本庁舎耐震化は先延ばしで、第3庁舎建設だけを急ぐ平成25年度一般会計予算案に10名が反対。「市民要望」に応える、と言う名分で膨らみ続ける予算額。
次世代の搾取か、次世代への投資か、選択と決断が問われている

3月議会で可決された、平成25年度予算案は、一般会計834億円余、国民健康保険会計等の9会計の特別会計615億円余、市立病院の事業会計115億円余で総合計が1564億円余となり、過去最大規模の増額予算となりました。
しかし、一般会計の基幹税である個人市民税は、昨年度対比マイナス1,2%の減少となっており、しかも毎年減少傾向にあります。因みに平成19年度の約201億円から、平成25年度では約185億で16億円も減少しています。
その原因は、この間構造的不況で給与が下がり続けており、給与所得者の年平均額は平成19年度で352万円から平成25年度332万円と19万円減少しています。特にこれから担税力(納税する力)のある子育て世代を中心として年収が200万円以下の若者が大量に生まれています。
しかも生産労働人口の減少時代にはいっており、0才から64才の人口は平成17年度と平成25年度では、13,085人も減少し、一方65才以上の人口は25、548人も増加しています。
越谷市の高齢化率はすでに22%と、超高齢社会となっており、国よりも2倍のスピードで到達しました。一般会計では歳出の41%である341億円を民生費(高齢者等への社会保障費)が占めており、さらに今後も増え続けて行きます。また、笹子トンネル事故で浮上した、公共施設の問題でも、越谷市の施設の半数は、すでに建設から30年以上経過しており、現在更新時期を迎え、そのまま建て替えれば1000億円以上の費用が必要となります。
つまり、全体の傾向として今後個人市民税が、減少し、高齢者対策のための歳出が増えていくことを前提に、どううまく事業を進めていくのか、人口減少、少子化、生産労働人口減少の時代に相応しい町づくりに着手する事です。いかに町を縮小していくのか知恵と工夫が問われています。  さらに、国の借金は1000兆円を超え、越谷市でも1500億円もの累積債務を抱えながらの市政経営が強いられています。今年度予算では、市債を78億円発行し、公債費を82億円計上していますが、僅か4億円を返済することになり、単純計算では完済するのに375年もかかる事になります。
もうこれ以上次世代の子ども達にツケを回してはならない、未来を搾取する社会に加担してはならず、未来への投資に転換していく事を、決意するのは普通の市民感覚であるはずです。

ところが、今回の予算案をはじめ市長が4年前に就任されて以来、この課題が改善していると言い難い状態が続いています。
市長は答弁で「財政がひっ迫していることは十分承知しているが、市民の要望に応えるのが行政の責任でもある」として財政規律を見直す姿勢はありません。
勿論市長は、行財政改革に取り組んではいますが、その削減効果は僅か3億円に過ぎないのですが、所謂「事業仕分け」を実施して事業の優先順位をつける事はしないと発言しています。
このため、予算編成過程では、当初の予算要望額は、1、750億円を超えており、最終査定で186億円減額して1564億円となったものの、過去最高額の予算となりました。
しかも、今回も新規事業は20事業15億5000万円を計上していますが、要求額は21事業15億3300万円と1600万円の増額となり、何と要求額より査定額が多いのです。その原因は(仮称)第3庁舎建設の事業費(全体事業費約20億円)の要求額1億6700万円が査定額3億2000万円となったのです。予算要望額とはつまり「市民の要望」であり、市長が恣意的に予算を増やしているわけではないのですが、市民の側から「事業をあきらめる、がまんする」という声が上がらなければ、借金をして市民の要望に応えると言う旧来型の姿勢を変えることは出来ないのです。

