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□6/11 東京・戸田代表を囲む会 ご案内

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6月11日(火)の東京・戸田代表を囲む会は「日本政治の意思決定システムと民主党政権の失敗」です。

ゲストスピーカーは、村井哲也・明治大学講師

明治~戦前昭和と戦後日本の意思決定システムの歴史を紐解きながら、また、民主党政権のメンバーへの聞き取り調査も踏まえつつ、

民主党政権の失敗とは何だったのか、政権交代を当たり前のものとするための十分要件とは、といったことについて、お話しいただきます。

6月11日(火)18時45分から21時

「がんばろう、日本!」国民協議会事務所(市ヶ谷)

同人 1000円  購読会員 2000円

********以下に、村井氏が日経ビジネスオンラインに連載していたコラム「首相の権力~この国はどう決断してきたのか」の最後の部分をご紹介します。************

【以下 引用】

十分条件の模索へ向けて

 一方で政権交代の十分条件は、真剣に考えられてこなかった。それでも、自民党・官僚機構・業界団体のインナーサークルになかった存在が、3年4カ月にわたり権力中枢のカラクリを知った意義は大きい。その間に、情報公開は飛躍的に進展した。これを、政権交代を循環させる教訓に転化できないか。

 自民党の過去の業績は正当に評価すべきだし、現在でも相対的に「頼れる」政党だ。1993年からの政治改革は、全てが反自民に染まっていた訳ではない。支持者や識者の一部は、自民党を愛するがゆえ政権交代で緊張感を取り戻して欲しいと願ってきた。

 それでは、自民党に緊張感を持たせるべく結集された対抗勢力は、何を目指していたのだろうか。振り返るに、「頼れる中道リベラル」だった。「中道リベラル」は、非現実的な社民党でも極端な保守理念でもない範囲のものだが、問題は「頼れる」の中身だ。

 着実な外交安保や政権運営は必須だ。だが最も肝心だったのは、長期政権のしがらみでは不可能な「選択と集中」による財政規律の回復だった。これがブレア政権の「第三の道」を模した理由だったはずだし、官僚機構にはできない役割だったはずだ。

 だが、2007年の参院選でのバラマキ路線への転換、最大の看板になり得た「事業仕分け」の頓挫、急速な高齢化で最大の赤字要因となった社会保障費のタブー視が続いた。あげくの果て、政権与党になるや自らもしがらみができ始めた。これでは頼れるはずもない。民主党から日本維新の会やみんなの党に票が流れた背景だ。

 といっても、年金・医療・介護という本丸を恐れて生活保護をスケープゴートにする姿勢は、どの政党にも当てはまる。この本丸を争点化する勇気がなければ、次の対抗勢力にはなり得ない。民主党は、まがりなりにも時間をかけ組織と理念を育んできた。急造の第三極が、自民党の過剰な包括化戦略に耐えられる保証もない。

 結局は、一体性を高める政党ガバナンスに尽きる。これさえ確保できれば、新憲法は多数政党に強大な権力を与えている。内輪もめは論外として、過剰な包括政党化にも安易な路線転換にも陥らない、確かな綱領を持つ政策集団が必要だ。これこそ民主党が目指すべき純化路線だし、維新の会は漂流中の船中八策を練り直すべきだ。それができれば、マニフェストへの過剰な依存も減少するだろう。

~中略~

生き続けるシステム

 成功を収めた人物の講演会にありがちな光景がある。聴衆は、どんな秘訣やノウハウがあるのか固唾を飲む。大抵の主題は、「基本の重要さ」とか「人の絆の大切さ」。会場に落胆の空気が流れる。

 ところが、挫折と苦悩を繰り返しながら少しずつ前進し、泥まみれで成功をつかむstoryを聴くうちに見方は変わる。そうか。地道な基本を積み重ねて議論や信頼を築き上げられない人物に限って、派手な即効薬に飛びつきリーダーぶりを過剰演出するのだと。

 His Storyとはそういうものだ。時代や国が異なるのに、明確な答えを導くため「今こそ〇〇の歴史に学べ!」と謳う論者は、確実に胡散臭い。歴史は、あくまで本質を見極めるための示唆を得るものだ。

 明確な答えなどない。だが、誰もが「決められる政治」を叫ぶのなら、意思決定システムの歴史は振り返らざるを得ない。そうでなければ、将来を描くための示唆も道標もなくなるのだから。

 晩年の竹下登は、小渕恵三の次を担う人材が自民党に枯渇し始めていることに危機感を抱いていた。小泉という異端児を除けば、予言は当たった。「世代間調和」に傾きがちな風潮を嘆いてもいる。「世代間抗争」で這い上がってきただけに、重みのある指摘だ。

 竹下は自らに、若手政治家たちを鍛えていくことを最後の使命に課した。自民党の権力中枢を知り尽くした歴史体験に基づき、様々なカラクリを伝承しなければならない。それこそが、世代交代を促して、漸進的にでも意思決定システムを循環させるのだから。

「彼らは彼らなりに、今の政局が自分ですっきりしないし、わからなくなったから、親父の世代に聞いてみるということだろうね…僕のことを最優秀な語り部だと思っているのかもしれない」

 そのなかに安倍晋三がいたはずだ。再度の国家リーダーとして、歴史観の修正だけに執着するのでなく、竹下の遺言も反芻して欲しい。自らの政権を意思決定システムの歴史のなかに位置づけて将来を描くことこそ、good winnerに課せられた使命だ。

 しかし、竹下による伝承の試みは、長期政権時代のインナーサークルならではの一子相伝だ。より幅広い過去の材料から国民的な議論に支えられてこそ、意思決定システムは強靭になる。過去の歴史の情報公開が国家戦略に不可欠な理由はこれだ。

 意思決定システムとは、時代に合わせ変貌し続ける「生き物」だ。したがって、われわれは歴史のなかから示唆を得つつ、そこに生命力を吹き込み続けなければならない。明確な答えはないのだから、その模索に終わりはない。国家が存続する限り、永遠に。

【引用 終わり】

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石津美知子
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