●越谷のYES,WE,CAN partⅥ

●グラウンドゴルフ 
シリーズチーム紹介 大林グラウンドゴルフ・クラブ

● 第3回「チーム白川」総会開催報告

● 第87回白川ひでつぐ
   タウンミーティング
  ゲストスピーカー 服部正一 防災士

● 第88回白川ひでつぐ
   タウンミーティング
  ゲストスピーカー
  武藤 智・市議、菊地貴光・市議

● 一主権者の視点

● 第5回政経セミナーに参加して
  講師 廣瀬克哉 法政大学教授
  テーマ ローカルマニフェスト運動の課題と方向
  ー 議会への市民参加と統一地方選挙 ー
PDFファイル⇒トライチャレンジ_第7号_三校_0126


 今年の4月24日は市会議員選挙が実施されます。今日選挙でマニフェストを掲げることは標準装備となり、32名の市議会の改選のためのマニフェストが大きな判断基準となっていきます。
しかし何を約束するかだけではなく、問題はその実行や評価、また説明責任をどうするのかが課題であり、現職の議員は特にそのことが問われています。勿論1昨年当選した高橋市長さんも市長選挙でのマニフェストも同じです。
越谷市長選挙では達成期限を明示した選挙公約は初めてのことであり画期的でした。当選後1昨年の12月議会で「期限は明示したが、その見積もりや行程表は時間がなく作成できていない」との答弁の不十分さを差っぴいても評価できるものでした。
しかし1年たっても公約が精査されていない問題となれば全く次元をことにします。マニフェストは、選挙を通して市長と市民との約束(契約)であり全ての施策の根幹をなすもので、この公約を起点とすることは当然のことです。
だから市長が選挙前新人でさらに時間が不足した事情は十分理解できるものの権力のトップに立って1年余、20数項目の公約の見積もりも財源も行程表も発表できないのは理解し難いことです。
しかも昨年9月議会では集約できていると前言を撤回してまで答弁したにも拘らず、実際は本年2月までに集約するというものです。
さらに集約は「マニフュスト」でなく「所信表明演説等」についてやるとのこと。すでに第4次総合振興計画や前期基本計画が決定しているなかで、基軸となる市長マニフェスト実現への基礎作業さえ出来ていなくて、どうして10年ものまちづくりの最上位に位置する長期計画の策定が出来たのでしょうか。議会基本条例を最初に制定した栗山町では首長任期を基本に8年間の長期計画策定と見直しを条例で制定しており、市長マニフェストをまちづくりの基軸としています。
それは選挙での公約こそが長期振興計画であるとして民意の反映を議会の使命としているからです。
市長と議会の対立を超える“熟議”
勿論河村市長の例に見られるようにマニフェストは絶対的な政策ではなく、議会や市民との“熟議”を通してその正当性をもつものであり、その過程では修正や断念も十分あり得ることです。
しかし栗山町議会の問題意識は勿論、河村市長のこだわりさえも到達しないのが高橋マニフェストと言わざるを得ません。
さらにマニフェトは市民との約束と言うレベルから市民とのコミニィケーションのツールとして使いこなすことが求められています。
今日の高橋市政の最大の問題点は、この間民主党政権でも大きな課題となっている「官僚主導」から「政治主導」へという政治のリーダーシップが発揮されていないことです。
このリーダーシップの源泉となるものがマニフェストなのですが、市長自身がマニフェトを全ての政策体系の起点としていないため、市政全体の中で曖昧な位置に追いやってしまっています。第3次総合振興計画の延長線上にマニフェストのいくつかを散らした結果となり、選択と集中により政策の優先順位の決定など全く視野にはいらないことになっています。
 また市長の補助機関たる幹部職員の把握や指揮体制は旧態依然であり、官僚の振り付けで踊らされてきた前板川市長の「失われた12年」のツケが一挙に噴出しているようです。
 さらに深刻なのは市長も幹部職員も全くこの事態に疑問をもっていないと思われることです。

市民参加は行政と議会そして直接に

 これらの事態の解決はそう簡単ではないでしょうが、政策の決定機関である議会の機能化とその基盤である主権者の民意による点検、検証以外の手法は見当たりません。急がば回れ、困難であっても王道を歩むしかありません。
市民参加を通して常に民意の反映とその動向を冷静に判断し議会での熟議による決定に責任をもつことであり、その最大の舞台となるのが市会議員選挙です。 


2011年(平成23年)正月・街頭宣伝活動報告

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新年あけまして
おめでとうございます。

本年も宜しくお願い申し上げます。

2011年元旦午後1時より
せんげん台駅東口から、年頭の挨拶を
始め、正月3日間市内一円の街頭宣伝を
「チーム白川」のメンバーと共に行いました
ので報告いたします。

例年に比べて駅頭やスーパー等も人通りは
2303_1
少なく消費の冷え込みが感じられる中、
初参加の30代の「チーム白川」のメンバー
から、「税金の使い方、使われ方の演説箇所に
市民の注目は高い」との報告がある等、4月の
統一地方選に向けて訴えていく方向が絞れてきた
事が感じられる正月街頭宣伝活動でした。

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元旦 せんげん台駅東口、西口
2日 せんげん台駅東口~サティ前
   ~ スーパータジマ ~スパーバリュー
3日 せんげん台駅西口 ~ 新越谷コミセン前

写真は上から
2011年元旦・第1声の挨拶をする白川議員

チラシを配布する岡田さん(「チーム白川」メンバー)

演説を行う西川さん(「チーム白川」」メンバー)


(1月22日開催)
             2011.1.31「チーム白川」事務局

今回のタウンミーティングは新年度の行事が多い土曜日の昼間にもかかわらず、タイムリーなテーマとゲストスピーカーへの注目度も高く、若者や自治会長さんなど20数名の参加者で開催された。

★ 本日のテーマの前段として、有権者がリーダーを選ぶ基準を示した「地方財政の手引き」―地方財政を見る目を養おう「ゆでガエル」にならないために―(「がんばろう、日本!」国民協議会の若手会員が作成した「地方財政手引き」に越谷の現状を踏まえて作成した資料)に基づいて「チーム白川」岡村事務局長から内容説明があり、自治体への様々な形への積極的な参加が提起された。
・ 地方財政は二つの爆弾を抱えている:①これまでの負債+更なる赤字財政による財政破綻、②生産人口の減少と福祉予算の増大による財政破綻である。
・ 夕張市の財政破綻は全国共通の課題であり、議会と市民の行政への監視不足や無関心が財政破綻の背景にある。
・ 少子高齢化による自治体の財政負担は、地方都市より首都圏の都市にとって深刻な問題である。
・ 2,000億円弱の借金を抱えた越谷市において、生産年齢人口の減少と高齢者人口の増加は急ピッチで進むが、第4次総合振興計画(今後10年間の基本構想)にはそのことを見越した行財政の対応策は示されていない。
・ 今年の統一地方選は破綻回避のラストチャンスである。そのために、地域の経営ができる、個別の利益ではなくパブリックの利益を考える、市民参加を促進する等の要件を備えたリーダーを選ぶ必要がある。そして、市民が参加するには地域の活動にかかわる、事業仕分けをやる、仲間を作り住民参加で税収が増える政策を考える、選挙中に気になる候補者を探す、話を聞く、マニフェストを読む等に取り組む。

★ 市議選のローカルマニフェスト:白川議員
【市長と議会の対立構造の背景に議会の機能不全、市民の不信感がある】
・ 名古屋市や阿久根市で市長と議会が対立しているが、市長と議会で何を議論しているのか、対立点や一致点がどこにあるのかはなかなかわからない。殆どの議会は市長の提案に対して議員が賛成して終わりで、越谷市議会も例外ではなく、予算の修正は一度も行った事がない。予算の提案は市長が行うが、決定するのは議会である。議会で個々の議員が質問するだけでなく、議会として予算額の修正等が提案されなければ、議会として機能していないという事になる。
【越谷市議会として市民の意見を集約する機能が果たされていない】
・ 第4次総合振興計画について、12月議会では2日間の議論を用意していたにもかかわらず、1日で終わってしまった。これは個々の議員の質問に執行部が答えるやり方で、質問項目が無くなったことに原因がある。参考人からの意見聴取など議会としての組織的な取り組みを行う必要があった。市長(執行部)は全13地区における「まちづくり協議会」の人たちの意見を吸い上げて原案を作成しており、議会としても独自に市民の意見を吸い上げる必要があったが、そのような取り組みが行われなかった。これでは議会としての活動が市民に見えて来ない。
【政策の決定過程への市民参加のために変えるべきこととは】
・ 今自治体に求められているのは、自分たちの町が本当はどうなっており、どうなろうとしているのかを知ることである。市民参加が必要だと誰もが言う。第4次総合振興計画への市長の参加呼びかけに767人の市民が関わったが、越谷市民の0.24%に過ぎない。議会が市民参加を取り組まない理由として①日常的に議員が支援者や地域に行って市民の声を聞いており、それを反映して議会で討議されているから当然32万の市民の声が反映している、②市長が意見を吸い上げてくれるので何も議会側がしなくても良い、を挙げているが、これでは議会としての機能を果たしているとは言えない。この構造を変える必要がある。
【自立した自治体を作るための統一地方選の課題:地域分権】
・ 市民参加とは、自分たちの税金の使い方は自分達で決めるということ。現在年間約300万円前後の交付金が13地区に地域交付金として成人式等のイベント費用に使われている。これに設備費を含めて例えば約1,000万円を交付金として地区に渡し、市民で使い方を討議し、決めてもらう。どこに優先的に使われるのか、仮に必要であっても優先順位が低いものはどうするのかを協議し決めてもらう。そうすれば、議会と同じことをやっていることが体験でき、討議の公開や決定した以上は責任を持つことに進んで行く。こういうことを実践している自治体は全国では沢山ある。このシステムを作って行かなければならない。これを議会で条例を作ってもいいし、市長がそれを受けてやってもらってもいい。4月の統一地方選でこの事について会派や党派は違うが統一政策でやろうと考えている。このような政策に対する賛否を基準にして議員を選んで頂きたい。

