6月議会最終日、市民請願「大飯原発の再稼働にあたり、国に意見書の提出を求める件」

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賛成討論

議長の許可をいただきましたので24請願第2号「大飯原子力の再稼働にあたり、国に意見書の提出を求める件」に対して賛成討論をします。
政府は、6月16日、関西電力株式会社「大飯原発」3、4号機について、再稼働することを表明しました。
しかし、この再稼働は以下の3点から拙速と言わざるをえず、到底受け入れられるもではありません。
 第1に安全性の問題です。
東京電力福島第一原発の事故の原因が詳細には未だ、解明されていないことや、免震棟の建設、安全基準の未確定等の請願書の指摘以外にも重大な危険性に対応できていません。
 それは第1に大飯原発1,2号炉の地下にF-6と呼ばれ活断層が存在している事実です。
このことについては、東洋大学の変動地質学の渡辺満久教授が再三指摘しています。ちなみに渡辺先生は原子力発電所は現状では必要である、と発言している学者です。
しかしこれまで保安院や原子力安全委員会は、原子力発電所付近の活断層について、認めなかったり、活断層の長さを意図的に短くしてきました。
 例えば島根原発について、直近の活断層の長さは、当初2㎞だということにされ、それが批判されると8㎞、さらに10㎞と伸びて行き、とうとう22㎞の活断層と言う事になったのです。
 これ以外に志賀、柏崎刈羽、大間、泊などは活断層を意図的に短くしたり、近くの活断層の存在を隠した典型的な例だとしています。
 この活断層は、地層がずれ込むことで地震が発生し、建屋や配管に重大な影響を及ぶすということであり、建屋の耐震性がどんなに高くとも効果が薄いと警告しています。
 安全性の問題で、第2に廃炉を40年とする原発の老朽化の問題です。
 国内の運転30年以上の原発は54基中、19基であり、福島第1原発の1~6号機の全てが30年以上で、特に1から5号機は「マーク1」と呼ばれる旧型の第2世代炉です。
現在主流の第3世代炉より安全性が劣るとの指摘があがっています。
しかし、福島第一原発1号炉は昨年2月には40年を超える運転計画が認められたばかりで、3月には大事故を起こました。
九州電力は運転37年目の玄海原発1号機の圧力容器が、従来想定よりも中性子で劣化しやすいとする最新の予測結果を発表しています。
つまり、繰り返し中性子による影響を受け続けていると、圧力容器の鋼の壁に亀裂や劣化が起こりやすいと言うものです。

この事に対して原発の推進や建設に関わってきた井野博満・東大名誉教授は「緊急の問題だ」と指摘しています。
日本の原発の中で脆性の問題を抱えるものとして、玄海1号機・高浜1号機・美浜1、2号機・敦賀1号機そして大飯2号機を挙げています。

第2に再稼働の理由が電力不足とされていますが、本当にそうなのか検証が必要です。
 細野環境大臣は「原発の安全性は電力需給の影響を受けない」と発言していますが、上記のように何ら安全性の担保はないのは明確な事実です。
 しかし、政府は今夏の電力不足に対応するために大飯原発の再稼働の要因としています。
 ISEP(環境エネルギー政策研究所)が2011年の関西電力の夏の供給力の実績を公表しています。
それによれば水力、火力、他社融通、揚水、原子力の発電総量は2947万kwで、これに対して需要は2784万kw。
政府はこの夏の供給予測として、原発電力をゼロと想定して2489万から2574万kwとして、需要予測を昨年よりはるかに上回る3138万kwとしています。  
この供給力予測では、関電管内の自家発電の購入量を83万kWとしています。
 ISEPの試算では、関電管内で自家発電容量は700万Kw以上あり、購入価格を例えば50円に引き上げれば相当量の掘り起こしが可能だとみており、  さらに価格を引き上げれば1000Kw以下の設備容量の自家発電も購入対象になりうる、と指摘しています。
 また、中部電力、中国電力、四国電力の供給力余力は800万Kw以上もあると見込まれています。
 揚水発電の能力も430万Kwあり、ピーク時にあわせて供給することは十分可能になるとも指摘しています。
 さらに需要サイドでは、様々な対策で200万Kw程度のピーク時の需要を落とすことができると見られています。
 関西電力の2010年のピーク需要は3095万kWでしたが、ピークから100万kW以内、つまり2995万kW以上の需要になった時間は、一年間でわずか30時間しかないのです。
これは一年間の0.3%にしか過ぎません。
もし、この30時間のピークカットができれば、必要な供給力は100万kW減少することになります。
 この様に大飯原発の再稼働による電力供給がなくとも、十分必要電力を賄うことは可能である、との結論に達します。
 この事実に向き合え合うならば、関西広域連合が、「再稼働やむなし、極めて限定的な承認である」とした理由である、電力不足へ認識も大きく違って見えてきます。
 ましてや、その共同宣言を出した広域連合の首長の一人である滋賀県・嘉田由紀子知事は、6月13日「関西電力や国、あるいは企業からずいぶんと警告され、『本当に停電になったらどうするんだ』と、かなり脅されました。お前は責任が取れるのかと」明らかにしており、
 なりふり構わず、ひたすら再稼働に突き進んでいった、政府や企業の姿勢をあらわにしています。
また、6月18日の朝日新聞の朝刊によれば、「政府は電力不足を理由に再稼働を進めるが、廃炉にすることで電力会社の経営が成り立たなく背景がある」と記事を掲載しています。
 つまり、原発の資産価値は、廃炉になることで資産価値がなくなってしまうため、資産の目減りを損失として処理しなければならず、大きな赤字を一気の抱え込んでしまう、と言うものです。
 このため、資産価値の落ちた古い原発が多い関西電力では約5割の純資産が失われることになり、経営にとって致命的な影響がでる、としています。
これが再稼働を強引に推し進めてきた大きな理由です。