かつて経験や発想したことのない、縮小し、多機能型のコンパクトな地域社会への挑戦

今回の平成25年度予算案の歳出では、昨年9月議会、12議会で大きな問題となった(仮称)第3庁舎建設(約20億円の建設費で、平成27年4月までに完成予定)や本庁舎整備審議会設置(老朽化や耐震化対策のための委員会で、第3庁舎建設後に60億から80億円の建設費を予定)に関連する予算案が計上されています。
今後の越谷市の財政計画や次世代への負担の軽減を最優先に考えれば、今回の予算案にはどうしても賛成出来なったのですが、私を含む10名もの議員が反対しました。
これは過去16年間の市政の中では異例の事態となりました。これまでたった1名の議員も一般会計予算案に反対したことはなかったのですから。
勿論反対するからには、予算特別委員会でも本会議でも反対理由を明らかにしました。しかし民主党・ネット・無所属の会(8名)の会派を除き、自民党(6名)、公明党(6名)、共産党(2名)の既存政党の会派は、誰一人として賛成討論を行いませんでした。結局は賛成多数で予算案は可決してしまい、これ程の不合理が公然とまかり通って行くのです。
これは、9月議会、12議会と同様の対応で、何故(仮称)第3庁舎が必要なのか、震度5強では倒壊する危険な本庁舎の耐震化対策は、平成27年4月以降に延ばすのか、市民の命と職員の事務スペースの拡充では優先1順位はどちらなのか、本庁舎審議会への議員の参加はこれまで制限してきたにも拘らず、「議会の代表」ではなく「市民の代表」として参加するのは何故か等、堂々と議会の場で討論する事が最低の責任ではないでしょうか。
残念なことですが、「議会が市長の追認機関となっており、ただ賛成だけするのなら議会は必要がないのでは」と言う市民の批判に応えられない議会の現実に、当然私も大きな責任を感じています。
「失われた20年」そして2年を経過した3,11東日本大震災は、地域共同体の根本的なあり方を問うと同時に戦後日本人の価値観や生き方の転換を迫っています。
これまで拡大再生産こそが「豊さ」としてきた価値観を前提として、「予算をつける」と言う習慣から縮小していくために「何をあきらめるのか」と言う視点から、複数のシミュレーションを含む選択肢を示すマネージ力が何より必要とされています。市長や議会がこの責任を持つ事は勿論ですが、市民にも、地域共同体の一員として、その役割を担っていく事が極めて重要です。

予算特別委員会で指摘した問題点
大袋駅舎建設工事費11億7100万円のうち東武鉄道負担は8500万円

平成25年秋の完成を予定している大袋駅舎建設工事は、越谷市と東武鉄道と基本協定書を締結し進めています。総事業費は11億7100万円ですが、その費用負担は越谷市が10億8600万円(92,7%)、東武鉄道8500万円(7,3%)となっています。何故私企業である東武鉄道の駅舎にこれほどまでの税金を投入するする必要があるのか、その根拠を質問しました。
答弁は、法律によって規定されていないが大袋駅舎改造は所謂「請願駅」という位置づけのため、基本協定書を双方の協議によって決定している。市民からの請願である以上費用負担は基本的に越谷市が負担することになっている、と言うものでした。
また、大袋駅舎自由通路整備事業も総額8億2900万円ですが、全て越谷市の負担となり、
東武鉄道の費用割合は0円です。つまり100%税金によって負担しています。
しかし東武鉄道は、そもそも駅舎改造の意向は全くなく、現状のままでの対応を主張したため、越谷市から再三お願いしたうえで東武鉄道に「了承」してもらったと言う事です。
公金の支出は、一般的には一私企業に投入される事はないのですが、鉄道事業という公共的な存在であるため税金による私企業施設の費用を負担する事に一定の理解は出来ます。
しかし、新駅舎建設は、市民の利便性や安全性が確保されることは当然ですが、東武鉄道にとって何の不利益を被ることはなくむしろ乗客の評判が上がり、収益が上昇することも予想されます。つまり市民も東武鉄道も双方に大きな便益をもたらすことになります。
ところが、東武鉄道は、鉄道利用者を始め市民や行政に対して「公金による駅舎建設」の宣伝を殆ど実施していなのです。
市民はこれだけの税金によって私企業の駅舎が建設されている事実を知る機会は殆どないのです。唯一越谷市の「広報」によってその事実を知ることが出来るのですが、その「公報」も建設の事実は掲載しているものの肝心の費用負担については記事がないのです。
市民の皆さんは、駅舎建設を長く望んでいましたので、完成に期待があるはずですが、一方多くの財政負担がある事を含む情報が東武鉄道、越谷市の双方から開示される事が大切です。