★ なぜ市議から県議を目指すのか:山本正乃議員
【3期12年間の市議活動の総括】
・ 前回選挙戦では、①未来へつなげる安全・安心のまちづくり、②市民参加で協働のまちづくり、③教育、福祉、環境を重視したまちづくり、④子育て支援と男女共同参画のまちづくり、⑤ユニバーサルデザイン(UD)のまちづくりの5点を目標に掲げた。市長選の際に板川市長が掲げた政策を共に作ってきた経緯もあって板川市政と共に歩んできた中で、①から④までは具体的な実績を挙げ、目標を達成したと自己評価している。⑤のユバーサルデザインは、バリアフリーマップの作成や大袋駅舎の改修という個別案件のハード面だけの進捗となり、条例化等のソフト面の進行には至らなかった。
【なぜ市議から県議を目指すのか】
・ 地域医療を考える市民の活動を県につなぐ役割を担う:2008年市立病院8-1病棟の休止をきっかけに発足した「地域医療を考える市民の会」の立ち上げに関わって活動していく中で、越谷市から保健所がなくなり春日部保健所の管轄になり(2010年4月から)、救急車の搬送範囲が6市1町と広域になったことで、越谷市の地域医療の問題は市だけでは解決できない問題となっている。市と県が連携が不可欠であり、越谷市の地域医療の現状を把握した県議が問題解決に取り組む必要がある。
・ 県が今までよりも身近になる時代の県議会の役割を担う:政権が交代したが、民主党政権の迷走が続く中で、事業仕分けや社会保障費改革のプラスの部分と、労働最低賃金や年金の復活など少しづつだが確実に変わってきている成果を訴えてきた。その中で最たるものが「地域主権」= 今まで国がやってきたことを一番生活に密着した市町村がやるという考え方だ(例えば今までのひも付き補助金を一括交付金に変える等-平成23年4月通常国会で通れば実施-但し全て市町村に肩代わりという事は難しいので先ずは都道府県から)。従って、今後都道府県からお金の使い方を考えるという事が起こってくる。国で決めていた広域基準や国民健康保険や後期高齢者制度も今後の議論として都道府県単位で考えるという方向になって来ている等、市町村だけで担いきれない部分が益々増えてくると考える。
・ 埼玉県議会の女性議員の割合を高める:埼玉県議会は定員94人で女性5人 (割合:5.3%、全国指標順位:36位)。自分も二人の育児をしながら社会労働に参加していているので、是非女性議員を増やすことに寄与したいと考えている。

★ なぜ市議から県議を目指すのか:細川 威議員
【どういう人間なのか―経歴を踏まえて―】
・ 浦和市生まれ、弥栄小、北陽中、独協埼玉高、東海大工学部卒、北陸先端科学技術大学院修士課程卒、細川律夫の事務所に入所、地元秘書として4年、その後2007年4月越谷市議会選挙立候補、初当選。
・ 大学、大学院と経営工学・「ナレッジマネージメント」(人間が持っている知識をいかに創造していくか)を研究してきた。修士論文は「議員事務所のナレッジマネージメント」(いかに有権者の知識を吸い上げて代議士が政策を作るのか)。父が政治家だったこともあり、子供の頃から政治を身近に感じていた。思春期の頃は街に父親のポスターが張ってある事がイヤだったが、年を重ね社会人になるにつれて「政治家・細川律夫」かっこいいなと思うようになり、秘書を経験して政治家になろうと決心した。
【4年間市議として何をやってきたか―特徴的な議会質問から―】
・ インターネットといじめの関係に取り組んだ。インターネットはコミュニケーションツールとしては適しているが、「学校裏サイト」のように大人が気付かないところでいじめにインターネットが使われている。その辺の事に教育関係者の大人はあまりに希薄で危機感が無いので質問し喚起した。
・ 越谷市をいかにPRするかということでフィルムコミッション(以下FCと略す)を提案した。FCとは映画やCMの撮影に越谷市を使ってもらうという事。越谷市は草加・川越・春日部等のように著名な特産物でこれと言ったものがないが、越谷市を離れていく人でも郷土愛を持ってもらうようにと考えてFCを提案した。
・ 健康保険制度の可視化。現在の保険制度は財政的には危機的状況にある。原因は先程のプレゼンテーションでも言われているが生産年齢人口の減少により、保険料を支払ってもらう金額よりも医療にかかる金額の方が多くなってきている。現状の越谷市は人口も多く何とかなっているが今後どうなるかわからない。更に先程財政の仕組みがわかりにくいとプレゼーションにあったが、保健制度の金額という問題は大変複雑でわかりにくいので、越谷市の保険料はなぜこんなに高いのかを質問した。
【なぜ市議から県議を目指すのか】
・ 地域主権の推進:「地域の事は地域に住む住民が責任を持つ」ということ。そのために経営工学で言うところのミドルマネジャー、国と市町村の間をつなぐ役割としての県議が重要と考える。
・ 社会福祉環境の充実:越谷市の民生費は全体の35%(約284億円)を占めており、今後減る事はなく県と市が連携して福祉環境を整えていく事が需要だと考える。
・ 無駄使いの徹底チェック:現在県から市への支出金や補助金は45億5,000万円。効率的な支出や補助金や支出金のあり方を検証する事が必要と考える。
・ 子育て支援の拡充:私自身も1歳の子供を持つ子育て世代。なぜ子供が増えないのかを地域の実情に応じた子育て支援として取り組んでいきたいと考える。
・ 海外市場への展開:現在埼玉県では中小企業の海外市場への展開として7,500万円の予算がついている。グローバル社会の中で地方自治体が海外企業の誘致や海外市場への展開の手助けを行い、中小企業の支援に取り組んで行く事が重要と考える。

★ 質疑・応答
Q:予算の執行に関して、事業仕分け(国)と外部評価(越谷市)の評価を聞かせてもらいたい。又県議選で民主党としては何らかの統一したマニフェストは出すのか。出すとすればそこに事業仕分けは入るのか。
A:民主党として何らかの統一したものは示す予定。新政クラブがやった事業仕分けに参加したが市民参加の下でやられたので非常に良かった。県議選のマニフェストにも入れるべきと思う。
A:新政クラブの事業仕分けには参加しなかったが、外部評価自身は継続していくべきと思う。事業仕分けは先ず予算の見える化をし、その後段階的に事業仕分けをしていくべきではないか。
A:事業仕分けは地方が先で、すでに100以上の市や県が実行しており、この事業は国・県・市・民間がやるべき、又は必要なしと仕分けされている。既に右肩上がりの時代ではないので何かを諦める・我慢するということをしないと財政は持たなくなっていること、今受けているサービスを止めて自分たちにとって何が必要かを市民ともに討議していく積み重ねが必要でありそれこそ市議会議員の仕事ではないか。
Q:市民への議会報告に関してどのように行っているのか。
A:市政報告会を行っている。自分の支持者ではない人の前でしゃべるのは大変緊張したが、超党派で議会報告をしていることによって議員間の連帯感が生まれてきた。県議会でも議会報告が出来るよう提案するつもり。
A:市政報告は行っていないが、イベントや国会見学などの中で支持者の人に議会報告をしている。
A:議員にとって市政報告会では自分が決定した案件を、自分を支持する人以外の市民にも説明しなければならない。そこに会派や党派の中だけの連帯感とは違う連帯感が生まれる。市民にとって市政報告会は自分が選んだ人以外の意見を聞ける場でもある。
Q:地域に予算を下ろす件について大賛成だが、役人の壁が厚くて一旦手にした予算は中々離さないのではないか?それを打ち破る方法は何かあるか?
A:各々の地区まちづくり協議会で議論して要望書を出す事が重要。その上で、議会側でそれに賛同する議員が出て条例として議会に提案する事になる。議会で制度として決定できるが、課題は運営する市民の側にあると考えている。多様な意見を持った市民が討議して、案件の優先順位を決めて、何かを諦める合意をしていく過程をマネージメントすることが課題である。

★ まとめ
今日のようなタウンミーティングは初めてである。議会では最も激しく対立している会派の方に来ていただいて意見を述べてもらい、又参加した市民の方が話を聞いたり討議したりする、これが今までの議員の集会とは全く違っている。右肩上がりの時、市民は議員や首長にお願いしていればよかったし、議員は自分の支持者の所だけで説明をしていればよかった。今は私たち自身が少ない税金を有効に使うための判断をしなくてはいけなくなってきた。そうしないと子供や孫の世代の人に責任が取れなくなってきた。団塊以上の人がこのまま墓に行くのではなく、何かを子供たちに残していく事、これを越谷市の街づくりの基本形にしたい。個別の政策や立場は違っても、地域のことは自分達で決めて責任を持つ自立した自治体を作ることに関しては同じ認識を持つ人を選んでもらいたい。

                                      以上


平成23年1月4日
 「チーム白川」事務局             
(10年12月18日)

今回のタウンミーティングでは12月議会報告を白川議員から、「公開事業棚卸し」報告を武藤議員から、「市長マニフェスト検証大会」報告を菊地議員からうかがい、越谷市の実際の姿の一端を知りそこからの解決方法を討議していくタウンミーティングとなりました。