第3に大飯原発の再稼働の問題は、福井県の大飯町の一原発稼働の問題に限定できず、今後の原子力政策に大きな影響を及ぶすことになります。
 すでに6月14日民主党の政調幹部は「ストレステスト(耐性検査)がすめば、その他の原発も粛々と動かすべきだ」と発言しています。
さらに、経済産業省原子力安全・保安院が安全性を確認した四国電力伊方原発3号機など各地の原発再稼働を急ぐべきだとの考えを示しました。
 また、政府は脱原発依存を掲げながら、一方6月13日には民主・自民・公明の3党は原子力の安全規制を担う新たな組織を設置するための法案を巡る修正協議で、原発の運転を原則として運転開始から40年に制限するとした規定について、原子力規制委員会が速やかに見直すとして規定を盛り込むことで、合意しました。
 つまり原発が40年超えても運転される可能性が高まったことになります。
 この様に今回の大飯原発の再稼働は、全国の停止中の原発の再稼働にゴーサインを出し、さらに廃炉40年の規定を先送りにする事に典型的にしめされる様に、脱原発に向けたエネルギー政策の転換と、そのためのロードマップを放棄した、と言わざるをえません。
つまり、原発をどの様に減らしていくのか、その目標も仕組みも、私たちは手にしてはいません。
 これは、旧来の様に原発推進や反対かという二項対立論の枠では、選択も解決も出来ないのです。
 先ほど指摘した渡辺先生も井野先生も原発の必要性を強く主張されている、学者ですが、この間の政府の対応に異議を唱えておられます。
勿論、この責任は一人政府や政党だけの問題ではなく、原発による電力供給やそのシステムを「安全神話」のもと受け入れてきた自治体や議会や市民の問題でもあります。
 それは、戦後の大量生産、大量消費、大量廃棄を社会運営の原理として、電化製品に囲まれ、便利で快適なくらしを謳歌してきた私たちの価値観や生き方を大きく転換する舞台として受け止める必要があります。
 6月13日ドイツの90年連合・緑の党は、野田総理や西川一誠福井県知事らに、大飯原発の再稼働反対を訴える2784人分の署名をベルリンの在ドイツ日本大使館に託しました。
 ドイツは東京電力福島第一原発事故を受け、2022年までに原発を全廃することを決定し、福島での事故以前は17基が稼働していましたが、現在は9基のみとなっています。
 同党のレナーテ、キュナスト共同党首らは、野田総理への書簡の中で「日本の様な産業国が一か月以上も原発ゼロで活動していることは、原子力の危険がない未来への希望を、世界に与えている。原子力時代を終わらせ、エネルギーの転換にむけともに歩みたい」と連帯を表明しています。
このことを私たちは真摯に受け止め、議場の全ての議員の皆さんが、賢明な判断をして頂くこと切にお願いし賛成討論とします。