「がんばろう、日本!」国民協議会

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大転換期の混沌、先が見えない時代

でも、主体的意思で動けばきっと変わるはず~凌ぎの時代の智恵を

□ご案内

◆2月の東京・戸田代表を囲む会

◆3月 講演会は「TPPと消費税」

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大転換期の混沌、先が見えない時代

でも、主体的意思で動けばきっと変わるはず~凌ぎの時代の智恵を

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【「凌ぎの時代の智恵」「自治分権の新しい常識」が見えてきた】

一月七日、東京・総評会館にて、「がんばろう、日本!」国民協議会第七回大会が開催され、大会記念シンポジウムならびに新年会に、全国からのべ約四百名が参加した。大会タイトルは「自治分権・オープンな協働を促進するための新しい多数派形成を」。五回大会(08年1月)の「パブリックの輿論の力で健全な政権選択選挙へと迫り出そう」、六回大会(10年1月)の「政権交代 主権者運動は次のステージへ~『一歩前進、それゆえの迷走』に向き合うなかから、『参加する政治』の主体を鍛えよう」という形で深めてきた主権者運動の指針を、組織論、運動論として深めていく方向性が示された。

記念シンポジウム第一部では、「中東のパワーバランスの変化」と「アジアのパワーバランスの変化」が相互連鎖で波及する、という国際環境の構造がリアルに提起されるとともに、TPPは「バラ色の魔法の杖でもなければ、地獄を招く悪魔のムチでもない」、「これを契機にいかに国内改革に取り組むか、とりわけ地域が東京頼みではなく、自立して世界と向き合うためのツールにすべき」というように、外交においても地域の自立・自治がキーワードになることが、これまで以上に実感的に受け取られる内容となった。

第二部では、三人の若手市長の相乗効果を軸に「市民参加」ではない「市民自治」、すなわちストレートに市民の責任と役割を問う「自治分権の新しい常識」が、さまざまな角度から実践的に示された。「市民参加」につきものの市民同士の意見・利害の対立は、どの地域でも「頭痛のタネ」だが、「行政が市民の利害調整をやっているかぎりダメ」「地域内でケンカできる仕組みができたことが、なによりの意義」といった、ストレートにフォロワーシップに訴えるコミュニケーションのとり方が印象的だった。

一部、二部ともに貫かれていたのは、時代の大きな転換、パラダイムチェンジにともなう激動や混沌のなかにあって、自分たちの基礎的生活は自治の力で回そうという底力、そしてそれを可能にする社会関係資本の厚みが、きわめて具体的に問われているということである。それは避難所を自力で運営できるか、自分たちの最低限の安全すら行政頼みなのか、という3.11の教訓でもある。

「凌ぎの時代の智恵」、「自治分権の新しい常識」が、きわめて実践的具体的に見えてきた。だからこそ生活から外交まで、あらゆる領域をここから再編成・再構築していこうではないか。地域と日本と世界の持続可能性は、そこから見えてくるはずだ。

【フラットな民主主義へ 熟議のフォロワーシップへ】

 選挙による政権交代を経て、われわれは「熟議の民主主義」という新しいステージへと歩を進めてきた。「民意をストレートに反映することが、いい民主主義だ」という理解では、民意の不安定性がそのまま政治を不安定化させてしまう。必要なのは、異なる利害、立場を討議を通じて合意形成を図っていくという「熟議」のプロセスである。それなしには、民意を反映するだけの民主主義は衆愚政治となり、あるいは独裁へ転じる危険をはらむ。

 熟議のプロセスに決定的に必要なものは、リーダー対フォロワーの1対nのやりとり(タテ型のコミュニケーション)ではなく、フォロワー同士の討論とそれを通じた合意形成(フラットなコミュニケーション)であり、そのためのフォロワーシップの発揮(リーダーシップの発揮ではなく、とあえて言おう)だ。その主体性、社会関係資本を集積するうえで、自治やコミュニテイービジネスの場は格好の舞台である。

民主主義は、グローバル化からも挑戦を受けている。We are 99%というスローガンがまたたくまに世界中に広まったのは、今や途上国対先進国という構図から、途上国のなかにも先進国のなかにも「1%対99%」の構図がある、と人々が感じるようになっているからだ。ここでの要求は、「平等」ではなく「公正」である。言い換えれば「労働、生産、金融そして富の再配分を、多数の人たちが参加してコントロールする。その仕組みを作っていくこと」(アントニオ・ネグリ 1/4朝日)だ。

従来型の統治ではそれができていない、と人々が感じているからこそ、We are 99%というスローガンが国境を越えて広まった、ともいえる。前出のネグリは、選挙によって国民が一つの政府を選び、その政権が一つの方向を打ち出し、みんながそれについていく、という従来型の政治はもはや十分に機能していない。従来型の民主主義、従来型の政府には、統治活動への人々の参加の度合いが足りないからだ、と述べている。

今や政治の機能不全は、先進国に共通した問題である。政権交代後のわが国の政治の機能不全も(既存政党のテイタラクと同時に)、民主主義の深化をめぐる大きな文脈のなかでの問題でもある。逆に言えば、フォロワーとしてこうした課題に向き合わなければ、永田町に対する不平不満に終始するしかない。

大会第二部では、市民が自分の興味のあることにだけ参加して、面倒な調整は行政にお任せ、という「市民参加」ではなく、市民が主体となって役割と責任を負う「市民自治」が、さまざまな角度から示された。「参加する政治」から「引き受ける政治」へ。統治―被統治というタテの民主主義ではなく、自治分権・オープンな協働を促進するフラットな民主主義を作り出すときだ。