12月議会報告:白川議員
市長から提出された45の議案を審議した。特徴的なものに絞って報告がなされた。
【先議:首長・市会議員・職員の報酬・給与を引き下げる案件】
● 結果:首長・議員報酬約10万円/年の引き下げを全会一致で可決した。
・ 人事院勧告により一人平均89,000円/年引き下げで全体(約2,500人)で1億7,000万円の削減になる。共産党が反対したが、賛成多数で可決した。
・ 反対理由:①給与が下がると労働意欲が減退する、②公務員の給与が下がると民間の給与も下がる、③購買力が少なくなり地元の商店街に悪影響与える、というもの。
● 白川議員の賛成の理由:職員の平均年収は500~600万円だが、ここから年間9万円削られて労働意欲が下がるという職員は一人もいないのでないか。そもそも人事院勧告が対象としている給与(一人平均40万円(月額)・年収500万円)というのは一部上場企業を対象としており、民間をはじめ働いている人全体から見ても、500万というのは決して少ない額ではない。又国内消費が回っていない事は確かではあるが、大きな理由として国民1,400兆円資産の70%を持っているといわれる65歳以上の人達が将来不安のためになかなか消費にお金を使わないことを含め構造的な要因。こうした問題の政策的解決が根本問題であり職員の給与引き下げを止めて解決するものではない。
● 皆さんへの提案:賛成(反対)した議員に「何故あなたはこの議案に賛成(反対)したのか」を問うようにし、皆さんも判断基準を養っていくようにしてもらいたい。
【議長選挙、現議長(藤林議員)の辞任に伴う選挙】
● 経緯:公式には「一身上の都合」だが、実は県会議議員への立候補のための辞任。旧態然としたタライ回しや水面下での議長選びを止めることを会派代表者で確認して12月議会に臨んだはずだったのだが、各会派の議長候補者の思惑もあいまって新議長選出までジクザクした。
● 結果:石川(新政)14票、伊藤(自民)12票、金子(共産)4票、小林(公明)1票で、石川下公議員が議長に就任した。
【TPP(環太平洋経済パートナーシップ協定)に慎重に対応する意見書の議案】
● 案文:共産党が提案(TPPに入ると日本農業はつぶれるという理由で反対)、自民・公明・民主で「反対」⇒「慎重」という文句に変えて4会派で提出。
● 結果:賛成多数で可決、新政クラブは参加に積極的であり慎重論には反対で、白川議員が代表で反対質問に立った。
<市議会に対する市民の不信感についての見解>
名古屋市・阿久根市に見られるように市長と市議会の対立が続いており、市長リコール・市議会解散で選挙になろうとしている。(お隣の草加市も同じ構図で先般選挙がおこなわれた)
〇 不信の原因とその解決のための取り組みの成功例2例
議員個々人の動きは知っているが、議会全体はどうなっているのかがなかなか見えてこないのは、一義的には市民の皆さんに見えるようにしてきてない議員の方に問題があるということで次の取り組みがなされた。
* 取り組み1):消費税増税反対の請願(共産党議員紹介の住民団体)があり、総務常任委員会で論議された。旧来の委員会で議員だけで議論で決めるのはではなく、請願者(団体)を呼び、直接意見を聞き、説明してもらうことにし、委員会に来てもらって審議した。
* 取り組み2):指定管理者制度(市が作った建物の運営・管理を5年間の契約で民間に任せることを議会が決定する件)に関して。これまで殆どは「施設管理公社」(第三セクター)が指定を請け負ってきたので、公社の理事長にこれまでの実績や課題や参考意見を教育環境経済常任委員会に来て説明してもらった。
<12月議会における問題点2点>
〇 第4次総合振興計画に関する議会としての民意の集約ができなかった
12月議会で2日間の集中審議の時間を取ってあったにもかかわらず、審議は1日で終わってしまった。市長は地区まちづくり会議等市民から意見を吸い上げて原案を作成されたが、議会がその原案が提案された後、議会として市民の意見を聞くという取り組みができなかった。
〇 議長選挙の改善
議長選挙のあり方については少しずつ改善しているが、今の32名の議員の構造そのままでは駆け引きや工作等で変わらないのではないか。来年当選してくる新しい議員の皆さんと一緒に作り変える準備をしていくということでないとなかなか変わらない。
【質疑応答】
Q:第4次総合振興計画について他の市の調査等勉強されていると思うが、ヒントや具体的なものがあれば聞かせて欲しい。
A:第4次総合振興計画は理念とか概念とかの抽象的な表現が多く、表紙を変えれば日本のどの市でも通用するものになっている。問題なのは計画の最初のマスタープランだけが議会の議決事項という事。更に社会や時代の変化(例:右肩上がりの時代の終焉・生産労働人口の減少)が認識されていないとなかなか議論にならない。
Q:第4次総合振興計画に議員自身が深く携わってないと見受けられたが、市民はもっと遠いのではないか
A:その事の解決の方法の一つとして桜井地区では超党派で市政報告会を行っている。自分の支持者で無い不特定多数の人の前で、質問を受け説明をしていくようにしていかなければならず、日常的に議員が何をやっているかを見える化していく必要がある。

まちづくりへの市民参加について 「公開事業棚卸し」:武藤議員

● 開催:11月14日 新政クラブ主催で超党派の議員が集まり、「公開事業棚卸し」を開催した。市民参加者は80名位。
● 目的:1)越谷市では行政評価の手法として「外部評価」が行われているが。この手法で良いのかどうかという疑問があった。2)会派のマニフェストとして掲げていたので「事業仕分け」を実施したいと思っていた。3)板川前市長や高橋現市長にも「事業仕分け」の実施を訴えてきたが、両市長とも市でやる「外部評価」を実施し、「事業仕分け」は導入しないという答弁だった。現高橋市長との討議でも最初の「協力しても良い」ニュアンスから段々後退し、市職員の協力も得られないことになったが、事業仕分けは公の場で市民と一緒にやる事が良いと判断し、試行ではあるが説明員(本来は市の職員)も議員という形を取り、超党派の議員と共に開催した。
● 感想:外部評価が悪いわけではないが、仕分けのやり方を市民と共にできるよう、現在の外部評価の手法を改善していくべきではないか」「常任委員会や特別委員会の中で新規事業や重点事業の事業シートを作成し、委員会の活性化をするべきではないか」等多くの意見をいただいた。事業仕分けという言葉にこだわらず、事業の評価制度を良いものに変えていけばいいのではないかと思う。又政経セミナーの勉強会で事業仕分けのチームを立ち上げているが、これらの経験を次期選挙のローカルマニフェストに活かせていければと思う。

まちづくりへの市民参加について 「市長マニフェスト検証大会」:菊地議員

● 開催:11月20日 越谷青年会議所(JC)主催で検証大会を開催。市民参加者は180名位。
● 主催の青年会議所(略称JC)について:全国的な組織体。708団体/1750(全国市町村)、30/団体66(埼玉県市町村)あり、数年来各地で選挙の度毎に公開討論会を主催し、その後のマニフェスト検証大会(ここまでの実施はまだ少ないが)を開催してきている。越谷市でも昨年の市長選挙の際に公開討論会を開催し、その達成状況を市民に評価してもらうために今回のマニフェスト検証大会を開催している。
● 検証大会の目的・狙い:公約したことが口約束だけではなく、本当にそれが実行されているのかどうかをキチンと見える形、わかる形にしていく事、それを候補者・市民双方が検証していく事が目的。
● 実行する過程で苦労した点:先ず市の担当課長が「検証」という表現自体を嫌がる事もあって、市長が本当に出席してもらえるかどうかに苦労した。市長との面談の際に検証大会の意味(つるし上げではなく、選挙の際のマニフェストがどのように実行されたのか、今後どのような形で実行されていくのかを市民に説明する場として設定)を再度説明した。その後の具体的な内容を市の担当課長と折衝する際に「我々は市長になったあとの所信表明に基づいて行動しているのであり、市長になる前のマニフェストに対する実行状況の資料を出せといわれても難しい」、「マニフェストの言葉を使わないで欲しい」という表現に制限がかけられた。
● 実施した感想:検証大会後、参加したパネリストの方々と検証のためのワークショップを行った。例えば「福祉なんでも窓口(なんでも相談窓口に変更)の開設」と言うことについても「開設されたかどうか」を基準にすれば達成されているが、「住民満足度」を基準にすればどうなのかということ等が討議される等、達成状況の質的な中身の討議へと深められていった。
● 統一地方選に向けた課題:今後マニフェスト運動やPDCAサイクルという事を首長だけではなく議会サイドでも取り組まなければならないし、政党・会派やあるいは個々の議員としてマニフェストを示し、その取組み状況についての検証も市民に示していくことが必要ではないか。
【質疑応答】
Q:桜井交流館の運営協議会の委員をやっているが、今回事業仕分けで対象になり廃止が心配しているが現状はどうなのか?
A:交流館そのものは廃止とはならず今後も存続すると思うが、しかし稼動の様々な形の議論を進め、有効活用をしていく事が必要ではないのか。
A:事業仕分けは廃止が目的ではなく、使われた税金が効率的に使われているかを精査する事が目的。どの施設も稼働率を上げる事は必要であるが、稼働率を上げれば水道・光熱費も上がる(現在は水道・光熱費は市が負担)。先程述べた指定管理者制度というのは住民サービスを向上してなおかつ民間の手法で金の使い方をうまく回して行くために直営から公営に変えたのだが、果たしてこれでなじむのか?サービスは向上するのか?指定管理者制度を見直すことも必要になってくるのではないか。更に財政状況がオープンにされていない事が問題なのでその開示をし、その上で自治会の皆さんと話をしていく事が必要となってくる。
Q:現在市がやっている外部評価で越谷市の600余りある事業の仕分けが出来るとはとても思えないが、議会としては事業仕分けがいいのか外部評価がいいのかの対立軸をはっきりさせていく事に結論は出ているのか?
A:判断は難しいが削るべきものは削る必要がある。現状では外部評価に手を加えて仕分けをしていくべきと思っている。議会として事業一つ一つを精査していかなければならないと思っている。
A:今回の事業仕分けでは市民判定人というのができ、仕分け人だけでなく市民も判定に参加している。その意味で事業仕分けも進化してきている。市民の納得感というのは参加して自分も当事者として考えてみて、その上で「何でもかんでも行政がやるというのではダメだよな」という最低の責任感の上に成り立つものではないか。現在の外部評価の最大の欠点は市民参加がなされていないという点にあるのではないか。

【まとめ】:議会への不信感は相当強い。人のやっていることを検証するのは皆さん得意ではあるが、リーダーとしてやってきたことを自ら検証さえせずに選挙に臨もうとしている議員がいることも確か。そういう議員を作りだしてきた歴史がある。この不信感を変えていくのは議員も問われているが、市民も誰をリーダーに選んでいくかの基準を明確に持つことでしか不信感は払拭できない。

                 以上


2010.12.1. 「チーム白川」事務局

今回は白川議員から12月議会提出議案について、ゲストスピーカーの服部正一氏から越谷市の防災対策について話を聞き、活発な質疑応答と討議が行われました。市民の政治参加が一歩前進した会となりました。

★ 12月議会提出議案の事前説明と検討:白川議員

・ 11月30日から12月議会が始まる。市議に対しては事前に議案説明が行われる。定例議会前のタウンミーティングで、その議案を事前に市民に説明して、討議を行い議会に臨んでいる。本来は議会として市民に事前説明し、質疑・討議を経て議会が行われるべきだが、議会全体はこうなっておらず、唯一今年の3月議会の前に桜井地区市政報告会で、今年度予算案について市民に事前説明を行ったことがある。そして、議会で審議された結果が市民に報告された。市民参加を実現するためには、議会と市民が政策に対してこのような緊張関係を作る必要があり、議員が支援者・後援会の人に対して自分の手柄話をしているだけでは、市民参加は深まらない(議員と市民の関係について、例えば問責決議を受けた柳田法相の発言は、後援者に対して話されたものであるが、後援者の誰かがその発言はまずいと進言するような相互の緊張関係作りが必要であった)。

