民からNPOへの寄付を促進することになる。
・越谷駅東口再開発ビル:市民活動支援センタ-がその中に入る。駐車場約400台の設備。
・保健所建設(現在は統廃合されて越谷市はない):中核市を目指すことにより、審議会に諮問して検討する。
・障害者施設の建設
● 補正予算 68億円組まれている。そのうち一般会計45億円(国と県と市債の発行が9割近い)
● 平成22年度決算議案:平成22年度予算約1,500億円(一般会計、特別会計、病院事業会計)が適正に使われたかどうかを審査をするのが決算特別委員会(各会派代表者11名で構成)
・一般会計700億円の約半分(350億円)が市民税等であるが、それが減っている(平成21年度458億円→平成22年度452億円)。入ってくる金額も下がっているし歳入全体の中の割合も下がっている。理由は市民の給与所得が下がっているからだ。従って越谷市が自由に使える金が下がっているということになっている。過疎地の自治体が自由に使えるお金を増やそうとして原発を誘致したりして借金漬けになってきたとこと同じことが日本の多くの自治体で起きており、国は勿論地方自治体も財政危機状態にある。
・病院事業会計は100億円位あり5年間ずっと赤字だったが、H22年度は2億円近くの黒字になった。理由は入院患者や外来患者の数は下がっているが、在院日数を縮めて回転率を上げたこと、診療報酬体系が民主党政権になってから公立病院に厚くなったことが原因であり、病院経営が全てうまくいっているということではない。
● 決算結果を予算に反映させる課題への取り組み 
・平成23年度の予算は4月から始まっている。9月議会で決算特別委員会がどういう結論を出しても予算は出発しており、予算に反映しない決算という構造を変える必要があるのではないか。(自治法の改正も必要)
・現状では特別委員会の11人と執行部とのやり取りは、個々の委員の質問に執行部が個々に答える(執行部は貴重な意見を聞かせてもらいました。と答弁するが)ということになっている。9月議会でチャンレンジしようとしているのは、過半数以上の議員が一致して賛同して「決算委での議論を予算の執行に反映して下さい」、「この事業についてはこの点に注意して執行して下さい」ということが決算特別委員会で反映されるよう取り組みたい。

★ 質疑応答
Q:H22年度税収が6億円近く下がったと報告があったが、H23年度予算は過去最高の1,700億円近くなっている。何故そういうことが可能なのか。
A:増要因は、①子供手当てが68億円増えたこと、②第4次総合振興計画10年の最初の年なので40以上の新規事業を立ち上げたことによる。市民税に関して、リーマンショック以降特に景気の動向によって大きく左右されており、景気が上昇していないので所得が下がり市民税が減っている。従って「国の動向を注意しながらやってきた」と言われてきたが、景気の影響はどこにどういう風にでているのか分析する必要がある。戦後初めて年金総額が若年労働者の年収よりも高いということが起きている(越谷市:給与所得平均値475万円→470万と5万円下がっているが、年金平均値234万円→236万円と2万円上がっている)。理由は団塊世代が定年退職しているが給与が高かったので高額の年金を受け、上記の事態が起きている。結論的に言えば、景気は国にお任せではなく、若い人が越谷市に住み続けたいという政策を市が提起できなければ、若い人はこれから先越谷に住まなくなるということになりかねない。また、38%近くが民生費で出ており、高齢化社会でこの比率はさらに増えていくが、収入は益々下がっていくため、政策の重点の置き方を子育て(子供)重視にすべきである。
* 給与所得の全国平均をみると一番高いのは金融業と保険業(573万円)、次いで電気・ガス・情報通信業(566万円)、一方で第3次産業・飲食・サービス業(153万円)となっている。このような現状に焦点を当てずに、満遍なく市民が満足する政策を続けていることを変えていかなければ若い人は本当に越谷に住まなくなってしまう。

