「憂鬱な圧勝」「高揚感なき船出」から、始まった利益の分配から
不利益の分かち合いへの時代へ。地方自治体は、その試金石
昨年実施された衆議院選挙は、自民党の大勝となりましたが、民主党政権が難題として直面してきた課題を、そのまま自民党政権も正面から取り組まざるを得ないことになりました。
 それは、日本の歴史上初めての生産労働人口の減少、猛烈なスピードで進む高齢化、GDPの2倍もの1000兆円を超える累積債務、加速するグローバル市場の形成、中国を始め東アジアを含めた新たな世界秩序の再編、という21世紀の課題に他なりません。
 だからこそ、選挙の直前に合意された民主党、自民党、公明党の3党合意(消費税増税と社会保障制度の一体改革・赤字国債発行法の3年間の成立・衆議院定数の是正)は、これ以上子ども達にツケを回さないことを共通認識とした決断でした。衆議院選挙では、この合意を最低の基準として各党がどの様な社会を目指すのかビジョンを提起し、市民が選択するということが求められたのですが、現実は残念ながらその様には展開しませんでした。
 高い経済成長を見込める時には、政治の役割は拡大するパイをいかに分配するのか、でしたが、(市民は政治に要望をぶつければ良かった)成熟社会となり「凌ぎの時代」では、利益の分配から不利益の分かち合いを、どの様に公正にすすめるのか、とうことに転換しました。   つまり「不都合な事実」を事実として認め「負の再分配」「何かをあきらめる」ことを、政治が選択肢を示し、「任せて文句を言う」ことから「引き受けて責任をとる」と言う経営者市民へ登場が求められています。
 消費税増税はやむを得ないが、次の社会での社会保障制度が、右肩上がりの制度からどの様に変化するのか、示して欲しいという選挙中の市民の声が「負の再分配」での最低の基準となっています。
 しかし、同時にリスクを引き受ける、言う事は例えば現在受け取っている年金額の2割をカットすることも認めていくことでもあり、具体的な不利益が市民自身の問題となった時には、まだまだ正面から向き合うことを躊躇する現実もあります。それでも否応なしに襲ってくる難題に立ち向かわざるをえないのも現実であり、避けては通れないのです。
 この現実は地方自治体での様々な施策の実施を通して、何故その事業が必要なのか、必要だったとしても、全て税金で賄う必要性があるのか、またこれらを決定する過程は、市長や議会では市民にオープンになっているのか、予算を決定した議会は、決定の責任を負っているのか、等極めて実践的で身近な課題として目の前に日々生起しています。
 越谷9月、12月議会で大きな争点となった、第3庁舎建設問題や本庁舎整備問題はその典型的な事例と言えます。
 第3庁舎は、現在ある本庁舎や第2庁舎に加え新たに約20億円の建設費で、平成27年4月の中核市移行に伴い建設を予定しているのですが、全体のグランドデザインは示されず、実施計画にも何の記載もなく、突然市長から提案されたものでした。
当然市民の意見を吸い上げることなど一切行われないままでした。
しかもその市長の姿勢をチェックし、予算を決定している議会では、既成政党の会派は全て賛成してしまっているのです。(私の所属会派では修正議案も提案しましたが否決されました)
 12月議会では、本庁舎整備問題も議論となりましたが、市長の付属機関である「審議会」設置(20名で構成、学識経験者6名・公共的団体推薦者4名・公募市民4名・市会議員6名)も、既成政党の会派の賛成で可決してしまいました。(ここでも私の所属会派では修正議案を提出しましたが、やはり既存政党会派の反対で否決されました)
 そもそも、本庁舎整備は、この間10数年に渡り顕在化しており、特に耐震化強度は埼玉県の庁舎の中ではワースト1と言う劣悪な状態だったにも拘わらず、一切なんの対応を取って来なかったものです。つまり毎年毎年先送りを繰り返した挙句、9月議会で第3庁舎問題に関連して議会の指摘によって、慌てて「審議会」の発足を約束するというその場しのぎの対応が連続しています。
ここにも市民の意見を吸い上げる手法は、取られていなのです。(辛うじて公募市民4名の枠を設定していすが、総額80億円とも言われる建設費が必要なのですから、僅か4名の市民の声では全体の市民の納得が得られないは自明のことです)
 また、大津市や大阪市のいじめや体罰問題で大きな議論となっている教育委員会の対応
に関しても、教育委員を決定している議会の審議のあり方を変えなければなりません。
 これまでは、市長が推薦した教育委員候補者が議案として議会に提案され、本会議上で投票によって決定、選任して来ました。しかし議会は一度も本人から教育行政の課題やいじめや体罰への見解など一切聞かずに選任してきており、これまで否決したこともありません。
 責任ある選任する以上、本人から意見を聴取するのは最低の判断基準です。
 さらに3月議会では、市長は所信表明を行い、「教育長」が教育行政方針を述べるのですが、教育委員会の最高責任者は「教育長」ではなく、「教育委員長」であり、委員長が述べるのが常識的な考え方です。この様に、よりオープンに、より市民参加が問われています。