第4次総合振興計画・基本構想

・ 来年度から始まる越谷市の10年間のまちづくりに関するビジョン・理念を決める、第4次総合振興計画・基本構想が議案提出される。「基本構想」が決まれば、これに基き前期5年・後期5年の「基本計画」が作成され、3年毎の「実施計画」の作成、「年度予算」の作成という手順で越谷市の事業が進められる。「基本構想」のみが議決事項であり、「基本計画」以降は行政の裁量に任せられているため、非常に重要な決定事項である。
・ 議会では特別委員会を設置して取り組み、12月議会で2日間の議論を行って採決の予定である。しかしこれまで、議員個人としての市民の意見集約は行われているものの、議会としての市民の意見集約が行われておらず、その必要性に対する議員側の意識が弱いことが問題である。
・ 市長は市のホームページに「基本構想」を掲載し、9/1~9/30の間市民からのパブリックコメントを募ってきた。14名のコメント提出があり、部分的には修正されたが、根幹に関わる所は変わっていない。

市職員定数の改正

・ 部設置条例の改正により、職員数:2,095名が74名増員され、2,169名となる。市立病院は看護師の増員等により57名増員となる。
・ 議会事務局の定数:14名は変わらず、組織の位置付けも部の下の局のままである。二元代表制の片方としての議会が政策立案や調査の機能を発揮するためには、この部署の増員を図り、位置付けを部に上げる必要がある。そのためにも議員の質を上げることが問われている。

指定管理者の指定改正

・ 市の施設の運営を民間に委託している契約期限(5年間)が終了するため、新たな契約が行われる。中央市民会館、花田苑等市の主要施設は公募であるが、市の第3セクターである施設管理公社が一手に受注しているのが現状である。
・ 交流館は随意契約になっている。事業仕分けでも明らかになったが、施設の貸出し業務に特化したような運営になっている。稼働率を上げて収入を増やすことと光熱費等のランニングコスト、人件費を含めた運営費の削減を図り、合理的な事業運営が求められている。

質疑応答

Q:越谷市の借金が約2,000億円あり、年間10~20億円の返済額では借金返済に長期間を要し、後の世代の負担が多大となるため世代間の不公平感があるが、議会はどう考えているのか。

A:人口減少が進んでおり、特に労働人口の減少が著しい。越谷市は年間50億円以上の借金はしない方針で運営されているが、50年後に借金をゼロにするという計画になってはいない。その理由について市は子供の世代も借金分のサービスを受けるためと言っているが、子供の世代は選挙で投票できない。従って大人の世代が本気で取り組む以外に解決の道はない。借金を減らすことを含めて、どの事業にいくら税金を使うのかということが問われている。事業仕分けでも明らかになっているが、右肩上がりの「あれも・これも」の習慣を断ち切っていかなければならない。選挙の時にそのことをはっきり言って臨む候補者がどれだけいるのかということにな る。選挙後に32人の議員の中にこのような改革を目指す議員が10人いれば、事態の改善に向かうことができると思う。

Q:そのために、市民の側がどうすれば変えることに繋がるのか。

A:事業仕分けを行ったことではっきりしたが、市民の多くは「税金がそのように使われていたことを知らなかった。知れば考えることがある。」と言っている。ここに情報公開の意味があり、議員だけの枠では変えることが出来ないことが、市民との関係を起爆剤にして変えることに繋がる可能性が出て来る。

Q:市は50億円以上の借金をせず、細々と返却するという方針だが、民間企業であれば逆に50億円を一気に投資して、そこから利益を生む事業を進めてきた。議会としてはどう考えているのか。

A:50億円以上の借金をしないということは、条例で決まっているのではなく、個別の議案に対する予算措置の積み上げの結果、合計で借金が50億円を越えないということである。個別案件の借金額を議会で減額修正すれば、変えることができるのだが、私を含めて議会ではそのような修正対応を行ってこなかったため、市の方針通りになっている。従って、ひとつは借金するかどうかを含めてその事業にいくら税金を使うかを吟味することが重要である。もう一つは右肩上がりの時代の習性で補助金を貰うことを目的にしてきたやり方を変えなければならない。そして、越谷市の市税収入をいかにして上げるかに取り組むことである。市税を上げるためには市民の所得が上がる必要があり、そのための産業政策・地域興しが重要な課題である。例えば流山市では、育児・環境・教育等のまちづくり方針に安心感を持った子育て世代の流入で税収が上がり、自立的な財源確保に寄与している。この議論に議会が入らなければならない。

Q:給食センターの収入改善策として、福祉施設に配膳する案が出されたが、今ある設備を使って収入を上げる方法を考えていくべきではないか。

A:町興し、村興しは従来の一村一品運動も大切だが、複合的なネットワークが大きな要因になっている。例えば愛知県のコウノトリが飛んでくる村で、その環境を作るために水田を無農薬に変えた。子供達がエコ運動を始めて、地元で取れた米を自分達の給食にという議論が起こった。このような町が今、修学旅行の行き先として人気を集めている。過疎地であり観光地としては何もないが、そこに暮らす人の知恵や人材が注目されている。
明治維新がそうだったが、社会の変革は田舎から始まる。越谷も都心に比べれば田舎だが、農業試験場を持っている市は越谷以外に殆どない。越谷の農業技術が高かった故に出来たのであり、この財産をもう一度掘り起こしてみたいと考えている。

★ 越谷市の防災対策の現状と問題点について:服部正一 防災士

【略歴】:東京都立大学法学部政治学科卒 45才。S62年安田信託銀行(現・みずほ銀行)入社。越谷ユネスコ協会理事、越谷市演芸協会(落語)、越谷市国際交流協会、NPO法人さいたま国民を守る会等で活動。H21年越谷市長選に出馬するも落選。H23年統一地方選に向けて充電中。

防災活動への取り組み経緯

・ 銀行の子会社で人事部長職の時、首都直下型地震が起きた時に社員をどうやって安全に帰宅させるかに取り組んだ。自助・共助・公助のあり方を考える中で、地域共同体のあり方や地方自治体・国のあり方に繋がる問題であることからライフワークとして取り組むことを決意した。そして、越谷市長選に立候補し防災の観点からまちづくりの政策を訴えた。

防災活動の意義

・ 防災の話をすると、日常の生活(家計・雇用等)が大変だという理由で引いてしまう人が多いが、狭い意味の防災に終らせてはならず、日常生活を豊かに行うために市民が自分で何をしなければならないのかを考えるきっかけになり、地域での連携・絆を強める手段の一つである。
・ 地域で起きている防犯・介護・育児等の問題が顕在化するのは、当事者が孤立していることに原因がある。誰かがSOSを発した時にそれを受け取ることができる自治会等のコミュニティーが必要であり、その意味での地域力をつけることに防災活動の意義がある。

自助・共助・公助=7:2:1

1)自助:公助に対する期待感は強いが、阪神大震災等の経験から、生き残る条件の70%は自助努力によるものである。それを実現するために二つの課題への取り組みが求められる。

① リスク回避を日頃から実践する:非常時に備えて、水・笛(居場所を伝える)・ペンライト(明かり)を常時携帯する。
② 自らの限界を認識する:例えば、会社から徒歩で自宅まで帰宅する訓練を行うと、自分の体力の限界を知ることができる。そして、2時間歩けばどこからどこまで行けるということが体感で分かる。

2)共助:基本は自治会・企業との関係作り。NPOとの連携。阪神大震災の救出者の85%は一般住民が救出した。しかし、地元の煩わしいことに関わりたくないという理由で、自治会の不参加者が多いことが課題である。

3)公助:早くて3日後に来るものと覚悟すべき。それまでを自助・共助で持ちこたえる必要がある。自治体における危機管理のノウハウの有無が地域の格差に繋がる。

現状の問題点・提言

・ 首長の意識向上
* 自衛隊への距離感を無くすること。距離感のために対応が遅れた事例あり。
* 最悪事態対応への共通認識を持つ。行政の過剰対応に市民の批判が来るため、対応を躊躇しがちであるが、平時から最悪事態を想定した対応策を準備しておき、不要の場合に止める判断を行う。

・ 形式主義の弊害改善、実践的なマニュアルの運用を図る
* 防災組織を作った時に、平日地元にいる人で構成されているかどうか確認を要する。
* マニュアルが実際に役立つようになっているか、責任逃れのものになっていないか確認を要する。

・ 防災センターの整備(市長選の政策として掲げた)
* 防災機能を集約する中継基地として越谷に設置し、周辺の市を含めた広域利用を図る(政令指定都市構想の一環)。

質疑応答

Q:市議選に向けた政治のメッセージはどのようなものか。市長選と違いはあるのか。

A:防災は地域力を高める切り口と考えており、そこに市民が参加する雰囲気作りを行いたい。相模地区はレイクタウンによる交通量の増加や犯罪の増加という生活の安全確保に関わる問題が発生している。まちづくりのグランドデザインを示すことによって、解決を目指したい。市長選の時は市全体の構想を考えていたが、今は地域の活動に主眼を置いている。

Q:自治会への不参加者が多いことは、災害時に助けが必要な人の情報が入らない状況になっている。自治会とは別に防災組織を作るべきかどうか。

A:既存の自治会のネットワークをベースにした方が実際に機能すると考えている。

Q:災害時に戦力になるのは若い人だが、その人達が自治会に入るためにどうすればよいのか。

A:自治会の会報を作り、子供の誕生や訃報を載せて関心を持ってもらうようにしている。餅つき大会への参加を、PTA組織をフル活用して募り、参加者が増えてきた。関心を持つ機会を作ることが自治会や自治体の役割であり、諦めないでやっていくことが必要である。

Q:財源問題の解決方法として、政令指定都市を目指すという方向が出されたが、市民債を募るという方法も考えられるのではないか。

A:県並みの責任と権限が与えられる政令指定都市は、広域的な課題に対応する方法の一つの手段である。限りある財源をどこに集中的に使うかは、誰が市長になっても事業仕分けを行って取り組むべき課題であると思う。

