9月議会に突然提案された 「新第三庁舎建設問題」
建設費約19億円、極めて危険な本庁舎の耐震補強は後回し?

9月議会では、平成27年4月をめどに現在の本庁舎と第二庁舎に加え、新たに第三庁舎を建設するための設計委託料2000万円が補正予算として、市長から提出されました。
その理由は、社会福祉の関係部署では窓口対応や事務処理が近年増え続けており、庁舎のスペースが狭隘化し、職員22名増員分の広さが必要と言うものです。
また平成27年4月をめどに越谷市は「中核市」への移行のため職員20名の増員が必要となり、この事務スペースを確保しなければならない、との理由です。このため、約4500㎡、5階建ビルを現在の市役所敷地内に建設する(建設費約19億円)ための設計委託料が計上されました。
 しかし、第三庁舎の建設は、この間専門家や議会は勿論市民からの意見聴取が全くなされないまま、しかも庁内での決定手続きや合意が極めて不十分でした。このため越谷市前期基本計画・実施計画にも一切の記載がないまま、突然9月議会での補正予算の提案となったものです。
当然多くの議員から疑問や懸念が表明され、本会議場では質疑がかってないほど行われました。そもそも市庁舎の狭隘化を理由としていますが、職員の増員は合計で42名に過ぎず、その必要面積は最大でも700㎡と推測され、何故4500㎡ものスペースが必要なのか、緊急性や妥当性の理由としては、希薄なものです。
さらに職員500名、1日約1964人(年間28万人)の市民が来庁する本庁舎の耐震強度はIS値0,11であり(埼玉県内の庁舎ではワースト1)、震度5強以上では倒壊、崩壊の恐れがある建物です。  
昨年の3,11時では震度5弱だったのですから、いまでも損壊の危機が続いているということです。また第三庁舎と現在の本庁舎と第二庁舎との関係性や機能や役割など、全体のグランドデザインも全く示されてはいません。
これに対し市長は、本庁舎の耐震化について「危険であることは十分認識しているので、新庁舎建設を含め早急に検討委員会を設置して対応する」と答弁しました。
しかしその検討委員会は、あくまで本庁舎だけを対象としており、第三庁舎を含む全体の庁舎をどうするかではありません。 
また委員には専門家や議員には就任してもらうが市民には遠慮してもらい、しかも第三庁舎建設の後に本庁舎の対応をする、というものです。
平成11年には、第二庁舎が約11億円で建設されましたが、当時から本庁舎の耐震問題は遡上に上がっており、議会でも様々な議員が質問を続けていたのですが、何ら対応がとられてきませんでした。
この事から、今後2年半は越谷市には震度5強以上の地震は絶対に起こらない、もし地震が発生したら不幸だったと諦めて下さい、と言っているにも等しいものです。(当然地震が起これば、市長をはじめ職員や市民が重大な被害にあうのは必定であり、災害対策本部の機能も喪失します)このため、私の所属する新政クラブと保守無所属の会の議員を中心に、設計委託料2000万円を公共施設整備基金に付け替える修正議案を提出し、市長提案に反対しました。
この間の本会場や私の所属する総務常任委員会での徹底した質疑や答弁を見れば、多くの議員が修正議案に賛成して頂ける、と期待していたのですが、結果は大変残念ですが民主党・ネット・無所属の会(7名)、自民党市民クラブ(6名)公明党市議団(6名)、共産党市議団(2名)に賛同して頂けず修正案は否決されました。これによって第三庁舎建設は賛成多数となり、市長に建設へのゴーサインが出た事になります。私は第三庁舎建設そのものに反対するものではありませんが、全体のグランドデザインがないまま、とにかく第三庁舎だけの建設を先に決めてしまう事や、今日にも倒壊の恐れがある本庁舎の問題を先送りにすることは、約2万人もの犠牲者を出してしまった3,11東日本の大震災から何も学んでいないと、言わざるを得ません。優先すべきは、便利さや効率性ではなく、安全を確保する事です。ただ、優先順位の一番として耐震対策を含む新庁舎建設となれば、60億円から80億円もの建設費が必要となると、されています。つまり、庁舎の事務スペースの狭隘化を解消し、財政問題を含む本庁舎の耐震化を実現することを同時に解決するという方程式を解かなければなりません。
特に、本庁舎建設のための財源の捻出のため、毎年20億円弱の新規事業や既存事業の中止や凍結という決断をすることも当然あり得ることであり、説明と選択により「何かを諦める、何かをがまんする」事を市民が受け入れなければなりません。 来年の3月議会には本予算として第三庁舎建設費が計上されることが予想されますので、引き続きこの問題を賛成、反対という二項対立論ではなく、より良い選択にむけ、市民と皆さんと共に活動していきます。

PDFファイル⇒市政レポート12年9月