その感覚は例えば、「国・政府だけでは、もはや日本という社会は支えられない。企業やNPOに関係なく、自分たちでできることはやろう」ということだ。この地下水脈は、3.11を契機に確実にひとつの流れとなっている。社会の問題を解決する役割は、政治や行政だけのものではない。社会の問題を自分たちで解決する、それを事業として成立させたほうが持続するという社会起業家が、若い世代から生まれている。(収益の一部を社会に還元するという「社会貢献」ではなく、事業そのもので社会の問題を解決する。そのことによって人々の連帯や共感を生み出すとともに、そこに投じられていた税金や補助金を、より積極的に社会関係資本への投資に向けられる、という好循環を生み出す。)

その視点からみれば、政治とは社会の環境を整える活動にほかならない。すなわち利害調整ではなく、利害調整・合意形成のための基盤整備をすることである。タテ型の時とは、政治に求めるものがまったく違ってくる。

「市民との対話」は多くの首長にとって、もはや当たり前のことになっている。しかし大会第二部では、こう提起された。市民に「何かありますか」とだけ聞けば、さまざまな要望しか出てこないのは当たり前だ。そうではなく「こういう問題があり、現状はこうなっていて、方向はA案、B案があります。われわれとしてはこういう理由でA案でいこうと思っていますが、どうですか」という戦略レベルのところまで情報公開してはじめて、意見が出てきて討議になると。

今求められている情報公開、民主主義とは、例えばこういうことではないのか。

消費税増税をめぐって、こういう議論が国民に呼びかけられているとは到底いえない。社会保障改革と消費税増税は、どの政党が政権をとっても避けられない課題であり、これ以上先送りし続けることはできないことは、国民にも分かってきた。野田総理の施政方針演説は、確かに不退転の決意を示すものではあった。しかしそれは、あくまでも永田町の住人に対する呼びかけだ。

国民に対して語るべきは、「日本が本当はどうなっており、どうなりうるのか」ということであるはずだ。政権交代で何より期待されたのも、そのことである。「あの時はああ言った、こう言った」という与野党の突っ込みあいは、もうウンザリだ。国民が主権者としてフォロワーシップを発揮し、「われわれが議論に参加するための条件整備は、これとこれだ」と迫り上げていこうではないか。このままでは、例え選挙になっても選択しようがないのだから。

【連帯や共感という社会関係資本の集積を】

 大会第二部で諸富・京都大学教授は「市民自治」の取り組みを、「グラミン銀行型の民主主義」と称した。

グラミン銀行とは、ノーベル平和賞を受賞したムハマド・ユヌスがバングラデシュで展開する、貧困者に融資する銀行だ。返済率は95%を越える。銀行は、顧客である住民同士がお互いに話し合って、アイディアを交換し、問題を解決していく道筋をつける手助け、条件整備をする。そのことが結果としてビジネスを成功に導いて、返済率の高さにつながっていく。人間の能力を引き出し高めること、お互いに協力し合って問題の解決を図る上での信頼関係や社会関係(社会関係資本)を作り出すということを、銀行がやっている。

こうした社会関係資本を作り、集積していくことと、熟議のフォロワーシップとはまさにパラレルの関係であり、その重要な領域が自治分権やコミュニティービジネス、地域再生といった領域にほかならない。

東日本大震災を契機に、首都圏から地方へ移住する流れが生まれ、その一部は復興支援のため被災地に向かっているという。都市部から移住してきた「よそ者」「若者」は、地域に眠る資源を発掘する「あるもの磨き」に、なくてはならない戦力となる。カネや物質的価値に還元できない、連帯や共感、利他といった非物質的な社会関係資本が社会を変えつつある。そういう大きな転換期のひとコマだ。

「東日本大震災で30~40代の意識が動き始めています。上の世代に押し付けられた社会の仕組みを子供たちに丸投げしたくない。よい方向に変えたい。~今が踏ん張りどころと感じています。~中略~利他の心が動きました。阪神大震災でもしぶとく残った(旧い)社会の仕組みが変わるかもしれない。きっと変わる。少なくとも私たちの世代は、そう信じ始めています」(稲葉圭信・大阪大准教授 朝日1/23)

連帯や共感という社会関係資本の集積を推し進めていくことは、主権者運動の重要な役割にほかならない。自治分権・オープンな協働を、あらゆる領域で促進しよう。

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2月、3月の「囲む会」&講演会

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□第109回 東京・戸田代表を囲む会【会員限定】

「新春対談 小林教授・戸田代表“凌ぎの時代”を大いに語る」

2月7日(火) 18時45分から21時

ゲストスピーカー 小林節・慶応大学教授

「がんばろう、日本!」国民協議会事務所(市ヶ谷)

参加費 同人1000円  会員2000円

*いつもと趣向を変えて、トーク形式で行います。シナリオなき放談? 乞うご期待!

□講演会(パネルディスカッション)

「TPPと消費税、連立方程式をどう解くか」(仮)

3月1日(木)18時30分より

アルカディア市ヶ谷 5階「大雪」

パネラー 山下一仁・キャノングローバル戦略研究所研究主幹

     玉木雄一郎・衆院議員(民主党・経済連携PT)ほか

(パネラーが変更になる場合もあります)

参加費 会員1000円 一般2000円

*久しぶりの講演会です。テーマは「TPPと消費税」。言い換えれば「財政再建と成長戦略を、車の両輪として回していくための連立方程式とは」ということです。

ふるってご参加を!

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石津美知子
「がんばろう、日本!」国民協議会

http://www.ganbarou-nippon.ne.jp

TEL 03-5215-1330 FAX 03-5215-1333