Q:防災対策にはお金があればできることがあるが、国も自治体も財源がない中では政令指定都市になってもお金がついてこないのではないか。

A:指摘の通りの問題があり、地域力というソフトの力をつけて対応することが重要な課題である。

★ 全体まとめ―白川議員より―

防災活動にはあらゆる観点からの人間関係が反映される。右肩上がりの時代は、自治会も子供を中心にして拡大していった人間関係の中で活動の問題が解決されていたが、現在は簡単に解決できない課題が多い。
第4次総合振興計画が12月議会に議案提出されることを話したが、この中に防災計画が書かれている。この構想で良いのか、行政・議会・市民の間で合意を作っていく必要がある。今日は防災という分野からまちづくりについて議論したが、どういう事業を行うのか、どれだけお金を使うのかの議論を積み重ねていき、そこから自治会のあり方を振り返って考えていくことが効率的なやり方だと思う。


2010.11.2「チーム白川」事務局

 今回のタウンミーティングは前回の市議選で、行財政改革調査議員連盟(通称「議連」)が掲げた3つの統一政策について、議連としての総括がまだ行われていないので、白川議員個人としての総括について、来年のローカルマニフェスト作成に向けての話と、ゲストスピーカーに岩槻タクシーの小暮社長をお迎えして、小泉政権の下で実行された規制緩和政策の影響についてタクシー事業者の立場から話を伺った。

★ ローカルマニフェストを競う統一地方選に向けて:白川議員

岩槻タクシー勤務を振り返る 12年前の選挙で5票差で落選後、岩槻タクシー創業者の前社長を頼り、2種免許を取得して都合1年半年あまり勤務させていただいた事は、私の人生にとって大変勉強になった。乗務の際にお客様から「ありがとう」「運転手さん気をつけてね」と言う一言が非常にうれしかった。仕事に就き、家族を養い、その上でリーダーを目ざすということがないと『公職に就く』ということは理解できないのではないか。議員を辞めた後全く何もしないという人が結構多いが、バッチをつけるかどうかではなくて、一人の主権者として社会や地域のために何ができるかを理解しているリーダーとフォロアーの関係を作りたいということが私の活動の原点になっている。

前回の市議選で目指したこと
・ 議会で過半数議席(17)を獲得することにより、条例等が可決できるようにすること。
・ 13人の議員(新政クラブ:5人、自民党:4人、無所属の会:4人)により、行財政改革調査議員連盟(通称「議連」)を立ち上げ、3つの統一政策を掲げて選挙を行った。
① 行財政改革:事業仕分けによる徹底した行財政改革
② 産業支援:税収アップのための稼げるプロジェクトを作る
③ 議会改革:どの議員がどの議案に賛成・反対したかを公表する 
        
部会の活動実績 
・ 歳出削減部会: 1400億円の税金を使っている600余りの事務事業に、事業仕分け作業といわれるゼロベースの見直し作業を要望してきた。
・ 産業支援部会: 商工会・納税組合・JC等に状況把握の会合を持ち、農産物のネギのブランド化(これによって観光・農業・商業全体評価が上がり、住んで見たいと言う人も増える)等の趣旨を話した。B級グルメのブレイクに伴い、富士宮市(焼きソバ)に調査・意見交歓を行い越谷の「鴨ネギ鍋」を支援した。
・ 議会基本条例部会:北海道福島町の議会基本条例等の調査活動を行った。
・ 北部地域バス路線部会:公共交通と町づくりの関係、観光・農業との関連を含めて検討し活動した。
* 問題はこれらの活動の評価がされていないことである。この背景にある問題点は13人の議員で作ったが、市民参加ができていなかったことである。

3つの政策の自己評価点数 
① 行財政改革=40点
【成果】:副市長一人制を目指す請願署名を行うことによって人件費の削減を達成した。職員の地域手当を9%から7%へ、更に全体を順次6%(国の基準)へ下げていくことが決定した。
【問題点】:事業仕分けに関して、何度も市長(前板川、現高橋両市長)に提案するも首を縦に振らないので、議会で実施することを考えた。しかし全会派一致とはならず(民主・共産が反対)、新政クラブ独自で勉強会方式を提案したが、今度は執行部から説明員として職員は出せないということで、事業仕分けは断念という結果になった。
② 産業支援=20点
【成果】:JC・商工会・農協との意見交換を議連で行うことができた。
【問題点】:従来の産業支援はほとんどが縦割行政で、関連課が補助金の口利きとしてやってきた。今回の稼げるプロジェクトの進行の中で、横のつながり(特に人材の発掘と連携)が見えたが点としての存在確認に留まった。
③ 議会改革=50点
【成果】:二元代表制ということが曲がりなりにも浸透した。議案決議(副市長一人制条例制定、請願運動、地域手当の決議等)の公開を行った。
【問題点】:費用弁償廃止は全会一致で決まったものの、水道議会に関しては廃止されなかったように、議会全体のまとまりという点でマネージできなかった。又地域手当が7%と6%の二つ現存するということに関しての常識的な範囲での解決には進まなかった。学生議会に関して、開催したことは画期的だったが、その後若者にどう議会に関わってもらうのかは討議されず、単なるイベントしない課題が残った。

何故そうなるのか 
1. 越谷市は高度成長期に東京一極集中のおこぼれで成長してきた町である
高度成長期に、越谷市は何もしなくても人口は増え、税収は増えてきた背景がある。
2. 社会関係資本形成の限界
産業発展のために住民が苦労したとか、苦労して政治家を使って地域に税金を落とさせるとかはしなくても良かった結果、人間関係の取り方が無機質になってきたため、地域共同体としての関係性が希薄になっている。どの階層を見てもいわゆる仕切る人がいるようでいない。それは社会の各層にそういう社会関係資本ができていないということではないのか。
3. 失われた20年と板川市政12年
グローバル化に対応できなかった20年の間、板川市政に対抗する保守側の体制もできて来たわけではない。その結果官僚主導型政治があらゆるところに貫徹するようになった。首長は自分で「何かを決め、決めたことに責任を持つ」ということにはならず、市議会は市役所を敵に回さずにうまく立ち回り、擦り寄って行く傾向となり、市民の方も役所や首長や議員が何かをしてくれば良いといういわば三重苦の状態のようになってきた。この構造を各レベルで変えていくということが越谷市における主権者運動の役割である。

議員の課題と市民参加 
名古屋市の議会解散リコール、阿久根市の市長リコール、草加市の市長不信任・議会解散・市長再不信任の動きを通じて、市民の中に市議会に対する不信感が思った以上に強い事を感じる。議会が市長与党意識のままであったり、市長マニフェストの検証が行われないままで統一地方選を迎えるのであれば、議員への不信感は拭い去されない。3年前の議連の統一政策が市民参加できていなかったという反省から、現在の政経セミナーは新たなローカルマニフェストの材料を市民参加で作成しようとして取り組んでいる。

来年の統一地方選に向けて 
越谷市の現在の人口は32万人で50年後は20万人になると試算されている。人口減少(労働人口が現在の半分になる)という認識から現在の越谷市の政策は立てられていない。右肩上がりの時に培われてきた経験や発想やノウハウが全く通用しない転換期を私たちは迎えている。右肩下がり=定常化社会の主軸を担うのは若者であり、団塊以上の世代の人はそのために何ができるのかを考えるべきである。今まで経験したことのない国際政治の進行にどういう対応をしていくのか、若者は団塊以上の人々の経験も含めて学び、来年の統一地方選に備えていただきたい。

★ 規制緩和によるタクシー事業者の現状と課題について:小暮光康 岩槻タクシー社長

プロフィール 昭和36年生れの49歳、昭和60年岩槻タクシーに入社、平成11年に役員を経て、平成17年に岩槻タクシー社長に就任。現在も経営の第一線で活躍中である。

テーマの趣旨について
平成14年規制緩和が行われ、その後平成20年特別措置法(時限立法)の施行で、増減車が自由にできなくなったことで、果たして規制緩和は失敗だったのかどうなのか多様な見方がある中で、タクシー事業を営む立場からこの間の事業推移も含めてお話をしたい。

タクシーの始まり
大正元年東京―数寄屋橋で6台走り出したのが始まり。運賃は800m60銭(もりそば3銭)でかなり高い。大正時代には2,000台に増え、大正13年に大阪、昭和2年に東京で、市内均一料金の円タク(市内なら何処でも1円)が出現。昭和20年燃料不足から56社4,500台が大手4社(大和自動車、日本交通、帝都自動車、国際自動車)に合併・統合された。

法改正とタクシー事業の変遷
平成14年2月 改正道路運送法の施行により需要調整規制が廃止になり、新規参入や増車が容易になる。(参考 埼玉県 事業者数 緩和前・平成13年216社、台数6,297台 現在・平成22年214社 6,505台)これがいわゆる世間で言うところの「規制緩和で車が増え過ぎて困っている」ということの実態である。では規制緩和で何が変わったか。
平成14年2月 運行管理者は運行管理者試験制度が導入され国家資格になる。
平成14年9月 整備管理者制度が改正 事業者の責任における整備管理を徹底化するために改正
平成19年12月 タクシー料金改定  初乗り 2Km660円 →2Km710円 爾後 296m80円 →310m90円 割増 23:00~5:00 3割増 →22:00~5:00 2割増
平成20年1月 埼玉県内6,700台全面禁煙になる。
平成20年6月 改正タクシー業務適正化特別措置法が施行。前項13地区指定地域においてタクシー運転手登録制度が開始され、悪質な法令違反や重大事故をひき起こした場合一定期間乗務できなくなる。
平成21年10月 タクシー事業の適正化(減車・休車)及び活性化に関する特別措置法が施行され以下の事がタクシー業界に課せられるようになった。
(1)地域計画に即してタクシー事業の適正化(減車)、活性化に資する取り組み(他の取り組み)を実施するための特別事業計画を作成し、国土交通大臣の認定を受け、必要に応じて計画に減車(事業再構築)を記載する。
(2)特定地域における措置 ①新規参入要件の厳格化、②増車を事前届出ではなく、認可制に、③減車実施事業者に対する監査の特例、④行政処分の特例