東京電力は、福島原発事故の賠償請求への回答を東埼玉資源環境組合に実行したにも拘らず、何故越谷市にはゼロ回答なのか

東京電力福島第一原発事故に伴う放射線対策に要した費用の賠償請求を平成24年5月28日付で、越谷市を含む周辺自治体で構成する「埼玉県東南部地域放射線対策協議会」が提出しました。その賠償請求額は、1億3202万円(越谷市分は2299万円)。
この回答が平成24年7月30日にされましたが、「個人、法人、個人事業主の賠償を優先する」との理由でゼロ回答でした。
ところが、同じ様に平成24年5月28日付で「東埼玉資源環境組合」(管理者 高橋努越谷市長)が、賠償請求した4億3530万円に対して、平成25年2月22日付でほぼ同額を支払うという回答を、東京電力はしました。
放射線対策では、自治体でも資源環境組合でも5市1町で統一的対応をしており、請求額が発生した原因は、一義的には東京電力にある事は明白です。
しかもすでに平成24年には、大口利用者には電気料金の値上げが実施され、越谷市の
増額負担は、9000万円にも及び個人利用者でも8,46%もの値上げに踏み切っています。このため茨城県高萩市の様に、東電から請求された電気料金約500万円の支払いを保留している自治体もあります。
しかし平成24年6月時点での東京電力の22人の役員報酬の総額は、2億3000万円となっており、その上1兆円もの国費が投入されているのです。
同じ様な2つの広域行政が放射線対策に要した費用の賠償に区別がないのは当然ですし、東京電力は、先の回答で「機会を改めてご説明させて頂きます」としていましたが、今日まで何の回答もあっていなのです。
総原価主義が採用されているのは、その事業が公共的役割を果たしている、と言うのが最大の理由なのですから、福島原発事故の反省があるのなら、速やかに賠償に応じるべきです。

埼玉県立大学に医学部を設置する請願に反対した理由

 埼玉県の人口10万人当たりの医師数は146人と全国最下位であり、医師不足解消と救命救急医療の確立のため、越谷市のある埼玉県立大学に医学部を設置する事を求める意見書を埼玉知事に提出して欲しい、と言う請願書が8団体連名で出されました。賛成多数で可決されましたが私は以下の理由で反対討論をしました。
第1の理由は、現在全国的な医師不足の改善に向け医学生入学定員は、平成25年度で9041人と過去最高数であり、昨年より50人増えています。
しかし医師不足は診療科や地域的偏在によって発生しており、医師の絶対数が不足している訳ではありません。それは特に近年医療過誤の賠償支払いの危険性の高い産科医、外科医、麻酔科であり、さらに現在の健康保険支払い下では収入の少ない小児科医を選択する医師が少ないことです。従って単純に医師を増やせば解消するという言う事ではありません。
第2に医学生入学定員を増員しても卒業後1~2年の研修終了医師が独立して医療を行えるのは7~8年後であり、その時点で若手医師が専門科を選ぶのは、条件の不利な麻酔科、産科、小児科の見込みは依然少ないのです。また仮に県立大学医学部卒業生が埼玉県内の病院に勤務する見込みも不確定ですし、直ちに医学部が設置されても10年後の話です。
第3に、埼玉県立大学の医学部を設置すると、建設費700億円と毎年のランニングコスト60億円を要します。これだけの費用を未確定な将来にかけるより現在の救急医療体制の拡充にこそ充てるべきです。
第4に米国・カナダでは、40年も前からナース麻酔師が麻酔専門医師の監督の下独立して麻酔術が行える体制にあり、外科手術の80%はナース麻酔師により独立して実施されており、日本でも同じ仕組みを作ることで医師不足を解消できるはずです。
第5に、勤務医の疲弊の大きな原因に、所謂コンビニ医療やモンスター患者の存在があり、市民が医師や病院を支えていく責任と役割をもっと引き受けるべきです。

         第9回14時間マラソン演説会の開催
  平成25年 5月21日(火)午前6時スタート午後8時まで、連続演説会
            せんげん台駅東口       

pdfファイル⇒B5-市政レポート2013-5