第103回タウンミーティング報告(4月21日)

■ 震災がれきの受け入れと飛灰の最終処理に見るごみの大規模処理の問題点:白川議員
1. 3.11東日本大震災から学んだことは何だったのか 
<「右肩上がりの時代」からの転換>
・人口が年々増加し、物の需要が伸び続けた時代、日本は工業化社会の中で飯を食っており、大量の工業製品を作るために便利な中央集権システムを使ってきた。
・政治の役割は「右肩上がり」の中で得た税金の分配を、不満が出ない方法で実行することであり、優秀な官僚がいれば、政治家が国のあり方を考える必要はなかった。
・「右肩上がり」の前提条件は、①人口が増え続ける(=税収が増え続ける)、②年金制度を支える人が圧倒的多数を占める(年金スタート時の高齢化率=5%)、③家族構成:サラリーマン・専業主婦・子供2人が標準家庭モデル、④雇用条件:終身雇用、年功序列、正規雇用、⑤国と地方の関係:地方は国の政策を実行する役割を担っておれば良く、地方が独自に政策を考える必要はなかった。
・社会がグローバル化のため、雇用条件の前提が崩れ、人口増が減少に転じ、高齢化が急激に進行した。①産業構造の変化、②市場の変化、③人口構成の変化への対応が求められたが、政策転換は先送りされてきた。3.11は先送りされた問題への取り組みが急務であることを示した。

2. ごみ処理の現状と自区内処理が出来ない理由 
・被災地の「がれき処理」を越谷(5市1町の東埼玉環境資源組合)で出来ないのかという問いに、高橋市長は、気持ちとしては受け入れたいが、飛灰の最終処分の問題を抱えている状況では困難であるとの答弁だった。また、「飛灰の自区内処理」が出来ないのかという問いには、自区内処理が原則であるが、①住民の合意が必要であること、②経済的に負担がかからないことが条件になるという答弁だった。
・日本において、核燃料廃棄物、ごみ、下水汚泥の最終処分に関しては地産地消になっていない。即ち、廃棄物が目の前から無くなった後のことに対して、市民が関心を持つようなシステムになっていないことが問題である。地産地消になっておれば、最終処分の過程が見えるようになり、自治体としての関わり方も変わってくる。そして、地産地消に政策を転換する時には、たとえ費用負担額が増えたとしても、そのまま実行すべきである。自治体が地方政府として機能するために乗り越えていくべきハードルである。

3. 「右肩上がりの時代」のやり方を転換するための課題 
<既得権を持った人との利害調整を市民同士が行わなければならない>
・原発立地の自治体では、原発を容認する意見が多数を占める。原発が無くなった時に雇用・生活を都会の人が面倒を見てくれるのかという議論を突き付けられたら、答えられない人が多いのでないのか。
・越谷市でも、600事業の見直しを行い、例えば敬老祝い金の3,000万円を子供たちのために使わせて欲しいと市長が行った時に果たしてどうなるのか。自治会長、老人会長はOKと言うであろうか。その前に議会が反対するのではないか。
・右肩上がりのシステムを社会的に公正なシステムに変えようとした時、既得権を持った人を説得しなければならない。この役割を市民が担わずに行政に任せてきたが、この利害調整の役割を市民が担うことが出来なければ、右肩上がりのシステムを変えることはできない。

<情報収集、判断力、コミュニケーション能力を磨くこと>
・違った意見を持つ人同士が討議をして政策の方向を決めるために、ディベートが不可欠である。「無知の自覚」(知らなかったということが分かる)では、ディベートに参加することはできない。情報を自分で集め、判断基準を持って参加することが必要である。
・ディベートで大切なことは、白か黒かの結論を出すことよりも、結論に至る過程が公開され、市民が参加して議論するということである。そうすれば、もし間違った結論を出した場合には問題を生じた時に修正することが出来る。市民が自分の考えを決めて、他の人の意見を聞き、より良い方法を見つけていく訓練が必要であり、自分の意見を人に話すこと、そこでコミュニケーションを図ることを日常生活の中で実行して欲しい。

■ ディベート―参加者が2班に分かれて討論を行う
テーマ:消費税を『今すぐ10%に上げる』か、『景気動向により対応する』か
● 2班に分かれて最初にグループ内討議を行い、各班がどのような主張をするのか代表者が班の意見を発表し、その後全体討議を行った。基本的に消費税の増税に賛成している中での議論のため相互の意見の違いよりも、国民が増税負担をしようと考える背景、国民の社会・政治との向き合い方、責任の取り方に関する論議が深まった。
『今すぐ10%に上げる』班:【A】の意見概要 
・日本が第2のギリシャにならないため、これ以上問題を先送りしてはならない。
・景気の回復を待っていたのではいつになるかわからず、社会構造を変えるという目的を見失う。
『景気動向により対応する』班:【B】の意見概要 
・増税の実行効果を挙げるためには、景気動向と国民の納得感を得ることが不可欠の要因。
・増税により税負担と社会保障の関係をどのように変えようとしているのかを明らかにすることが先決の課題である。
● 討議により見えてきた論点
・【B】の増税実施時期は2・3年の内で、衆院選で国民の信を問うという考えであり、【A】と同じような工程をイメージしている。
・増税の目的が税収を上げるためだけに行うと考えると、他に方法がある(贈与税、電波税、為替取引税)というところに焦点が拡散する。同様に増税の前に政治改革(議員定数・報酬削減)、行政改革(公務員給与引き下げ)と言って遅らせることも、これ以上先送りできない社会保障給付と税負担問題の性格をぼかしてしまう。
・現役世代が高齢者を支えるというやり方では問題解決できず、国民の幅広い負担により対応することが不可欠である。
・この問題を放置してきた要因は、年配者が責任を取って変えようとしなかったこと、20代・30代の若年層が政治参加してこなかったことという指摘が双方の責任を問う形で出された。
・国民の一票で政権交代した後、民主党がこれだけだらしないとは思わなかった、自民党はどうしようもない、だから橋下・石原だという考え方の繰り返しでは問題解決にならない。
● 合意点とまとめ
・市民が議員を選び、政権を選んだらそれで終わりではなく、選んだあとの責任の取り方を考える時である。右肩上がりの時代の「任せて文句を言う」政治参加から、消費税の負担を引き受けて税と社会保障の問題に市民が責任を持つ時代になった。今日の議論を他の人に話して、自分がどこまでわかったのか検証していきたい。

以上