越谷事業所のこれまでの事業実態と課題
・ 市内初の「迎車料金無料」サービスを実施
市内初の「迎車料金無料」サービスを実施した。市内初ということもあり、口コミで広がり年々本数を増やしていった。
・ 客のニーズに応えるため、無線システムの導入
タクシーは天候に左右されやすい。雨天の通勤時間帯は電話が集中し、やむを得ず断るケースがあったので、無線システムを導入し、利用頻度の多い地区に待機場所を設けて対応した。
・ 「規制緩和」「路線バスの拡充」による需要減少への対応
* エコドライブ:安全運転・省エネ運転対応としてドライブレコーダーを設置した
* 子育て支援策(検討中):保護者が同乗出来ない場合に、子供だけをタクシーに乗せるサービスを検討している

今後の創意工夫と公共機関としての役割を果たすために 
他社との差別化のためにグレードの高い車両を導入し、病院・薬品会社・企業の役員の送迎に工夫を凝らしている。直面する需要の低迷、供給の過剰、労働環境の悪化、サービスレベルの低下等の問題がある中で、公共機関としての役割を果たすために様々な工夫をしていきたい。若い人の雇用に関して、2種免許は21歳からしか取ることができない。18歳から取ることができるように法改正が望まれる。措置法は後3年間あるがその間に再規制がかかるのかそうではないのかははっきりしていないが、お客様の要望である「早く目的地へ」へ応えるための様々な総意工夫や、事故のない安全な環境作り、積極的な若者の雇用を促進し支援するための努力を推し進め、常に変化に対応できるような事業展開を行っていきたい。

★ 質疑応答とまとめ
・【市議会(議員)への不信の原因とその解決について】:不信の原因として議員が普段何をしているのかがわからないということがある。自分の支援者だけでなく反対の人の意見も含めて熟議をしていくということで不信を払拭する糸口になっていくのではないか。超党派6人で議会報告を行ってきた桜井地区報告会、大袋地区報告会も3回を迎えているが、自分の支持者でない人の前で、議案の説明をし、議決の賛成反対理由を明らかにし、市民からのシビアな意見に応える中で、各議員の格付けや位置も市民に見えるようになってきたのではないかと思う。
・【若い人の受け入れ先としてのタクシー業界の工夫について】:右肩上がりの時代が終わって20年余り   経つが、社会の変化にどう対応していくのかが私たちに最も問われている。今日の小暮社長の「迎車無料」の話にもあったように、社会の変化に応じて市場のニーズをいち早く取り込んで対応していくことが示された。またお年寄りや子育て世代を対象とした取り組みが示された。特に子育て支援というのは単に保育所を作れば良いというだけではない。〈病後保育の例など〉子育て世代の人が安心して暮らせるような社会参加をどう促進させていくのか。社会の変化は劇的に変わってきており、その変化に応じた社会の枠組みを変えていくことが政治の役割になっている。タクシー業界もバス業界も生き残りをかけて取り組んでいる。市民にとってもイノベーションが不可欠である。
                                    以上


2010.10.2 「チーム白川」事務局1497_0
今回は白川議員からの9月議会報告と共に、社会福祉士の橋本哲寿氏から介護現場の状況と課題について話を聞き、討議を行いました。前回と同様にテーマに関心を持った人の初参加があり、熱気のある会となりました。
★ 9月議会報告:白川議員
9月議会で市長提出議案として、①条例の制定・改正案件などの一般議案、②H22年度補正予算案、③H21年度決算議案が審議されたことが報告され、昨年の政権交代から市長選、今年の参院選・民主党代表選を経て大きく変化している社会情勢の中で市議会がどういう状況にあるのかという視点から提起がなされた。

民主党代表選から見えてきた「依存と分配政治」から「自立と分担の政治」への転換
                     
・ 参院選後に国民が厭戦気分(自民党はダメだったが、民主党もダメ)にならず、民主党政権に対して長い目で落ち着いた見方をしていた。そして両陣営共に、候補者個人だけではなくチームとして政策・演説等の対応を行ったので、党員だけでなく国民が政策論議に参加して代表選は注目された。
・ 今回の代表選で初めて政権マニフェストを巡る議論が行われ、双方の違いが国民に見えるようになった。
* 小沢氏:マニフェストは国民との約束であり守るべき・・・ex.子供手当ての満額支給等のために無利子国債を発行することが提案されたが、旧来の税金を分配する自民党的政治と変わらず、1,000兆円の借金を抱えた状態では疑問視される政策であった。
* 菅氏:マニフェストは守るべきではあるが、財源との関係で修正は止むを得ない・・・消費税増税は国民の70%が賛成しているが、何に使うのかが明らかにされず、迷走に繋がった。財政と社会保障の関係について十分な説明が必要である。
・ 代表選の得票結果から、永田町(国会議員)と国民の意識が大きく乖離していたことが浮き彫りになった。

【菅:小沢の得票率】
・ 国会議員   51%:49%
・ 地方議員   59%:41%
・ 党員・サポーター  60%:40%
* 世論調査    70%:16%
(共同通信 H22.8.28)

図表参照(クリックしてください、拡大します)

・ 衆院選で国民は旧来の自民党政権の「分配政治」ではダメだと判断して政権交代を選んだが、参院選では改革に対して迷走を続けた政権にお灸を据えた。国民の政治参加は、旧来の“投票はするが後は白紙委任する”対応から、“国民との約束(マニフェスト)がどのように実行されたのかチェックする”対応に変わったことが、代表選を通じて一層鮮明になった。「依存と分配政治」から「自立と分担の政治」への転換をしていかねばならない。

市長選のマニフェストはどのようにして実行のチェックが行われているか 

・ 昨年10月、越谷の市長選では初めて政策の実行期限を明示したマニフェストが出されたことは高く評価されている。これを如何にして実行していくのかが市長の課題であるが、政策を実現するための実行計画(見積、実施工程表、財源)が市民に明らかにされていない。
* 市立病院の赤字経営の原因である看護師不足解消のために独自の奨学金制度を作る政策はマニフェストの項目であったが、6月議会までは見積、実施工程表、財源がどうなっているのか、明らかではなかった。9月議会でやっと議案として提案された。
* 本来、市長選マニフェストに基いて、議会で所信表明演説が行われ、今後10年間の市政方針となる第4次総合振興計画に繋がるべきと考え、これらの優先順位について質問したが、市長はすべてが優先されるとの回答であり、結局優先順位が決まっていないことが明らかになった。

国政の転換と越谷市議会の課題

・ 地方議会は与党・野党の関係ではなく、選挙で市長を支援した議員も支援しなかった議員も市長が市民と約束したマニフェストをどのように実行していくのか議会でチェックし、市民に報告する役割と責任がある。地方議員は全員が野党の立場に立って点検・検証すべきであるが、現状の議会はそのように動いてはいない。
* 第4次総合振興計画の基本構想が12月議会に提案されるスケジュールで進められている。議決されれば次に具体的な前期5ヶ年の基本計画作成に進むが、これ以降は議会の議決事項にはなっておらず、行政が単独で決めることができるので、市民の意見を反映させるために議会での討議が必要と考えている。
* 2,000億円の負債を抱えた中で新たな事業を行うためには、事業の優先順位を明確にすることが課題であるが、市は事業仕分けを行わず、現在の行政評価を高く評価している。そして議会として事業仕分けを行うことに全会派の合意が得られず、新政クラブとして進めていくことになった。
・ 片山総務大臣が就任し、補助金を廃止して一括交付金化する等の自治分権に向けた政策が促進され、自治体間の格差が広がることが想定される。これに対応できる自治体作りが急務であり、統一地方選の課題である。

★ 介護現場の状況と課題について:橋本哲寿 社会福祉士

【略歴】:関東学園大学経済学部卒 34才。知的障害者入所更正施設に勤務後、H16年社会福祉士資格取得、H19年居宅介護支援事務所「寿」・H21年社会福祉士事務所「寿」を開所、コスモス福祉教育学院講師、越谷市地域自立支援協議会委員。地域活動として越谷ケアマネの会“ひだまり”幹事、桜井地区コミュニティー推進協議会等に従事。
冒頭にゲスト参加したこの機会を通じて、タウンミーティングを85回も続けている白川議員の政治姿勢から学びたいこと、福祉の現場で知的障害者の生き方が制限されていることに疑問を感じたこと、同伴した同僚の大塚氏と共に介護の現場で様々な問題に取り組んでいることが話され、テーマの内容に入った。

措置から契約へ

・ 介護保険制度の施工により、従来、行政府が職権で必要性を判断し、処置を決定するやり方が、利用者が選択できる制度に変更された。ここで判断能力が低下した人(ex.認知症の人)が不利益を受けないように成年後見制度が導入され、補助・補佐・後見が行わるような実質的な改善が課題となっている。

介護保険が何故必要なのか
  
・ 日本社会の高齢化や核家族化の進展により、要介護者を社会全体で支えるためにH12年4月より介護保険制度が導入された。具体的な背景として以下の要因が挙げられる。 
① 高齢者人口の急激な増加:日本は欧米の先進国が100年かかった社会の高齢化に30年の短期間でたどり着いてしまった。1970年に「高齢化社会」、1994年に「高齢社会」、2007年に「超高齢社会」へと進んだ。
② 女性の負担増:介護に携わっている人の85%が女性である。
③ 介護者の高齢化:核家族化の進展により介護者の50%以上が60才以上の高齢者である(老老介護)。
④ 介護期間の長期化:平均寿命が延びて、在宅の寝たきり高齢介護者の半数は介護期間が3年以上である。

介護保険制度の現状と課題

・ 保険対象者:①第1号被保険者(65才以上)、②第2号被保険者(40才から64才まで)となっている。
* ①は介護が必要になった原因は問われないが、②は16種類の原因が指定されている。
・ 財源:税金が50%(国:25%、県:12.5%、市町村:12.5%)、上記①:30%、上記②:20%である。
* 保険対象者の保険料は自治体によって異なる(自治体の保険料収入と経費のバランスで決まる)。
・ 地域包括支援センター:介護事業の運営を担う組織。中学校区基準で設置することになっており、越谷では役所内の地域包括総合支援センターを含めて11ヶ所で行っている。
* 運営協議会:意思決定機関であるが、実質的には行政主導になっており、現場の声が生かされない。
* 地域見守りネットワーク作り:民生委員、自治会長、ボランティア団体等との連携作りが課題である。