 ★ 災害発生時における学童の安全確保に向けて ―3.11小中学校現場の“混乱”から何を学ぶか―  ゲストスピーカー:川石テツヤ氏(漫画家・桜井南小学校保護者)
● 前置き 司会より、自分が保護者だったら安心・安全の街を作っていくためにどう考えるか、市民・議会はどう対応し、保護者・地域・学校の役割は何かを考えて欲しいと提起があった。川石氏より 自分目線の話になるが3.11以降実際やってきた行動を話すのでそのことを含んで聞いてもらいたいという前置きがあった。
● 事の起こり 昨年の12月3日、子供の登校時間に暴風雨があった。30分位で収まったが急に起こった天候異常だったので、通常の(電話による)緊急連絡網が機能しない中、子供達は登校した。後から全国のPTA広報仲間から当日杉並区(氾濫する川がある)では「30分登校を待機せよ」という携帯緊急メールが発信されたことを知った。これを越谷市で当てはめるとどうか。氾濫する川はないが荒天時の危険はそれだけではない。現状では真に緊急の連絡網がないので、学校長に「携帯メールによる一斉配信サービス考慮すべきではないか」と相談をさし上げた。学校側にとっても保護者からの問い合わせを一括で管理、対応できるというメリットがあると説明するも「研究中ではあるが難しい」という回答だった。
● 3.11震災時における下校の状況 そういうやり取りをしている時に3.11 が起きた。電話、携帯、メール等すべて不通、または遅延が発生。学校にいる子供たちがどういう状況にあるかは保護者には全くわからなかった。学校のHPはあるものの、職員が職員室にて操作しなければ機能しないものであった。子供たちは幸い天候が荒れていなかったので全員校庭待機。帰宅手段が一斉下校か、引取りになるのかは一切の情報発信のない中、各保護者の自己判断とされた。その後、震災時の子供の帰宅方法に関して、当日実際に発生したすれ違いへの対応は?、火災等の2次災害が起こったらどうするのか?、それらのことが当然問題となった。
● 学校・保護者間の緊急連絡方法の検討 「子供たちの状況や、待機か一斉下校なのか学校でしか判断を下せない。何らかの形で情報を発信してほしい」というやり取りの中で唯一情報発信が機能したインターネット網、中でもツイッター活用の話がでた。当時市内でも大袋中学校では逐一ツイッターで情報発信していた。校長が学校広報の一環として学校ツイッターを運用しており、当日はリアルタイムで学校の判断と子供たちの安否や下校に関する情報を提供し、保護者の判断と安心への材料となっていたことが確認された。 
*4月4日の時点で経産省と総務省より「公的機関はツイッター等SNSを活用し緊急時情報発信に努められたい」旨のコメントが出されている。
・ 3.11後、市内数校が独自に、または大袋中に指導を受ける形で学校ツイッターを運営、又は準備に入っている。
・ 7月11日。教委より校長会へ「緊急時連絡でのSNS活用」通知が出ている(強制力無し)
・ 8月30日に教委主催:校長会有志向けの「ICT活用による緊急時連絡」勉強会が開かれた。
● ツイッター導入提案に対する学校・PTAの反応 学校の判断は、個人情報が漏れては困る、ネットの環境がない人にどう知らせるのか等の様々な理由で却下。そこで学校で運用が難しいのであればPTAなりの外部運用で行いましょうと、災害時学校ツイッター運用イメージ図の資料を作成(但し、1次情報は学校が出してもらう方法)し、PTA会長の所に持っていったが、残念ながら危機感の共有まで持って行けず、これまた却下の憂き目に。
● 白川議員への陳情 情報発信のマルチ化を提案している。当然従来の連絡網(電話や口コミも含めて)も使うし、ツイッター等の新たな情報手段も考えて置く必要がある。理由は3.11以降の最大余震がまだ発生してないこともあって、いつ起こるかもしれない大災害に早急に備える必要があるのではないか?との危機感からである。学校もPTAも「震災は当校のみの問題では無い」と北ブロックにて広域統一防災プランを模索中と聞くが、先の理由から正式な対策の発動を待つ時間的余裕が無い可能性がある。(むしろ『高い』と考えている)。よってその正式な対策が出来る『つなぎ役』として、すぐにでも始められ導入コストも掛からず、一般的な各ネットサービスに比べセキュリティ問題の心配も比較的薄い、運用も簡易な学校ツイッターを提案したいと考えている。学校、PTA双方より提案を却下された自分達には、もやは市議さんへ相談する道しか残されておらず、白川さんがツイッターやっていることもあり、また、「一心太助」等の会報を読み、その活躍を存じ上げていたこともあり、メールにて状況を訴えた後、事務所を訪ねてお話をさせていただいた。