 

12月議会で提案、可決された「本庁舎整備審議会」設置条例は、極めて多くの問題を抱えたまま、私の所属会派の修正案も否決され3月議会にステージが移ろうとしています。
市長の説明によれば、本庁舎整備の目的は、狭隘化、老朽化、耐震化、情報化への対応のため、20名以下の構成による「審議会」を発足させると言うものです。
これからの議論によりますが、建て替えならば総額80億円もの建設費が必要となり、いつまでにどの程度の規模の建物なのか、市民への説明や合意をどうしていくのか、これから始まる事になります。
しかし、この審議会設置には、以下の点が不明確であり、私は市長提案の原案に反対し、修正案に賛成の立場から討論に立ちました。

平成11年、第2庁舎建設時には本庁舎の耐震化が遡上となり、平成13年には耐震化診断が行われ、5階全ての階での強度が脆弱であることを確認しています。また、3,11東日本大震災時にも震度5弱の地震が襲い、安心、安全の根本的見直しが議論されました。しかし昨年9月議会で第3庁舎問題が浮上して、初めて本庁舎整備が正式の議論となっているのは、この13年間庁内では、一切対応してこなかったことになります。  
この審議会の答申の対象から、新しい第3庁舎建設は除外されています。本庁舎は、市民にとって市政の砦であり、本庁舎、第2庁舎、第3庁舎全体のグラインドデザインを描き機能化することが当然にも拘わらず、この市民常識が拒否されています

審議会の委員の中で公募の市民は4名に過ぎません。当然4名の市民は市        民全体の利益を代表するものではありません。越谷市自治基本条例の制定過程では、多くの市民が原案を作成することから市民が責任を持って答申してきた、と言う実績があるにも拘わらず、今回その蓄積を一切踏襲しないのは理解に苦しみます。
より多くの市民が議論に参加することで、市民自身が当事者として市役所のあり方に関与することは、単に建設という枠に留まらず市政運営の要としての役割を果たすことが可能となります。

  また、審議会の委員に市会議員6名が対象となっていますが、市長の付属機関に議員が就任する事は、平成12年時の「原則として議員は審議員にはならない」と議会が決定し、その間これを遵守してきた歴史を無視することになります。
さらに、議会棟建設も対象となっており、議員という利害関係者が市長の元に配置され意見を出せば、その意見は聖域となりかねません。つまり市民の議会に対する意見が制限されることになります。
 

越谷市議会⇒中継録画⇒会議名(12月議会)⇒12月19日⇒白川の討論

 ■第112回白川ひでつぐタウンミーティング
     1月26日(土)午後2時から午後4時/白川秀嗣事務所
   テーマ 「憂鬱な圧勝」がもたらした衆議院選挙後に問われる負担の分担
 ■第8回桜井地区市政報告会
     2月2日(土)午後6時30分/桜井地区センター あすぱる
      テーマ 平成24年12月議会について
■第9回政経セミナー特別講座
     2月23日(土)午後6時30分/越谷市中央市民会館
        テーマ 越谷いちごのブランド化から見えてくる農業のいま
     講師 木村友和氏(いちご工房木村屋代表)/長柄幸聖氏(環境経済部長)

昨年12月中及び新年の街頭宣伝・駅だちの中断のお詫び
 昨年暮れに風薬の副作用のため、長期間歩行が困難となり、12月の駅立ちを実行する事が出来ず、また議会開催や衆議院選挙中は街頭活動が制限されるため、長期間の中断となりました。さらに当選以来10年間毎年続けていました新年1月1日、2日、3日の街頭宣伝も参加出ませんでした。多くの市民の皆様にご心配をお掛けしました。お詫びとこれから通常通りに再開いたしますので、今後とも宜しくお願申し上げます。      白川 秀嗣

PDFファイル⇒市政レポート13年1月