質疑応答

Q:制度を有効に機能させるためのルールを作る上で現場の悩みは何か。
A:現場は介護サービスの提供を行うことで精一杯のため、制度を考える余裕がない。介護の質が上がらない仕組みである。安定的な介護サービスを提供する上で、最低賃金のベースアップも重要な課題である。
Q:障害者自立支援法と介護保険は一本化できないか。
A:サービスをチームで行うためにマネージャーの役割が大切だが、現状では障害者に対応するケアマネジャーがいない問題を解決する必要がある。
Q:制度が危ないとのことだが、財源の対応としてどのようなことを考えているのか
A:消費税での対応や、40才以下の人を含めた国民全体で負担することも考えられる。

★ 全体まとめ―白川議員より―

市民参加が必要だと誰もが言うが、市政の重要な計画がコンサル会社に丸投げされていること、現場のルールを役所が決めている現実があり、パブリックコメントを出しても何も変わらない。議員の意見が1/32でしかない現状を変えて、議員が市民の意見を集約するシステムを作らなければならない。情報公開と市民参加は一対のものであり、そのための取り組みが必要である。 


2010.8.28 「チーム白川」事務局

今回は、9月議会の課題について白川議員からの話と同時に、私達の安全・安心に関わる「地域医療」の問題を、医師会と連携して取り組んでいる歯科院長の日高健二氏をゲストにお招きした。最初に司会より、各戸に配布されている市議会議員(主に民主党系議員)のレポートについての紹介と評価があった。

★ 白川議員からの提起
熟議の国会がスタートした
・ ねじれ国会とは何か。(マスコミ等は参院選の結果、ねじれ国会はよくないという報道だが)アメリカ・イギリス等でもねじれが普通であり、地方議会でも首長と議会とのねじれはよくある事だ。ねじれ状態だからこそ、集中した論議で熟議を尽くせというのが民意ではないか。
・ 問題はねじれでオープンに議論が行われてこなかった事(談合や水面下で物事が決まり、どこで何が決まったのかわからないという事)にある。その意味で今後の国会運営は(与党は可決することだけ、野党は可決させないことだけが目的という55年体制の国会運営とは根本的に違い)法案を提出し熟議をして決定をしていくという事が国会改革の共通の認識として生まれてきたのではないか。
参議院選挙の結果から                        
・ 民主党は比例で500万票、自民党は250万票、票を減らした。(国民は自民党政権に戻して欲しいということで投票したわけではない。政権交代時に掲げたマニフェスト実行の不十分さに対して国民がお灸をすえた。)又タレント候補の落選に見られるように、メッセージの発信力のない候補者は落選する。医師会推薦の候補者は自民・民主ともに落選。歯科医師会・看護協会推薦は唯一当選したが、これまでの宗教団体・労働組合候補は票を減らすか落選をしている。民主党が減らした500万票の多くはみんなの党に行ったと思われるが、みんなの党がキャスティングボートを握るところまではいっていない。
・ 右肩上がりの時代の分配政治が終わり、21世紀型の政治・経済システムに挑戦・対応が求められる。市場と民主主義の関連性がない政党(社民党、共産党、国民新党など)は票が取れなかった。
民主党代表選
・ 9月に民主党の代表選挙が行われるが、上記で述べたような参院選の総括なき(敗北の原因が国民に明らかにされないままで)代表選挙になっている。又9月は時期的にも来年度予算編成(純粋に民主党が与党になって初の)に集中(政策の要諦が予算編成に出る)すべき時で有るにもかかわらず、予算編成の指針は、国民には全く見えてこない。民主党の代表選で党員とサポーターを含めた代表選挙は8年間行われていない。民主党の代表選挙とは内閣総理大臣を決める選挙であり、地方議員も投票する選挙であるにもかかわらず、地方議員からはこうした動きは一切聞こえてこない。(前述の民主党の各議員のレポートにはどなたも一切触れられていない)
・ 中央は地方の事は関係なく地方も中央の事は関係ないということであれば、選挙互助会とどこがちがうのかということになる。内閣総理大臣を決める選挙であるからこそ、広範囲に国民的な議論を巻き起こしていくことでなければこれまでと同じという事になるのではないか。
国と越谷市議会の関係
・ 一括交付金について。いままで補助金を貰うために地方の目線は「上」(市であれば県)に向いていて、そのための必要書類を何百ページも書く事が役所の仕事だった。それが変わるということ。地方の裁量が増えるということになり、何にお金を使うのかの説明や合意が文字通り重要になってくる。また同時に国は社会保障制度では最低の基準は何かということを示す事が必要になってくる。
・ 消費税論議でも同じ。社会保障費が毎年1兆円以上増えていく中で国民の70%以上の人は消費税を上げざるを得ないと思っている。確かにムダを削るという事はやらなければならないが、それだけで対応できる事ではなくなってきている。故に問題は何に税金を使うのかを明確にし、そのための説明責任がより一層問われてくる。
新しい公共について
・ 今までの補助金はほとんどが公共事業(橋や道路を作る)に使ってきたが、事実上行き詰ったということ。民主党の成長戦略は介護・医療・教育や地域経済に税金をシフトしていこうとするもので、右肩下がりの中での産業構造の変換を伴うものである。これ自身は正しいが依然として分配政治から抜け出せていない。
・ 例えば「フローレンス」(病後児保育)=NPO法人の会社の例。全国で150箇所ある。(越谷市にはない)会社そのものが社会的貢献を目的とした上で、なおかつ従業員はメシを食っていけている。厚生労働省がこれを学んで病後児保育のモデルをつくった。財源は補助金。その結果何が起こったか。上記のシステムで回っていたものに補助金をつけたが故にダメになってしまった。新しい公共を考える上で市民セクターをどう作るのかという事が射程になくて補助金を入れたらどうなるのかの典型例。       
越谷市長マニフェストの点検・検証と越谷議会の現状
・ マニフェストは予算に反映されているのか?「選挙の時のマニフェストに従い、全ての事業を見直したうえで選択と集中という取り組みとはなっていないが、なぜこうなるのかといえば、議会側がこのマニフェストを点検・検証しなければならないという共通認識に立っていないということの証佐にほかならない。さらに、各議員のレポートに、3年前に自分自身が掲げた約束はどこまでなされたかは一切触れられていない。市長のマニフェストを問う市会議員自身が自分の公約に何が書かれているかさえも言及されていないという双方の現実があることを、まず主権者市民は知っておかねばならない。
・ 第4次総合振興計画(10年間)の素案が12月議会に提出されるが、つい先日5年間の前期基本計画が提出された。10年間の基本計画が議会で一旦議決されれば、前期5年間の年度予算案はこの基本計画に基き役所が計上することになる。市会議員は(市民も)関与できない。こういう重要な文章が決められようとしている。自治基本条例は曲がりなりにも市民の参加があったが、何故今日のような大きな転換期において10年間の基本計画に市民が参加するという事になっていないのか?大きな問題を抱えている。
・ 9月議会は決算特別委員会となる。日程は9月1日から始まり、6,7,8日に一般質問となる。(白川議員も今回は質問に立つ)

★ 歯科医師会の活動と地域医療:日高健二 歯科院長
スエーデンの例から
・ 何故税金が高くても潤っているのか。こうした国民の感覚は何十年の間に蓄積されてでてきたもの。歯医者が一時期経営できなくて国外に出たとか、患者さんがスエーデンの治療費が高いために外国で治療を受けるという時期もあったが、今は税金が高くても良い治療が受けられて、なおかつ老後の生活が安定し、国民の心の豊かさが感じられる。
地域医療としての8020運動(80歳になっても自分の歯を20本以上保つ運動)     
・ 「8020運動」は1989年にスタートして今日まで浸透してきた。20年前に立上げ2000年から2003年までに20%UPしようという目標が25%まで達成できた。今後は50%を目指しているが医科関係との連携がないと達成は難しい。何故25%まで達成できたのかといえば、市民への啓発活動ということに歯科医師会が尽力してきたからだと思う。
市民にどういうことをやっているのか
・ 6月4日の歯科健康デーの歯科検診、節目検診など10項目以上にわたっていろいろな啓発活動をやっているがまだまだ知られていない。大人の80%以上が歯周病と言われるが、近年、心臓病・脳梗塞・誤嚥性(食物を気管支に飲み込んで起こす)肺炎・糖尿病と歯との関係が明らかになるにつれて、より一層の啓発・指導が求められている。来年より市立病院に口腔外科が開設される。
・ 何故総合病院に歯科がないのか?日本は専門学校の時代から、医科と歯科の2本立てだったことによる。近年口腔ケアの重要性から医科と歯科の関連性が重要視されてきた。
・ 8020社会をつくるということは健康で長生きする社会を目標にしている。
政党と歯科医師会の関係
・ 歯科医師会の綱領には「政権政党と歩む」というのがある。60年間自民党支持だったが今回民主党に変わった。国民医療としてどうあるべきか?という点から考えると自民党、民主党の区別はないと思う。国民医療として歯科治療をどう行っていくのかといえば、やはり政権与党に頼らなければならないことも事実だが、今の時代は政権与党と言ってもどうなるかわからないというのが実際のところ。現在の歯科医師会の目標として、現在国レベルの基本法と都道府県レベルの条例とが繋がっていない。その繋がりを8020社会を作るという目標の中で実現して公的なバックグラウンドを作る方向に持っていきたいと思っている。これに関しては民主党も自民党もない。
・ 診療報酬に関しても正当な評価をされていない。患者さんに予防的な診療をしてあげたくても、現在の診療体系では予防的なものは殆ど点数に考慮されていないため、やればやるほど赤字という事になっている。従って治療に関しても予防的な事は国レベルではなく個人レベルでやれと言う事になっている。「治療より予防へ」ということに社会全体がシフトするようになっていけば、歯科医師会全体もそれで採算が合うようになってくると思う。それをアピールする上で、市民・議会・行政の力を借りるということだ。
・ こうしたことを正当に評価してくれる政党を応援するということである。こうした事が非常にはっきりしてきたので今回の選挙は非常にやりやすかった。