★ 論議とまとめ
・ 川石氏より参加の皆さんへ 「従来の電話連絡網、学校HPに加えてツイッター等の双方向のソーシャルネットワークを使っていくことに抵抗がありますか」という設問やこうした活動への支持要請の提案には参加者からは異存はなかった。
・ 地域との関係ということで、5月に東北のボランティアに参加した同じ桜井南小の父兄から、防災ということに関して実際ボランティアを行った経験から、避難場所である小学校自身が消防等と繋がっているのかどうか、そうした集中した管理体制が問われてくるのではないかという意見が出された。
・ 白川議員より問題の整理として
3.11当日には、まず教育委員会と校長との連絡が不通になり、校長が自分自身の裁量で子供たちの下校の時期や方法を判断せざるを得なくなったことが現実としてあった。その反省から災害時に機能したツイッターが大多数への情報発信手段のひとつとして使われる時代に入ったということ。
教育委員会―校長という縦の関係だけに任せて行動するのではなく、現場の校長の裁量に委ねられる問題を、現場で校長と地域の保護者問との信頼関係を作っていき、問題解決していく地域共同体を作ることが今後ますます重要な課題になる。
市民は市長と議会の二つに要請する道を持っている。その時、どういうまちを作りたいかが無かったらどちらの道もお任せになる。右肩上がりの時はそれでも機能したが、右肩下がりになり過大な負債を抱えて難問に直面している私達が、子どもたちの時代に責任を持つ上で、まちづくりをどうするのかがまず必要である。
というコメントが出された。
・ 今日のタウンミーティングの討議でも明らかになったように、まず自分の周り(現場や地域)で問題の解決のために動き、そのための合意形成に四苦八苦しながら、それを更に進めていくために市・県や国はどうすべきなのかというように問題設定や行動原理を変えていく必要がある。危機管理、安心・安全ということを公約に掲げている議員は少なくないが、3,11以降は市民の側から議員に対して上記の観点から議員の言っている安心・安全・防災・危機管理を点検検証し、一緒に考えていくところに我々市民が前進していかなければならないのではないかという意見でタウンミーティングは締められた。
                                  

【川石氏からの追記事項】 
1.地域と学校との連絡体制の形に関する質問に関して。
• 実際に大袋地区が3校合同ブログ&ツイッターを立ち上げている。既に横の連絡体制ができている中で、そこに地域の公的機関(消防署等)がコミットすれば、地域単位での情報共有体制が出来上がる。広域な物をいきなり求めるより、こう言ったブロック単位での拡充の方が早道ではないか。
2. 9月7日に文科省より学校現場に於ける危機管理、児童の防災教育の拡充の委員会談話が出た。学校保健安全法に定められた「緊急時の学校長権限」の徹底と、それが難しいのであれば危機管理担当の人間を内なり外なりから育てる、または招く必要性もある。
・ 事は桜井南小だけでは無く、市内全校の標準として、学校と地域が一体となった防災マニュアル更新を行い、次なる災害に備えるようになりたい。(行く行くはの目標)      
・ 上の事は地域もその責務を学校と分かち合う、任せっぱなしにはしない。そして自分達の手の届く範囲は自分達で責任を持って執り行わなければならない。一方的な依存は(市議や市執行部に対しても)あってはならない。 

                                      以上