2013.2.3「チーム白川」事務局
第112回タウンミーティング報告書
      
●テーマ 「憂鬱な圧勝」がもたらした衆議院選挙後に問われる負担の分配:白川議員
 ― 自治の現場が、非日常の選挙を変える。主役は市民 ―
選挙結果から見えてきたもの
・安倍政権発足後次々に政策が出されているが、自民党が圧勝したからといって自民党が支持されたのではないと思う。小選挙区での得票率と議席占有率には違いがあり、自民党は43%の得票で79%の議席を獲得し、民主党は23%の得票でも議席は9%にとどまった。12政党乱立で票がばらけた結果相対的に自民党が浮上した。投票率は59%で低い(越谷市は56%で全国平均よりも低い)。比例は自民、公明とも票を減らしており(自民党は3年半前の政権交代時で得票率最低といわれた時よりも低い)、民主党も3年半前の1/3となっている。
・投票率が低い時は組織票があるところは強いといわれてきたが、自民党は組織票だけで勝ったわけではない。民主党の基礎票は約1,000万人といわれており、その周辺にいる自民党を支持しない人が今回は維新の会やみんなの党に入れた。敗戦の弁で田中真紀子氏や仙石由人氏が「自分のためにみんなが良くやり、こんなに盛り上がった選挙は無かった」と述べているように、民主党は自民党と違う政党として位置づけられており、一定の支持基盤はあるが、支持基盤の回りやもう少し広いところでは第3極に票が行った。
・今回白票が全国で200万票出た(越谷でも5,000票以上)。自民党:ダメ、民主党:あの実績ではダメ、だからといって維新・みんなの党でもないということで考えた挙句、白票となっており、有権者が時代や価値観の転換を考えざるを得なくなっている事が選挙結果から見て取れる。

民主党が取り組んできた課題と安倍政権の政策
・民主党が取り組んできた課題は何だったのか。猛烈なスピードで進む高齢化と人口減少(生産労働人口の減少による税収の減収)、労働環境は働く人の1/3が200万円以下で、300万以下の若者を入れると4割を超えるのではないか。年金より給与が少ないという事は全く想定されていない。又今回のアルジェリアでのテロも、道路は危ないが工場内に入れば安心という神話は無くなり、安全対策の転換が求められている。こうした課題は自民党になったからといって解決される問題ではない。
・安倍内閣になって高校授業料の無料化廃止、自治体への一括交付金の停止、道路特定財源の復活等民主党の政策がひっくり返されていることも確かだが、自民党の1・2期生を軸に民主党が出来なかった難題に向き合う必要があるとなっているのも事実である。

現在の日本が置かれている立場
・歴史的にみれば、国際情勢の変化、政党不信や強いリーダーを求める等、戦前とよく似ていると言われるが全く違う。1930年代は帝国主義・領土分割の時代であるが今はそうでない。政党不信も特別なことではない。また第3の開国に関しても、戦前は植民地時代の先進国という位置で「脱亜入欧」を目指した開国だったが、現在は世界第2位の経済大国でもアジアNo.1の国でも無く、経済関係で言えばほぼフラットになった上での開国ということであり、置かれた状況は戦前とは全く違ってきている。21世紀の課題は政府だけでは解決できず、国民が政治参加して自分達で解決して行こうとならない限り、政党がどんなに立派な政策を立案しても現在の課題は克服できない。政治参加するというのは自治体の出来事に参加するということから始まる。

社会は地域から変えるしかない
・政経セミナーで講師の福嶋浩彦氏(前消費者庁長官・元我孫子市長)が「国民一人一人の生活をトータルで捉える事は、国の各省庁では難しい。生活者の視点で社会を捉え構想しデザインしていく事が出来るのは自治体であり、人々が社会創りの力を付けていくのも地域だ。真に豊かな社会創りは自治体から積み上げていくしかない」と述べている。その自治体で我々がイメージできるのは市長と議会ということだが、どれだけ共通の理解で出来ているか。
・具体例として『議会活性化等に関する協議事項』から討議になっている2点を挙げる。
【教育委員の同意人事ついて】議員は市長が推薦した委員候補者の経歴を見て判断する仕組みになっているが、1回も会うことなく投票している。大津のいじめや体罰が問題になっている中で、最低でも委員候補者本人の意見を聞く場を設けるべきではないか、それを聞いた上で判断すべきではないか。
【議員の選挙公報を市議会HPに掲載することについて】公職選挙法上、国政選挙では選挙後公報は削除する事になっているが、市議会選挙は規定されていない。従って掲載するかどうかの判断は国ではなく自治体にある。2000年に地方分権改革一括法が出来て以来、法律を解釈する権限は国ではなく、地方に委ねられた。国と地方の関係は指示・命令関係ではなくなり、通達から通知(参考)に変わった。にもかかわらず当該自治体の行政・議員(と言う事は市民も)が旧態然として国に頼っており、自分達で決めて責任を負おうとしていない。その結果しわ寄せは子供たちに来る事になる。まさに「地方分権が進まないのは地方がそれを望んでいないから」ということを示している。

● 質疑応答・まとめ
Q:通達から通知に何時変わったのか、内容は同じなのか?
A:2000年の地方分権改革一括法案以降、指示命令からお願いに変わったにもかかわらず受け取る方の意識が全く変わっていないので、同じように受け取っている。
Q:協議事項の内容や常任委員会での討議を聞くと議員の責任はどこで問われるのか?
A:端的に言うと責任を問われる機会は無い。各地区市政報告会のように、不特定多数の市民の前で説明することを通じてしかなく、市民の側からそういう場を作るしかない。
Q:学生議会についてどのような評価を持っているか?
A:「学生に来てもらって議会でやっていることを何かしらアピールしたい」のか「越谷がどうなっているのかを日常的に伝えて、その事について学生や若者の観点からどう反論するのかのきっかけになれば良い」という観点で開催するのか。実際は後者のように考えてはいない。

【まとめ】:議会には情報も権限も集中しており、市民との間に情報格差がある。これまでの議員はその情報格差の上で話し「よく知っている」という空間で対話してきた。議会改革が進み、情報が公開されると情報格差が縮み、市民との共有感が広がった上でどう課題に対処するか、これに応じようとする議員と応じられない議員との格差が広がった2年間だったのではないか。議員は有権者に支持されなければバッジをつけ続けることが出来ないため、市民の動向に敏感にならざるを得ない。フォロワーシップというのは各々の議員の格差をわかった上でどうやって議員に仕事をさせるかまで考え抜くことであり、フォロワーシップがリーダーシップを育てると考えている。そのことが負担を分かち合うということではないか。
                                以上