★ 質疑とまとめ
・ 紙面の都合で簡単に記すが、白川議員への質問として、3年前の統一地方選挙における「議連」の3つの約束の進捗状況に対して各議員はどのように感じているのか、あるいはマニフェストの業績評価で「あれをします、これをします」というバラマキの話ではなく、税収を増やすことを案として提出するということはないのか等、マニフェストの原則的なPDCAサイクルに添った形での質問や、右肩下がりのなかで、あるもの探し=何でメシを食っていくのかに繋がっていくような質疑になっていった。
・ 日高先生の話で、これほど明確に「社会的存在としての歯科医師」像を語っていただいた事はなかったのではないかと思う。出席者からは「目からうろこが落ちた」とか「歯医者の見方が変わった」という声が相次いだように、これまで(羨望と怨嗟の感情を含めて)高額所得者としてしか見ていなかった歯科医師像が、地域医療を推進し、市民の健康、高齢化社会の安全・安心に貢献する医療機関としての役割と、そこに向けた地道な努力を知ることが出来た。
・ 「正当な評価をする政党を応援する」というスタンスから、私たち自身もリーダーを選ぶ資質を高めていくことだ。                              
以上

今後の日程

次回タウンミーティング
日時    9月19日(日)   午後2時より 
場所    白川ひでつぐ事務所
         皆さんお誘いの上、ふるってご参加ください


2010.8.3  「チーム白川」事務局

連日の猛暑の中で、第83回タウンミーティングは、「イノベーションが始まった参議院選挙」―越谷市が抱える問題との関係とは―というテーマで開催致しました。地元での夏祭りが開催されている最中のお忙しい時にご参加いただき有難うございました。今回は参議院選挙の結果を受けての討議を中心に行いました。

Ⅰ.参議院選挙について

★越谷での投票結果はどうであったか

・ 一番の高投票率は、南団地自治会投票所で 61.72%
・ 一番低かった所は、荻島地区センターの 46.69%
・ 平均投票率は 54.73%(全国平均は 57.92%。国政選挙では2004年の参院選の 56.57%に次ぐ低さ)
・ 特徴としては、投票率の高かった上位7つの投票所に、桜井地区が3ヶ所入っていたこと。とりもなおさず、政治意識・関心が高いといえるのではないか。

★越谷市での選挙区の得票結果

・ 大野候補(民主党・新人):約29,000票 当選→島田候補と2人合わせても前回より大きく得票数が減少
・ 西田候補(公明党・現職):約27,000票 当選→前回よりわずかに得票数を減らす
・ 関口候補(自民党・現職):約26,000票 当選→前回より大きく得票数を減らす
・ 小林候補(みんなの党・新人):約20,000票 落選→前回との比較は出来ないが、健闘した
・ 島田候補(民主党・現職):約19,000票 落選→前回より大きく得票数を減らす

★越谷市での比例区の得票結果

・ 選挙区とほぼ同じような傾向が見られる。
・ みんなの党が、小林候補の得票数より 3,000票多い。3年前(2007年参院選)と比べると、自民・民主・共産・社民の各党とも得票数を減らしており、微減の公明党を含めて全国の傾向を同じような結果になっている。みんなの党は、公明党を抜いて野党第2党となった。

★全国的に見た特徴

・ 労組団体、業界団体、各種団体党の組織票をバックにした比例区の候補者が軒並み得票数を減らしている。
・ タレント候補と言われた人達も5勝20敗であり、凋落傾向がはっきり見て取れる。
・ つまり業界、宗教団体、労働組合などの中央集権的組織選挙の終焉であり、タレント候補の人気も通用しないことが明確になった。

Ⅱ.参議院選挙の結果から何が見えてくるか

★民主党敗北の原因は消費税か?

・ 消費税増税を言ったから民主党が敗北したのだろうか? 自民党はマニフェストにはっきり消費税10%と書いてある。多くの国民は、財政全体から見て増税止むなしと考えており、消費税増税と言ったから民主党が負けたのではないと思われる。消費税は白黒をつけるほど単純なものでないことは国民は理解している。
・ 日本は今、本当はどうなっており、どうなっていくのかを言い切れなかった人が落選したのではないか。

★政権交代の意味は何だったのか?

・ 昨年の政権交代で国民が期待したのは、戦後60年間続いた分配政治の限界を感じており、民主党に政権を任せたのであり、政権交代後の9ヶ月何を変えようと努力し、何が障害になっているのかを明らかにして訴えた人が当選している。
・ 小鳩体制では30議席を切るというマスコミの世論調査があり、両者が辞任した経緯がある。ここにも分配政治に決別すべきという民意が現れている。

★熟議の国会がスタートした

・ 決して自民党が勝ったわけではないことは、比例区の結果を見てもわかるが、「ねじれ国会」は本当に良くない事な のか? 国際社会では普通のことであり、日本においても3年前の「ねじれ」でこれまで国民に見えなかったことが見えるようになった。
・ 今後の国会では与党も野党も責任が問われる。法案は国会の会期内に成立しなければ廃案になるため、与党は数の力で法案を成立させようとし、野党は会期切れの廃案に持っていくことを目指した戦術を駆使するという国会運営がなされてきたため、公の利益という観点から政策の内容の討議が行われて来なかった。
・ 国民が判断した絶妙の投票結果は、国会の議論の仕方を変える、国会改革にとって絶好のチャンスである。国会で政策の中身に対して十分な議論を行い、合意形成を図るという本来の議会への一歩を踏み出すことが問われている。
「熟議」の国会という政治のイノベーションが始まる条件が整った。

Ⅲ.越谷では何が始まろうとしているのか!

・ 来年度の国の予算案は、70兆円と言われているが、依然として予算をつけることに力点があり、これからは予算を削ることに注力しなければならず、越谷市も全く同じであるがそうはなっていない。
・ 市長選においてもマニフェストが大きな焦点となったが、高橋市長も掲げていたのでその点検・検証を議会で行っているが、市民の立場でも点検・検証を行う責任がある。

★第4次総合振興計画

・ 越谷市の今後10年間の計画が来年度より始まるので、今年の12月議会で決めようとしている。市の一番大切な計画であり、ここに記載されないものは予算が組めないので、議会として特別委員会で審議、対応しているが、議会として住民や関係者の意見徴集等の「市民参加」への対応が必要である。

★小中学校の耐震化工事

・ 100%やるには、あと72億円が必要で5年かかるというのが現在の対応である。しかし最優先の課題であり事業の優先順位を決めることが必要。これによって行政サービスを切られる団体や市民にはきちんと合意を取り付け、何にお金を使うのかを市民の間で討議して決めることが必要である。

例えば、老人福祉センターの運営費:2億円、敬老祝金:6,300万円を対象として、右肩上がりの基準で 作られ、運営されていることを成熟社会の基準で見直し、どこに税金を集中投下するのか、決めていくことこそが求められている。

・ また、市立病院会計の赤字は減ったが、まだ黒字にはなっていない状況。これからの越谷の舵取りをどのようにしていくのか、議会が市民の意見を聞き、議会で討議することが問われている。

Ⅳ.質疑応答・討議

Q:教育振興基本計画は議会での議決事項ではないと言われたが、市民にはとてもわかり辛いので、もっと市民にわかり易くするための方策は?

A:議会は例えば、第4次振興計画の素案を、まちづくり会議の代表の人に来て説明してもらっても良いし、市と連携している県立大学や文教大学の先生に議会で意見をだしてもらうことも出来る。国会改革がなかなか進まないように、市議会を変えることも大変だが、桜井地区でやったように、議会が開催される前に市民の意見を聞くなど決定するまでに出来うる限り市民の声や当事者の意見を吸い上げることが重要。

Q:議会に問題があると感じている人はいるが、一歩踏み出すことは難しいことであると感じている。議会で多数派を形成するということを市民側も考えていかねばならないと思う。問題点を絞り込んでいくための議員側からの提案はないか?

A:既に選挙モードに入ってしまったような討議からは、何も見えて来ないが、今問われていることに答え切ることだと思う。国の民主党政府と同じ様に地方議員が問われていることと同じ性格のものだと思う。

Q:一度、議員も市民と衝突してみるということをしないと、本気にならないのではないか。

Q:参院選でみんなの党を応援してみた感想は、上下関係ではなくコミュニケーションを重視した選挙活動であった。
インターネットでのつながりをそのまま持ってきたような感じ。候補者にどれだけのアピール力・メッセージ力があるかがとても重要だが、みんなの党が自力で取った票であることは間違いない。

A:仲間を作る時に、選挙互助会でない組織を持てるかどうかが重要。それが参院選で問われた第2ステージということである。

Q:1人区での自民と民主の議席獲得数の大きな差をどう見ればいいのか?

A:今回ほど地方の有権者が悩んだことはなかったと言えるくらい「塾考」したのではないか。自民党に政権を戻したいと言う人は多くはないが1人区における公明党の協力や公募型候補の健闘が目立つ。

Q:小中学校の耐震化が5年後というのはまずいのではないか。72億円というのは何かを削ったくらいで出せる程簡単なものではないが、一市民として正直あまりに遅すぎると思う。

A:市長はまず、こうなっているという事実をしっかりと市民に示して欲しい。72億円全額をすぐに市は出せるわけではないが、市民から借金をすることも出来る。

Q:市債を発行する時、なぜ国債より高い・低いという議論になってしまうのか。買う側の市民としては、一定の額が集まると思う。市民である自分に出来ることはないかと考えると、署名運動をやるしかないのではと思う。

A:3月議会に向けて署名等を行うなど市民運動としても展開すべき課題かもしれない。

Q:値引き債という考え方もある。99万円を預けてもらい、10年後に100万円をお返しするというのは、市民にわかりやすいと思う。

Q:桜井地区の市政報告会が継続されていて、大袋地区でも市政報告会が始まったという現実は、確かに議会が変わりつつあり、この歩みを止めてはならない。明らかに議員と市民は近付いている。市立病院の赤字も待ったなしである。政治は政策で勝負していくもの。私は若い人達に責任を持ちたいし、若い人は力を結集し、アイディアを出して欲しい。

Q:8月26日に市長のタウンミーティングが予定されているので、学校耐震化と市立病院の赤字解消については質問して市長の考えを聞きたい。

A:政策・マニフェストと口では言っても、その意味が違って捉えられることはよくある。政策・マニフェストで選挙をするという政治文化をぜひ確立していきたい。

【本日の討議に参加して】:事務局のまとめ

・ 当たり前のことを当たり前のように進めるということが、本日の討議の中で確認できました。「ねじれ」があるから前に進めないのでしょうか? そうではありません。前に進めないことの理由に使ってはいけないと思います。
・ 本格的な第2ステージの始まりなのに、どうしても選挙ということが目に入らざるを得ないという現実の中で、この現実を見据え、現実を変革するという活動の歩みを早めていきたいと思います。

           以上